派遣社員は派遣会社を介して企業に勤めている人のことを指し、勤めている企業ではなく派遣会社に雇用されています。
年々派遣社員の人数は増えてきていると言われていて、「派遣社員で働きたい」と思っている人も多いでしょう。
では、20代から派遣社員として働くことはアリなのでしょうか?
この記事では20代から派遣社員として働くメリット・デメリットについて詳しく解説していきます。
目次
20代で派遣社員の人は多い?
20代で派遣社員として働いている人は多いのでしょうか?
結論からお伝えすると、20代で派遣社員の人は年々増えてきています。
20代で派遣社員で働くという選択をする理由は下記の通りです。
- 自分のスケジュールでシフトを組める
- 仕事に対するプレッシャーが少ない
- すぐに辞めることができる
- 正社員よりも楽な仕事が多い
- さまざまな職種で経験を積める など
以上のように20代で派遣社員として働いている人にはさまざまな理由があります。
特に20代は家庭を持っていることも少なく、親を養わなければいけない人も少ないと思うので、派遣社員でも生きていくことが可能です。
そして2020年に「派遣法」が改正されました。
そのことによって派遣社員の「派遣社員の同一労働同一賃金」が実現して、満足度も高まりました。
2020年に派遣法が改定されたばかりなので、まだ正社員の方が多いですが、いずれ派遣社員の方が多くなる可能性も否定できません。
派遣社員は日本で143万人!正規雇用よりも少ない実態
20代で派遣社員として働く道を選ぶ前に、労働者全体でどの程度派遣社員がいるのかを知っておきたいですよね。
一般社団法人日本人材派遣協会の調査によれば、2020年1月~3月の総労働者数は5561万人、そのうち派遣社員として働くのは143万人と約2.5%のと算出されています。
(参考:一般社団法人日本人材派遣協会「労働市場における派遣の規模」より)
労働者全体でみると派遣として働く人は少ないことがわかるでしょう。
もちろん他の労働者の区分に、正社員だけではなく自営業者・フリーランス・フリーターやパートも含まれます。
しかし全体でみるとこれだけ少ないため、必ずしもメジャーとは言えないのが現状です。
20代から派遣社員で働くメリット
上記でお伝えしたように20代で派遣社員として働く人は多いのですが、20代から派遣社員で働くメリットはあるのでしょうか?
20代の派遣社員が多いということは、それなりのメリットがあると思うので、考えられるメリットをご紹介します。
派遣社員で働こうか悩んでいる人はメリットを参考にしてみてください。
採用してもらいやすい
派遣社員は正社員よりも採用してもらいやすいというメリットがあります。
派遣社員は正社員よりも企業にかかる負担が少なく、企業側も派遣社員の方が歓迎していることが多いです。
「採用してもらいやすいということがメリット?」と思われた方も多いと思いますが、採用してもらいやすいため希望している職種・企業に勤めやすくなります。
特に20代は基本的に素直で吸収力が高いため、未経験の職種でも採用されやすいです。
20代でも希望する職種・企業に勤めやすいことは、派遣社員のメリットになるでしょう。
アルバイトより時給が高い
派遣として働くよりもアルバイトとして働きたいと考えている方もいますが、派遣はアルバイトよりも時給が高いので、生活が楽です。
実際に都内で派遣求人を探した場合と、東京都の最低賃金を比較すると、以下の通りになります。
派遣求人時給都内平均 | 1578円 |
---|---|
最低賃金 | 1013円 |
(参考:厚生労働省東京労働局報道発表資料)
もちろんアルバイトでも派遣と同じ給料で働けることもあります。
しかしアルバイトで雇用される場合、企業内で一定の基準を満たさないと健康保険制度には加入できません。
つまり自分で国民健康保険に加入して、全額自己負担で社会保険料を支払うことになります。
一方で派遣登録して派遣会社で働き始めると、派遣会社が加入している保険に加入できます。
不満があればすぐに辞めやすい
派遣社員はあくまで派遣会社に雇用されているということになるので、派遣先の企業に不満があればすぐに辞めやすいというメリットがあります。
正社員だと入社して数日で「辞めます」ということは難しいと思いますが、派遣社員はそれが許されます。
仕事に対する不満・ストレスがなく生活することが可能です。
さらに「すぐに辞められる」という気持ちで働くことができるので、「仕事が嫌だな」と思うことは少ないでしょう。
極端な言い方をすれば「嫌になれば辞める」ということができます。
少し自分勝手なメリットかもしれませんが、派遣社員の1つのメリットになるでしょう。
楽な仕事が多い
派遣社員は正社員と比べて、楽な仕事が多いというメリットがあります。
上記でもお伝えしましたが、派遣社員は勤めている企業に雇用されているのではなく派遣会社に雇用されているので、企業側も大きな仕事を任せようとはしません。
基本的にはルーティンワークが多く、慣れてしまえば楽な仕事が多いです。
しかしその分仕事に対するモチベーションは保ちにくく、やりがいは感じにくいです。
「楽な仕事をしたい」と考えている人には、大きなメリットになるでしょう。
特に事務仕事などの単調な入力作業ですので、気負う必要もありません。
仕事をするときに精神的に楽なのは、ストレス社会の日本では仕事に求める重要な要素です。
同年代と比べて時給は高め
派遣社員は同年代の正社員と比べて時給が高いというメリットがあります。
派遣社員の平均時給は1,624円とされていて、月収に換算すると約27万円もらっていることになります。
それに比べて正社員の平均月収は厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」によると、20歳〜24歳が「21万3,200円」、25歳〜29歳が「24万5,700円」です。
派遣社員の27万円よりも少ないということになります。
もちろん職種や企業によって時給は変わりますし正社員にはボーナスもありますが、時給だけ見ると派遣社員の方が圧倒的に高くなります。
同年代と比べて時給が高いことは大きなメリットになるでしょう。
資格の勉強をする時間が取りやすい
派遣社員は資格の勉強をする時間が取りやすいというメリットがあります。
上記でもお伝えしましたが、派遣社員はルーティンワークが多いので残業がほとんどありません。
さらにシフト制を設けている派遣会社もあるので、自分の時間を取りやすいです。
20代正社員の場合は現職の仕事が第一優先になってしまい、資格の勉強どころか自分の時間すらまともに確保することはできないでしょう。
20代のうちに取得しておきたい資格の勉強ができることは、派遣社員のメリットになるでしょう。
副業をしやすい
派遣社員は副業しやすいというメリットがあります。
上記でもお伝えしたように派遣社員はシフト制を設けていることもあり、基本的にはルーティンワークになるので、自分の時間を作りやすいです。
そして何より派遣社員は「副業OK」です。
正社員の場合は副業する時間がないかもしれませんが、前提として「副業禁止」な企業がほとんどです。
派遣社員として働きながら副業でもお金を稼ぐことができれば、もっと時給は高くなるでしょう。
しかし派遣会社によって副業OKなのかNGなのか決まるので、副業をする場合は就業規則などを確認するようにしましょう。
20代のうちから副業ができることはメリットになるでしょう。
正社員より派遣社員がいい?それぞれのメリット・デメリットを比較
働きながら経験を積んでスキルアップのチャンス
派遣社員の中には未経験でも雇用してもらえる派遣先もあります。
働きながら資格の取得サポートが用意されているところもありますので、キャリアアップも実現できます。
一定期間で派遣期間は過ぎるため長期間働けませんから、同じ業種の知識を深めるのは難しいですが、様々な業界の知識を集められるので博識さ磨きがかかるでしょう。
同じ業種で働いていれば、次の派遣先で知識も活かせるので、紹介予定派遣で正社員雇用を目指すことも可能です。
20代から派遣社員で働くデメリット
20代から派遣社員で働くメリットをお伝えしましたが、デメリットもあります。
派遣社員で働く人が増えてきているということは、メリットの方が多いのかもしれませんが、悩んでいる人はメリットだけではなく、デメリットと比較して判断するようにしましょう。
正社員としてのキャリアを積めない
20代から派遣社員として働くと、正社員としてのキャリアが積めないというデメリットがあります。
正社員としてのキャリアがないと、いざ「正社員として働きたい」と思っても採用してくれる企業は少ないです。
また、20代から正社員としてのキャリアを積んでおくことが、30代、40代のときに企業で活躍する近道になると思います。
日本では派遣社員に対する偏見は少しからずあるので、正社員のキャリアが積めないことは大きなデメリットになるでしょう。
責任のある仕事を任せてもらえない
派遣社員はあくまで派遣会社の雇用されている人材になるので、勤めている企業から責任のある仕事を任せてもらえないというデメリットがあります。
責任のある仕事がなければプレッシャーもかかりませんし、仕事が嫌になることも少ないでしょう。
しかし仕事に対するモチベーションが保ちにくく、やりがいなどは全く感じないと思います。
仕事は正社員でも派遣社員でも生活の中心になるものだと思うので、仕事でのやりがいがないとやる気も起こらないでしょう。
「責任のある仕事をしたい」と思っている人にはデメリットになります。
給料がなかなか上がらない
派遣社員だと、給料がなかなか上がらないというデメリットがあります。
上記でもお伝えしましたが、派遣社員は時給制です。
勤務年数に応じて給料が上がることもありませんし、成果を出しても昇進することはないです。
そのため20代のうちは同世代よりも時給が高いかもしれませんが、年を重ねるごとに正社員の給料の方が高くなります。
仮に30代で東京都平均派遣時給1578円で平日フルタイム(8時間)働いた場合の月収と、正社員で働いた時の月収を比較してみましょう。
派遣社員 | 252,480円 |
---|---|
正社員 | 284,800~317,100円 |
(参考:厚生労働省令和元年賃金構造基本統計調査 結果の概況)
30代になると上記のように、3万円~5万円程度の差が開いていきます。
派遣会社によっては勤務している年数によって時給が上がったり、インセンティブなどを設けてくれる場合もありますが、頻繁に給料が上がるわけではありません。
また正社員として働くと、企業からボーナスを支給してもらえます。
派遣社員でもボーナスを支給してもらえることはありますが、支給額が心もとないことがほとんどです。
年収で見れば同年代に大差をつけられてしまうことかほとんどです。
劣等感を覚えやすい
派遣社員は劣等感を覚えやすいというデメリットがあります。
企業の中の立場では正社員方が偉く、見下されることも少なくありません。
また上記のようなデメリットを感じて仕事をしていると自然と劣等感は覚えるでしょう。
派遣社員でも劣等感を覚えない人は、何か目標があって働いている人だと思います。
例えば、資格を取得するという目標のために派遣社員として働いている人は、劣等感を覚えることはないでしょう。
少しでも「派遣社員」ということに後ろめたい気持ちがあると、劣等感は覚えやすくなります。
生きている中で劣等感を覚えることはデメリットでしょう。
【派遣社員のデメリットと実態】登録する前に知っておきたい派遣の知識
20代以降は派遣として働きづらくなることも
転職と同様に派遣業界でも、仕事を紹介してもらいやすい年齢が決まっています。
20代は若くアグレッシブですから、様々な企業が求人を出しています。
20代のうちに派遣として敬遠を積んでいるのなら問題ありませんが、なんのスキルも獲得しないまま時間が過ぎていくと、紹介してもらえる求人が減っていくことがあります。
企業としても経験値がありスキルもある人材を求めていますが、年齢だけ上がっていった人材には魅力をあまり感じません。
20代で積極的に活動し、派遣と並行してアピールできる何かを獲得しておかないと、30代になってから派遣として働き続ける時に不利に働いてしまうことも。
派遣社員と言えど、自分磨きやスキルの習得を余念なくおこなうことが重要なのです。
住民税は自分で納付しなければならない
派遣社員として働いたとしても、住民税は自分で納付しなければなりません。
正社員として働いていると、住んでいる自治体の金額に基づいて住民税の金額を決定し、給与から毎月天引きしていきます。
給与から天引きされる形態を「普通徴収」と言います。
しかし派遣社員はその逆、「特別徴収」が適用されるので自分で納付書に沿って支払う必要があります。
いちいちコンビニで支払わなければなりませんし、納付方法が一括か4半期の2パターンしかないので、毎月きちんと住民税の分を給与から取っておかないと支払えなくなってしまいます。
管理が面倒くさいので、正社員で働いた方が労務管理上のメリットが非常に大きいです。
20代で派遣先をうまく見つけるにはどうする?
派遣で働く一番のネックは、派遣期間が切れるタイミングに合わせて、働きながら次の求人を消化してもらわらなければならない点です。
次の派遣先が決まっていないのに、派遣を切られてしまうのは収入的な不安もあるでしょう。
派遣先を途切れさせないためには、複数の派遣会社に登録して求人を優先的に紹介してもらいましょう。
派遣といっても一定期間雇用されるわけですから、ある程度は希望の条件を通したいところですよね。
複数の派遣会社に登録しておけば、それぞれの担当者がみなさんに合った求人を紹介してくれるので、気に入った求人を選んで応募できます。
また選択肢がいくつか用意されているので、派遣先がなくなる心配もないでしょう。
担当のコンサルタントが求人を紹介してくれない場合は、優先的に紹介してもらえるように、求人紹介を急かしてみるのも一つの手ですね。
自発的に動いて、良い求人を見つけていきましょう。
20代で派遣として働いたら正社員雇用は難しい?
20代で派遣として働く検討をされている方の中には、「一度派遣社員として働いたら正社員に二度と戻れないんじゃないか…」と不安に感じている人もいるでしょう。
派遣社員は確かに正社員よりも位置づけが下に見られることもありますが、正社員に戻れないなんてことはありません。
派遣として働いた後に、正社員求人に応募しても企業とのマッチングによっては雇用してもらえる可能性も十分にあるためです。
そもそも正社員で求人を出している企業の雇用条件に、前職は正社員の人のみとは記載されていません。
転職はマッチングが命ですから、企業の求める人物像とみなさんのアピールがマッチングすれば、正社員雇用は実現可能です。
派遣には紹介予定派遣という入社前提の求人もありますので、積極的に活用していきましょう。
スキルが少ない方でも働けるように、未経験者向けの求人を紹介してくれる転職エージェントもありますので、積極的に活用していきましょう。
将来設計がないならとりあえず正社員がおすすめ!
20代で派遣社員として働くメリット・デメリットをお伝えしましたが、将来設計がない場合は正社員として働くことをおすすめします。
「資格を取得したい」「20代でさまざまな職種を経験したい」などと20代から派遣社員として働くことで何か将来設計ができている場合は、そのままで問題ないと思います。
しかし派遣社員だと劣等感を覚えやすいですし、年を重ねるごとに正社員の方が給料も高くなります。
一時的な感情ですと派遣社員が魅力的に見えるかもしれませんが、将来のことを考えると正社員としてキャリアを積んでおく方が良いです。
将来設計がないから派遣社員として働くのではなく、将来設計がないからこそ正社員として働いておくことをおすすめします。
20代におすすめ転職サイト・エージェント
派遣社員から正社員になるためには、転職する必要があります。
個人で転職活動をしても良いのですが、転職サイト・エージェントなどのサービスを利用した方がスムーズに正社員に転職することが可能で、希望している条件通りに転職できる可能性が高まります。
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