大学を中退すると、一般企業の就職が難しく悩んでいませんか?
そんな人にオススメの職業が「公務員」です。
学歴を重視する一般企業よりも平等性が高く、試験にさえ合格できれば公務員として働くことができます。
ここでは、大学を中退してから公務員を目指す人へ、試験の種類や難易度、公務員の年収などを解説していきます。
「人生逆転したい!」という人にも、公務員はオススメです。
目次
大学中退しても公務員にはなれる
やりがいや安定性がある公務員職は、学生にも人気の高い職業です。
大学を中退していると、「公務員になる条件を満たしていないのでは?」と思うかもしれませんが、公務員になるための受験資格は年齢的な制限だけです。
なかには学歴の制限を設けている職業もありますが、社会人経験や職歴は問わないことが多いため、大学中退者であっても公務員になれます。
年齢上限以下なら誰でも受験できる
公務員試験の年齢制限は30歳までが多いです。
なかには27歳や40歳というケースもあります。
地方公務員の場合は、地域によって異なりますが、大抵が30歳前後となっています。
公務員試験の受験料は無料
公務員の試験は何度でも受けられ、何回チャレンジしても無料です。
しかし試験会場までが遠い場合は、交通費や宿泊代が自費になります。
大学中退者でも高卒枠で応募できる
試験レベルが「高卒程度」「大卒程度」と分かれていて、大学中退であれば「高卒程度」の試験を受けることになります。
しかし、これはあくまでも難易度の目安であって、大学中退者が大卒程度の試験を受けることも可能です。
受験資格に「大学卒業」と明記されていれば、応募することはできません。
大学中退者におすすめ公務員試験!難易度・年収は?
国家公務員
国家公務員とは、国の機関である行政・立法・司法で働く公務員のことです。
平成28年の国家公務員の平均月収は、およそ41万円、年収は667万円となっています。
民間企業の平均年収は489万円ですので、国家公務員の年収が高いことは一目瞭然です。
国家公務員I種
国家公務員I種の難易度は非常に高く、5000人受験して合格するのは50人程度という狭き門です。
日本における試験の中でも、トップレベルの難易度で、合格するとキャリア組として本省や自治体、海外赴任を繰り返しながら昇進していきます。
合格者の大半は東京大学・大学院の学生や卒業生ですので、その難しさが理解できるはずです。
国家公務員II種
公務員試験制度の変更で、平成24年から国家公務員II種は廃止になりました。
これに代わる試験が、次で紹介する「国家公務員一般職」になります。
国家公務員一般職
国家公務員一般職の試験は、「大卒程度」レベルになり、合格すると中堅幹部候補として配属されることになります。
大学中退者も受験は可能ですが、合格した人は少なく、1%程度しかいません。
国家公務員I種と比べると昇進はスピーディーではありませんが、地方の幹部候補として活躍することができます。
地方公務員
地方公務員とは、都道府県や市町村などの地域に密着して働く公務員のことです。
日本の公務員の、およそ8割は地方公務員となっています。
地方公務員の平均月収は36万円、平均年収はおよそ592万円です。
国家公務員より劣りますが、民間企業の平均年収よりは100万円以上も高くなっています。
地方初級
初級であれば、「高卒程度」のレベルと思って問題ありません。
配属先はさまざまですが、仕事は一般事務や庶務、学校での事務処理、窓口対応が多いでしょう。
ルーティンワークが基本になるため、大きな出世は難しいです。
しかし地域の人々と触れ合う機会が多く、頼りにされてやりがいも感じることができます。
地方上級
「大卒程度」レベルの上級試験は、国家公務員一般職と同等レベルといわれ、地方公務員試験のなかで最も難易度が高い試験です。
大卒者であっても合格することが難しいため、大学中退者にとってはかなりの難関になるでしょう。
合格すると幹部候補として、さまざまな部署を経験しながら出世コースを歩むことになります。
昇進スピードも早く、高収入も夢ではありません。
国家公務員から地方公務員へ転職するのは大変?成功するコツとメリット・デメリット
大学中退後に公務員になるメリット
一般企業と比べて、公務員のメリットはどんなものがあるのでしょうか?詳しく見ていきます。
安定しているのでリストラの心配がない
公務員は国が行っている事業のため、企業のように倒産やリストラがありません。
また「公務員=信頼度が高い」ということで、住宅ローンなども組みやすく、社会的信頼度が得られやすいことも特徴です。
福利厚生や待遇が充実している
産休・育休制度など、女性が働きやすい職場づくりを行っている、というメリットがあります。
介護休暇制度も整っているため、男女問わず定年まで働きやすい環境です。
また公務員の退職金が多いというのは有名な話で、60歳の定年退職者の平均額は2,100万円とも言われています。
そのほか、住宅手当や扶養手当なども充実していて、安定した生活を送ることができます。
大学中退後に公務員になるデメリット
メリットがあれば当然デメリットもあります。
さっそく公務員のデメリットをチェックしてみましょう。
年功序列なので実力があっても給料が上がらない
公務員職には、昔ながらの風習がいまだに残っていて、年収や昇格も年功序列である場合が多いです。
実力があり結果を残していたとしても、これまでに同じような前例がないことから、出世や給与アップも見込めません。
安定の裏には、このような落とし穴も潜んでいます。
試験のために多くの勉強時間を費やす必要がある
公務員職は人気が高く、試験の倍率も非常に高いです。
職種や地域によっても変わりますが、倍率5倍はザラで、中には20倍、30倍という試験もあるくらいです。
そのため試験勉強に多くの時間を費やしてしまいます。
失敗しても再チャレンジすることができますが、年齢が上限を迎えると受験資格を失ってしまうので、一般企業の就活を始めなくてはなりません。
そうなると、これまでの勉強時間が無駄になってしまいます。
サービス残業が多い
公務員の給料は予算が決まっているので、予算内で終わらない仕事はサービス残業をすることになります。
もちろん違法ですので、公にはしていません。
役所などの公的機関は定時で閉まるため、残業せずに帰れると勘違いしている人も多いようです。
しかしそれは大きな間違い。基本的に定時で帰っているのは、パートや非正規職員と考えておいた方がいいでしょう。
大学中退後に公務員試験を受験するときの注意点
これから公務員試験を受ける人は、後々後悔しないためにも、以下の注意点をしっかりと把握しておくことが大切です。
面接で大学の中退理由を聞かれる
一般企業でもそうですが、公務員試験にも面接があり、面接官に大学を中退した理由を聞かれることを覚悟しておく必要があります。
家庭の事情や経済的な理由での退学は、正直に答えてもマイナスポイントにはならないので大丈夫です。
しかし「勉強についていけなかった」「人間関係に問題があった」などの理由は要注意。
マイナス要素はできるだけ伏せて、面接官が納得するような理由を用意するようにしましょう。
試験合格までの生活費が必要になる
試験に合格して就職するまで、最低限の生活は送らなくてはなりませんので、当面の生活費が必要です。
親の援助が期待できない場合は、アルバイトと試験勉強を掛け持ちしながら生活することになります。
生活費のためにバイトを入れ過ぎてしまうと、試験勉強がおろそかになり合格までに時間がかかってしまうので要注意です。
予備校に通うお金が必要になる
公務員試験は独学でも可能ですが、ひとりでの勉強はモチベーションが低下しがちです。
可能であれば、使う予定だった学費を、予備校の費用に回してもらうよう親にお願いしてみてはどうでしょうか?
予備校には同じ目標を持った仲間にたくさん会えるため、やる気もアップします。
倍率が高いので合格できるとは限らない
公務員試験の倍率は前述した通りです。
しかし試験を受ける中には「記念受験」といって、自分の実力を試すために受験する人も含まれています。
大学中退者であれば、「高卒程度」の試験は受かる確率も高いですが、「大卒程度」を目指すならしっかりと受験対策を立てる必要があります。
不合格になった時のために転職サイトを利用しよう
万が一に備えて、転職サイトに登録をしておきましょう。
登録は無料ですので、試験に受かれば退会をするだけです。
毎年試験を受け続けて、気づけば30歳を過ぎていたということがないように、「何歳までに合格しなければ諦める」と、自分の中で線引きをしておくといいかもしれません。
大学中退後もチャンスを活かして安定した職を手にしよう
大学を中退していても、公務員試験を受けることには何の支障もありません。
「大卒程度」の試験も受験可能ですので、どんどんチャレンジすべきです。
公務員試験は受かってしまえば、「大学中退」という学歴も気にしなくて大丈夫。
地域の人や国民のために、やりがいのある公務員職を目指して、安定した仕事を手に入れましょう。