報道の世界には、さまざまな選択肢があります。
世の中の問題や出来事について、自分の見解や主張を述べるのがジャーナリストです。
自分の思いが世の中に伝わって、人々の心を動かせたら嬉しいですよね。
今回はジャーナリストになる方法を徹底解説!
資格や年齢、性別には制限があるのでしょうか?
目次
ジャーナリストとは
ジャーナリストは、新聞記者・報道記者などと訳せます。
簡単にいうと、新聞や雑誌、テレビなどのメディアに、記事や写真(素材)を提供する人のことです。
ジャーナリストは、ただ事実を伝える仕事ではありません。
話題について、調査を行ったりもっている専門知識を用いたりして、自分なりの見解や主張を述べます。
自分の伝えたいことを伝えるために、根拠として話題に関わる人物から重要な内容を引き出すことも大切な仕事です。
ちなみに事実の報告を行う仕事は、ジャーナリストではなくルポライター(現地報告者・記録者)と呼ばれます。
さまざまな肩書きのジャーナリストが存在する
ジャーナリストが扱う分野やトピックスは、政治・経済・スポーツ・国際問題・文化・芸能・映画など非常に幅広いです。
世の中で起こる出来事すべてが、ジャーナリストによって取り上げられているといっても良いでしょう。
ジャーナリストは、専門分野によってさまざまな呼ばれ方をします。
- 政治ジャーナリスト
- 経済ジャーナリスト
- 国際ジャーナリスト
- 医療ジャーナリスト
- 軍事ジャーナリスト
- 教育ジャーナリスト
- モータージャーナリスト
- ファッションジャーナリスト
- スポーツジャーナリスト
- トラベルジャーナリスト
- 芸能ジャーナリスト
など
ジャーナリストの働き方は3種類
ジャーナリストの働き方は主に3種類あります。
- 報道機関(マスメディア)に所属する
- オファーを受けて仕事をする
- 自分から原稿などを売り込む
リストの下2つはフリーのジャーナリストとして活動する場合です。
報道機関(マスメディア)に所属する
新聞社や雑誌社、テレビ局などの報道機関(マスメディアとも呼ばれる)に所属し、ジャーナリストとして活躍するという働き方があります。
自分のやりたい分野ややり方ができるかは分かりませんが、報道の仕事について知ったり、業界の人脈を広げたりすることが可能です。
ひとつの報道機関の中に、政治部・経済部・スポーツ報道部などの部署があり、それぞれの分野について取材・報道を行います。
オファーを受けて仕事をする
ジャーナリストには、報道機関に所属せずフリーで活躍する人も多いです。
知名度や評判の高いジャーナリストには、新聞社や出版社、テレビ局から依頼が来ます。
雑誌の連載や寄稿(新聞や雑誌に原稿を載せること)をお願いされたり、自著の出版の提案をもらったりと依頼内容はさまざまです。
いきなりフリージャーナリストとして活動を始める人よりも、報道機関から独立してフリーになる人のほうが実績や人脈がつくりやすいといえます。
フリージャーナリストとして活躍したい人も、一度報道機関に所属することを考えましょう。
自分から原稿などを売り込む
実績が少ない段階では、自分で取り上げたい話題を決め、取材・執筆を行い、報道機関に売り込むこともあります。
誰にでも書けること(事実)であれば、わざわざフリーのジャーナリストに執筆をお願いしません。
自分にしかない視点や、深い専門知識があると、オファーの来るジャーナリストになれるのです。
ジャーナリストの主な仕事内容
- ニュースの解説
- インタビュー
- 執筆活動
- 講演活動
ニュースの解説
新聞やテレビに取り上げられるニュース、世間で話題になっていることについて、自分の見解や主張を述べます。
ニュースといってもさまざまなジャンルがありますが、自分の専門分野の話題を扱うのが基本です。
ニュースの解説をするにあたり、本やインターネットから情報を集めたり、自分で調査や取材を行ったりします。
内容に対して感情的になるのではなく、自分のもつ知識から根拠をもって意見することが大切です。
記事を書いたら、自分のSNSやメディアに掲載したり、出版社などの報道機関に送ったりします。
執筆活動
ジャーナリストとして活動を続けていくと、報道機関や取材先などの繋がりが増えていきます。
「この人に記事を書いてもらおう」と思ってもらえれば、執筆依頼が来ることもあるのです。
思わぬところから仕事に繋がることもあるため、人との繋がりは大切にしましょう。
また、自分の本を出すことができれば、名刺代わりとして使うことができます。
書きたい記事を書くこともやりがいになりますが、オファーを受けて執筆活動を行うことも大切です。
やれる仕事の幅を広げるために、積極的に依頼を受けましょう。
インタビュー
ジャーナリストの仕事は、記事を執筆することだけではありません。
報道内容に根拠や具体性をもたせるために、内容に関わる人にインタビューを行います。
また出来事が起こった現場に向かい、自分の目で見たり肌で感じたりすることもジャーナリストの仕事です。
出来事の当事者や専門知識をもつ人に会うためには、ジャーナリストとして知名度や実績が必要な場合があります。
特にフリージャーナリストが政治家などに会う場合、かなりの知名度や実績が必要です。
インタビューによって根拠を得られるかどうかで、ジャーナリストの腕が試されます。
講演活動
知名度の高いジャーナリストは、講演会やシンポジウムなどへの参加を依頼されることがあります。
講演活動のオファーを受けるようになる頃には、かなり取材経験や執筆経験がたまっているでしょう。
講演では、専門分野についての取材経験や、取材から感じたことについて話します。
元々伝えたいことがあってジャーナリストになった人は、伝える手段がどんどん広がることに喜びを感じられるでしょう。
ジャーナリストになる道のり
大学卒業
↓
報道機関(マスメディア)に所属
↓
独立しフリージャーナリストに
ジャーナリストの多くは、新聞社やテレビ局といった報道機関出身です。
報道機関に所属して、記者やデスク(編集・整理の責任者)などを経験してから独立します。
ジャーナリストは組織に所属しているのが苦手な人が多く、報道内容の自由を求めて独立する人が非常に多いです。
ただし多くのジャーナリストは、フリーになっても自分が所属していた報道機関と契約をして仕事をします。
また多くのジャーナリストは、独立してフリーになると一度収入が減ります。
記事数や文章量、知名度によって報酬が決まるため、会社員として決まった額の給料をもらっていたときよりも収入が不安定になるかもしれません。
しかし一時的に収入が減ったり不安定になったりしても、結果を考えるとフリージャーナリストを選ぶ人は一定数いるのです。
まずは報道機関に所属する
一度報道機関に所属することのメリットとして、具体的な業務や流れが分かること、仕事に必要な人脈が生まれることが挙げられます。
報道機関の例
- 新聞社
- 放送局
- 雑誌社
報道機関に所属することのメリット
- 具体的な業務や流れが分かる
- 仕事に必要な人脈が生まれる
いきなりフリーになることも可能ですが、ジャーナリストを目指すなら報道機関への就職を目指しましょう。
ジャーナリストのキャリアプラン
ジャーナリストのキャリアプランは、アナウンサーやニュースキャスターと似ています。
先ほどもお話しましたが、最終的に組織から離れて活動する人が多いです。
独立するタイミングは、会社員として得ていた給料と同じかそれ以上の収入が見込めるかどうかで判断します。
自分の実力で会社員の給料以上の収入が得られるのであれば、フリーとして活動したほうが良いでしょう。
会社員とフリーには、それぞれメリットとデメリットがあります。
選ぶ道に正解・不正解はなく、上手くいくかどうかは自分次第です。
中には新聞社やテレビ局などの報道機関を定年退職した後、フリーで活動する人もいます。
ジャーナリストになるのは難しい?
ここまででジャーナリストにはフリーが多いということ、さまざまな分野や働き方があるということが分かりました。
ここからはそもそもジャーナリストになるのは難しいのか?資格や年齢、性別に制限はあるのか?などの疑問を解決していきます。
- ジャーナリストに必要な資格
- ジャーナリストに年齢制限はない
- ジャーナリストに性別は関係ない
ジャーナリストに必要な資格
ジャーナリストに必要な資格は特にありません。
いきなりフリーで活動するのは難しいため、新聞社やテレビ局に就職することがジャーナリストへの第一歩です。
そのため資格試験の勉強は必要ありませんが、入社試験に合格するだけの知識は必要だといえます。
大手の新聞社やテレビ局は倍率が高いため、結果的にある程度の学歴や学力が求められるのです。
またジャーナリストに求められるスキルとしては、話を聞いて理解する力、自分の言葉で伝える力などが挙げられます。
ジャーナリストに年齢制限はない
ジャーナリストになるのに、年齢は関係ありません。
資格が必要のない職業ですので、いつから始めても良いのです。
ただ実際には、報道機関で記者やデスクとしての経験を積んだあと、ジャーナリストになります。
そのため40~60代でジャーナリストになる人が多いです。
経験や実績のあるジャーナリストになりたいのであれば、焦らず40代前後での独立を目指しましょう。
ジャーナリストに性別は関係ない
ジャーナリストの性別は関係ありません。
現在は男性ジャーナリストのイメージが強いですが、女性でも活躍している人はたくさんいます。
今後も女性の社会進出が進むとともに、女性ジャーナリストの数も増えていくでしょう。
ジャーナリストは、知識を用いて自分の見解や主張を伝える仕事です。
男性目線、女性目線で話題について語られることで、受け手の感じ方は異なります。
そのためさまざまな立場のジャーナリストがいるほうが、報道は豊かになるでしょう。
ジャーナリストになりたい人が選ぶ学校
- 早稲田大学
- 慶應義塾大学
- 東京大学
- 京都大学
- 一橋大学
- 上智大学
- 明治大学
- 同志社大学
ジャーナリストに関係のある学部・学科に所属していても、報道機関への就職に有利になるということはあまりありません。
しかし「新聞学科」や「ジャーナリズム学科」など報道機関(マスメディア)に関連する学科で知識をつけておくと良いでしょう。
また報道に関する学部ではなく、何の専門家になりたいのかによって学部・学科を決めるという考え方もあります。
政治ジャーナリストを目指すなら「政治学科」、経済ジャーナリストを目指すなら「経済学科」など、専門知識をつける期間としても良いでしょう。
興味のある分野や解決したい問題について熱心に学べる人のほうが、ジャーナリストの素質があるといえます。
ジャーナリストに学歴は必要ない
実は大学を卒業しなくても、ジャーナリストにはなれます。
中卒や高卒であっても、実力があればきちんと評価されるのです。
しかし新聞社やテレビ局などの報道機関に就職する難易度は、学歴によって変わります。
応募条件に「大卒以上」が含まれていたり、大学の人脈による就職ルートがあったりと、就活が不利になるのは間違いないでしょう。
中卒や高卒からジャーナリストを目指す場合は、SNSなどを使って自分で世の中に発信していくことになります。
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ジャーナリストに向いている人
ではジャーナリストに向いている性格や、求められる力にはどのようなものがあるのでしょうか。
- 探求心がある
- 特定の分野に情熱をもてる
- 人に思いを伝えたい
- 洞察力・分析力がある
- 自己管理能力がある
探求心がある
世の中で起こっていることに興味を抱き、追求したいと思う気持ちが必要です。
興味のない事柄を扱うこともできますが、探究心がないと続けるのは辛いですよね。
特定の分野について「もっと知りたい」「知識を深めたい」という探究心がある人は、ジャーナリストに向いているといえます。
特定の分野に情熱をもてる
探求心と似ていますが、特定の分野に情熱をもてる人は、ジャーナリストに向いています。
ジャーナリストは深い専門知識が必要なだけでなく、事柄に対して強い思いをもつことも求められるのです。
知れただけで満足せず「もっとこうなってほしい」「こんな思いがある」と、人の心を動かせるような意見をもちましょう。
時には批判精神も必要
ジャーナリストは、専門分野を愛するだけでは務まらない仕事です。
現状や問題に対して、批判的に語らなくてはいけない場面も多いのです。
そのため批判精神ももてる人、批判的な意見を世の中に伝えられる人である必要があります。
人に思いを伝えたい
探究心や情熱があっても、人に伝えたいという思いがないと、ジャーナリストにはなれません。
自分だけで満足するのではなく、自分の意見を世の中に伝え、取り上げた問題に対して人々に考えてもらうことが大切です。
世の中にもっと知りたい分野があるだけでなく、人の心を動かしたり世の中を変えたりしたいという思いがあるとジャーナリストとして成長できます。
洞察力・分析力がある
目の前で起こっていることから情報を手に入れる力、その情報から問題や原因、解決策などを分析する力が必要です。
出来事に対して感情的になるだけではなく、論理的に状況を見られなければいけません。
特定の分野に対していくら情熱があっても、人々に正しく情報を伝えられなければ、ジャーナリストは務まらないのです。
自己管理能力がある
自己管理能力はどんな職業でも必要ですが、フリーのジャーナリストには特に求められる能力です。
取材や打ち合わせの頻度、執筆スピードなど、自分でキャパを理解して管理しなければなりません。
またがむしゃらに量をこなすだけでなく、作業の効率化を考える必要もあります。
会社員のうちに自己管理能力を身につけて、フリーになっても結果を残していけるようにしましょう。
ジャーナリストになるには報道機関へ就職しよう
いかがでしたか?
ジャーナリストは会社に所属せず、個人で活動することが多いです。
しかしフリージャーナリストの多くは、報道機関で記者やデスク経験を積んでから独立しています。
そのためフリージャーナリストを目指している人も、まずは新聞社やテレビ局などへの就職を目指しましょう。
ジャーナリストは情熱だけでも知識だけでも務まらない仕事です。
自分が伝えたいことや思いを人々に届けるために、まずは報道の世界に進みましょう。