栄養士や管理栄養士が転職するときの志望動機は、どんな書き方がベストなのでしょうか。
転職のときに企業に提出する履歴書は、採用の判断をされるとても重要な材料です。
この記事では、栄養士が履歴書を書くときに志望動機に入れておきたいことに加え、転職のときにおもにチェックされるポイントをまとめました。
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目次
転職希望先ごとの志望動機例文
栄養士のおもな仕事内容は食事の管理や栄養バランスの計算、食に関する指導を行うことです。
職場によってくわしい業務内容はさまざまですが、献立の作成や調理業務、食品の開発など多くの仕事に携わります。
それぞれの対象を簡単に説明すると栄養士は健康な人に仕事を行い、管理栄養士は健康な人に加えて病気を抱えていたり特別な配慮が必要だったりする人を担当します。
管理栄養士は国家資格なので、栄養士と比べると転職では働ける範囲が広く優遇されやすいことも特徴です。
栄養士ならではの自分のスキルやこれまでの経験をもとに、転職に強い志望動機を書きましょう。
病院やクリニック
■志望動機例文
私が学生の頃、弟が入院してしまいました。
その際に、食事の時間がとても好きな弟が「入院食がおいしくない」と悩み、回復までに時間がかかり、心配したことを覚えています。
この出来事がきっかけとなり「病院でもできる限りおいしい料理を食べてもらいたい」という目標をもって業務にあたっています。
現在は病院で働くうえでの知識を深めるため、通信教育やセミナーで勉強しています。
貴院の充実した研修制度で、臨床に関する栄養知識が学べることにも大変魅力を感じております。
また、貴院の理念である「患者さんを第一に尊重し、より質の高い医療を提供する」ということが、私の目標と一致すると考えます。
貴院の一員として患者さんに栄養バランスがあるおいしい料理を提供できるように精進してまいります。
病院やクリニックでは患者一人ひとりに合わせた献立の提供や栄養指導が求められます。
治療の一環として食事提供がされるため、健康や命にかかわる責任感だけでなく、医師や看護師との密接な連携が必須です。
コミュニケーション能力を備えていることや、常に進化する医学にかかわり学び続ける意思をアピールしましょう。
保育園
■志望動機例文
食への関心を子どもたちに持ってもらい、食を通じた子どもの成長にかかわることが私の夢です。
それを実現できるのは貴園だと考え応募させていただきました。
貴園の「のびのびと健康に育てる」という教育方針に感銘を受け、給食に関する自園での調理や栄養管理への取り組みに私のスキルが貢献できると思いました。
保育園での栄養士の仕事は、子ども一人ひとりの成長に大切な栄養管理や、安心できる食事提供が主な仕事です。
また、園によっては栄養士が園児に食育の保育を行うことがあります。
子どもが好きということに加え、園児と保護者への対応力や食育に対するスキルや思いなどをしっかりと伝えることで、採用担当者にプラスの印象を残しましょう。
介護施設や老人ホーム
■志望動機例文
私の長所はコミュケーション能力に加え、柔軟性もあることです。
前職で勤めていた介護施設では好き嫌いの激しい利用者様がおりましたが、スタッフからのアドバイスや意見・協力をいただき、参考に献立の工夫をしました。
「おいしい」と残さずに料理を食べていただいたときは、非常に大きなやりがいを感じられました。
利用者さんの食に関して貢献し、さらに充実したものにしたいと考えております。
また、貴社の充実した研修制度や取り組まれている高齢者向けの料理教室、食事会などの行事にも魅力を感じました。
介護施設の栄養士として、利用者を第一に考えたサービスを徹底してきます。
介護施設や老人ホームでは、利用者が快適に生活できるように、栄養バランスや身体機能を慎重に考えて食事を提供します。
また、食事やおやつを楽しんでもらえるように、四季や季節のイベントを取り入れた献立の作成も必要です。
医師やほかの介護スタッフとの連携が大切なので、コミュニケーション能力が発揮できた実務経験を志望動機に入れることをおすすめします。
食品メーカー
■志望動機例文
私が貴社を希望した理由は、販売しているオリジナル商品に魅力を感じたためです。
健康と美容のことを考えているだけでなく、全世代に愛されるおいしい商品は貴社の開発技術ならではと考えます。
魅力的な商品の開発に、ぜひ携わりたいと思い応募しました。
前職で機能性表示食品の開発を担当した経験を生かして、さらに健康面に特化した商品のアイデアを提供し貴社に貢献したいと考えます。
食品メーカーではおもに新製品を開発したり、残留農薬検査やアレルゲンの検査をしたり、品質管理やメニュー開発の仕事を行います。
また、消費者が納得するエビデンスを提供する対応力や、抽出したデータをまとめる能力も必要です。
自分の分析能力をこれまで経験したことに絡めて、どんなことで食品メーカーの仕事に役立てるか意欲と一緒に書き出してください。
魅力的な志望動機を作るポイント
志望動機は履歴書への記載だけでなく、面接でも聞かれる重要なポイントです。
事前にコツをつかんで自分のメリットを伝えられるように、志望動機をまとめておきましょう。
徹底的な自己分析が必要
志望動機を作るために、まずは徹底した自己分析をしてみましょう。
「栄養士としてどんなことがしたいのか」「なぜこの仕事に就きたいのか」を探すことで、志望動機の主軸が見つかります。
自己分析には以下の方法が簡単です。
- これまでの人生で打ち込んだことを箇条書きにする
- 打ち込んだことに対して「始めたきっかけ」「頑張れた理由」「なぜ続けられたのか」を洗い出す
- 経験に共通する「頑張れた理由」と「続けられた理由」をもとに「自分の力が発揮できる場面」を文章にしていく
- 「自分の力が発揮できる」ことを重視するなら、どんな業界のどんな仕事が向いているか判断できる転職先の業界や会社を研究する
転職は、応募先の企業が持っている特性への理解が重要です。会社の公式ホームページを確認しましょう。
まずは、企業の沿革や経営方針などチェックして「どんな人材を求めているか」「望んでいるキャリアは実現できるか」などをよく考えます。
また、会社が公表しているプレリリースやニュースは、経営に対する考えや事業の方向性を知るための重要な材料です。
事前に確認しておくことで、転職の志望動機を書くときにより深みが増します。
経験を通して得たスキルを伝える
志望動機ではこれまでの経験を通して得られたスキルを、自分の言葉を使って論理立てて文章にしましょう。
貴重な経験や素晴らしい体験だけでなく、失敗や小さな出来事の積み重ねから学んだことも大切なあなたの志望動機のひとつです。
どんなことから何を学んで、それがどんなふうに仕事に役に立ったか、転職するうえで重要ながら短いエピソードとして文章にしてください。
志望動機にプラスしたPR
志望動機の熱いアピールや、自分が持っている技術の説明には具体性を持たせると採用担当者の関心を引くことが可能です。
たとえば、緊急時やトラブルが起きた場合は自分ならどのように対処するか、実際の経験を交えて簡単に説明してみましょう。
より詳しいPRができることで、他の応募者よりもワンランク上の志望動機が完成します。
仕事に対する自分なりの姿勢と取り組みを伝える
仕事への真摯な取り組みや、即戦力として貢献できることは、採用担当者の印象がプラスになります。
実務経験を通して職場で感じたことや、考えをもとに、転職先の企業が持つ社風と共通する部分を洗い出してもいいでしょう。
栄養士の転職でチェックされること
栄養士が転職するときに企業からチェックされることは、実務経験やスキルのほかに応募者の人間性やマナーなど多岐にわたります。
履歴書を書くときや面接を受けるときに特に気を付けたい項目をまとめたので、応募前に確認してみましょう。
食への探求や理解は十分か
栄養士は食のエキスパートとして、栄養管理や献立の提供などを主に担当します。
食への探求や理解に対する姿勢を、厳しくチェックされることを覚えておいてください。
情報の刷新や新しい知識の勉強も同じように重要なので、転職のときにうまくアピールしましょう。
コミュニケーション力や協調性
他のスタッフとのコミュニケーション能力や連携に必要な協調性も、栄養士に重要なスキルのひとつです。
例えば保育園では利用者のアレルギーの有無や成長などをもとに、献立を作成します。
保育士や他のスタッフとある程度のコミュニケーションが取れてなければ、園児の食と健康に関するトラブルのもとになってしまうため、栄養士の連携に関する能力もチェックされます。
仕事に対する責任感
栄養士だけでなく、仕事に関する責任感はどんな仕事でも重要です。従業員に最後までやり遂げる力や責任をもって果たそうとする力がないと、職場全体に迷惑が掛かってしまいます。
与えられる仕事だけでなく自分から目標を持って動く能動的な責任感も、転職の際にチェックされる項目なので、仕事に対する自主性もアピールしてくださいね。
栄養士としての目標
転職先で発揮できる栄養士としての目標をしっかりと伝えることは、採用の判断でプラスになります。
食の探求や向上心を持ち、栄養士としてさらに成長したいという心構えがある人材は、職場の雰囲気の向上や企業の経営にとってもメリットがあるためです。
転職するときは、事前に目標をしっかり定めて、志望動機のひとつとして採用担当者に伝えましょう。
まとめ
栄養士の転職を成功させる方法は、志望動機を魅力的なものにすることが重要です。
自分を雇うことで転職を希望する会社にとってどんなメリットがあるか、具体的にイメージしてみましょう。
志望動機はなぜ転職希望の会社で働きたいのかに加え、スキルと具体的な経験をふまえて自分なりの目標も記載してください。
