「女性は事務職」「男性は営業職」というイメージが日本では未だに根強いですが、最近では仕事と私生活の両立を優先する人が増え、男性も営業職よりも事務職に就きたいと考える人が増えています。
営業として就職したものの、ノルマがきつく残業や休日出勤も多くて体力的に持たない。
客先と会社の間に立つ営業職は、客先と取引先、上司と部下など、人間関係のストレスも多く精神的なダメージが強い。
他にも、転勤や海外出張がなく一定の場所で仕事ができる事務職に移りたい、という理由が転職の動機として多く挙げられています。
今回は事務職への転職を検討している男性の方に、事務職への転職ポイントをご紹介します。
目次
男性の事務職への転職は不利?
一般的にいわれている事務職、一般事務や営業事務といった職種で働いているのは女性がほとんどです。
事務職は女性の間でも人気の職種で、転職となれば経験者でも競争率が高く、未経験者歓迎の場合には倍率が跳ね上がることもあります。
また、採用する企業も女性を前提に募集をかけていることが少なくないです。
そのため一般事務や営業事務職の場合は、採用対象が女性メインとなってしまうので男性の採用は難しく、かなりハードルが高くなります。
しかし、事務職に就いている男性が全くいないかといえば、そんなことはありません。
事務職にもいろんな種類があります。総務や人事、経理といった事務職でバリバリ働く男性も多く存在し、男性が幹部のポジションについていることも多いです。
中途採用の場合、男性社員は将来性を見越して採用されるケースが多いので、男性でも事務職へ転職できる可能性は十分あります。
他職種から未経験の事務職への転職でも、社会人としての基礎体力がしっかりしていると判断されれば、採用してもらえるチャンスはあるのです。
また、年齢も30代であれば特に不利にはならず、20代や第二新卒の場合はより確立が高くなります。
男性だからといって、事務職がやりたいのに諦めてしまうのは勿体ないので、ぜひチャレンジしてみましょう。
男性が事務職へ転職するメリット・デメリット
事務職への転職にチャレンジする前に、どんなメリットとデメリットがあるのか気になりますよね。
せっかく転職に成功しても、「こんなはずじゃなかった」なんて思うことがないように、本当に事務職に就きたいかをぜひ考えてみてください。
【メリット】
- プライベートの時間がとれる
- 体力的な負担が少ない
- 営業のようなノルマがないことが多い
基本的に事務職は残業時間が少なく、休日出勤もめったにありません。
トラブルや繁忙期以外は定時で帰ることができるのでプライベートとのバランスが取りやすいです。
さらに、1日の大体の作業量は決まっているので、効率的に仕事を終わらせられるようになれば家族や友人との時間を増やしたり、自己投資のために時間を使うことができるので、仕事だけでなく私生活も充実させることができます。
また、事務職は社内でのデスクワークになるので、長く働き続けることを考えると体力の面でも安心できます。デスクワークで経験を積めばスキルアップすることができ、資格取得につなげることもできます。
そして、ノルマがないので数字に追われるストレスがなく、上司からのプレッシャーを感じずに仕事に取り組むことができます。
営業職の場合、常に数字と上司のプレッシャーに追われストレスフルな生活をしている人も多く、精神的なダメージが大きいです。
少なくとも、このようなストレスからは解放されるので、気持ちに余裕をもって過ごすことができるでしょう。
【デメリット】
- 収入が減る可能性が高い(高収入を望むのが難しい)
- やりがいや達成感を感じづらい
事務職は一般的に収入が低めの職種のため、営業職などから転職した場合、年収が大幅に下がる可能性が高いです。
さらに、メリットに挙げたとおり残業時間が少ないので、残業手当は見込めません。
事務職で年収が上がる可能性を挙げるとすれば、総務や人事で管理職となった場合になります。
また、事務職は営業職と違って単調な仕事が多く、日々繰り返しの業務になるため、はじめは満足できても徐々にやりがいを感じづらくなることが多いです。
とくに前職が営業職の場合、何を目標にすべきかわからなくなり、やりがいを感じるのがなかなか難しい方もいるかもしれません。
どんなことを大切にして、どんな風に働いていきたいか、事務職に転職することを決める前に、考えてみてはいかがでしょうか。
男性の事務職なら中小企業の総務・経理職がおすすめ
はじめに説明した通り、男性が一般事務や営業事務で内定を勝ち取るのはかなりハードルが高いです。
もちろん、男性だからといって求人に応募できないこともありませんが、敢えて難易度の高い一般事務を狙うより、少しでも可能性が高い職種や企業を狙うことをおすすめします。
では、どんな求人が可能性が高いのかご紹介します。
総務・経理職
総務や経理職は会社の大切なお金や、セキュリティ面を担う重要な部署であることから、将来性を考え男性を採用する傾向があります。
企業によっては、ゆくゆくは管理職として会社の中核を担う人材を確保したいという思いから、出産や育児で退職がある女性よりも、長く働いてキャリアを築いてくれる男性を求めるケースは多いのです。
一般的な事務職よりも、総務・経理職なら管理職も狙うことができるので、収入アップも目指せます。
中小企業が狙い目
大企業は新卒採用があるため、必然的に中途採用にはスキルや経験が求められ、スペシャリストを必要としている場合が多いです。
そのため事務職が未経験、またはスキルが不十分という場合は大企業での採用は難しいでしょう。
しかし、中小企業の場合、定年を控えている管理職者や社員の後任を探しているケースが多く、将来的に中核を担ってくれる人材を確保したいと考えての募集が多いです。
この場合、社内で人材を育てていきたいと考えているため、事務職が未経験でも採用される可能性が高くなります。
さらに確立をアップしたい場合は、経理やパソコンのスキルを身に着けておくといいでしょう。
ちなみに、中小企業の総務・経理職の場合、大企業のように業務内容に明確な線引きがないため、会社のあれこれを解決することも仕事の一つになることが多いです。
事務職とはいえ、会社の何でも屋さんという一面があることも理解しておきましょう。
どんな男性が採用されやすい?
未経験で転職する場合、パソコンのスキルや知識は大きな武器になります。
事務職といえば、書類や帳票、データの管理などの業務がメインとなり、当然これらは全てパソコンで行います。
特に中小企業の場合はほとんどのデータをExcelで管理していることも多いです。
業務中にパソコンが急にフリーズする、電源が入らない、といったトラブルもよく発生するのでパソコンの異常やセキュリティ面への対処や、社内システムの導入を検討するのも総務職にあたるので、パソコンの知識があると重宝されるでしょう。
そのため転職の準備として、マイクロソフトの資格などパソコンの知識やスキルに関係する資格を取得することをおすすめします。
資格を持っていることで、どれくらいのレベルなのかという判断基準にもなりますし、やる気のアピールにもなります。
また、経理職への転職を考えている場合は簿記2級を取得しておいたほうがいいでしょう。
未経験の場合はアピールできる要素が限られています。資格を取得すれば、事務職に対するやる気を見せることができます。
入社できた際はさらに上級の試験を受けスキルアップしていきたい、という意志を伝えればより本気度が伝わります。
面接でのアピールポイント
資格やスキルがアピールポイントになるのは当然ですが、今までの社会人経験も重要なアピールポイントになります。
どの企業も長く会社のために働いてくれる人材を探しているので、スキル以外に「入社後長く働いてもらえそうか」「社風に合うか」「会社のために頑張ってくれそうか」という点も知りたいと思っています。
そのため、今までどんな風に働いてきてどんなことを大切にしてきたのか、これからどのように働いていきたいか、を伝える必要があります。
向上心や学習意欲をしっかり伝えて、この人なら頑張ってくれそうだ、と思ってもらうことが大切です。
また、社会人としてのスキルや常識があることもとても重要です。
将来的に会社の中核を担う人材を探しているのであればなおさら、社会人としての基本的な力が身についていることは無視できない条件でしょう。
まとめ
男性が未経験の事務職へ転職する場合は、中小企業の総務・経理職を目指すのが良いでしょう。
納得のいく転職を成功させるために、事務職へ転職することのメリット・デメリットはよく理解しておいてください。
また、一番大切なことはなぜ事務職に就きたいと考えたのか、志望理由をしっかりまとめておくことです。
転職理由は職種関係なく必ず聞かれることですが、なぜわざわざ転職してまで事務職に就きたいのか、を明確に伝えることができなければ企業を納得させることはできません。
しっかり自分と向き合って、準備しておきましょう。