フリーターをしているとふと「このままでいいのか?就職すべきなのか」と、考える人もいるのではないでしょうか。
フリーター生活は今はいいかもしれませんが、将来的な収入の安定性や社会保障を考えると、やはり早めに正社員になっておいたほうが安心です。
そこで今回は、就職するメリットと、フリーターにおすすめの職種について解説します。
目次
フリーターの定義は厚生労働省が定めている
フリーターという言葉は良く耳にしますが、フリーターの定義を知っている人はどのくらいいますか?
厚生労働省では1991年に制定したフリーターの定義は以下の通りです。
- 年齢は15歳から34歳に限定
- 現在就業している人で、勤め先の雇用の呼称が「アルバイト、パート」である雇用者
- 現在仕事をしていない人で、通学や家事をしていない「アルバイト、パート」を希望する人
フリーターの定義とされる人は年齢や、雇用形態・状況などにより区別されます。
なんとなくアルバイトをしている人をフリーターと思いがちですが、しっかりとした定義があります。
また年齢の上限が34歳と、元々は定職につかない若者を指す言葉でした。
しかし近年ではフリーターの高齢化が進んでおり、40代や50代になっても定職につくことができず、生活に苦しむ人が増えているのも大きな社会問題です。
フリーターが就職する際に知っておきたい6つのポイント
フリーターが就職をしようと思った時に、気を付けなければならないことは6つあります。
アルバイトでも働いていることに変わりないからと思う人もいるかもしれませんが、就活→正社員はアルバイトとは全く別物です。
なぜ正社員になりたいのか、就職活動のゴールはどこなのかなどをきちんと目標設定するための準備も大切です。
この準備は、面接対策や書類を作成するうえでも非常に大切で、正社員として採用されるためには必要なことでもあります。
また、フリーターから正社員になることは、生活も大きく変化することを理解しておきましょう。
正社員になりたい理由を明確にする
フリーターから正社員を目指す理由は、人により違うと思います。
「そろそろしっかりとした生活を送らなきゃ」「年齢も考えてここでフリーターを脱却しないと」「この仕事してみたい」など様々ですが、フリーターから正社員になりたい理由を明確にしておくことは大切です。
これは後にお話しますが、まず自分がなぜ正社員を目指そうと思ったのかを考えることで、面接の際の志望動機などもよりはっきりとしたものになるからです。
最初は「しっかりと安定した生活を送りたい」など大まかなものでもかまいません。
そこから「安定した生活とは?→どうしてこの会社だと安定した生活なのか?→この会社を受けた理由」など、段階的に細かく志望理由を絞っていきやすくなります。
アルバイト先に「就職活動をする」と伝えておく
フリーターとしてアルバイトをしている場合、多くの人がアルバイト先に貢献するようなロングシフトや、アルバイト先にとって融通の利く働き方をしているのではないでしょうか。
そのため「急に就職が決まったので今月でやめます」となると、今までフリーターに頼っていたシフトが埋まらなくなってしまい、困ってしまうということもありトラブルになりかねません。
そうならないためにも、就職活動を始める前に、きちんと就職する意思があり、就活を始めることを報告しましょう。
就職活動のゴールを定める
就職活動をゴールを定めずに行うと、目標を見失いなあなあになってしまいがちです。
漠然と正社員になりたいという目標だけでは、なかなか内定を勝ち取るのは難しいことや自分に合う会社を見つけることは困難です。
そこで「1か月以内に内定をもらう」など具体的な期間を定めると、就活に対するやる気も出るので効果的です。
企業に対しても、スピード感を持っていることをアピールできるので、内定にも繋がりやすいでしょう。
生活が大きく変わることを理解しておく
フリーターから正社員になると、生活も大きく変化します。
フリーターの時は、自分で生活時間を設定することが可能ですが、正社員になると「この日は予定あるから休みにしよう」などの時間の融通が効きづらくなります。
また朝きちんと決まった時間に起きなければならない、週5日連続して出勤するなど、生活が大きく変化する可能性があることを理解しておくことが大切です。
書類は使いまわさない
フリーターから正社員になる場合、1つの会社だけで内定を取れるという人は少ないです。
そのためたくさんの会社を受ける必要があります。その際に履歴書と職務経歴書が必要となりますが、場合によっては書類審査で落とされてしまい、そのまま書類を返されてしまうこともあるでしょう。
たくさんの会社を受けるということは、たくさんの履歴書や職務経歴書が必要となるので、用意するのが面倒になってしまう人も多いです。
そこで返却された履歴書を使用してしまおうと考える人もいるかもしれませんが、絶対にやめましょう。
バレないと思うかもしれませんが、面接官はみてわかるようです。
もし履歴書の使いまわしが判明してしまうと、やる気がないとされ採用されることはまずないと考えても良いでしょう。
きちんと一つの会社に一つの書類を準備するようにしましょう。
自己分析と面接対策を徹底的におこなう
正社員への転職の際に、必ず面接があります。中には面接が苦手という人もいるかもしれません。
面接に大切なのは、自己分析をきちんと行うことです。
自己分析とはなぜ正社員を目指したのか、どのような業界に興味関心があるのか、自分の長所・短所などを細かく分析することです。
自己分析は相手に自分のことをうまく伝えるためにも大切なことです。
- 自分史の作成
- モチベーションカーブ作成
- コンプレックスの分析
それぞれ細かく行うことで、より詳しい自己分析を行うことにつながります。
フリーターからでも就職しやすい職種
フリーター歴が長ければ長いほど、正社員になるのが難しくなる傾向にあります。
しかし決して正社員に慣れないことはありません。
その方法の一つとして、フリーターからでもなりやすい職業を選択するという方法があります。
ここからは、フリーターからでも就職しやすい職業についてそれぞれ詳しく見ていきましょう。
営業職
営業職は、学歴不問とされていることが多い職種の一つです。
また成果給や能力給などのインセンティブがつくことも多いので、学歴や職歴に自信がないという人でも高年収を目指せる職業として人気の職業です。
営業職は学歴や職歴よりやる気や実力を重視している企業も多いので、入社前のスキルを持っていない人でも、転職しやすいのでしょう。
事務職
事務職には、色々な業種があり中には資格を必要としない事務職もあります。
その場合には、未経験で特別なスキルや学歴・職歴を持ち合わせていなくても採用してもらえることもあり、フリーターからでも就職に成功できる可能性があります。
事務職は周りの人のサポートという面が多く、気配りのできる人が向いていると言えるでしょう。
施工管理職
施工管理職とは、工事現場の監督として工事全体の管理を行う職種のことです。
文字にすると、特別な資格やスキルが必要なのでは?と思ってしまいそうですが、建築工事に関するルールを覚えれば、十分に就職できる職種です。
施工管理職の中でも1級または2級施工管理技士の資格をとることで、高収入を目指せる職種でもあります。
サービス業
サービス業は、飲食や介護など様々な業界の求人がありますが、多くのサービス業の求人で学歴や職歴を重要視していない傾向にあります。
未経験歓迎などの求人が多くあるサービス業ですので、フリーターからでも就職しやすい職業です。
ものを売ったり、サービスを提供したりと色々な業界があるので、自分にあうサービス業を探せるのも嬉しいですね。
プログラマー
プログラマーと聞くと「パソコンに詳しくないとなれない」「難しそう」という印象を持つ人も少なくないのではないでしょうか。
しかし、プログラマーも未経験者が就職しやすい職業の一つです。
プログラマーを始めとするIT業界は、実力主義としている企業も多く存在するので、努力し結果を出すことで評価されやすい職種なのです。
未経験でプログラマーになるには、勉強が必要なのでたくさんの努力をしなければなりません。
しかし実力を評価してもらえるので、フリーターからでもやりがいを感じられる職種と言えるでしょう。
このように、フリーターからでも就職しやすい職種があります。フリーターからの就職は決して簡単ではないかもしれません。
しかし上に書いたような、なりやすい職種をリサーチし、自分にはどのような職種があっているのかを十分に検討することで、正社員への道が見えてくるのではないでしょうか。
フリーターのメリットは4つ
フリーターと正社員にはどのような違いがあるのか?ということを考えたことがある人は、どのくらいいるのでしょうか。
フリーターとして働くことにデメリットしかないというわけではありません。もちろんメリットもあります。
ここからは、フリーターとして働くメリットについてお話していきます。
フリーターとして働くメリットは、責任を負う必要が少ない・働た分稼げる・予定が組みやすい・出会いが多いの4つがあります。
大きな責任を負わなくて良い
フリーターはアルバイトのため、会社からの指示通りに動いているだけでも、文句を言われることが少ないでしょう。
そのため、正社員と違い大きな責任を負う必要があまりないでしょう。
もちろんアルバイト歴が長くなると、クレーム対応など社員と同じような責任を負う必要が出てくることもありますが、基本的には職場の社員の指示に従って働くことになり、常に責任を負うということはありません。
責任がプレッシャーという人には、メリットと言えるでしょう。
働いた分だけ稼げる
フリーターは、働いた分だけ賃金を得ることができます。
そのため、今月は予定が多いから稼ぎたいという時には、シフトを増やすなどして収入を増やすことができるのも、フリーターのメリットです。
残業してもしっかりと時間で給与が発生するので、苦にならないという人もいるのではないでしょうか。
自分の好きなように休める
フリーターはシフトを自分で決めることが出来ることも、メリットと言えるでしょう。
正社員では、なかなか自分の予定に合わせて休むということが難しく、プライベートの充実が難しいという人もいます。
しかし、給与と同様に自分で働く日を決めることができるので「この日は予定があるから」と休むことができ、プライベートな予定を組みやすいのもフリーターの特徴です。
出会いがたくさんある
アルバイトには、色々な年齢の人がおり普通に働いていたら出会わないような年代の人、老若男女問わず出会えるというメリットもあります。
正社員では、なかなか年上の上司との交流を図るのが難しいという人も、同じアルバイトという関係では気軽に交流できることもあり、出会いが増えることに繋がります。
フリーターのデメリットは4つ
先ほどはフリーターのメリット4つについてお話しましたが、デメリットも4つあります。
その内容は、スキルが身につかない・社会的信用がない・働けないと収入がない・年齢と収入格差が比例してくることです。
スキルがなかなか身につかない
フリーターは大きな責任を負うことが少ないことは、メリットでお話しましたが、言い換えるとフリーターがアルバイトでする仕事内容は、誰にでもできる仕事と言えます。
そのため特別なスキルを身に着けることが難しいと言えるでしょう。
このことにより、就職する際に専門性の高い業種や業界への就職が難しくなってしまったり、未経験がOKと書かれていても経験者に採用をとられてしまうということになってしまいます。
社会的信用がない
フリーターは、正社員と比べてすぐに辞められると思われてしまい、車やクレジットカードなどの審査が通りにくくなってしまうということを理解しておく必要があります。
車やクレジットカードなどは社会的信用が大切なので、社会的信用が低いことはフリーターにとってはデメリットになってしまうでしょう。
働けなくなると収入がない
フリーターは、自分の加減で収入を増やすことができるというメリットをお話しました。
しかし、もしケガや病気になってしまって働けなくなってしまうと、収入は減ったりなくなってしまうこともあります。
若く元気な時はたくさん働くことができるので、収入も多いかもしれませんが、歳をとったり働けなくなってしまうと保障されていないので、生活が厳しくなってしまうということもあります。
年を重ねるごとに同年代との収入格差が大きくなる
正社員は、年齢や勤務年数に応じて給与が上がることがほとんどです。
しかしフリーターは、長く働いても時給が100円程度しか上がらず、年齢が上がっても収入が大幅にアップすることはないでしょう。
ですので正社員として働いている同年代と比べると、年齢が上がるにつれて収入の差は広がっていきます。
このようにメリット・デメリットをきちんと理解して自分の将来と共に、自分はフリーターでいるべきなのか、就職すべきなのかをきちんと考えることが大切なのではないでしょうか。
「すぐに行動できるか」がフリーター就職のカギ
フリーターが就職するのに最も大切なことの一つに「すぐに行動できるか」ということがあります。
フリーター歴が長くなればなるほど、就職は難しくなります。
また20代のうちに行動するのと30代になってから行動するのでは、求人数自体にも大きな違いがあります。
このように、年齢が上がれば上がるほど就職することは困難になり、最悪就職できないということもあります。
そうならためにも、就職をしようと思ったら一日でも早く行動を起こすことが大切です。
フリーターの就職活動は求人サイトをフル活用しよう
フリーターから就職しようと思ったけど、どのように始めて良いかわからないという人もいるのではないでしょうか。
フリーターの就職活動には、求人サイトを活用することをおすすめします。
求人サイトはインターネットで誰でも簡単に、求人検索できるサイトのことを指します。
多くの求人サイトが無料で検索・応募することができるので、空いてる時間に検索することもできます。
また自分の希望で求人を絞ることもできるので、より理想に近い求人を探すこともできるのも嬉しいですね。
フリーターでもコツを掴めば就職活動で成功できる!
フリーターと就職についてお話してきました。フリーターとして収入を得ていると、現状で満足してしまうという人もいるかもしれません。
またフリーターからの就職は難しいと思い、二の足を踏んでしまっている人もいるのではないでしょうか。
確かに難しいこともあるかもしれませんが、就職しやすい職種を選んだり、気を付けるべきポイントを押さえることで就職も可能になります。
まずは就職するための行動を早めに起こし、短期間で内定を勝ち取れるようにスピード感を持って就活に望みましょう。