転職が決まった時、たとえ上司であっても転職先については伝えないほうが良いとよく言いますよね。
もし言ってしまうと、退職までの間に余計なトラブルに見舞われる可能性があります。
とはいえ、実際転職先を言ってしまうことでどんなトラブルの可能性があるのか。
またもし転職先を言ってしまった時は、もう円満に退職することは難しいのかと不安に感じている方は多いと思います。
そこでこの記事では、転職先を言ってしまったことで起こり得るトラブルや、転職先を言ってしまった時の対処法について解説していきます。
実際に転職先を言ってしまった方の体験談も紹介していきますので、ぜひ目を通してみてください。
目次
転職先を言ってしまった時に考えられるトラブル
転職先を言ってしまった時に考えられる主なトラブルは下記の4つです。
- 引き留めに合い退職交渉が長引く
- 退職までの居心地が悪くなる
- 妬みから転職を妨害される
- 転職先にクレームが入る
引き留めに合い退職交渉が長引く
特に競合他社への転職だとわかった時には、執拗な引き留めによって退職交渉が長引くことも。
優秀な人材を競合他社へ渡したくないという意図があるからですね。
そのため転職先を伝えずに退職する場合よりも、退職交渉が長引いてしまうことが多いです。
退職までの居心地が悪くなる
企業にもよりますが、場合によっては「うちを捨てて他社に乗り換えた人」のように捉えられ、まるで裏切り者のように認識されてしまう可能性も考えらえます。
また、「どうせ辞めてしまう人だから気を遣う必要もない」と思われ、これまでよりも適当な対応をされたり面倒事を押し付けられたりして、なにかと居心地の悪い状況になりかねません。
転職先を言わないというのもそうですが、できれば転職をすることを早い段階で公言するのも避けたほうが良いでしょう。
妬みから転職を妨害される
条件の良い会社に転職すると知れると、職場の社員から妬みによる妨害を受ける可能性もあります。
一緒に仕事をしている身近な人だけに言ったつもりが、上に密告されて意図せず転職先が知れ渡ってしまうことも。
人の成功を喜べない人や、中には自分よりうまく結果を出す人を妬んで貶めてやろうと考える人もいますからね。
そういったリスクを少しでも減らせるよう、転職先は言わないほうが安全です。
転職先にクレームが入る
もし上司に転職先がバレてしまい、それが競合他社だった場合、「自社の社員を引き抜かれた」と現職辛転職先にクレームを入れられてしまう可能性があります。
そうなれば転職先企業にも迷惑がかかりますし、転職先としてもトラブルは避けたいですから、最悪の場合内定取り消しになることも。
そのため競合他社への転職の場合は特に注意が必要ですよ。
転職先を言ってしまった時の対処法
転職先を言ってしまった時の主な対処法は下記の5つです。
- それ以上転職について話さない
- 退社するまで現職の悪口や不満を言わない
- 情報の管理は今まで以上に慎重に
- 退職まで普段以上に業務に力を入れる
- 退職時の合意書はよく目を通しておく
ここから順番に紹介していきます。
それ以上転職について話さない
もし転職先について上司や同僚に言ってしまったら、まずそれ以上転職先の情報が広がらないよう、自分からはそれ以上転職の話題を出さないようにしましょう。
また別の人に転職先について聞かれても答えないようにします。
転職先を話してしまった相手には、可能であれば他言しないよう頼みましょう。
ただ一度話してしまった以上、絶対に秘密にしてもらえる保証はありません。
数日もすれば噂は広まってしまうだろうと覚悟しておいたほうが良いでしょう。
退社するまで現職の悪口や不満を言わない
転職先を誰かに話してしまったのであれば、数日もすればその情報は社内に知れ渡っていてもおかしくないです。
少しでも現職のライバルになりそうな転職先の場合、現職の社員の中にはあなたをよく思わない人も出てくるでしょう。
そこで現職の不満や悪口を言えば衝突の原因になりかねません。
現職の人が今後も気持ちよく就業できるよう、退社する人はその時まで現職の悪口や不満を言わないのはマナーでもあります。
また転職先にもよりますが、現職でのコネクションはその後も仕事で役に立つことがありますので円満に退職するためにも現職の不満を言うのは止めましょう。
情報の管理は今まで以上に慎重に
特に競合他社へ転職する場合、現職で扱っている情操を転職先に持っていこうとするのでは?なんて疑いをかけられることも。
疑わしいと思われないためにも、退職するまでの間はこれまで以上に資料の扱いや情報の管理に気を配りましょう。
退職まで普段以上に業務に力を入れる
転職が決まっていることが現職にバレると、仕事でミスがあったり、ちょっと業務中に雑談をしているだけでも、
「どうせ辞めるからと気が緩んでいるんだ」
「転職が決まって今の仕事はどうでもいいと思っている」
というよう捉え方をされてしまうことも。
実際は転職とは関係なくともつい結び付けて考えられがちですから、退職するまでの間は普段以上に気を引き締めて取り組むようにしましょう。
退職時の合意書はよく目を通しておく
退職時の合意書とは、退職者が企業に対し不利益な行動をしないよう締結する契約書の事です。
時に競合他社に転職する際は退職金を減額する、のような内容が記載されていることも。
合意書は企業によっては書かないこともありますが、もし締結を求められるようであれば、あまりに不利な内容が記されていないかよく確認しましょう。
転職先について聞かれたときの対処法
上司や同僚に転職先を聞かれたときの対処法を3つ紹介します。
- まだ決まっていないと答える
- 業界名や職種だけを答える
- 「転職先から企業名を伝えないよう言われている」と答える
まだ決まっていないと答える
さすがに退職1か月前になって、まだ決まっていないと言えば疑われてしまいます。
ですが2.3か月前くらいであれば、まだ決まっていないと言ってその場をしのぐこともできるでしょう。
本当にまだ選考の途中という場合は、業界や職種もまだ確定していないと言えばさらに情報を伏せておくことができます。
業界名や職種だけを答える
企業名まで伝えなくても、業界名や職種だけを伝えるようにすれば、気まずくならずにその場を切り抜けることができます。
転職先の企業規模が現職よりも小さい場合は、それを伝えてもいいですね。
もし同業他社への転職の場合、トラブルを避けるためにあえて自分の担当でない部署を答えるのも方法です。
「転職先から企業名を伝えないよう言われている」と答える
相手からズバリ、転職先の企業名を聞かれてしまった場合は、「転職先から企業名を伝えないよう言われている」と答えましょう。
言わないのではなく言えないのであれば仕方ありませんし、相手もそれ以上無理に聞いてきたりはしないはずです。
住民税納付で転職先がバレる?
住民税を給与から天引きで納付している場合、転職先でも天引きをしたいなら、現職に転職先を伝えなくてはいけません。
この手続きによって、現職に転職策がバレてしまったという話はよくあります。
もし転職先がバレるのを防ぎたいのであれば、住民税を自分で直接納付するか、向こう数カ月分をまとめて天引きしてもらう方法を取りましょう。
転職先を言ってしまった人の体験談
転職先を会社に教えてしまった人の、実際の体験談を紹介していきます。
会社に転職先を伝えたところ、なんと上が転職先にクレームを入れたんです。
同業他社だったことも原因ですが、結局転職先もトラブルを起こしたくない、巻き込まれたくないと思ったのか内定は取り消しに。
転職先を言わないほうが良いというのは何となく聞いていましたが、まさかこんなことになるとは思わず、甘く見ていました。
これかた転職をする人には、絶対に転職先は教えるなといいたいです。30代 男性
転職願に転職先を記入する欄があり、つい企業名を記入してしまいました。
前の会社は人材が充実しているとはいえず、どちらかといえば人手不足の状況。
そんな状況での転職と、内定先が同じ業界だったこともあり、上司の態度は明らかに冷たくなりました。
転職願には「未定」と書いて出しても良いことを後で知り、もう少し早く知っていたら…と後悔しました。30代 女性
上司であっても退職理由や転職先を教える必要はない
たとえ上司であっても、転職理由や転職先を全て報告する必要はありません。
上司という立場を使って強気に聞いてこられることもあるかもしれませんが、教える義務はないということは把握しておきましょう。
ただし露骨に嫌がったりあからさまに反抗的な態度をとると、上司との関係性に亀裂が入り退職交渉に影響を与える可能性もあります。
そんな時は、紹介したように企業名だけは伏せて業界や職種だけを教えたり、企業名は言わないよう転職先に指示されていると言ってやわらかくかわしましょう。
退職時まで不安なく転職活動を進めるには
転職先を言ってしまったことで起こり得るトラブルや、転職先を言ってしまった時の対処法について解説してきました。
円満に退職するためには、在職中の早めの段階から段取りを考えたりして備えておくことが大切です。
転職活動をしながらそういった部分まで考えていけるか不安だという場合は転職エージェントの力を借りるのも方法です。
はじめから終わりまで、求職者の転職をトータルサポートしてくれる転職エージェントです。
現職で転職先を言ってしまった場合でも、より円満に退職するための術を教えてくれますよ。
転職に関するトラブルを避けたい、円満に退職してすっきりと新しいスタートを切りたいという方にも最適ですので、ぜひ検討してみてください。