フリーランスコンサルタントは、自由度が高く自分の好きな働き方ができる、魅力的な仕事です。
しかし、実際はコネクションが無いと案件獲得が難しかったり、個人と直接契約をしない企業があったり、苦労することも多いようです。
この記事では、フリーランスコンサルタントのなり方から年収の目安まで、くわしく解説します。
フリーランスコンサルタントについてくわしく知りたい人は、チェックしましょう。
目次
フリーランスコンサルタントの仕事内容
フリーランスコンサルタントとは、企業から独立してコンサルタント業を行うことです。
フリーランスコンサルタントの働き方は、以下の3つがあります。
- クライアント先に常駐して仕事をする
- 一部リモートで業務をして必要に応じてクライアントを訪問する
- 完全リモートで会議もオンラインで完結する
コンサルタントは経営者の代わりに企業の経営を分析し、課題を明確にすることで、解決策のアドバイスや業務改善の提案を行います。
ITや経営、業務、戦略などの種類があり、それぞれのコンサルタントには高い専門性とスキルが必須です。
フリーランスコンサルタントになるメリット
フリーランスコンサルタントのメリットを紹介します。
コンサルタントが会社勤務から独立することで得られるものには、どのようなことがあるか確認しましょう。
自分の得意分野で働ける
フリーランスになると仕事の決定権が自分にあるため、得意分野で働けます。
スキルが十分でない分野の仕事でオファーされても、期待通りの成果を出す自信がなければ受ける必要がありません。
SIer(ITシステムのコンサルティング)やコンサルティングファームでは仕事を社員に割り振るため、得意ではない分野を担当する可能性があります。
個人的な都合で自由な働き方ができる
フリーランスコンサルタントは、個人的な都合に合わせた働き方ができます。
たとえば家族の用事や長期の旅行などがあるときも、自分で休業日を設定できるため、休みが仕事にひびきにくい環境です。
個人的な都合で自由に時間を決めて仕事ができることは、フリーランスのメリットです。
仕事と顧客だけに集中できる
フリーランスコンサルタントは、顧客の課題解決の仕事だけに集中できます。
ITスキルで顧客の課題を解決する目標に向かって、より効率的に仕事ができるでしょう。
上司の対応やプロジェクトの採算など、職場の人間関係や会社への貢献に悩むことはありません。
仕事に集中できて、対人による余計なストレスがかからないことは、フリーランスの特権です。
低い単価で満足度の高い成果を提供できる
フリーランスコンサルタントは低い単価で仕事を受注できるため、顧客の満足度が高く、よりよい評価が得られます。
フリーランスは基本的に自分の人件費のみを顧客に提示するので、企業と同じ仕事でも低い料金で請け負うことが可能です。
企業が提示するコンサルティングの単価には、事務や営業にかかる共通部門費が追加され、技術のみの価格ではありません。
仕事の質がおなじでも低い単価でクライアントにスキルが提供できて、自分の高い評価につながることも、フリーランスのメリットです。
フリーランスコンサルタントになるデメリット
フリーランスコンサルタントになるメリットには、さまざまなものがあります。
「企業から独立しなければよかった」という後悔を防ぐために、次はデメリットを確認しましょう。
フリーランスコンサルタントは営業と仕事の獲得が難しい
フリーランス転身後は、仕事の獲得に時間がかかる場合があります。
大企業は個人事業主との直接取引を禁止していることが多く、仕事をもらうまでに大きなハードルがあると考えられます。
そのため、フリーランスコンサルタントの営業は、成果に結びつくまで大変な努力が必要です。
会社に勤めていた頃から続くコネクションがあっても、フリーランスコンサルタントとして独立すると、つながりが切れてしまう可能性もあります。
顧客に対して立場が弱い
フリーランスのITコンサルは会社に守られていないぶん、顧客からの要求に応えなくてはならないことが多いです。
想定通りにプロジェクトが進まない場合は、契約以上の対応を求められたり、追加の報酬が受け取れなかったり、さまざまな問題が考えられます。
契約するうえで法的な保護はありますが、クライアントに対して立場が弱くなる可能性があるでしょう。
フリーランスコンサルタントは稼働が安定しない
フリーランスコンサルタントに限らず自営業者に起きがちなことですが、稼働が安定せず収入が不安定になるおそれがあります。
自己都合で休んだぶんは収入に結びつかないため、体調管理やスケジュールの調整は必須です。
フリーランスになると、これまでのような稼ぎが難しく、生活が不安定になる可能性に注意してください。
エージェントの利用は報酬が中抜きされる
フリーランスは稼働が安定しないとエージェント利用したり、会社の下請けになったり、収入を得る対策をしなくてはなりません。
しかしエージェントや下請けの仕事は契約金額がそのままもらえるわけではなく、必然的に報酬は中抜きされてしまうでしょう。
給料が景気に左右されやすい
どの仕事にも言えることですが、とくにフリーランスの給与は景気に左右されやすい傾向が強いです。
案件を受注する会社の経営が傾いてしまうと、フリーランスコンサルタントに改善を依頼するほどの利益が見込めません。
フリーランスのコンサルタントは、不景気になるにつれて案件の数が減ってしまうことがあります。
副業コンサルタントといったライバルがいる
副業を認める会社が増える傾向にあり、コンサルタント企業も例外ではありません。
副業でコンサルタントを行う人は、会社から給料をもらいながら仕事を行うため、案件の単価が低く設定できます。
大企業に勤務しているコンサルタントは、フリーランスにはないネームバリューも得られるので、案件が受けやすい傾向です。
副業コンサルタントとフリーランスのコンサルタントを比べると、短時間稼働のプロジェクトは価格の面でフリーランスは不利になるでしょう。
フリーランスコンサルタントが求められる3つのスキル
フリーランスコンサルタントが求められるスキルには、以下の3つがあります。
- プロジェクトと営業を同時進行するマルチタスク
- セルフプロデュースやコミュニケーション能力
- 顧客を理解する傾聴力
どの能力も必要なので、それぞれのポイントについて確認しましょう。
1.プロジェクトと営業を同時進行するマルチタスク
フリーランスコンサルタントは、プロジェクトを行いながら営業をするスキルが求められます。
自分が参加しているプロジェクトで次に関われるような仕事を見つけ、提案という形で営業を行う能力が必須です。
顧客の中で案件を持っている人物と交流し、仕事に影響があるコネクションを作る力も備えましょう。
企業ではプロジェクトメンバーとなるコンサルタントとは別に、営業担当者がいます。
コンサルタントと営業の仕事内容は別で、必要なノウハウも異なるため、フリーランスに転身する前にスキルを身につけましょう。
2.セルフプロデュースの能力
自分を売り込むセルフプロデュースやコミュニケーション能力は、フリーランスコンサルタントにとって重要なスキルです。
企業に勤めている間はネームバリューで仕事が得られますが、フリーランスは顧客に信頼を得るための努力が欠かせません。
コンサルタントとしての実績や実力を示すために、自己演出のスキルが求められます。
経営の理論やノウハウ、過去の成功事例を伝え、自分をより魅力的に売り込みましょう。
フリーランスコンサルタントは案件を担当するごとに信頼を得て実績をあげると、次の仕事につながりやすくなります。
3.顧客を理解する傾聴力やコミュニケーション能力
フリーランスコンサルタントは、クライアントと丁寧なコミュニケーションを積み重ね、不快な思いをさせずに接することが大切です。
顧客の経営の考えが的外れでも、真摯に受け止めて正しい方向に導くように話を進めてください。
傾聴力やコミュニケーション能力は個性ではなく、学んで身に付けられるスキルのため、フリーランス転身前に鍛えましょう。
フリーランスコンサルタントが注意したいこと
フリーランスコンサルタントが注意したいことには、仕事への向き合い方や自己管理などがあります。
それぞれのポイントをまとめたので、くわしい例とともに確認しましょう。
フリーランスコンサルタントは自分のカラーを出して仕事をする
フリーランスコンサルタントは、自分のカラーを出して仕事を受注すると、評価が高くなります。
何が得意分野でクライアントにどのような効果を提供できるのか、明確にわかるようにしてください。
なんでもできる人とみなされると、専門性があいまいで単価が低い仕事が増えてしまいます。
依頼内容は限定した仕事が得られるように、能力が発揮できる専門分野をきちんとアピールしましょう。
「IT戦略立案が出来る人材」という大まかなものではなく「ITを活用した流通の効率化ができる人材」といった得意分野のPRがおすすめです。
誰にでもわかりやすい言葉で、自分のカラーを出してコンサルタントの専門性をアピールしてください。
無料の仕事と有料の仕事に区別をつける
フリーランスコンサルタントとして実績が少ないうちは、ある程度の期間は報酬なしで相談に乗ったり資料を作ったりすることがあります。
あらかじめ無料の範囲はどこまでか、期間と対応の内容をくわしく提示してください。
料金に区別をつけないと、本来はクライアントがするべき仕事も依頼され、料金が発生する業務まで無報酬で請け負ってしまう危険性があります。
フリーランスコンサルタントの仕事にかかわる自己管理
フリーランスは仕事にかかわる自己管理は必須です。
コンサルタントの仕事に力を入れるあまり疲労を感じなくなってしまうと、体力の限界に達するまで無理をしてしまいます。
もし体調が悪いまま長時間の仕事を続けても、労働基準法がなく社員がいないため誰もブレーキをかけてくれません。
体を壊して休業しても、失業保険のような社会保障が受けられないので、収入がなくなる可能性があります。
適度に休憩を取ったり、健康維持を徹底したり、自己管理能力はフリーランスとして成功するために大切なスキルです。
案件ごとに必要なスケジュールの管理も、クライアントの希望だけを通さずに調整して行いましょう。
フリーランスコンサルタントの年収を紹介
フリーランスコンサルタントの年収はどれくらいでしょうか。
会社に勤めている時点で高いスキルが求められるコンサルタントは、フリーランスになると収入アップが可能な仕事です。
コンサルタントがフリーランスとして働く場合の年収の目安を紹介します。
フリーランスコンサルタントの年収は800万円が目安
フリーランスコンサルタントの年収は、800万円前後と考えられます。
フリーランスコンサルタント向けの案件紹介サイトから報酬を確認したところ、月額報酬は100万円以上の提示が多い傾向です。
報酬から税金の控除を考えると、コンサルタントの種類ごとに以下のような年収の目安が計算できます。
フリーランスコンサルタントの種類 | 年収目安 |
---|---|
ITコンサルタント | 1,200万円〜1,440万 |
M&Aコンサルタント | 1,320万円〜1,680万円 |
営業コンサルタント | 600万円~960万円 |
戦略コンサルタント | 960万円~1,200万円 |
人事コンサルタント | 1,080万円~1,320万円 |
フリーランスコンサルタントが年収を上げるには
フリーランスコンサルタントが年収を上げる方法は、どのようなものがあるのでしょうか。
専門性が高いスキルを求められるコンサルタントですが、フリーランスになる場合は会社員とは異なる努力が必要です。
着実に成果を上げる
各案件でクライアントから高評価を得ると、周囲からの評価が高まり、新しい仕事につなげやすいでしょう。
仲介会社を活用するときも、高い報酬の案件を紹介してもらえるようになります。
過去の実績をクライアントに提示すると、より高い報酬の案件が発注してもらえることもあるため、成果を上げることが効率的です。
コンサルファームにできる限り長く在籍する
フリーランスのコンサルタントは、企業への在籍歴が長いほど、受注案件の報酬が高まる傾向です。
フリーランスを見据えて企業に長く在籍し、クライアントから信頼されるための実績と専門性を積みましょう。
最新テクノロジーのスキルを取得する
フリーランスコンサルタントは最新テクノロジーを扱える能力があると、年収アップにつながります。
AI環境に伴う支援に関する案件の増加により、高収入が期待できる仕事が増えました。
AIやIoTなど最新テクノロジーを扱えるスキルがあると、高年収が得られる可能性があります。
フリーランスコンサルタントは専門性と実績が重要
フリーランスコンサルタントは、専門性と実績が重要です。
より高単価な案件を獲得したい人は、自分の得意分野がわかりやすいようにわかりやすい言葉で明確に説明しましょう。
企業の在籍期間が長いほど、フリーランスコンサルタントに転身したあとの年収アップにつながります。