医療ドラマでよく見るICUの現場、とってもかっこいいですよね!
私もすごく憧れていました!
看護師が医師と協力しながらテキパキと処置をしたり、些細な変化から異常を察知し医師に報告していたり、とてもかっこよく描かれている作品が多く、そんな医療ドラマを見て看護師を目指す人も多いと思います。
しかしあれだけかっこよく描かれると優秀じゃないと辛いのではないかと不安になる方もいるはず。
今回はそんなICUについてお話しさせていただきたいと思います
目次
ICUとはどんなところ?
皆さんはICUとはどんなところだか知っていますか?
ICUとは集中治療室のことで、救急外来で処置した後に状態が安定し切っておらず、観察が必要な患者や術後の全身管理が必要な方などが入室し、他の病棟と違い全ての科を見る場合があります。
病院によってはCCUやHCU、SCUやNICUなどがあります。
ICUで状態が落ち着いたら、一般病棟に転棟し経過を見て退院となるのが一般的です。
ICUの看護師はどんなことをするの?
ICUの看護師は患者の状態観察、アセスメント、医療機器の操作、日常生活のケア、家族のケアが大きな役割として挙げられます。
これだけ見ると「普通の看護師と変わらないんじゃない?」と考える人もいるでしょう。
それではこの4つについてさらに細かく見ていきましょう。
患者の状態観察
患者の状態観察はどこの看護師もするよね?と考える人は多いでしょう。
もちろん、どこの看護師も行います。しかしながらICUの場合は観察項目がともかく多いです!
なぜ他の科よりも観察項目が多いのか?それはICUの患者が重症度が高いためです。
よりわかりやすく言うと、ICUの患者は基本的に意識がなかったり、発語ができなかったりする場合が多いです。
そのため痛みを訴えたり、身体症状を訴えたりすることが難しかったり、できないことがあります。
看護師はその訴えがない状態で、異常がないかを観察しなければなりません。
そのため必然的に観察項目も多くなってしまうのです。また、患者の多くはドレーンなどの付属物も多いです。
それらの観察もあるのでより高度な観察が必要と言えるでしょう。
アセスメント
ICUの患者は状態が安定していない人ばかりです。
なので観察項目をしっかりと見てその後には必ずアセスメントが必要です。
アセスメントの結果、異変を感じた場合はすぐに医師に報告しなければなりません。
状態が安定していない分、急変が起きやすいのでなるべく早い段階で異常をさ察知してあげることがとても大切になってきます。
医療機器の操作
ICUはとにかく使用する医療機器が多いです。
患者によっては輸液ポンプが2台必要になったり、人工呼吸器などをつけている人も多いです。
また、状態が安定していない分、設定の変更も多いです。
なのでそれらの機械を確実に操作できなければなりません。
術後の患者を迎えに行く時などでよく入ることはありましたが、機械音痴の私には恐怖でしかありませんでした。
ICUの看護師さん流石です。
日常生活のケア
ICUは重症の人が多いため日常生活のケアも重要な看護業務になります。
清拭や更衣などの清潔ケアはもちろん、食事が始まれば食事介助もし、爪が伸びていればもちろん爪も切ります。
そのあたりは普通の病棟と変わりありません。
しかし、ICUの患者は機会も多く、ドレーンがついていたりもします。
また、意識がない患者のケアは特に注意が必要となります。
家族のケア
家族が入院、それもICUへ入室しているとなると家族の不安はかなり大きいものとなってしまいます。
状態的に安定していないためこのまま死んでしまうのではないかという不安が付きまとい、今後の生活など考えることもできません。
そんな状況だからこそ正しい情報の提供や、精神的な援助が必要となります。
目の前にいる患者のケアはもちろんですが、家族のケアも欠かさずに行わなければなりません。
どんな人が向いているの?ICUの看護師の適正
ICUの看護師=優秀というイメージはありますよね。わかります。
実際にすごく優秀な方は多いなと思いますし、優秀じゃなくてもしっかりとした責任感をもち確実に仕事をこなす人が多い気がします。
よくICUの看護師は怖いという人もいますが、実際はどうでしょう。
確かにクールな人が多い印象はあります。異常をいち早く見つけないといけないため常に周囲を意識し目が怖く、もたもたしていると仕事が終わらないため申し送りもぶっきらぼうになってしまう。
ものすごくそんな役回りですが納得できる気がします。
それでは一体どんな人がICU看護師に向いているのでしょうか?
好奇心・向上心があり勉強熱心
ICUはその特性から覚えることも多く、また最先端の技術や医療を求められるため常に新しい情報を求めなければなりません。
そのため好奇心や向上心があり、勉強熱心である必要があると思います。
すべての科に対応し、さらに新しい知識を身に着けるということは並大抵の努力では難しいのかなと私は思います。
また医療機器についても新しいものが導入されたりするので操作方法を覚えたりととても大変です。
このことからも好奇心や向上心がある人の方が、圧倒的に向いていると言えるのではないでしょうか。
精神的にタフで仕事のオンオフをしっかりしている
ICUの同期と仕事終わりにご飯に行った時、私がああしていればよかった、こうしていればよかったと言うと「たられば行っても始まらない。ミスったとしても生きてたらいい」と言われ、思わずかっこいいと思ってしまいました。
確かにミスをするのは良くありません。
ましてや命に関わるお仕事なので基本的にミスは許されません。
ですが人はミスをしてしまうもの。大事なのはミスをした後にどうするのかなのだと思います。
私のようにたらればを言っても始まらないので、さっさと切り替えて次はミスをしないように頑張ればいいのです。
多分それを言いたかったのだと思います。でも生きていたらいいというのはちょっとびっくりしました。
スピード感があり素早く業務をこなせる
ICUは業務がかなりきついです。やらなければならないことも見なければならないものも多くもたもたしていたら業務が終わりません!
また、状態が安定したら病棟に転棟したり、救急外来から受け入れをしたりとベットコントロールも多く目まぐるしく動き回ります。
そのため業務は正確に、そしてスピーディーに行う必要があります。
私はのんびり看護してしまうことが多いので、ICUでは確実に使い物にならないでしょう…。
体が丈夫
意識のない患者や麻痺のある患者のケアはとにかく体力が入ります。
また、オペ出しをしたり術後のベット移乗をしたり、救急カートを運んでみたり、呼吸器を運んでみたりかなり体力勝負になってきます。
また、看護師不足はICUも変わらないので、一人休むとそのしわ寄せが全員にきます。
お互い様ではありますが、なるべくしっかり体力をつけ風邪をひかないよう体調管理をしましょう。
家族の気持ちに寄り添える
ICUに入っている患者の家族は、患者の状態が安定していないこと、今後のことなど不安はかなり大きいです。
また患者と面会できないこともあります。
自分の家族が重症で状態も安定せずしかも面会ができない、そんな状況に自分がなったら耐えられるでしょうか?
私は耐えられないかもしれません。取り乱してしまうだろうと思います。
そんなご家族の気持ちに寄り添い、精神ケアを行うことのできる看護師がICUではとても大切になります。
転科は慎重に行いましょう
ICUはドラマでもよく出たり憧れる人はすごく多いと思います。
ですが実際はドラマのようにうまくはいきません。そのため現実とのギャップに苦しんでやめてしまう方も少なくはありません。
また、病棟での看護を経験して、スキルアップでICUへ転科する際も覚悟を持って転科することをお勧めします。
確かにICU看護師はすべての科を見れるようになります。
給料も危険手当などがつく場合、普通の看護師よりもいいです。
憧れるくらいかっこいいです。
だからこそかなりきついこともあります。
精神的負担も肉体的負担も、おそらく病棟勤務の倍ほどあるでしょう。
そのことを踏まえてよく考えてから将来のスキルアップをしましょう。