幼稚園は、文部省の管轄であるため、幼稚園教諭は保育士ではなく教員です。
したがって、子ども達の世話をするだけではなく、心身の発達を助長することも目的としています。
とてもやりがいのある仕事として大変人気がある職業です。
幼稚園教諭に転職するにはどうすればよいのでしょうか。また、現場の実状はどうなのでしょうか。
幼稚園教諭に転職したいと考えている方のために必要な資格、仕事内容や年収事情など詳しくご紹介します。
目次
幼稚園教諭に必要な資格
幼稚園教諭になる為に必要な資格には3つの種類があります。
それは、「専修免許状」「1種免許状」「2種免許状」です。
「専修免許状」は、大学を卒業し、大学院修士課程や専攻科で学ぶことで取得できます。
「1種免許状」は、4年制大学で所定の過程を修了して大学を卒業することによって取得ができます。
「2種免許状」は、短期大学や専門学校、養成学校などで「幼稚園教諭養成課程」を受ける必要があります。
所定の課程を修了して、学校を卒業することで取得することができます。
必要な資格を取得する方法
専修免許状を取得するには
専修免許状は幼児教育免許状に分類されている中でも一番上の免許状です。
取得するためには、幼児教育課程のある4年制の大学を卒業後、さらに大学院の専攻科で学ぶことが必要となります。
取得することによって、就職後の給与や待遇が1種や2種よりも良いといったケースが一般的です。
また、幼児教育大学の教官への道もあるため、幼児教育における仕事の幅が広がります。
1種免許状を取得するには
一種免許状は、幼児教育の専門課程がある4年制大学において、免許の取得のために必要な学科の単位を124単位以上取得し所定の課程を修了する必要があります。
その後、大学を卒業することで取得することができます。経験を積んだ後、園長などのキャリアを目指すなら取得しておくと良いかもしれません。
2種免許状を取得するには
特定の短期大学で62単位以上を取得したり、専門学校で専門課程を修了したりすることで資格取得を目指すことができます。
学校を卒業した後正式に免許状を取得することができます。
現状、幼稚園教諭として働いている人の多くは2種免許状を取得しています。
幼稚園教諭の仕事内容
幼稚園教諭の仕事には、多くの業務があります。
幼稚園教諭が園児に対して行う仕事の目的は、主に幼稚園教育要領に基づくカリキュラムに沿った運動や音楽、遊びを通じて、「健康」「環境」「表現」などを身につけるためのサポートを行うことです。
そのため、園児が登園して降園するまでの間は、常に園児と一緒に製作、運動、遊びなどの様々な活動を行います。
また、園児と一緒に過ごす時間の他にもたくさんの業務があります。
業務内容や量はそれぞれの園によっても異なりますが、例えば、保育計画の立案、行事準備、部屋の環境作り、製作準備、保護者向けのお便りの作成などがあります。
したがって、園児が降園したからといって、すぐに帰宅できるわけではありません。
バスや徒歩などで園児を送り届けた後、園内の清掃を行い、それぞれの業務にとりかかるという流れが一般的です。
また勤務する園によっては、行事前など準備がいそがしい期間は、夜遅くまで残って仕事を行ったり、持ち帰りの仕事があったりというケースもあるようです。
このように、やるべき業務は多いですが、その分園児の成長を近くで感じることができる仕事であるため、やりがいを感じる人も多い仕事です。
幼稚園教諭の仕事はきつい?
幼稚園教諭の仕事は、園児と一緒になって活動をするため、動き回ることが多く、事務職などに比べると体力を使う仕事であるといえます。
また、常に園児に危険がないかなどの注意をしておく必要があるため園児がいる間は気が抜けません。
したがって、慣れるまでは、心身ともに疲れるというケースが多いようです。
また、業務の性質上、残業や持ち帰りの仕事が発生する場合があるため、仕事量としては比較的多いといえます。
総合的に見ると、きつい仕事であるといえるでしょう。
しかし、基本的に子ども相手の仕事ですので、わずらわしい人間関係などは比較的少ないほうかもしれません。
また、園児が降園した後は、ゆっくりと仕事に取り組めるため園によっては働きやすいようです。
幼稚園には、夏休みがありますのでその期間は出勤したとしても比較的楽に仕事ができます。
いずれにしても、幼稚園教諭の仕事の大変さの度合いは勤務する幼稚園によって大きく差があるようです。
幼稚園教諭の年収事情
仕事内容が多い反面、とてもやりがいがある仕事であるため人気が高い幼稚園教諭の職業ですが、年収事情はどうなのでしょうか。
厚生労働省が発表した賃金構造基本統計を基にしたデーターをご紹介します。
幼稚園教諭の平均年収と平均月収
幼稚園教諭の年収は、幼稚園の規模、地域、学歴、性別によって差があるようです。
男性 | 402万5300円 |
---|---|
女性 | 337万7200円 |
全体 | 341万6900円 |
2017年の賃金構造基本統計による平均年収は、男性が402万5300円で、女性が337万7200円となっており、全体では341万6900円という結果となっています。
また、月収における平均は、男性が27万2900円に対して女性が22万8900円、全体では23万1600円ということでした。
幼稚園教諭の賞与や手当
幼稚園教諭の賞与や手当に関しても、勤務する園によって異なるようです。
男性 | 75万500円 |
---|---|
女性 | 63万400円 |
全体 | 63万7700円 |
2017年の賃金構造基本統計によると、男性幼稚園教諭の平均賞与額は75万500円、女性幼稚園教諭の賞与平均額は63万400円、全体では63万7700円となっています。
また、住宅手当や主任手当などの手当に関しては園の方針によって違いがあるようです。
ただし、残業手当に関しては、残業をした分だけすべて出るとは言えないケースが多いようです。
したがって、サービス残業が全体的に多い業種といえるかもしれません。
一概には言えませんが、その理由として次のようなことも考えられています。
幼稚園の主な収入源は保育料であるため、基本的に園にとっては毎月一定の収入しか入りません。
例えば、営業職のように販売実績によって会社の収入が上がるということではないこともあり、性質上残業代をすべて出すことが難しいともいわれています。
また、園によってはタイムカードではなく、出勤簿に印鑑を押すというシステムの職場もあるため、残業が分かりにくいといったケースもあるようです。
しかし、仕事の経験を積んで慣れてくると残業や持ち帰りの仕事が減ってきたという声もあります。
幼稚園教諭の主な勤務先
幼稚園教諭の主な勤務先は幼稚園です。幼稚園には大きく分けて「公立幼稚園」と「私立幼稚園」とがあります。
公立幼稚園は、市区町村などの自治体が運営していることが一般的であるため、公務員の身分となります。
したがって、公立の幼稚園教諭になるためには、各自治体が行う採用試験に合格する必要があります。
一方で、私立幼稚園は、学校法人や宗教法人などが運営するケースが一般的であるため、団体職員の身分となります。
したがって、各幼稚園にて行われる試験に合格することで就職することができます。
また、私立幼稚園は、各園によってカリキュラムが異なることが特徴ですので、勤務先を選ぶ際にはしっかりと園について調べておく必要があります。
その他の勤務先としては、「幼保一体施設」などがあります。
最近、増加傾向にある施設で、幼稚園と保育園の両方の性質を併せ持つ施設となっています。
したがって、幼稚園教諭と保育士の両方の資格を取得しているという人には有利な勤務先であるといえます。
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幼稚園教諭への転職は難しい?
幼稚園教諭になるためには、幼稚園教諭の免許状の取得が必須です。
公立幼稚園は毎年募集があるとは限らず、求人も少ないため転職難易度は高いようです。
しかし、私立幼稚園は、施設の数も多く、求人も比較的多いため、資格を取得していれば、転職するのはさほど難しくはないといえます。
しかし、園によって勤務環境が異なるため、働く環境が整った人気のある幼稚園は求人を募集していないことがあります。
一方で、職員の入れ替わりの多い幼稚園では、常に求人を募集しているケースもあるようです。
したがって、安易に勤務先を決めるのではなく、幼稚園教諭として転職をするなら、入職してから、働き易い環境であるか調べて応募すると安心です。
また、担任の受け持ちなどの関係で、一般的に年度の変わり目に職員が退職するケースが多いため、求人の募集のタイミングとしては、年が明ける頃から募集をかける幼稚園が多いようです。
したがって、時期的に求人募集の多い少ないがある傾向ですが、私立幼稚園に関しては転職の難易度はそれほど高くないといえるでしょう。
幼稚園教諭へ転職した人たちの口コミ・評判
幼稚園教諭への転職におすすめの転職エージェント
マイナビエージェント
転職先として、幼稚園教諭の仕事を探すなら転職サイトを利用すると安心です。
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