営業職はあらゆる業界で活躍できるため、最も転職しやすい職業の一つです。
景気が良くても悪くても、営業に力を入れない企業はありません。
しかし選択肢が多いからこそ、どの業界を選べばいいのか悩むものです。
そこで今回は営業職におすすめの業界を、あなたの希望に合わせて解説。
また転職先を選ぶ際のポイントも紹介しているので、営業職での転職を考えている方はぜひ参考にしてください。
目次
営業職の特徴を種類別に解説
- 無形商材×法人相手
- 有形商材×法人相手
- 無形商材×個人相手
- 有形商材×個人相手
- 店舗接客・販売
上記のように、営業職は大きく分けて5つのタイプに分類できます。
ここからはそれぞれのタイプ別にどんな特徴があるのか、またどんな業界が当てはまるのか紹介していきます。
「無形商材×法人相手」は営業のスキルが試される!
無形商材の営業とは、形にないもの、目に見えないものを売る仕事です。
目に見える商品とは違って、実際に使用した際のメリットなどイメージすることが難しく、相手に購入意欲を持たせるためには、営業のスキルが試される仕事でもあります。
たとえばパソコンのソフト販売や、WEBサービスなどが法人相手の無形商材に代表されます。
しかし相手が法人であるため、基本的に土日・祝日が休みの企業が多く、また個人相手の営業と比べて、理不尽なクレームや要望は少ないです。(※あくまで比較した場合、です)
そのため営業職未経験という方でも、活躍できるタイプの営業職でもあります。
「無形商材×法人相手」に当てはまる業界
- インターネット関連サービス業界
- ソフトウェア業界
- 人材コンサルタント業界
- 保険業界(損害)
- 広告業界
「有形商材×法人相手」は製品の優劣が勝負の決め手
無形商材とは反対に、有形商材は実際に触れることができる商品を売る営業職です。
法人相手ですと、オフィス用品の営業などが一番想像つきやすいと思います。
有形商材の場合、商品の優劣が成果に大きく影響します。また市場における優位性によって、仕事の難易度は大きく変わるので要注意です。
独自性のない商品、そしてシェアの小さい企業で働く場合、長時間の労働を強いられ、給料が低い傾向にあります。
「有形商材×法人相手」に当てはまる業界
- オフィス用品業界
- 食品業界
- 工業機械メーカー
- 工業部品メーカー
- 印刷業界など
「無形商材×個人相手」は人によって成果の差が大きい
無形商材を個人相手に営業する場合、法人を相手にするよりも担当者の力量が試されます。
保険や不動産の営業に代表されるように、稼げる人であれば月収100万円超も珍しくありませんが、成果が出ない人は全く歩合を貰うことができません。
担当者の力量による差が大きい分、会社内においても成果が出てないと立場はどんどん悪くなってしまいます。
営業スキルに自信のある方は、「無形商材×個人相手」の分野に転職をして、大幅に給料を増やすことも可能です。
「無形商材×法人相手」に当てはまる業界
- 保険業界(生命保険など)
- 不動産業界
- 金融業界
「有形商材×個人相手」は近年市場は衰退傾向にあり
インターネットサービス(ECサイト等)の発展により、有形商材を個人相手に売ることは難しくなっています。
また「有形商材×個人相手」で営業に力を入れている企業も減っており、転職先としてはあまりおすすめできません。
しかしガスや電気などのインフラ業界は近年活発化しており、安定した成果も見込めるでしょう。
商品の需要や将来性を考え、転職先を選ぶことが重要です。
「有形商材×個人相手」に当てはまる業界
- インフラ業界(ガス・水道など)
- 訪問販売
- 新聞購読など
「店舗接客・販売」は固定給で安定志向が強い
店頭に立って顧客対応を行う店舗接客は、ノルマなど設定されずに固定給で安定しています。
営業でガッツリ稼ぎたいという方には不向きですが、未経験でスキルもないという方にはおすすめです。
また自動車のディーラーや旅行代理店などでは、店舗接客でも成果を上げることができれば、どんどん歩合を稼ぐことも可能です。
「店舗接客・販売」に当てはまる業界
- ショップ店員・販売員
- 自動車の小売業界
- 旅行代理店
営業職の転職におすすめの業界6選
ここからは営業職の転職におすすめの業界をピックアップして紹介していきます。
- メーカー業界
- インフラ業界
- IT業界
- 金融業界
- 不動産業界
- 医療業界
以下でそれぞれの業界について、解説していきます。
メーカー業界
メーカー業界は営業職の中でもBtoBの領域を担当することが多いです。
既に獲得している顧客先に定期的に提案に行く、長期契約している企業との折衝など、ルート営業がメイン。
また自動車等の乗り物のメーカーの場合、販売店にお客さんが来てくれるので各家を回って営業するケースは少ないです。
メーカーは企業自体の知名度が高いので、比較的営業をかけやすいのもポイント。
特にシェアの高い領域の商品を取り扱っている場合、優位性をもって営業業務を進められる可能性が高いです。
営業の中でも比較的楽に働けるので、ペースを維持しながら働きたい方におすすめの業界です。
インフラ業界
インフラ業界は、水道・電力・ガスや電話等の通信・ライフライン関連のサービスを指します。
インフラ業界は各社が確固たる地位を確立しており、生活に欠かせないものですので、固定客が常にいる状態です。
業界が常に安定しているので、途中でつぶれる心配もありません。
競合他社が少なく信頼性もあるので顧客に対して営業も進めやすいです。
年功序列で段々と給料UPが実現できるので、営業職として働いていても安定的な給与UPが見込めます。
残業も少ないので、ワークライフバランスを意識した働き方が好みの方におすすめです。
IT業界
IT業界の営業は無形商材を扱うスタイルです。
BtoBの業態が多く、先方のシステムや技術担当者に対して、自社のシステムについて説明するスキルが求められます。
導入メリットをイメージしやすいように説明することになるので、自ずと説明力は磨かれていきます。
他の業界とは異なり、成果がそのまま給与に反映されることが多いです。
数字評価で自分の頑張りが見えてくるので、営業職としての頑張りを確認しながら働きたい方におすすめ。
発展途上の業界なのでこれからさらに営業職の需要が拡大することが予想されます。
知識をつけながら働けるので、経験とスキルを両方身に着けたい方に向いているといえるでしょう。
金融業界
金融業界、特に証券や保険関連の営業はダイレクトに自分の成果が反映されやすいです。
もちろん提案の説得力を持たせるために、常に勉強は必要です。
しかし取り扱う案件の単価が高いので、契約を獲得した時のバックも大きいです。
顧客を自分で発掘して取引していくので、準備期間や折衝はかなりのハードルになりますが、達成感が得やすい仕事です。
個人営業と法人営業の2パターンに分かれており、法人営業野方がより専門性の高い知識が必要になります。
不動産業界
不動産業界はBtoCの形態が多い業界の一つです。
不動産にも様々な種類があり、賃貸物件の仲介や管理、投資用マンションの販売や戸建ての販売など様々です。
不動産販売の方が取り扱う商品の価格が高い分、稼ぐには向いています。
しかし顧客に対して提案してから購入するまでの期間が長いので、顧客管理と提案力を身に着ける必要があります。
宅建士の資格が必要になるため、完全未経験から転職する場合は、資格取得の勉強も必要になります。
営業職としての基礎的なスキルが身に着けられるので、経験が浅かったり、営業職としてのスキルアップを狙っている方におすすめです。
医療業界
医療業界の営業は、医療機器関連のメーカー営業や、製薬会社関連の営業がメインです。
ひとつの機材や薬の価格が高額なので、顧客を獲得できるとその分のバックが大きくなります。
また最近はヘルステック系ベンチャーの営業も需要があります。
業界の特性上専門性が必要になりますが、働きながら身につけることも可能です。
コロナ禍でヘルステック企業の注目度も上がり、景気に左右されないで安定的に成長している業界なのも安心ですね。
営業職未経験におすすめの業界3選
営業職は企業からの需要も高いため、未経験の方でも転職しやすい職業です。
しかし営業スキルを持っていない分、いきなり競争の激しい業界へ転職しても、なかなか成果を挙げられず、「転職しなければよかった…」ということにもなりかねません。
そのため転職する前にしっかり業界について調査し、しっかりと成果を出せる業界を選ぶことが大切です。
完全未経験で営業職として転職するのであれば、下記の業界での転職江を検討してみてください。
- 前職と同じ業界の営業職
- 人材業界
- 広告・メディア業界
以下で詳しく解説していきます。
前職と同じ業界の営業職
基本的には前職と同じ業界内で転職することをおすすめしています。
有形商材・無形商材、どちらを売るにしても、商品に関する正しい知識を持っていることは、大きなメリットになるからです。
商品の正しい知識を持っていなければ、顧客から信用を得ることも難しいでしょう。
また業界内の力関係や、市場の状況を把握しておくことで、転職先の企業選びで失敗するリスクも少なくなります。
「無形商材×法人相手」は今後も市場規模の拡大が望める
「無形商材×法人相手」の営業職は、今後も市場規模の拡大が望めるおすすめの分野です。
無形商材の場合、在庫を抱えるコストや費用も必要ないため、販売価格など柔軟に対応することができ、営業を取りやすい商品でもあります。
またインターネットサービスの進化により、常に新しいサービス・商品が誕生しており、業績を伸ばす企業が多いのも特徴です。
人材業界
人材業界は営業初心者でも働き始めやすい業界です。
人材業界は、転職サービスと派遣サービスの2パターンがあります。
転職サービスでは、自社の運営する転職サイト・エージェントに対して、求人を掲載しないか企業に対して営業する業務が一般的です。
またコンサルタントとして、転職者におすすめの求人を提案して転職活動のサポートをすることもあります。
また派遣サービスも同様に企業に対して求人の掲載をすすめる業務を担当します。
顧客が法人と転職者という両面型にはなりますが、企業内である程度育成プログラムが完成していることが多いです。
そのため完全未経験の状態で転職しても、スキルアップしやすいといえるでしょう。
広告・メディア業界
広告・メディア業界の中でも特にWeb関連の業態は、未経験でも転職しやすいでしょう。
TVCMや固定広告ではなく、最近はSNSで流す広告や動画広告の需要が高まっています。
広告を出さないか企業に対して提案をしたり、自分で実際に広告を運用することもあります。
メディアを運用して広告を掲載することもあります。
まだまだ新しい業界なので、参入障壁も低く経験も積みやすいです。
ベンチャー企業が多く、同僚の年齢も若いのである程度自由・マイペースに働きたい方におすすめであるといえます。
営業でガッツリ稼ぎたい方におすすめの業界は?
営業スキルに自信があり、ガッツリ稼ぎたいという方には「有形商材×法人・個人」の営業職をおすすめします。
特に不動産や自動車など、商品自体が高額の営業では、成果を上げることができれば歩合を大きく増やすことができます。
一流の営業職であれば年収1000万円を超えることも、珍しいことではありません。
無形商材の場合、成約は比較的取りやすいですが、一つ一つの単価が低いため、インセンティブが増えにくい傾向があります。
「自分なら商品を売れる!」という自信のある方は、自動車の販売や不動産など、有形商材の営業職がおすすめです。
ブラック企業が多い!要注意の業界・企業は?
すでに時代遅れとなっている商品、また競合と比較して優位性のない商品を販売している企業は、ブラック企業と化す可能性が高いです。
特に歴史だけは長く、古い体制が続いている企業では、営業の力だけで商品を売ろうとするため、営業職への負担は半端なものではありません。
また人手も不足しており、長時間の労働を強いられる可能性が高いです。
現在営業職として働いている方も、自社の商品に優位性がなく、市場シェアも大きくないようであれば、転職を検討した方がいいでしょう。
【怖すぎ】ブラック企業あるある!一つでも当てはまったら転職を!
営業職として働きやすい企業の見分け方は?
営業職として一番見るべきポイントは、商品・サービスに優位性があるかどうか。
また市場におけるシェアをどれくらい握っているか、という点です。
これら二つとも足りない企業は、転職したとしても成果を上げることができず、また労働環境も悪い可能性が高いです。
そのため転職する前にしっかりと業界や企業について調べることが重要です。
ベンチャー企業でも営業職は重宝される!
最近は若い世代の起業家も増えており、特にWEB業界ではベンチャー企業の数が急増しています。
しかしこういったベンチャー企業は、共通して営業を苦手としている企業が多いのも特徴です。
社会人経験を十分に積まないまま企業したため、独自性のあるサービスは作れても、どうやって売り込めばいいか分からないという人が多いのです。
そのためベンチャー企業の中には、実績を積んだ営業職に高額の報酬を支払う企業も増えてきています。
これまでとは畑違いの業界だったとしても、スキルと実績のある営業マンはそれだけで重宝されるようになっています。
転職前には入念に業界調査をしておこう!
営業職の転職では、転職先の収支状況や職場の雰囲気だけを調べても意味がありません。
商品や市場の調査も行っていなければ、せっかく転職しても稼げない…ということにもなりかねません。
たとえば転職エージェントにも相談することで、会社の実情など詳細に訊くことができ、転職後のギャップを失くすことができるでしょう。
営業職への転職で不安な方は、ぜひこういった転職支援サービスを活用してください。