大企業から中小企業やベンチャー企業へ転職しようと考えているあなた、その判断は本当に大丈夫でしょうか?
後悔しても大企業へは戻れません。
憧れや活躍を夢見て、大企業から中小・ベンチャー企業に転職する人は数多くいますが、後悔している人も数多くいます。
転職で失敗を避けるため、大企業から転職してきて後悔する人の特徴や、「失敗した」と感じてしまう理由についてまとめました。
大企業を去るということは、片道切符を持って転職することです。そのことを胸に止めて転職活動を行う必要があります。
また転職で失敗しないためには、転職のプロからアドバイスを受けながら、自分に合った企業を探すことが重要です。
自力で求人を探すのは大変という方には、転職エージェントの利用をおすすめしています。
dodaであれば、中小企業の中でも優良求人を多く紹介しているので、興味のある方はぜひ利用してみてください。
目次
中小企業へ転職して後悔する人の特徴
「私は大企業よりも中小企業で活躍できるタイプだ!」と意気込んで転職したはいいものの、思っていた以上に活躍できなかった、想像と違う、と後悔する人がいます。
あなたは当てはまっていませんか?よくよくチェックしてみて下さい。
ベンチャー企業に憧れを抱いている
「ベンチャーって響きが格好いい」「ぬるま湯の大企業より時代はベンチャーだぜ!」などと憧れを抱いて転職する人もいます。
確かにベンチャー企業は一人ひとりの仕事量も多く、前例のないことにチャレンジしたりして格好いい部分もあります。
仮にあなたが営業職だったとして、「これからどんどん売り上げをあげてバリバリ稼ぐぞ」と転職したとしましょう。
自社の商品を売り込みに行っても、聞いたことのない社名だからと相手にしてくれない、〇〇社(大手)から買っているからいらないよと言われるのが関の山です。
そこで実感するはずです。「自分に実力があったわけじゃなく、会社のネームバリューのおかげだった」と。
ベンチャーへの転職は後悔する?後悔しないための知識を徹底解説!
元からいる社員をリスペクトしていない
大企業出身ということを鼻にかけて、元々働いていた社員を下に見てはいけません。
前の会社ではこうだったああだったと、会社の規模を自慢するのもNGです。
聞いている方はいい気持ちになりませんし、あなたに心を開いてくれないでしょう。
中小企業で悪い噂がたつと、あっという間に会社全体に広がります。
そうなると、あなたはその会社で活躍することはできず、また転職をするか孤独のまま働くことになるでしょう。
前の職場と比較をしてしまう
思っていることを口にしないにしても、前職と比較するのは避けて下さい。
なぜなら、もう戻れないからです。
退職して初めて、大企業の良さ気づいても遅いのです。
「上司に恵まれていた」「先輩が丁寧に教育してくれた」「残業代もきちんとついた」、そんなことが走馬灯のように頭をよぎるでしょう。
イヤイヤ働いていた会社が、実は居心地が良く恵まれた環境だったこと、仕事は忙しかったけど大きな取引先を任されていたこと、後悔してももう遅いのです。
事前に転職先の調査をしていない
応募する際には企業リサーチをしっかりと行いましょう。
一方的な固定観念や思い込みは危険です。大企業にもさまざまな会社があるように、中小企業もさまざまなタイプの会社があります。
大企業は社内ルールやコンプライアンスがしっかりしているので、大企業間の転職はそれほどカルチャーショックを受けることがありません。
しかし中小企業はそれぞれに個性があり、ワンマン社長がいる会社、社長をさん付け呼ぶカジュアルな会社、新入社員は朝のお茶くみ当番がある会社など、個性豊かです。
お茶くみなんて、大企業では秘書が役員のみにする仕事ですよね。
しかし中小企業では新人がやる、女性社員がやるなどのルールが根付いている会社、まだまだあります。
コミュニケーション能力が低い
中小企業は出世が早い、幅広い仕事に携われるというようなメリットがあります。
そこで大切になるのがコミュニケーション能力です。
社外だけじゃなく、社内のコミュニケーションも非常に重要で、業務が円滑に進むかどうかを左右します。
入社したばかりの頃は業務を覚えるのに必死という人が多いでしょう。
しかし仕事と並行して、多くの人と積極的に関わっていくことが大切です。
ランチに誘う、飲みに行くなど、幅広い年代の社員と交流して下さい。
社内事情や顧客情報を仕入れることで、仕事が格段にやりやすくなるはずです。
大手企業から中小企業への転職でよくある失敗
大手企業から中小企業に転職して後悔する「6つの理由」を紹介していきます。
周囲の能力が低すぎて不満が溜まる
大手企業でも全員が優秀な社員とは限りません。
しかし人数が多いので、話が通じる人、数字をまとめるのが得意な人、業務を円滑にまわす裏技を知っている人など、色んな人に恵まれていたのではないでしょうか?
中小企業は人数が少ないため、配属された部署のメンバーが、知識がないおじさんが数名、入社2年目の新人が一人、なんてこともあります。
仲間とバリバリ仕事をこなして行こう、大企業で得られたスキルを発揮しようと思っているとつまずきます。
自分と対等に話ができるメンバーがいないなどの不満が溜まり、仕事のやる気も徐々に失っていく人もいるようです。
給与の水準が下がった
給与はほとんどの人が下がります。これはもう覚悟しておかなくてはいけませんよ。
家族がいれば事前に相談すべきです。
受験を控えたお子様がいる人は、よくよく考えてから判断した方がいいでしょう。
大企業では当たり前のようにもらえていたボーナスも、中小企業では雀の涙くらいしかもらえないこともあります。
厚生労働省が調査した、企業規模ごとのボーナスがこちらです。
事務所規模 | 冬のボーナス額 | 月給換算 |
---|---|---|
5~29人 | 26.55万円 | 1ヶ月分 |
30~99人 | 34.4万円 | 1.13カ月分 |
100〜499人 | 45.1万円 | 1.29カ月分 |
500人〜 | 66.7万円 | 1.54カ月分 |
また有名企業のボーナスは以下の通りで、業種によっても大きく変わってきます。
企業名 | 年間のボーナス額 |
---|---|
トヨタ自動車 | 243万円 |
ソフトバンク | 243万円 |
富士通 | 158万円 |
キヤノン | 235万円 |
中小企業はボーナスが1ヶ月分というところも少なくありません。中小企業へ転職するということは、毎年楽しみにしていたボーナスを捨てることになります。
参考:厚生労働省「毎月勤労統計調査 平成31年2月分結果速報等 表2 平成30年年末賞与の支給状況」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/31/3102p/3102p.html
福利厚生がほとんどない
家賃補助や社宅を完備しているのも、大企業の資金力の賜物です。
中小企業は社員も多くありませんので、社宅を完備しているところはほとんどありません。
保養所やリゾートホテルなどの割引、確定拠出年金や退職金制度も、大企業のようには整っていないことがほとんど。
中小企業で正社員の恩恵を受けることは、期待できないでしょう。
家族手当や家賃補助がなくなると、「年収は前職と同じだから安心」という人でも、生涯もらえる収入はダウンしてしまいます。
規模の小さい仕事しか回ってこない
企業規模が小さい会社は資金力がないため、仕事の規模は小さくなってしまいます。
「今までは数億の仕事を手掛けていたのに」と思っても、自分ではどうすることもできません。
しかし仕事の規模はやりがいに直結しています。
「やりがいを感じない」「やる気が起きない」、そんな風に後ろ向きになり、転職したことを後悔する人も多いようです。
あなた自身は大丈夫でしょうか?
担当外の仕事もこなさなければならない
中小企業やベンチャー企業は社員数も限られているため、自分の持ち場以外の仕事もこなさなくてはなりません。
これまで営業だけをしていればよかった人が、顧客への請求書を発行したり契約書の製本をしたりする可能性もあります。
役職についていた人も、これまで部下に頼んでいたコピー業務を自分でしなくてはいけなくなるでしょう。
「中小企業なら幅広い仕事が期待できる!」と思っていたのに、現実は本業に集中できない環境だったというのも、転職者が感じる失敗ポイントです。
社会的信用度が下がった
大企業にいるときには気付かなかった会社のブランド力。
社名をいうだけで誰もが知っている企業に、あなたはもういません。
クレジットカードの審査に落ちるなんて、今まで考えたことがあったでしょうか?
このようなことが、中小企業へ転職することで実際に起こるのです。
あなたはこんな事態に耐えられますか?
中小企業への転職はリスクあり!失敗しない企業選びの7つのポイントを解説します
大企業から中小企業の転職を成功させるには?
大企業から中小企業に転職する際は、考えなしに行動するのはNGです。
ただし大企業から中小企業に転職して、成功を収めている人も一定数いるのも事実です。
以下では大企業から中小企業へ転職を検討している人を向けに、成功させるためのポイントを解説していきます。
同じ業界・業種の中小企業を調べる
いくら大企業で働いていたキャリアがあるからといって、違う業界や業種の中小企業への転職を検討するのはNGです。
大企業で働いているキャリアやネームバリューだけでは、中小企業でも採用してもらえないこともあるのです。
転職はあくまで、企業のニーズと自分の転職理由がマッチングしているかに左右されるものです。
中小企業は同業界や業種でのノウハウを持った人材を獲得したいと思うはずです。
転職で背伸びをせずに、自分の長所を生かせる業界内業種内で転職を行いましょう。
経験を振りかざさない
仮に企業で内定をもらって転職したあとに、前の職場である大企業の経験を振りかざすのはNGです。
「前の会社とやり方が違う」「ここではこんなやり方で通用するんだ」「前職の経験から言うと…」と前の職場を持ち出しすぎてしまうと、周囲からの反感を買いやすくなります。
転職先では一番の新人ですから、職場のルールにのっとって行動することが求められます。
大企業で働いていたから、中小企業とは違うといった考えが見え透いてしまうと、周囲から引かれてしまいます。
折角転職先が見つかっても、周囲になじめずに再度転職を繰り返す羽目にもなりかねません。
自分から大企業をアピールすることなく、前職の経験について質問されたときにのみ、対応しましょう。
ベンチャー企業は一度見学してみる
大企業からベンチャー企業に転職して、経営陣に顔を連ねる、なんて成功体験団はよくある話です。
ベンチャー企業は大企業とは異なり、考え方が柔軟で働きやすいイメージがありますが、反面独自の文化ができていたり、企業風土が合うかが二分されやすいです。
企業見学が可能なのであれば、一度見学を申し出てみましょう。
企業風土を自分の目で確認してみて、自分に合う会社を見つけてみましょう。
転職エージェントを積極的に活用する
「大企業に就職できたから転職も簡単」と思ってはいませんか?
就職活動では学生時代に力を入れたことや、モチベーションなどを交えて対策を練っていきましたが、転職となると社会人経験を踏まえて自己分析や自己アピールを行う必要があります。
転職=就職活動と考えずに、転職のプロである転職エージェントに頼ってみましょう。
転職エージェントでは、担当者が在職中でも転職できるよう、履歴書や職務経歴書の作成、面接の対策やスケジュール調整まで一貫して対応してくれます。
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物は試しで、一度登録してみる事をお勧めします。
大企業から中小企業への転職は慎重に!
この記事を読んで、転職が怖くなった人もいるかもしれませんね。
怖がらせるわけではありませんが、今の環境がどれだけ恵まれているのかをもう一度考えてから、転職を実行しても遅くはありません。
大企業から転職して中小企業で活躍している人もたくさんいます。
しかし中途半端な憧れや期待は禁物。
会社の環境やどんな人が働いているのかをしっかりリサーチしてから、応募するようにしましょう。