転職は人生の中でも、大きなターニングポイントの1つであると言えるでしょう。
転職する理由は様々なものがあるものの、「どうせなら良い転職がしたい!」と考えている人が多いですよね。
しかし、実は薬剤師の転職には転職で有利になるタイミングと不利なタイミングが存在します。
転職市場は季節ごとに変化しますし、転職をする時期によっては収入や転職のしやすさが変わってしまう事もあります。
そこで今回は、薬剤師が転職する際に最も有利になるタイミングはいつなのかについてご紹介していきます。
いつか転職しよう!と思っている方もぜひ知っておくといざという時に役立ちます。
目次
薬剤師の転職市場が盛り上がるタイミングが1番有利?
転職を考えている方はなるべく多くの選択肢の中から探したいと思うのが一般的ではないかと思います。
薬剤師の転職市場が盛り上がるタイミングとしては、1年に2回ほど訪れます。
まず、1つ目は、1〜3月の時期です。転職者が12月のボーナスをもらって辞めることが多く、1〜3月は魅力的な求人がたくさんあります。
通常であれば、なかなか出ない病院や企業からの募集も多く、高待遇な求人もよく見かけます。
2つ目も同じ理由で、7〜9月の8月のボーナスを貰ってから転職をする人が多いです。
しかしやはり1〜3月よりも出ている求人の数は少なく、1年で1番多い時期は1〜3月です。
しかし、確かに転職市場自体はこういった時期が1番盛り上がりますが、当然転職する際のライバルも非常に増えていくことは覚えておきましょう。
人気求人であれば転職者が殺到するため内定を獲得することはとても難しいです。
ここで内定を獲得するには、1〜3月の間に転職を考えるのであれば、11〜1月くらいに、7〜9月の間であれば、4〜7月くらいに転職サイトで求人を探し始め、早めに情報収集、転職コンサルに相談するなど積極的に行動をしていくことが重要です。
薬剤師は何年目から転職すべき?
では、続いて薬剤師は何年目に転職するのがベストなのかについてです。
薬剤師に関して言うと、平均勤続年数は3年と言われていて、基本的に新卒から入って3年ほど働いて、ある程度業務に関しての知識や経験などを積んだタイミングで転職活動を開始する人が多いようです。
これはあまり薬剤師の仕事に限ったことではないですが、石の上にも3年とはよく言ったもので、3年もしっかりと働いていると、だいたいその仕事のやり方というものが身について、仕事をする上での基礎ができてくるものです。
いわば第二新卒と呼ばれるこの時期に転職するのが1番ベストな理由としては、もう少し伸ばして5年、7年と経ってしまうとなかなか今いる環境に居心地がよくなってきてしまって、挑戦する気持ちが薄れてきてしまうからです。
薬剤師としてのキャリアを考えるのであれば、経験があればあるだけ、いろいろな病院や企業などで重宝されるので、それと同時に給与も上がって行きます。
1つの職場にずっといることも悪いことではないかもしれませんが、戦略的にキャリアアップして行くのであれば、早いうちに色々経験しておくと後がとっても楽です。
そして、やはり薬剤師という職業は国家資格が必要な職業なので、場所を選ばなければ、就職には基本的に困ることはありません。
安定した職業であるからこそ、思い切って3年経った後に違う職場でチャレンジしてみるのが良いのかもしれません。
薬剤師が一番転職で有利になる年代は?
1番転職で有利になる年代についてですが、「転職で有利になる」という言葉をどのように定義するかで年代は若干変わってくるかと思います。
「転職で有利になる=転職しやすい」と定義するのであれば20代が有利ですし、「転職で有利になる=年収をアップしやすい」と定義するのであれば、30代が有利であるということができます。
働き盛りの20代のうちであれば、人手不足が度々問題視されている薬剤師の転職市場においては、引く手あまたです。
もちろん採用する側も「若い」というだけで将来性を見込まれて採用しますし、転職者自身もどういったキャリアプランを描いていくかによって職場を選ぶことが可能です。
20代のうちは、経験がなく当然高いポジションは与えられないので、給与が高い職場に転職することは難しいかと思います。
そのため20代のうちは年収を狙って転職するのではなく、30代になった時に収入のアップにつなげられるような、薬剤師としてのキャリアを意識した転職をすることをおすすめします。
ある程度経験値が溜まっている30代は、最も転職活動が盛んな年代であると言われています。
男性であれば、家庭を持つことになるので収入がより高い職場を望みますし、女性であれば出産する人も多いことからより働きやすい職場を望むので転職活動が非常に盛んになります。
薬剤師の場合は資格があるので、一般のサラリーマンなどと比べて転職がしやすいため、転職に積極的な30代が多いです。
薬剤師として20代のうちにいろいろな経験をし、市場価値が高くなっているとともに、30代後半くらいになってくると管理薬剤師になる人が非常に多いという点も年収が上がりやすい理由の1つです。
管理薬剤師の年収は一般的な薬剤師よりも100〜300万円ほど高いと言われていて、男性がキャリアアップ目的で管理薬剤師になるケースも非常に多いようです。
こう言った理由から、薬剤師が転職で1番有利になる年代は20〜30代であると言われています。
もちろん40代になってからの転職もないわけではないですが、年齢的に限定されてしまうことも多いので、転職を経験するならなるべく若いうちにキャリアを見据えて転職して行くことが重要なのです。
薬剤師が転職のタイミングで気をつけること
ここまで薬剤師にとって有利な転職のタイミングについてご紹介してきました。
しかし、転職するのに適したタイミングというのは、転職市場が盛り上がっている時期や、適した年齢期に転職することだけがベストなタイミングとは言えません。
実は他にも気をつけるべき点がたくさんあるんです!
そこで、ここでは転職のタイミングで気をつけることについてご紹介していきます。
ブランクを開けたタイミングで転職しない!
前述したように、転職で有利なる時期が存在すると同時に、転職に不利な時期というのも存在します。
その中でも代表的なものが、「ブランクを空けて転職活動をすること」です。
よく転職希望者にありがちなのが、退職してしばらく休んだ後に転職活動をスタートさせるという人です。
しかし、よっぽどの事情がない限りはすぐに転職活動をスタートさせた方がいいです。
理由としては、まず面接の際に不利になるケースが多いです。
出産や育児をした後など、ブランクを空けた理由が明確であれば別ですが、理由が明らかではない場合は、「精神的に問題があるのではないか?」と思われてしまい、結果的に採用が見送られてしまうこともあります。
また2つ目の理由としては、早めに準備しておかないと結局内定の承諾を焦ってしまうということです。
ブランクの間にどこか旅行に行っていて帰ってきたら予想外にお金を使ってしまい、転職活動を始めた後に「内定を早く取らないと貯蓄が無くなってしまう!」と焦ってしまい、冷静に職場を選択することが出来なくなってしまいます。
そのため、できれば相当な理由がない限りは、ブランクを空けずにそのまますぐに転職活動を始めて行くことをお勧めします。
現在の職場に迷惑をかけない!
誰しも転職するにあたって、現在の職場に迷惑をかけたくは無いですよね。
急に職場にやめることを伝えると時期によってはとても迷惑をかけてしまうことになり兼ねません。
労働基準法では、退職届けを出してから2週間以内の退職が認められていますが、職場や会社側に不本意に引き止められることなく、離職するためには3ヶ月前には離職を切り出しておくのがお勧めです。
特に薬剤師の職場は、とても規模感が小さいので1人が辞めてしまうとオペレーションが回らなくなることが多いです。
1人いなくなるのであれば、基本的に追加で1人採用する場合には、広告を出し、面接をし、内定後に書類を取り揃えてもらい・・・など色々な工程をやらなくてはいけないので、1ヶ月以上はかかってしまうものです。
そのため退職する場合には、できれば3ヶ月前がいいですが、最低でも1ヶ月前には伝えておくようにしましょう。
女性は出産や育児を考慮したタイミングを!
女性は多くの場合、20代後半〜30代の間に結婚・出産などでライフステージが変化するので、この期間に仕事を休む女性は非常に多いです。
これを機に転職する傾向としては、2つの傾向があります。
まず、結婚後に残業が少ない職場に転職するケースです。
最も多いケースがこれで、特に病院勤務の女性薬剤師の方は当直や時間外労働も多いので、なかなか家事や育児をする余裕が取れないものです。
そのため、プライベートな時間を確保するために転職するという傾向です。
もう1つは、子育てが落ち着いてから転職するケースです。
子育てが落ち着くといっても、子供が大学に行ってからなどではなく、幼児期が終わったくらいのタイミングで、よりワークライフバランスを取るために育休制度などの整った職場に転職する傾向があります。
女性はなるべく仕事と家庭を両立しなくてはならないので、出産や育児を意識して、給与よりも、働きかたを意識して就職する企業を選ぶべきかと思います。
4月入社はなるべく避けるべき?
最後に4月に入社を考えている人に、知っておいてもらいたいのですが、4月入社はなるべく避けたほうがいいかもしれないということです。
理由としては、確かに1〜3月に転職活動をした方は一般的に4月から入社することになると思うのですが、この時期は同時に新卒組も入ってきます。
会社でも病院でも、経験のある人よりも何も教えてもらっていない新卒社員の方に教育体制が注力されてしまうので、中途組の研修などが少し雑になります。
それにもかかわらず、雇う側としては、中途の方には新卒以上に業務を早く回して欲しいという期待がかかるので、新卒の薬剤師と比べられて、プレッシャーに疲弊してしまうことも多いです。
そのため遅くても2月までに入社して少し業務を覚えてから、4月を迎えるのがベストではないかと思います。
薬剤師の転職はタイミングが非常に大事!
今回は薬剤師が転職する際に最も有利になるタイミングについてご紹介してきました。
自分を高く売りこめる時期を明確に見極めるだけではなく、働き方なども十分よく考慮して、自分にベストなタイミングで転職をすることが大事です。