転職活動での志望動機の書き方って悩みますよね。
薬剤師としてあなたが転職する際に、転職先に出さなくてはならないのが履歴書ですが、その中に志望動機の欄が必ず設けてあると思います。
しかし、転職が比較的に多いと言われている薬剤師業界の中でも、転職が初めての人は多いもの。
「志望動機なんてどうやって書いたらいいのか分からない・・・」と思い悩んでしまう人も多いかと思います。
そこで今回はそういった人に向けて、薬剤師の転職で使うことができる志望動機・自己PRのポイントを実例と共にご紹介して行きます。
目次
薬剤師が志望動機を考える際のポイント
まず中途採用の担当者としては、経歴や実績もそうですが、「この人はこの職場に適しているのか」、「採用することで自社にどんなメリットがありそうか」などを主に見ています。
つまり志望動機は採用担当者が志望動機を通して何を知りたいのか知っておけば、意外と難しくないのです。
ここでは、志望動機を書く際に盛り込むべきポイントについてご紹介していきます。
1. 他のところではなくなぜここで働きたいのか
同業の薬局が近くにある場合に、採用担当者としてはなぜ他ではなく、ここを選んだのか理由を知りたいのです。
特にドラッグストアに転職したい人は、ドラッグストアは同業他社が同じ地域にいくつもあるので、ここでこういった理由で働きたい!という気持ちが見えなければ、採用担当者の印象には残りません。
転職志望先の他にはない強みや魅力などを理解し、共感していることが伝わると評価されやすいので、他社ではなくどうしてここで働きたいのかという理由をはっきりさせることが非常に重要です。
2. キャリアアップに対して意欲はあるか
採用担当者は、応募者がどんなキャリアビジョンを持っているのかといったところが気になります。
雇う側であれば、どんな人であってもなるべく長く働き続けてほしいものです。
志望動機を考える上で、待遇面や労働環境だけに特化して考えるのではなく、ここで働いてどのような仕事をしていきたいのか、またキャリアを積み上げていきたいという意欲はあるかなどについても盛り込んでおくと非常に好印象なので、必ず盛り込むようにしておきましょう。
3. 転職してどのように貢献していけるのか
これは薬剤師に限ったことではないですが、中途採用担当者として中途採用した人材に求めることと言えば、働いてすぐに即戦力として職場を回してもらいたいということです。
前職でどのようなことをしてきて、どういったことが実績で、転職後にはどんなことで店に貢献していけるのか、また貢献する意欲があるのかを見たいのです。
そのためこういったことをしっかりとアピールすることが重要です。
4. 前職はなぜ退職したのか
これはそこまで、ボリューム感を持って盛り込む必要はありませんが、できれば少し触れておくといいでしょう。
採用担当者としては、出来るだけ入社したら長く勤めていてほしいと思っているので、前職をどういった理由で辞めたのかは非常に気になるところです。
ここで注意してほしいのが、マイナスな理由は書かないというところです。
なるべくポジティブな理由を書いておくことで他の人と差をつけることが出来ます。
面接で効果的な志望動機の組み立て方
次にどのように志望動機を組み立てていった方がいいのかについてです。具体的に流れを見ていきましょう。
1. 応募理由
まずは、応募するにあたって興味を持った理由について書いていきましょう。
その職場ならでは魅力と、他社にはない特徴を合わせて書くことができると非常にスムーズです。
ここでは、他の職場を選ばなかった理由を書いて、比較対象の他社を下げるのではなく、応募先への強い関心を示すことによって、違いを際立たせることが非常に重要です。
2. 転職したらしたいこと・できること
理由が書けたら次は、具体的にどのようなことができるのか、その職場にどのように貢献していけるかなどを書くことで、採用のビジョンを際立たせることが非常に重要です。
この際に過去の経験を踏まえた上で自分には何ができるのかを書いておけると、即戦力として働くことができるというアピールにもつながるので非常に効果的です。
3. 決意表明
決意表明はまとめの文章です。
締めの言葉として、採用後の決意を聞いておくと文全体が引き締まるので、なるべく端的に書くことを心がけましょう。
実際に薬剤師の転職で使える志望動機の実例
では、ここからは、実際に使える動機の実例についてです。
今回は、「病院」、「調剤薬局」、「ドラッグストア」の3カテゴリに分けて志望動機をご紹介していきます。
ここまでのポイントなどを聞いてもあまりピンとこない人は、ぜひ実際の志望動機の実例の中から使い方を学んでいくようにしましょう。
病院勤務へ転職する薬剤師の例文
貴社は育児に理解があると聞いています。さらに家との距離が非常に近く、子供の送り迎えを含めて柔軟に対応できます。薬局に在籍する薬剤師の数が多いため、急な休みに対応できることも魅力に感じています。
土日は問題なくパート勤務でき、子育てしやすい環境であるため長く働くつもりです。中小薬局なので社長との距離が近く、自分の意見を伝えやすいことも良い環境だと考えています。
調剤薬局の場合、正直なところ、やる業務はどこの薬局もほぼ同じです。なので先ほど説明した他社との比較はなかなかできないものです。
これは仕方がないことなので、この場合は、「なぜ調剤薬局を志望したのか」、「どういった条件を希望しているか」など自分自身に焦点を当てて書いていくといいでしょう。
今回の例は、育児で休職していたものの、ある程度落ち着いたのでパート薬剤師として復帰したいと考えている方のケースです。
志望動機として育児や子育てがしやすいことに魅力を感じて応募したと正直に伝えていて、こういった理由だと採用担当者もどういったことを志望しているのか分かりやすいので非常にいいと思います。
調剤薬局へ転職する薬剤師の例文
大学卒業後は製薬企業でMRとして働いていましたが、多くの病院を回らせていただきました。その中で循環器の医師の先生と仲良くさせていただく機会がたくさんあり、講演会や学会準備まで手伝う中で自らも心疾患に関わる病態に興味をもち、患者さんへ貢献したいと考えるようになりました。
そこで、MRを辞めて地元に帰るにあたって、循環器をたくさん学べる貴院で働きたいと考えています。まだ20代ですので、急性期病院である貴院でスキルアップすることにより、多くの患者さんへ貢献していきたいと考えています。
病院へ転職する際には、転職動機としては前向きで意欲的なことを書くようにしましょう。
病院薬剤師への転職は一般的に他の職場に比べて転職しづらいと言われています。
特に患者と常に隣り合わせの職場なので、過酷な仕事も多いですし、豊富な知識も必要とされます。
そのため志望動機としては「勉強会が頻繁に開催されている」、「幅広い薬に関する知識がつく」など様々な理由をあげると、評価が高いです。
さらに病院薬剤師としてこれまでの経験をどう活かせるのかなども盛り込むとより魅力的な志望動機になるので、ぜひ積極的な姿勢を見せるようにしましょう。
ドラッグストアへ転職する薬剤師の志望動機
これまでは調剤薬局で勤務していましたが、学生時代からずっと続けてきた野球の分野について、薬剤師として関わりながらも応援していきたいという想いがありました。そうしたとき、スポーツファーマシストであれば自分の強みを活かしながら野球へ貢献できるのではと考えています。
このときは一般用医薬品の知識が必要であるため、OTCまで学べるドラッグストアへの転職が必要です。また、ドラッグストアの中でも、貴社は地域住民へのセミナー開催を含め、地域医療への貢献に積極的です。
スポーツファーマシストである以上、こうした貴社の活動へ積極的に参加したいと考えています。貴社の活動に貢献し、さらにはスポーツの分野でも応援できるよう頑張っていきたいと考えています。
先ほどの調剤薬局と同様に、ドラッグストアも非常に履歴書自体は通りやすいと言われています。
ただ調剤薬局と違ってドラッグストアの場合は、運営している会社は色々あるので、他社との違いを志望理由に盛り込みやすいです。
調剤併設のドラッグストアの場合は、どこも必ず薬剤師不足なので、しっかりとした志望理由であれば、問題なく転職することができるでしょう。
薬剤師が自己PRを考える際のポイント
続いて自己PRについてです。自己PRは志望動機と非常に似ていますが、志望動機は「なぜ志望したのか、その理由を伝えること」が目的なのに対して、自己PRは「自分の職歴や内容などをアピールして、魅力を相手に伝えること」が目的なので、自分自身にどんな強みがあるのかポイントを抑えてアピールすることが出来るととても有利です。
1. 自分自身の経験やスキルで1番アピールしたいものをピックアップする
自己PRは履歴書でも限られたスペースに設けられているものなので、採用担当者もあまり真剣に読んでいないことが多々あります。
応募する側としては、自分のアピールしたいことをなるべく多く盛り込んでおきたいものですが、それだとまとまりのない文章になってしまうことが多いので、なるべく自分が1番アピールしたいものを絞って、ピックアップして伝えるようにしましょう。
2. 抽象的な表現を避ける
2つ目に、抽象的な表現を避けるということです。例えば、「薬剤師として信頼してもらえるように人一倍頑張ります」など、何となく頑張ってくれそうという雰囲気は伝わりますが、これだと何をどう具体的に頑張ってくれるのかよく分かりません。
そのため、「患者さんに薬剤師として信頼してもらえる」ということをアピールするのであれば、
より具体的に、
「前職の薬局では患者さまの不安を和らげるために自ら声かけを意識していました。それによって信頼関係ができたことによって患者さんの生活スタイルを改善提案までできるようになったことが大きな自信になっています。培ってきたコミュニケーションスキルを武器に頼れる薬剤師として頑張りたいです。」
と書いてあったら、どう信頼してもらうのかなどが書いてあり、非常に分かりやすいです。このようになるべく具体的に書いてあるといいでしょう。
3. なるべく端的に書く
短くまとめたれた文書はテンポよく読み進めることが出来るので、すぐに読み終えることが可能です。
採用する側としては、あまりにダラダラと志望動機が書いてあっても読む気が失せてしまいますし、読み飛ばされてしまいます。
なるべく要点を抑えて伝えたいことを明確にして、全てに目を通して貰えるような文章にしていきましょう。
実際に薬剤師の転職で使える自己PRの実例
例文1
私の強みは高い感受性とバランス感覚です。人の気持ちを読み取ることに長け、バランス感覚によって心地よい距離感を作り出すことができます。人間関係を円滑に進めることを得意にしており、スタッフの間はもちろんのこと、患者様との関係も良好に保つことができるので、よくかかりつけ薬剤師のご指名をいただいていました。前職の上司からは、私がいることで現場の空気が明るくなると評価していただいています。こちらの職場でも、スタッフの皆さまや患者様との良好な関係を築き、患者様にはかかりつけ薬剤師に選んでいただけるように尽力したいと考えています。
この例文では、最初に「私の強みは高い感受性とバランス感覚です。」と結論を先に持ってくることによって、文章をダラダラと続けてしまうことを防ぐことができています。
結論を先に言うことで、採用担当も論点を掴みやすいので、とても印象に残りやすいです。
自分の持っている強みが相手にとってどうつながるかをイメージできるように文章が締められると非常にいい自己PRになるでしょう。
例文2
前職では調剤薬局の管理薬剤師を務めていました。薬剤師としての業務とともに、Excelを使用したシフト管理や業務の分担管理、適正な在庫管理も担っていました。それによって店舗を円滑に営業させる技術を習得し、本社からもマネジメントスキルを評価され、PowerPointを用いて資料を作成し、社内講習会で講師の役割もさせていただきました。御社においても管理者として培ったマネジメントスキルや管理スキルを駆使し、円滑な店舗運営に貢献できればと考えています。
この例文では、前職で何をやっていたのかを簡潔に述べることが出来ているので、採用担当者の興味を引く内容となっています。
特に薬剤師以外にも、Excelを利用してシフト管理や業務の分担管理などの業務をやっていたと言うポイントは非常に評価が高く、相手にとって有益であると伝えることが出来ていて、とても素晴らしい例文であると言えます。
例文3
私は幼少時から柔道を習っており、忍耐力と体力、精神力には自信があります。どんな理不尽な要求にも笑顔で対応することができ、前職では月に数回発生する患者様からのお問い合わせは、すべて私が専任して対応させていただきました。調剤された医薬品が間違っているという訴えであっても、詳しく聞いてみると患者様の勘違いであった例も多く、逆に気持ちの良い対応を褒めていただいたことが何度もあります。御社においても持ち前の忍耐力と精神力を発揮し、どんな仕事でも前向きに努めたいと考えております。
上記は薬剤師としての業務においてはあまり関係のない内容から入っていて、一見すると読み手の興味を失ってしまいがちですが、業務へのプラス要素として盛り込むことが出来ているので、自己PRとしては問題ありません。
また実際に具体的な成果として述べることで貢献することができる内容を相手にイメージさせることが出来ているので、この点もポイントが高いと言えるでしょう。
志望動機・自己PRを魅力的に書いて、転職を勝ち取ろう!
今回は、薬剤師の転職で使える志望動機の実例と自己PRのポイントをご紹介してきました。
いざ転職しようと思って履歴書を書いてみても、1番重要な志望動機や自己PRの書き方が分からないと相手に自分の魅力を伝えることが出来ません。
自分のアピールポイントを簡潔に伝えることで、転職を勝ち取りましょう!