正社員でありながら派遣のような就業スタイルで働く特定派遣。
「名ばかりの正社員」なんて言われるほど、その待遇に不満を持っている人も多いです。
この記事では、特定派遣がブラックだと言われる理由や、特定派遣のメリット・デメリットについて解説していきます。
ブラックだと感じた際の対処法についても紹介していますので、ぜひ目を通してみてください。
目次
特定派遣とは?
特定派遣とは、正社員でありながら客先に常駐して勤務する雇用形態の事です。
クライアント企業に出社し、就業後は自社に戻ったりはせずそのまま帰宅します。
まるで派遣社員のような働き方であることから、特定派遣と呼ばれているのですね。
又は「客先常駐」「SES」と呼ばれることもありますよ。
SESって何?働くメリット・デメリットとブラックの噂を徹底解説!
特定派遣がブラックと言われる理由
特定派遣がブラックと言われる主な理由は下記の3つです。
- 残業が多い
- 給料が上がりにくい
- 勤務先がすぐに変わる
順番に見ていきましょう。
残業が多い
通常の派遣は時給制なので、定時で帰らせることでコストを削減しようという発想になり、残業が基本的にありません。
一方特定派遣は正社員なので、職種にもよりますが残業があります。
派遣やアルバイトが職場にいる場合には、その人たちを定時で上がらせて残りの業務の責任を持たなければいけない立場なのですね。
給料が少ない
多少残業が多くても残業代がもらえるならいいか…と考える人もいるかもしれませんが、そう上手くもいきません。
多くの場合みなし残業という形で、あらかじめ○○時間分の残業代が給与に含まれている事になっているからですね。
つまりは残業代がつかないということなので、業務負担のわりに給料が少ないと感じる方も多いでしょう。
勤務先がすぐに変わる
通常の正社員にも転勤の可能性はありますが、どんなに早くても数年は職場が変わることはないでしょう。
一方特定派遣は派遣社員のようにころころと就業先が合わることも多く、早ければ数か月で異動となることも珍しくありません。
せっかく構築した人間関係もまた初めからですし、業務内容や方針も職場によって異なるため覚えなおす必要があります。
生活リズムも変わったりなにかとストレスが多く、精神的に負荷が大きいこともブラックだと言われる理由の一つです。
特定派遣のデメリット
特定派遣の主なデメリットは下記の4つです。
- 給料が上がりにくい
- スキルアップの機会が少ない
- マネジメント能力が育たない
- 人間関係が希薄になる
ここから一つずつ解説していきます。
給料が上がりにくい
特定派遣のスタッフは正社員ですが、就業先はクライアント企業です。
そのため就業先での活躍が自社に伝わりにくく、頑張りがなかなか評価されにくいところがあります。
また特定派遣はスタッフを派遣した分だけクライアントからお金をもらう仕組みです。
つまりは時給制のようなもので、営業成績による給与アップが難しいシステムなのです。
スキルアップの機会が少ない
特定派遣のスタッフは、クライアント企業からしてみれば他社の社員です。
会社にとって重要な作業や責任のある仕事を、他社の人材に任せることはできません。
そのため特定派遣は比較的重要度の低い業務を任せられることが多く、なかなかスキルアップの機会がありません。
成長の機会に恵まれないことで、キャリアアップも転職もしにくくなってしまうのですね。
マネジメント能力が育たない
クライアント企業でマネジメントを行うのは、もちろん常駐先の正社員です。
お伝えしたように、他社の社員に重要なポジションを任せるわけにはいきませんからね。
マネジメントスキルはキャリアアップや転職の際にも評価されやすい力ですから、ぜひとも身につけておきたいところ。
ところが、特定派遣では身につけるチャンスがなかなか無いうえ、身につけても発揮する機会がほとんどないでしょう。
人間関係が希薄になる
特定派遣は就業先が頻繁に変わるため、どの職場でも人間関係が希薄になりがちです。
また正社員でありながら自社に出勤する機会はほとんどなく、会社との繋がりを感じにくいのですね。
仲の良い人ができずらいという意味でも精神的に疲れてしまう人は多いです。
特定派遣のメリット
特定派遣のデメリットについて紹介しましたが、もちろんメリットもあります。
特定派遣で働く主なメリットは下記の3つです。
- いろんな企業を見て学べる
- 人脈が広がる
- ヘッドハンティングされることもある
いろんな企業を見て学べる
特定派遣は勤務先が頻繁に変わるので、短期間で色々な企業を見て回ることができます。
企業ごとのいい点、悪い点を学んで自分に落とし込み成長することもできますよ。
大手企業で就業する可能性もありますから、特定派遣でも成長の機会はあるということですね。
人脈が広がる
異動が多いということは、それだけ多くの人との出会いがあるということです。
今後も同じ業界で働き続けたいと考えているなら、業界内の人脈は広いに越したことはありません。
お互いに情報交換をすることもできますし、独立を考えている人はその人脈が業務に活きる機会は多いはずです。
これは特定派遣ならではのメリットと言えますね。
ヘッドハンティングされることもある
特定派遣のスタッフが就業先で活躍すれば、客先からヘッドハンティングされることもあります。
現職よりもいい条件で雇用してくれる企業から声をかけてもらえるチャンスもあるということですね。
こちらとしても企業の雰囲気や業務内容を把握してから判断できますし、転職活動なしで転職できるのは嬉しいですよね。
ヘッドハンティングされることを狙って、客先で活躍しアピールするのもアリです。
特定派遣でブラックと感じた時の対処法
特定派遣でブラックと感じた時の主な対処法は下記の2つです。
- 本社配属を目指す
- 客先常駐のない仕事に転職する
本社配属を目指す
企業によっては、特定派遣の社員の中から本社の内勤や営業に異動を希望できることもあります。
ただし、本社勤務になりたい人は多いので、競争率はかなり高いでしょう。
本社勤務の社員との繋がりを持っていると有利ですから、自社で行われる研修やイベントに積極的に参加するなどしてアピールしておくと良いでしょう。
客先常駐のない仕事に転職する
本社配属を目指すことが難しい場合は、思い切って客先常駐のない正社員への転職を検討しましょう。
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特定派遣からの転職におすすめの転職エージェント
特定派遣から客先常駐のない正社員を目指す人に、おすすめの転職エージェントを3社紹介します。
- doda
- マイナビエージェント
- パソナキャリア
転職エージェントによって扱う求人に違いがありますから、複数登録して多くの求人を紹介してもらう使い方もあります。
気になるサービスがあれば併用して使うことで、希望にマッチする案件に出会える可能性も高まりますよ。
doda
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特定派遣で働く職種としてはSEが多いですが、doda は特にIT・WEB・エンジニア関連の求人も多数扱っています。
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マイナビエージェント
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パソナキャリア
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企業の内部事情にも詳しく、求人票だけではなかなかわからないような職場の人間関係や雰囲気なども知ることができますよ。
ギャップの少ない転職をしたいと考える方におすすめです。
特定派遣でブラックだと感じたら転職も検討しよう
特定派遣がブラックだと言われる理由や、特定派遣のメリット・デメリット、そしてブラックだと感じた際の対処法などについて解説しました。
特定派遣から本社勤務を目指すことも不可能ではありませんが、競争率が高いため簡単ではありません。
特定派遣の待遇がブラックで耐えられないと感じたら、転職することも検討してみましょう。
転職エージェントを活用すれば、就業しながらでも負担を軽減しながら転職活動をすることができます。
ぜひ理想の働き方を叶えるために活用してみてください。