特別支援学校教員は、障がいがある子供たちの教育を行う特別支援学校で教える仕事です。
幼稚部や小学部、中学部と高等部がありそれぞれに必要な教員免許が異なります。
また、知的障害や視覚障害、聴覚障害に対する指導を行うことができる特別支援学校教員免許も必要です。
障がいのある生徒への指導や支援、介助を行いながら、将来的に自立した生活を送ることができるような教育を行うやりがいのある仕事で、他業界から転職してくる人も毎年います。
目次
特別支援学校教員に必要な資格
特別支援学校教員に必要な資格はふたつあります。
教師として生徒に授業を行うための教員免許と特別支援学校教員として指導を行うための特別支援学校教員免許です。
幼稚園教諭や小学校教諭、中学校教諭と高等学校教諭の免許があり、中学校教諭と高等学校教諭では、国語や数学、理科などの専門教科に分かれています。
特別支援学校教員免許は、知的障害と視覚障害、聴覚障害に分かれており、特別支援学校で教えるために必要な資格です。
必要な資格を取得する方法
教員免許
幼稚園教諭や小学校教諭、中学校教諭と高等学校教諭の教員免許は、大学で所定の単位を取得して卒業すると1種免許状を取ることができ、大学院で所定の単位を取得して修了すると専修免許状になります。
短期大学や通信制の大学でも取得することができ、2種免許になる場合が多くなっています。
特別支援学校教員免許
特別支援学校教員免許は、1種免許や2種免許などを取得している人が取ることができる資格で、知的障害や視覚障害、聴覚障害の3種類があり、大学で所定の単位を取得することで取ることができま。
学校での勤務経験があれば、通信制の大学や認定講習などで講義を受講し、試験を受けて合格することでも取得することができる免許です。
複数の障害種の免許を同時に取得することもできます。
特別支援学校教員の仕事内容
特別支援学校教員の仕事内容は、障害がある生徒に対して、授業を行うことが仕事内容です。
障がいの種類は多岐にわたり、知的障害や視覚障害、聴覚障害の他、病弱や肢体不自由があり、複数の障害や疾病を併せ持っている生徒も多数在籍しています。
登校や朝のホームルームから、授業や下校までの指導だけでなく、給食指導や排せつ指導、着替えや荷物整理など日常生活に関わること全般に指導を行うことが特徴です。
高等部では、生徒会や部活動を行っている学校もあります。
授業は、国語や算数、英語など通常の学校と同じ教科がある学校もありますが、日常生活の指導や遊びの指導、体力つくりなどを教えている学校もあり、授業や学校生活の中でコミュニケーションや社会性などをはぐくんでいきます。
障害を乗り越えて自立した生活を送るために、自立活動という勉強もあるため、専門的な知識が求められます。
授業の他に、生徒が下校してから授業の準備や会議、事務仕事があり、保護者への連絡や対応も比較的密に、きめ細かく行うことが多く、特別支援学校教員の仕事のひとつです。
高等部では現場実習の引率をしたり、進路先を探しに行ったりすることもあり、進路先との連携も重要な仕事です。
特別支援学校教員の仕事はきつい?
特別支援学校教員の仕事は、排せつの介助や着替えの指導、体力つくりなど体を使う仕事が多いため、腰痛などに悩まされる教師も多く、生徒と一緒に運動をしたり、介助をしたりするための体力が必要な仕事でもあります。
また生徒が学校にいる授業時間だけでなく、生徒が下校した後に授業の準備や教材つくり、教室の清掃と会議を行ったり、書類作成などの事務仕事もあるため、帰宅時間が退勤時刻よりも遅くなる教師が多く、労働時間が長い傾向があります。
普通学校よりも一クラスの生徒数は少ないのですが、一人一人の障害の程度や状態が異なるため個に応じた指導が求められます。
保護者はもちろんですが、病院や施設、相談室や行政などとの連携を図るケースも多く、放課後などに対応する場合があります。
勤務時間が長く、体力が必要な仕事ですが、生徒の成長をサポートすることができるやりがいがある仕事です。
複数の教師でチームティーチングを行うため、一人で悩むことは少なく、同僚の教師と一緒に考えることができるため精神的に楽な面があります。
また育児休暇や介護休暇、有給休暇などを取りやすいため、仕事を続けやすい環境と言えます。
特別支援学校教員の年収事情
特別支援学校教員は、公立の学校で働いている人がほとんどで、地方公務員にあたります。
教育公務員は、最初から教員に対しての調整があり、月収に上乗せされているため、残業をしても残業手当が付くことはありません。
特別支援学校教員は、一般的な公立小学校や中学校で働く教師よりも障害に対する高い専門性が求められるため、給料は高めに設定されています。
基本的には年齢と勤務年数によって昇給していき、40代での平均年収は、500万円から600万円ほどと地方公務員としては平均からやや高めです。
通勤手当や特殊勤務手当、扶養手当など手当類は充実しており、賃貸の場合に家賃の一部を補助してもらうことができる住居手当や寒冷地の場合には寒冷地手当が支給されます。
手当類は、民間と合わせていく方向性になっており、減額されている傾向があります。
賞与は、給与月額をベースとして計算され、民間とほぼ同じ水準でもらうことができるように調整されます。
40代で、月収は40万円前後、賞与が夏冬合わせて100万円前後が平均的な月収と賞与です。
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教頭や副校長、校長などの管理職になると、一般の教諭とは給与体系が変わります。
管理職の給与は教諭よりも高く、月収が50万円~60万円になります。
賞与は給与月額をベースとして計算されるため、賞与も一般の教諭よりも高くなり、年収は900万円~1000万円前後が多くなっています。
特別支援学校教員は、管理職以外は役職が付かず、多くの人が教諭という同じ身分になっています。
免許によって、2種や1種、専修の順に初任給が高くなっています。
特別支援学校教員は、一般の公立学校教員と同じく、自己評価と管理職評価による査定を受けることになっています。
査定結果によって昇給率が異なり、査定によってA~Dまでのランクが付きます。
仕事の成果によって昇給率がアップすることがあるので、やりがいを持って働くことができるという教師もいます。
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特別支援学校教員の主な勤務先
特別支援学校教員の主な勤務先は、公立の特別支援学校です。
幼稚部や小学部から中学部、高等部までがあり、所有している免許によって勤務先や担当学部が異なります。
全国の都道府県すべてに特別支援学校があるため、全国のどの都道府県でも勤務をすることができます。
小学部から高等部までが同じ校舎にあり一貫した教育を行っている学校が多くなってきていますが、専門的な職業教育を行うために、福祉科やクリーニング科、園芸科などの専門学科を置いている高等特別支援学校もあります。
高等特別支援学校では、通常の国語や数学、理科などの教科の特別支援学校教員の他に、工業や農業、商業などの免許を持っている教員もいます。
公立の特別支援学校と比べると、数は限られているのですが、私立の特別支援学校もあり、特別支援学校教員が働いています。
学校現場以外では、放課後等デイサービスや障がい者施設、ヘルパーなど福祉関係の仕事についている人もいます。
特別支援学校教員への転職は難しい?
特別支援学校教員への転職は、教員免許を所有している場合は、各都道府県ごとに実施される教員採用試験を受験し、合格することが必要になります。
教養科目と専門科目に、特別支援学校教育の専門的な分野も含まれているので、大学などで勉強する以外に教員採用試験対策の勉強をする必要があります。
教員採用試験の倍率は、都道府県によって異なりますが、一定の水準をこえている必要があるので、合格するためにはある程度の学力と専門的な知識が必要です。
教員採用試験に合格すると正規採用されることになりますが、不合格の場合でも時間講師や期限付き教諭として臨時採用されることがあります。
臨時採用の教員として転職する場合には、都道府県の教育委員会に登録するだけなので、登録は簡単です。
育児休業や病気休業、介護休業などを取得する正規の教員がいた場合や補充として採用されることがあります。
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