「不景気の転職はむずかしい?」
「不景気のうちは転職しないほうがいい?」そんな悩みを持っている、そこのあなた。
不景気の転職にはさまざまな不安がありますが、成功するコツとポイントを知っておけばハードルは高くありません。
むしろ、不景気に求人を募集している会社は経営が順調と考えられるため、企業を見極めるタイミングにベストです。
この記事では、不景気の転職における基礎知識と、成功するためのテクニックを紹介します。
目次
不景気でも転職者の数は変わらない
総務省の労働力調査から読み解くと、転職者の数は景気に左右されず、不景気も好景気でもほぼ変わりません。(参考:総務省公式サイト)
不景気だからと言って転職を考える人の数が減るとは限らないため、転職者の多さに景気の影響はほとんどないでしょう。
不景気の転職は経験者でも難易度が高い
不景気の転職は経験者でも、難易度が高い傾向です。
ただし、不景気の転職で、経験者は即戦力として採用される可能性があるため、一概にハードルが高いとは判断できません。
これまで経験した仕事で転職先に貢献できる実績があると、経験者は採用試験で実務未経験の応募者より優位に立てるでしょう。
不景気の転職で注意したい3つのこと
不景気の転職で注意したいことには、未経験職の仕事を避けることや、いま勤めている会社の経営状況などがあげられます。
不景気の転職における、くわしい注意点を確認しましょう。
1.不景気の転職は未経験業界や職種は避けよう
不景気の転職は、未経験業界や職種で採用される可能性は低いです。
不景気の間は未経験者が応募できる求人が減り、成長性が期待されるポテンシャル枠で採用されることは難しいでしょう。
企業も利益につながりやすい即戦力の人材を求めているため、未経験者の採用は積極的に行われません。
不景気の転職は未経験業界や職種は避けてください。
2.不景気の転職は現職の様子を見て決めよう
今の仕事に大きな問題や不満を感じない人には、不景気のうちは転職を無理に行うことはおすすめしません。
ただし、以下のような状況の会社は危険なので、今の仕事が当てはまらないかチェックしましょう。
- 会社の労働環境や上司の態度が悪く心身に不調を感じる
- 不景気が原因で給料がきちんと払われなくなった
- 周囲の社員が短期間で辞めていく
- 売上が減少するスピードが速い
- 会社の資金繰りに疑問を感じる
とくにお金に関する問題は、すでに会社の経営が傾いている可能性があります。
働いた分の給料がもらえない場合は、今の仕事に固執せず転職を考えましょう。
会社の経営について不安を感じる人にはこちらの記事もおすすめです。
3.業界によっては求人がクローズする可能性がある
業界によっては不景気の影響で、求人募集がクローズする可能性があります。
以下のように生活に必要不可欠ではないサービスや娯楽は、不景気の影響を受けやすいでしょう。
- 飲食業界
- 建設/不動産業界
- 金融業界
- サービス業界(人材、教育、ブライダルなど)
- メディア業界(広告、出版、マスコミなど)
- 小売業界(アパレル、化粧品など)
不景気の影響はどれくらいあるのか、企業や業界をチェックして転職を考えてください。
不景気に転職する5つのメリット
不景気に転職することには、以下の5つのメリットがあります。
- 転職活動のライバルが少ないため内定をもらえる確率が高い
- 転職先は活躍する優秀な人材が絞り込まれている
- 入社後は出世の競争相手が少ない
- 人数が少ないため仕事のチャンスが回ってきやすい
- 入社後は大切に扱ってもらえる
企業が不景気に採用した優秀な人材は、大切にしたい貴重な社員です。
採用は好待遇でおこなわれ、入社後は働きやすい環境を整えてくれる可能性があります。
不景気に転職する3つのデメリット
不景気に転職するデメリットは、以下の3つがあります。
- 不景気で好条件の求人が少ない
- 転職後に大幅な給料アップが見込めない
- 各企業の採用人数が少ない
不景気のうちは経営が苦しい企業も多くあり、大きな給料アップは難しいでしょう。
景気がいいときに比べると、企業の採用人数が少ないことも不況で起きるデメリットです。
不景気の転職で成功するポイント6つ
不景気の転職で成功する6つのポイントをまとめました。
- 自己分析とキャリアの確認をする
- 不景気の転職は面接のスキルを磨く
- 転職先に求める条件のレベルを下げる
- 不景気の転職は自分の市場価値を確認する
- 不景気の影響を受けにくい職種を見極めよう
- 転職エージェントを利用して有利に進める
不景気の転職を有利に進めるため、それぞれのポイントを確認しましょう。
1.自己分析とキャリアの確認をする
自己分析とキャリアの確認をして、転職活動の準備を進めましょう。
経験と実績を洗い出し、企業にアピールできる優先順位を決めると、自分の長所が分かりやすいです。
不景気に限らず、転職はスキルの自己PRを徹底してください。
転職先のどんな仕事に貢献できるか具体的に示し、採用担当者にいい印象を与えることが重要です。
2.不景気の転職は面接のスキルを磨く
転職を有利に行うために、面接のスキルを磨きましょう。
身だしなみは清潔感を第一に考え、落ち着いた話し方で面接官の話をよく聞いて要点をつかんでください。
オンライン面接を行う企業もありますが、基本的なテクニックは対面で行う面接と変わりません。
ただし、面接で使用するツールやインターネット環境などは事前に確認しましょう。
オンライン面接をうけるときの背景は壁を背にし、部屋の中が写らないように準備が必要です。
3.転職先に求める条件のレベルを下げる
不景気の転職は、企業に求める条件のレベルを下げることを視野に入れましょう。
不況の時に転職を成功させるためには、条件面での妥協も必要です。
入社後の景気回復や企業の成長性を見込んで幅広い選択肢を持つと、自分の条件に近い求人が見つけやすくなります。
企業の規模にこだわらず同レベルの転職先も視野に入れることで、将来的なキャリアアップにつながる可能性があります。
4.不景気の転職は自分の市場価値を確認する
不景気の転職は、自分の市場価値の確認が重要です。
企業が求める条件と自分のスキルがどれだけ一致するかで、市場価値が分かります。
ここからは、転職時の市場価値を確認する方法をわかりやすくまとめました。
社会人経験をもとに、キャリアの棚卸しを行う
転職成功のため、これまでの経験と実績を洗い出し、キャリアの棚卸を行いましょう。
仕事内容を時系列で掘り下げ、どのような成果や経験に結びついたか書き出してください。
キャリアの棚卸しを丁寧に行うことで、納得のいく転職活動につなげられます。
自身の強みと課題、伸ばしていきたい技術を文章にする
自分の強みや課題、価値観や伸ばしたいスキルを明確にしましょう。
まずは箇条書きで書き出してからひとつの文章を作ると、転職先の志望動機が作りやすくなります。
応募書類がより魅力的になるため、自分の希望や解決課題を見つめることは重要です。
企業が求めている人物像と待遇条件にマッチするか確認する
企業研究を行い、転職先が求めている人物像と待遇条件に自分がマッチするかチェックしてください。
仕事に必要なスキルのミスマッチを防ぐだけでなく、自分に足りないものが見えてきます。
面談でスムーズに自己PRするための内容が確認できるので、企業研究は重要です。
企業研究はこれからのキャリアについて考えるきっかけにもなり、理想の将来像がわかりやすくなります。
自分の知識・スキル・経験が転職先と合っているか最終チェックする
さいごに、自分の知識・スキル・経験が転職先に合致するか再確認しましょう。
企業が求める人材とかけ離れている場合は、条件を落としてあたらしい転職先を探すことをおすすめします。
自分にマッチしない企業に採用されてしまうと、転職できても仕事が長続きしない可能性があります。
自分の知識やスキルは企業のどんなことに貢献できるか、現状と理想の差を確認しましょう。
5.不景気の影響を受けにくい職種を見極めよう
不景気の影響を受けにくい職種は以下の通りです。
通信 | インターネットや電話通信などのサービス提供 |
---|---|
保険 | 生命保険や損害保険などの商品を販売 |
医療や医薬品 | 医療や医薬品にかかわる商品やサービスの開発・提供 |
消費財(日用品) | ティッシュや洗剤などの日用品の販売や開発 |
IT(コスト削減につながる) | グループウェアやサーバーのクラウド化などコスト削減につながるIT業 |
食品 | 食品の製造や販売、卸売など |
介護 | 高齢者や障がい者の身の回りの世話や相談援助を行う |
JRと私鉄 | 鉄道を運行し生活や産業を支える仕事またはそれにかかわる業務 |
エネルギー(電気・ガスなど) | 電力、石油、天然ガスなどの供給や提案を行う |
不景気でも影響を受けにくい業種には、生活の基盤であるインフラに関わる仕事が多くみられます。
不景気で求人を出せる企業は経営状態がいい
不景気でも求人を出せる企業は経営状態がよく、景気の影響を受けにくい職種です。
キャッシュが潤沢で研修制度が整っていると考えられ、入社後も安定して仕事ができるでしょう。
不景気は転職が難しい傾向ですが、経営状態が良好な企業を見つけやすいタイミングといえます。
不景気で求人を出せる企業は成長性が期待できる
不景気でも求人を出せる企業は、これからの成長性が期待できます。
将来有望な人材を採用する会社は、不景気が終わるころに業績が伸びる可能性があります。
丁寧なマーケティングにより、市場づくりが徹底していることが考えられ、不景気のあとに大きな伸びしろがあると考えられるでしょう。
6.転職エージェントを利用して有利に進める
不景気の転職は、エージェントを利用して有利に進めましょう。
活用のためには複数の企業に登録し、エージェントを併用して転職活動を進める方法がおすすめです。
転職エージェントごとに独占の非公開求人が異なるため、併用すると自分に合った条件の企業が見つけやすくなります。
不景気の転職におすすめのエージェント
不景気の転職におすすめのエージェントを紹介します。
どのエージェントもサービスの質が良く、不況でもよりよい企業への転職が期待できます。
ビズリーチ
ビズリーチは管理職や専門職への転職が有利に進められる、ハイクラス向けの転職サイトです。
企業と応募者が直接やり取りできるため、効率的に転職活動が進められる特徴があります。
ヘッドハンターへの転職相談も可能で、より条件のいい仕事が見つけられるでしょう。
- ハイクラス向けの転職が可能で実績が重宝される
- 年収アップが期待できる
- 効率的・主体的に転職活動できる
doda
dodaは転職活動のサポートが豊富で、業界に精通した専門スタッフから的確なアドバイスが受けられます。
転職の悩みだけでなくキャリアプランについても相談できるので、有利に転職活動が進められるでしょう。
企業とのやり取りはキャリアアドバイザーが代行するため、忙しい人にもおすすめです。
- 求人数が業界最大級を誇る
- エージェントのサポートが手厚い
- 転職活動のコツがわかるコンテンツが充実している
マイナビエージェント
マイナビエージェントは、転職サポートだけでなく入社にかかわる条件の交渉まで代行してもらえます。
転職先に入社したあとのフォローも手厚く、トータルの転職サポートが受けられることが特徴です。
転職未経験者も安心して活用でき、仕事探し自体に迷っている人にもおすすめです。
- 転職を専任性でサポートしてもらえる
- 各業界にくわしい専任アドバイザーのほかキャリアアドバイザーが付く
- キャリアアドバイザーが企業のリアルな雰囲気を説明してくれる
リクルートエージェント
リクルートエージェントは支援実績が業界トップクラスの転職エージェントです。
今の仕事よりも良い条件の企業が探しやすく、年収アップを望む人におすすめです。
業界に精通し豊富な実績を持つアドバイザーが、転職成功まで丁寧にサポートしてくれます。
- 実績豊富な転職エージェント
- 好条件の求人・非公開求人が多い
- エージェントからスピーディーな対応をしてもらえる
JACリクルートメント
JACリクルートメントはミドル・ハイクラスに特化した転職エージェントです。
管理職や技術職の求人が多くあり、採用ポジションも高い傾向のため、転職後に年収アップが期待できます。
業界経験者優遇の求人が多く、経歴や実績によっては求人紹介がスムーズに行われる可能性があります。
- ミドル・ハイクラス人材向けの転職ができる
- グローバルな企業の求人も紹介してもらえる
- 管理職や専門職に強い転職エージェント
パソナキャリア
パソナキャリアは業界や仕事に専門知識があるコンサルタントが、転職活動をサポートしてくれます。
親身なカウンセリングと豊富な実績が特徴で、最適なポストや条件を提案してもらえるサービスです。
求人の約半数が年収800万円以上のハイクラス向けのため、業界経験者は効率的な転職活動ができます。
- コンサルタントの親身なカウンセリングが特徴
- サポート体制が徹底している
- 年収800万円以上のハイクラス向けの転職が可能
不景気の転職は自分のやりがいを重視しよう
景気にかかわらず持っているスキルが発揮できて、自分がしたい仕事に就くことが大切です。
景気がいいと、さまざまな企業で求人採用が活発になる一方で、予想していないトラブルが考えられるでしょう。
たとえば、入社後に不満があっても企業の規模やネームバリューに未練が働き、辞めにくくなる可能性があります。
ブラックな風土が企業にあっても、待遇や条件がいいと無条件で受け入れてしまう場合もあるため注意しましょう。
景気がいいからといって、必ずしも待遇や環境がいい企業に就職できるとは限りません。
不景気の転職は自分の市場価値を見極めてチャレンジしよう
不景気の転職は、自分の市場価値を見極めて臨みましょう。
企業からは即戦力を求められるため、未経験の職種への転職はおすすめしません。
どんな業界が不景気でも経営が傾きにくいか判断し、これからのキャリアを考えて、新しい仕事を探してください。