50代になると、20代の頃に思い描いていた人生設計通りに生きられている人の方が少ないのではないでしょうか。
- 50代になってもバリバリ働こうと考えていたものの、体力の低下によってこのまま働き続けるのが難しい
- 管理職になり給料は上がったが、やりがいを感じられなくなった
- このままでは老後資金が不安
このような考えに陥る人は多く、働き方に対する悩みは尽きないものです。
しかし、これらの不安や不満を解決するために、脱サラという選択肢もあります。
本記事では、50代から脱サラしたいと考えている人に向けて、脱サラの難易度やメリット・必要な準備・起業方法・おすすめの職業など、詳しく解説します。
人生100年時代において、50代はまだまだ中盤です。50代からの脱サラに向けて、本記事がサポートいたします。
50代での脱サラは厳しい?
そもそも脱サラ自体難しいもので、50代での脱サラはさらに厳しいものだと考えている方が多いです。
確かに、50代での脱サラは容易ではないかもしれませんが、決して厳しいわけではありません。
日本政策金融公庫が発表した「2024年度新規開業実態調査」によると、新規事業開拓者のうち、20.8%は50代でした。
さらに60代以上で開業した方も6.3%を占めており、4人に1人は50代以上で開業していることが確認できます。
50代での脱サラは決して珍しいものではありません。
- 50代の脱サラは増えている
- 50代で脱サラする動機
上記の2点についても解説します。
50代の脱サラは増えている
日本政策金融公庫が発表した「2024年度新規開業実態調査」によると、2015年の50代の新規事業開拓者は15.4%でした。
2024年の最新のデータでは20.8%まで上昇しており、約10年で50代の脱サラ人口が増加していることが確認できます。
また、終身雇用が崩壊しつつある現代の社会において、転職するのは当たり前であり、さらに高いキャリアを目指すために脱サラを考える方も少なくありません。
50代で脱サラする動機
50代で脱サラする動機はさまざまです。
- 昇進の可能性が低くなった
- 会社の将来に不安がある
- 住宅ローンの完済や子どもの独立によって資金の余裕ができた
- 体力の低下によって働き方を見直したい
- 副業が軌道に乗ってきた
- 人脈を活かして独立できると感じた
若い方はポジティブな動機で脱サラする人が多いものの、50代の脱サラはネガティブを解消する目的の場合も多いです。
たとえば若い世代では職場環境を変えたいといういネガティブな感情があっても、金銭的な余裕やスキルがないため脱サラが難しいですが、50代になればお金もスキルも持っているため、脱サラという選択肢が生まれやすくなります。
脱サラする動機は人それぞれで、若年層の脱サラよりもたくさんの動機が考えられそうです。
動機が違えば脱サラ後の目標も違うため、目標に近づける働き方を探しましょう。
50代での脱サラがおすすめな理由
50代での脱サラがおすすめな理由は以下の3つです。
これらは50代ならではの理由であり、若年層の起業と比較して大きくアドバンテージになります。
- スキルや経験が備わっている
- 豊富な人脈を活用できる
- 資金力がある
それぞれ解説します。
スキルや経験が備わっている
50代までキャリアを積み上げてきた方は、スキルや経験が備わっていることでしょう。
大卒から働き始めた方は、50代までに約30年の就労経験があります。人生の半分以上を仕事に捧げたことになります。
50代は、知識のない状態から仕事のいろはを学び、厳しい状況を絶えぬき、部下を育成することでマネジメント能力も鍛えられ、多くの経験を積んできた年齢です。
脱サラして、新たなことに挑戦する際も鍛えてきたスキルや経験が活かされますし、若手よりも問題解決力が鍛えられているため、脱サラで失敗しにくくなります。
豊富な人脈を活用できる
50代での脱サラは豊富な人脈を活用できます。
脱サラは容易に進められるものではないため、協力者の力が必要になる場面もありますが、人脈の豊富な50代は有利です。
また、どれだけスキルがあり、優秀なサービスを展開できたとしても顧客が見つけられなければ売り上げになりませんが、人脈は取引先になることもあります。
強固な人脈を形成できているのであれば、脱サラに対しても応援してくれるでしょうし、独立が進めやすくなります。
脱サラ後に人脈を見つける必要もあるため、豊富な人脈を築いてきた対人スキルそのものが脱サラに活きることもあるでしょう。
資金力がある
20代や30代での脱サラと比較して、50代の脱サラは資金力があります。
日本の企業は年功序列な人事制度が根強く、多くの企業では年齢が上がるごとに給料が高くなる傾向が強いです。
50代になると年収が高くなるだけでなく、子どもの独立や住宅ローンの完済など、資金に余裕が生まれる時期でもあります。
金融広報中央委員会が発表した「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和元年)」によると、20代と50代の貯金額の比較は上記のとおりとなりました。
20代の場合、貯金額が100万円以下の人が半数を超えており、貯金に回せるほどの生活費がない方も少なくありません。
一方、50代は1,000万円以上貯金している人の割合が36%となっており、資金に余裕があることが考えられます。
脱サラ後に仕事が軌道に乗るまで時間がかかることも少なくありません。そのため、資金力が高いほど成功しやすく、50代の起業は軌道に乗るまでの期間を耐えやすくなります。
50代で脱サラするメリット
50代で脱サラするメリットとして代表的な3つを紹介します。
- 働き方の自由度が高くなる
- 収入の上限がなくなる
- 自己実現を追求できる
多くの方がこれらのメリットを求めて脱サラしていると考えられます。それぞれ詳しく解説します。
働き方の自由度が高くなる
サラリーマンとして働いている場合、会社のしきたりや上司の発言は強く、ある程度束縛されて働くことになります。
脱サラすれば、1人で働いたり、序列として最も高い位置に立てるようになるため、自由度が高くなります。
サラリーマンよりも働く時間が多くなる可能性があるため、自由な時間を確保しづらくなるかもしれませんが、不本意に拘束される時間は圧倒的に少なくなります。
日本政策金融公庫が発表した「2024年度新規開業実態調査」に記載されている開業動機(複数回答可)として、「自由に仕事がしたかった」と回答している人は、56.9%にも及びます。
子どもや住宅ローン、貯金などのためにサラリーマンとして頑張ってきた方も、50代を迎えてそれらの理由が薄くなったことで、自由な働き方を目指す人が多いようです。
収入の上限がなくなる
脱サラすれば収入の上限がなくなります。
国税庁が発表した「令和5年分 民間給与実態統計調査」によると給与所得者5,076万人のうち、年収1,000万円以上を稼ぐ人の割合は5.5%と一握りでした。
サラリーマンの収入はある程度決まっているため、頑張りが収入に反映されづらく、年収1,000万円を超える額を稼ぐのは非常に難しいでしょう。
しかし、脱サラすれば売り上げのほとんどが自分の手元に入ってくるため、収入の上限がなくなり自分次第でサラリーマンよりも圧倒的に稼げるようになるでしょう。
日本政策金融公庫が発表した「2024年度新規開業実態調査」の開業動機(複数回答可)に、「収入を増やしたかった」と回答している方は45.1%に上り、開業した方の半数近くは収入アップを目的としていることが考えられます。
自己実現を追求できる
マズロー心理学の欲求階層で最終段階に位置するのが、自己実現欲求です。

多くの欲求が満たされると、自分自身の可能性を確かめることに満足感や達成感を覚えるようになります。
- 自分らしく働ける
- やりがいが感じられる
- スキルアップできる
- 社会貢献につながる
自己実現の形はさまざまですが、脱サラすることで追求しやすくなります。
失敗すると自己責任になりますが、達成したときの喜びはどんな仕事よりも大きなものとなることでしょう。
50代で脱サラするデメリット
50代で脱サラするメリットは大きいですが、デメリットもあります。
- 経済的なリスクが高くなる
- 脱サラ後の再就職が難しい
メリットに対する魅力だけで行動するのではなく、デメリットを天秤にかけて判断しましょう。
経済的なリスクが高くなる
50代での脱サラは、サラリーマンとして働くよりも経済的なリスクが高くなります。
特に住宅ローンなどの固定費が高い方は注意が必要です。
50代で脱サラして、すぐにサラリーマン時代と同等の稼ぎが手に入れられるとは限りません。入念に事業計画を練っても頓挫する可能性は十分にあります。
元手が少ない状態で脱サラに踏み切るのは危険ですし、失敗しやすくなるでしょう。
資金調達する選択肢もありますが、失敗したときの経済的リスクは変わりません。
使える金額の上限を決め、それ以上の出費が必要になれば撤退すると設定しておけば、資金のリスクが低くなりますし、セルフマネジメントにも有効となるでしょう。
脱サラ後の再就職が難しい
「脱サラに失敗しても再就職すれば問題ない」と考えて、脱サラに踏み切る人も少なくないでしょう。
確かに、50代での転職は難しいものではありません。しかし、50代で脱サラ後の再就職となると難しくなる可能性があります。
- 在職中に転職活動を始められる
- 転職活動時間をかけられる
- 転職できなくても現職の仕事がある
- 再就職先を探すのに充てられる時間や余裕がない
- 再就職先を妥協しがち
本来、脱サラして成功しているのであれば、再就職先を探す必要はありません。
一般的な転職活動とは違い、脱サラ後の再就職を考えている時点で経済的にも精神的に追い込まれている可能性が高いです。
脱サラ前と同程度の企業への再就職は厳しいかもしれません。
脱サラの不安材料を排除するためにも、50代の転職状況を確認しておくことをおすすめします。
50代で脱サラに成功する人の特徴
50代で脱サラに成功する人の特徴を紹介します。専門的なスキルも必要ですが、成功するためにはどのような仕事にも活かせるポータブルスキルが重要です。
- 豊富なキャリアを積んでいる
- 柔軟に考えられる
- セルフマネジメント能力が高い
- リスク管理ができる
それぞれ解説します。
豊富なキャリアを積んでいる
豊富なキャリアを積んでいる人は脱サラに成功しやすいといえるでしょう。
豊富なキャリアとは、客観的に見て「この人は経歴が素晴らしい」「うちの会社に来て働いてほしい」と思ってもらえるレベルのことを指します。
- 高い専門性を有している
- 即戦力を求められるポジションに採用されたことがある
- 多くの部下を束ねた経験がある
- 人望や人脈に定評がある
豊富なキャリアを積んでおり、周りがそのキャリアを理解しているのであれば、脱サラを考えていると伝えても驚かれることなく背中を押してくれることでしょう。
柔軟に考えられる
脱サラすれば、サラリーマン時代と違い誰も責任をとってくれません。失敗は自分自身の損失として降ってくるだけです。
ビジネスの場で市場は常に動いているため、物事を柔軟に考える力が必要です。柔軟性がなければ置いていかれますし、柔軟性が高ければ臨機応変に仕事に臨めます。
また、凝り固まった考え方は脱サラの成功を阻害します。顧客の提案に対しても、柔軟に対応できる方が成功しやすいでしょう。
セルフマネジメント能力が高い
セルフマネジメント能力とは、自分を律して思考や感情、行動をコントロールする能力のことです。独立するのであれば必須のスキルといえます。
「まだ資金に余裕があるし気楽に考えよう」「先方の返信が来るまで休もう」と考えてしまうような方が脱サラして成功するのは厳しいです。
目標を設定し、それに向かって適切に行動し、振り返って次の行動に活かすというサイクルを自然に行える人はセルフマネジメント能力が高いといえます。
また、独立すると休みの取り方も自分次第です。
成功のために猪突猛進し、結果的に体調を崩してしまっては意味がないため、必要に応じてセルフケアを行うのもセルフマネジメントに必要な能力です。
リスク管理ができる
50代で脱サラに成功する人はリスク管理が行き届いています。
一朝一夕で手に入るスキルではなく、経営層に近い位置で働かなければ身につけるのが難しいスキルとなるでしょう。
- キャリアを活かした仕事をする
- 撤退ラインを決めておく
- リスクの少ないビジネスモデルを考える
- 1社と単価の高い仕事を受注するのではなく、複数の会社から分散して仕事を受注する
まずは小さくビジネスをスタートさせ、継続することを考えながら徐々に規模を大きくしていきましょう。
また、1人の力でビジネスを進めるのではなく、専門家からのアドバイスを積極的に聞き入れましょう。
50代で脱サラに失敗する人の特徴
併せて50代で脱サラに失敗する人の特徴も紹介します。思い当たる節がある方は要注意です。
- スキルや人脈が不足している
- 体力が低下している
- 資金力が足りない
- プライドが高い
それぞれ解説します。
スキルや人脈が不足している
50代での脱サラにおいて、スキルや人脈は若年層よりも突出した武器になります。
その武器が不足していれば、成功は厳しいかもしれません。
50代で脱サラし、独立して事業を始めるとなると、これまでの経歴からスキルやノウハウに期待して発注してくれる顧客も多いはずです。
しかし、スキルも頼れる人脈もなく、質の低いサービスしか提供できないとなると、すぐに事業は縮小していくことでしょう。
スキルも人脈も少ないのであれば、少ない武器でも戦える市場がないかを確認した上で脱サラを検討しましょう。
体力が低下している
体力が低下していると、脱サラの成功が難しくなるでしょう。
50代になると必ず体力に影響が出てきます。「今も毎日働いているし大丈夫!」と一蹴できるほど簡単な問題ではありません。
たとえば、大手と変わらない程度のクオリティで、大手よりも柔軟に短い納期で提供できるのであれば契約できる見込み客がいるかもしれません。
しかし、体力的な原因で短い納期で提供できなければ、優位性がなく仕事につながりにくくなるでしょう。
自分のペースで仕事できるのが脱サラのメリットですが、自分本位なだけでは仕事の獲得に影響が出ることもあります。
資金力が足りない
資金不足は脱サラの成功を大きく左右します。
綿密なビジネスプランを作成しても、外的要因によって事業を軌道に乗せられないこともあります。
資金力があるに越したことはありませんが、だからといって貯金や老後資金に手をつけることはおすすめできません。事業が失敗した際のリスクがさらに大きくなってしまいます。
元手が少ない状態で脱サラしたいのであれば、少ない資金力からスタートできるビジネスに取り組みましょう。
プライドが高い
プライドの高さが脱サラの成功を妨害するのはよくある例です。
若年層の脱サラと比較して、50代の方は仕事のスタイルが確立されすぎている場合があります。
よくいえば、迷いがなく仕事のスピードが早いと捉えられますが、悪くいえば、柔軟性が欠けていると捉えられてしまうでしょう。
- 人を頼るのが苦手
- 非を認められない
- 自分を過大評価している
- 舐められたくない
- 意見を曲げられない
脱サラは容易なものではないため、手段を選ぶ必要はありません。
しかし、プライドの高い人は自然と選べる手段を限定しているため、脱サラの成功率が低くなります。
また、プライドが高い人は自分のプライドの高さに気づきにくいため、上記の特徴に当てはまっている方は要注意です。
50代の脱サラに必要な準備
50代の脱サラに必要な準備を3つ紹介します。
ほかにも必要なものはありますが、独立してどんな仕事に取り組む場合でも最低限必要になる3つをピックアップしました。
- 事業計画
- 業界や市場の情報
- 開業資金
それぞれ解説します。
事業計画
起業したり、事業を起こしたりするのに事業計画は必須です。
事業計画書は、開業資金を銀行から借りる際の判断材料として必要になりますが、銀行から借り入れなくても作成すべきです。
- 起業の目的が明確になる
- 顧客や売上の見通しを立てやすくなる
- 競合や市場の調査になる
- 頭の中が整理される
事業計画書を作成したら、第三者に確認してもらい改善点がないか判断してもらいましょう。
意見を取り入れながら精度の高い事業計画書を作成することで、事業はより成功しやすくなります。
業界や市場の情報
業界や市場の情報集めも必須です。
脱サラする多くの方は、これまで働いてきたのと同じ業界で働くことになると思います。
しかし、会社に属していたことで自動的に得られていた情報は手に入れられなくなるため、能動的な情報集めが必要になるでしょう。
特定の地域に特化して仕事を受注するのであれば、地域の調査も必要です。
軌道に乗るまでの最初の数ヶ月は重要な期間になるため、無闇に行動するのではなく、十分に下調べを行い方向性を見定めてスタートしましょう。
開業資金
脱サラの成功は開業資金によるといっても過言ではありません。
多くのお金があれば、事業が軌道に乗るまでの期間を耐えられます。お金を理由に事業撤退を余儀なくされることも少なくなるでしょう。
十分な開業資金を用意できないのであれば、負担にならない程度に生活費を見直す選択肢もあります。
事業計画書を作成すれば銀行からの借り入れも可能です。事業の内容によっては借り入れが必須となることもありますが、返済義務というリスクを背負うことになる点に注意しておきましょう。
50代の脱サラに向いている仕事の特徴
50代の脱サラはやりたいことに手を出すのではなく、向いている仕事に取り組むことをおすすめします。
- キャリアの延長線上にある
- 少ない初期投資で始められる
- 安定した集客や収入が見込める
- 在庫を抱える必要がない
- 収益性が高い
50代の脱サラに適切な仕事の特徴を5つ紹介します。
キャリアの延長線上にある
50代で脱サラするなら、キャリアの延長線上にある仕事を選びましょう。
30年近く営業職を続けてきたのに、飲食店などの関連性のない仕事を始めるのが脱サラに失敗するよくある例です。
脱サラは叶えたかった夢に近づけるチャンスかもしれませんが、簡単に叶えられるものでもありません。
50代での脱サラに成功しやすいのは、これまでのキャリアを活かして働けるからです。
最低限、業種と職種のどちらかは変えず、自分のキャリアが活きる仕事を選びましょう。
少ない初期投資で始められる
50代での脱サラ後の仕事は、少ない初期投資で始められるものを選びましょう。
投資がかかるということは、それだけリスクが増えることになるため、初期投資が少ないに越したことはありません。いざというときに使える資金を残しておきましょう。
キャリアの延長線上の仕事であれば知識も経験もあるため投資の必要がありませんが、未経験の業界に飛び込むために勉強会やセミナーに参加すると費用がかかってしまいます。
まずはスモールビジネスとして少ない投資でスタートさせ、軌道に乗せられると感じたタイミングで投資するのがベストです。
安定した集客や収入が見込める
安定した集客や収入は、需要と言い換えることもできるでしょう。
どれだけ自分がよいサービスだと思っていても、それを受け取ってくれる人がいなければ仕事として成立しません。
そのために市場を調査し、需要があるか見極めましょう。
逆に考えれば、需要がある市場を見つけられれば、キャリアを積んでいなくても成功できる可能性があります。顧客を探し、マーケットインの考え方を取り入れましょう。
在庫を抱える必要がない
在庫を抱える仕事は、50代の脱サラ後の仕事として向いているとはいえません。
在庫を抱えても売れなければ損失となります。処分しなければ損失とはなりませんが、食品のように期限がある在庫も存在します。
サービスを提供する仕事や受注生産となる仕事、在庫を持たずに販売できるアフィリエイトなどがおすすめです。
脱サラ後の仕事は、リスクとなる要因をできる限り排除できる仕事を選びましょう。
収益性が高い
収益性が高いビジネスとは、以下のようなものを指します。
- コストが低い
- ランニングコストが低い
- 労力に対する売り上げが大きい
- 少ない人件費で稼げる
具体的にはアプリ開発、オンラインビジネス、コンサルティングなどがあげられます。収益性が高いビジネスを選べば、自動的に収益が得られるシステムを作ることも可能です。
一方、収益性の低いビジネスとしてあげられるのが飲食店です。
競合が多く、売り上げの幅が激しくなりやすいです。1人で始めることが難しく、高い回転率が必要になるため難易度が高くなります。
50代におすすめの脱サラ起業方法
50代におすすめの脱サラ起業方法を紹介します。主な起業方法は以下の3つです。
- フランチャイズで開業する
- フリーランス(個人開業)
- 会社を立ち上げる(法人開業)
自分に合った方法を選択しましょう。それぞれ解説します。
フランチャイズで開業する
フランチャイズは、低リスクで開業したい方におすすめの方法です。
フランチャイズとは、店舗数を増やしたい本部が加盟店を募り、本部からノウハウを提供してもらえる代わりにロイヤリティを支払うことで成り立っているビジネスモデルです。
コンビニエンスストアや飲食店、小売店などはフランチャイズによって運営されていることが多いです。
- ブランド力を活かせる
- ノウハウが得られるため未経験でも成功しやすい
- リスクが低い
- 加盟店同士のつながりが生まれる
- 加盟金やロイヤリティの支払いが必要になる
- ブランドが起こした問題の風評被害を受けやすい
- 自由に経営できない
フランチャイズは多くの恩恵を受けられますが、拘束される部分も多いです。
サラリーマンとして働くよりも稼ぎが増える可能性はありますが、自由な働き方を目指したい方はほかの手段を選択することをおすすめします。
フリーランス(個人開業)
フリーランスとして、個人で開業する選択肢もあります。
フリーランスは自分のペースで働きながら、自分の強みを活かせる仕事を受注できるため、脱サラ後の選択肢としておすすめです。
- 初期投資が抑えられる
- 自由度が高い
- 好きな仕事を選べる
- 高収入を目指せる
- 専門性の高いスキルが必要
- 社会的信用が低くなる
- 仕事の獲得が難しい
フランチャイズのように、開業するための資金がかかりませんが、集客や仕事探しの難易度は高くなります。
また、自分のスキルや人脈を頼りに仕事を進めなければならず、営業や経理などのマルチタスクを求められる点も頭に入れておきましょう。
脱サラしてフリーランスに転身する人は多く人気の働き方です。小さく起業したい方にもおすすめです。
会社を立ち上げる(法人開業)
50代で脱サラして会社を立ち上げる、法人開業という選択肢もあります。
脱サラの選択肢として難易度は高いですが、成功したときの達成感も大きくなるでしょう。
- 企業を相手に仕事しやすくなる
- フリーランスより社会的信用を得やすい
- 節税できる
- 税金がかかる
- リスクが非常に大きい
脱サラして会社を起こすことを夢に思っている人もいると思いますが、すぐに法人にすると失敗しやすいです。
個人事業主として仕事をスタートさせて、節税などのメリットが大きくなるタイミングで法人に切り替えるという手段もあります。
社員を雇うとなると、他人の生活を支えることになります。責任やリスクを考慮し、開業に踏み切りましょう。
50代で脱サラするのにおすすめの職業

ここからは50代で脱サラする人に向けて、おすすめの職業を具体的に紹介します。
- コンサルティング
- ライター
- 農業
- ITを活用した職業
コンサルティング
コンサルティングとは、クライアントの課題の抽出、分析、解決策の提案、実行などを行う業務のことです。
50代で多くの経験を積んできた方は、多角的な視点でクライアントに提案できるでしょう。
フリーランスとして働くコンサルティングも多く、オフィスが不要で、必要な資格もないため、開業しやすい職業です。
クライアントの課題を継続的に支援する顧問契約と、課題に対して単体で契約するスポット契約があり、顧問契約を獲得できると年単位での収入が見込めます。
安定して稼ぎやすい点もコンサルティングという職業の魅力です。
ライター
ライターもコンサルティングと同様に、資格が必要なく、自由に働ける職業のためおすすめです。
特に近年では、文章力の高い方だけでなく、高い専門性や業界経験を持つ方の需要が高いため、キャリアが深く豊富な人材はライターとして成功しやすいでしょう。
ライターとして働く場合、フリーランスで業務委託を受けることになります。
クラウドソーシングを活用すれば営業の手間をかけずに案件を受注できます。仕事に慣れてきたら、企業への直接営業も視野に入れることで高単価な仕事が得られるようになるでしょう。
農業
50代で脱サラする方にとって農業はおすすめの選択肢です。
農業に一切触れたことがなく、専門的な知識がなく、リスクも高いのではないかと感じる方もいるかもしれません。
しかし、都会で忙しなく働いていた、自分の時間を持つ余裕がなかった場合、田舎で農家として暮らしたいと思っている方もいます。
自然に囲まれた中で暮らすことで、健康的な生活が手に入りますし、近年はITを活用したスマート農業によって身体的な負担が少なく農業に打ち込めます。
SNSやホームページを活用すればブランド化も図れるため、マーケティングが得意な方にもおすすめです。
ITを活用した職業
ITを活用した職業にはさまざまなものがあります。
- エンジニア
- プログラマー
- Webデザイナー
- アプリ開発
- HP作成
フリーランスとして、ITを活用した職業に就いている人は数多く存在します。
働き方の自由度が高く、パソコンさえあればどこでも仕事できるのが魅力です。
IT業界は流行の移り変わりが激しく、日頃から勉強が必要になりますが、流行の波を予測できれば大きなアドバンテージとなるでしょう。
ITを活用した職業の案件は1件あたりの単価が高く、IT企業に勤めているのであれば独立することで収入アップが見込める場合も多いです。
まとめ:50代は脱サラに踏み切る最後のチャンス
50代は脱サラするためのパーツが過不足なく揃う、絶好の機会といえます。しかし、脱サラに踏み切る最後のチャンスだと考えておきましょう。
脱サラに失敗すると再就職先を探すのは、50代で転職するよりも難易度が高くなります。
一度独立したら会社員には戻りたくない、という強いプライドを持っている方もいるはずです。
準備を怠らず、目指す市場を間違えなければ、50代での脱サラはきっと難しいことではありません。キャリアを活かして脱サラに挑戦してみてはいかがでしょうか。
本記事が50代で脱サラを考えている方の第一歩になれば幸いです。