薬剤師を採用するには費用もかかり、採用後は仕事を覚えてもらって一人前になるまでに教育に時間もかかります。
できれば、採用した薬剤師には長く働いてもらいたいと思うので、転職回数が多いと「すぐに辞めるのでは?」と警戒されてしまうのです。
では、転職回数が多い薬剤師は、どのように転職活動を進めればいいのでしょうか?
この記事では、転職回数が多い薬剤師の転職のコツや登録をおすすめする転職サイトなどをご紹介します。
目次
薬剤師は転職回数が多いと不利になる?
薬剤師なら転職回数が多くても問題ないといわれることがありますが、薬剤師であっても転職回数が多ければ不利になります。
薬剤師の4人に3人は転職を経験したことがあるので転職経験自体が不利になることはないですが、短期間のうちに何度も転職を繰り返しているような人は採用されにくいです。
年代にかかわらず、転職経験のある薬剤師の平均転職回数は2回なので、転職回数が2回ほどであれば特に問題視されないでしょう。
転職回数が3回を超えると、何か問題を抱えているのでは?と思われ始めます。
40代や50代だから転職回数が多くてもいいということでもなく、年代にかかわらず転職回数が3回を超えると採用側は警戒します。
転職回数は少ない方が転職を有利に進めやすいので、転職回数は増やしすぎないようにしましょう。
問題なく転職できるケース
本人以外の理由で転職をした場合は問題なく転職ができます。
例えば、
- 夫の転勤で転職した場合
- 薬局が閉店した場合
- 子供が病気がちなので夜勤のある病院薬剤師から転職場合
などのケースであれば問題なく転職ができます。
理由がしっかりしていて本人がコントロールできるものでなければ、転職回数が多くても問題ないでしょう。
特に女性の場合は、結婚、妊娠、出産などでライフスタイルがガラッと変わり、それに合わせて転職する人が多いです。
採用側もそれを分かっているので、転職に影響はしません。
業種によって転職回数への考え方は違う
薬剤師でも転職回数が3回を超えると採用担当者から警戒されますが、業種によって転職回数への考え方は異なります。
業者別の転職回数への考え方をご紹介します。
ドラッグストア、薬局の場合
20代で2回、30代で4回、40代以上で5回くらいの転職回数であれば特に問題はないでしょう。
ドラッグストアも薬局も人材不足で悩んでいるので、それほど転職回数は問題視されません。
ただ、40代の男性薬剤師で転職回数が10回以上の場合は、「何か性格に問題があるのでは?」、「またすぐやめるのでは?」と思われてしまうので転職が難しくなります。
病院の場合
病院の場合は転職回数が多いと問題視されて、採用になりにくいです。
パートや契約社員であっても転職回数が多いと病院への転職は難しくなります。
20代で1回、30代で3回、40代で4回くらいの転職回数であれば許容されます。
転職回数が多いのに問題なく採用される場合は注意しましょう。
病院自体に問題があり、すぐに薬剤師が辞めてしまっている可能性があります。
働き方でも転職回数への考え方は異なる
正社員で雇用される場合、アルバイトやパートで雇用される場合、派遣で雇用される場合では転職回数への考え方が異なります。
正社員の場合は一度雇用したら長く働いてもらいたいため、またすぐに転職をしてしまうかもしれない転職回数の多い人は採用が難しくなります。
アルバイトやパートは転職回数があまり関係ないように思いますが、中長期で働く場合は短期間での転職回数が多いと採用側も警戒してしまうので採用されにくいでしょう。
契約社員や派遣は、働く期間が決まっており、派遣が様々な職場で働くのは普通のことなので、転職回数が多くても問題ではありません。
転職回数が多い場合の転職のコツ
国家資格を有する薬剤師であっても、転職回数が多いと転職が難しくなってしまいます。
転職回数が多い場合は、採用側に「長く働いてくれる」と思ってもらうことが大事です。
こちらでは、転職回数が多い場合の転職のコツをご紹介します。
長く働けることをアピールする
転職回数が多いと「またすぐやめるのではないか」と思われてしまうのは仕方ありません。
「転職したら、こういった仕事がしたい」、「働きながら資格取得を目指したい」など将来のビジョンを語ることで、「長く働く」ことをイメージしてもらいましょう。
転職回数が多いことへの言い訳をしない
転職回数が多いと、面接で転職回数が多くなったことへの言い訳をしてしまう人が多いようです。
ですが、「言い訳」をしてもネガティブな印象しか与えません。
採用しても「言い訳」が多いと思われると転職が難しくなってしまうので、言い訳は必要以上に言わないようにしましょう。
ネガティブな転職理由を言わない
「給料が安かったから転職した」、「人間関係が悪かったので転職した」というのが本当の転職理由だったとしても、そのままネガティブな転職理由を伝えないようにしましょう。
ネガティブな転職理由は採用側にいい印象を与えません。
転職理由を伝えるときには、ポジティブな内容にして伝えるようにすると印象が良くなります。
転職回数が多い薬剤師の面接でのアピール方法
転職回数が多いとマイナスのイメージが強くなりますが、転職回数が多いこともうまく伝えれば転職でのアピール材料になります。
転職回数が多い薬剤師のアピール方法をご紹介するので、面接対策の参考にしてくださいね。
経験豊富である
単に「転職回数が多い」と説明するとマイナスのイメージがありますが、「様々な職場で働いてきたので、経験豊富である」と伝えるとプラスのイメージになります。
実際に、転職回数が多いということは、調剤薬局やドラッグストア、病院などの様々な業種、様々な診療科を経験してきたことになります。
ずっと同じ職場で働いているよりも、様々な経験をしているので経験値が高く柔軟性もあるといえるので、しっかりとアピールしましょう。
行動力がある
転職回数が多いということは、それだけ転職活動をしてきたということです。
転職活動はエネルギーが必要で疲れることも多いので、行動力がなければ転職を何度も繰り返すことはできないので、それだけ行動力があるといえます。
薬剤師としてキャリアアップするために行動してきたことを伝えることでいい印象を与えることができるでしょう。
転職回数が多い人におすすめの転職サイト
転職回数が多い薬剤師が転職をするのであれば、転職サイトを利用しましょう。
担当コンサルタントがつく転職サイトに登録すれば、キャリプランの作成、希望条件に合った求人の紹介、面接日の設定、条件交渉などを代わりに行ってくれます。
面接で転職回数が多いことをうまく伝えられない人は、面接に同行してくれる転職サイトを選びましょう。
担当コンサルタントが面接に同行してくれればうまくフォローしてくれるので、自分だけで面接に行くよりも面接がうまくいく可能性が高くなります。
こちらでは、転職回数が多い薬剤師におすすめの転職サイトをご紹介します。
ファーマキャリア
ファーマキャリアでは、希望条件に合った求人を作る「オーダーメイド求人」が人気です。
すでにある求人を紹介するのではなく、求職者の希望条件をヒアリングし、調剤薬局やドラッグストア、病院に採用状況などを問い合わせして希望に合う求人を作る珍しいスタイルです。
転職回数が多い場合は、同じような求人を目にしていて既存の求人では満足できない人も多いかもしれません。
そんな時は、希望条件に合った求人を作成してくれるファーマキャリアがおすすめです。
コンサルタントのサポート力が優秀なので、転職回数が多くても希望の転職ができるようにしっかりとサポートしてくれますよ。
ファーマキャリアの口コミ・評判からみるメリット・デメリットを徹底解説!
ファルマスタッフ
ファルマスタッフは大手調剤薬局である日本調剤のグループ会社が運営している転職サイトなので、調剤薬局の求人が多いのが特徴です。
求人数が多いので、希望条件に合った転職先が見つかりやすいですよ。
面接が不安な求職者の面接に同行してフォローしてくれるので、転職回数が多くて面接でうまく対応できるか悩んでいる人は面接に同行してもらいましょう。
また、派遣求人が多いので、転職経験が多く、いろいろな職場で働いてみたい人は派遣として働くのもおすすめです。
ファルマスタッフの口コミ・評判からみるメリット・デメリットを徹底解説!
転職回数を増やさないために
転職回数が多くても、面接で転職理由についてうまく伝えることができ、「長く働いてくれるだろう」と思ってもらえれば転職はうまくいくでしょう。
ですが、転職回数が多いほど不利になってしまうので、これ以上転職回数を増やさないためにも一度「なぜ、何度も転職を繰り返してしまうのか」を考えてみましょう。
「なぜ転職を繰り返してしまうのか」という理由を突き止めることができれば、次は満足のいく転職先を見つけて、もう転職をする必要はなくなります。
もし、「いろいろな職場で働くために転職している」ということであれば、正社員で転職を繰り返すよりも、派遣で働く方がいいでしょう。
派遣としての働き方
派遣として働くには派遣会社に登録する必要があります。雇用主は派遣先ではなく派遣会社なので、派遣先で人間関係などのトラブルが起きたときには仲介してくれます。
契約期間が決まっているので家庭の事情で短期間しか働けない場合、同じ職場で働き続けるのが苦手、煩わしい人間関係が嫌という場合にはぴったりの働き方です。
薬剤師の派遣は時給が4,000円を超える求人もあるので、場合によっては正社員より稼げることもあります。
福利厚生が正社員とは違うので単純比較はできませんが、無理をして正社員として転職を繰り返すよりは働き方に柔軟性のある派遣として働くのもいいですね。
転職理由をうまく伝えるのが成功のカギ
転職回数が多ければ多いほど転職先を見つけるのは難しくなりますが、本人以外の理由で転職回数が増えてしまった場合は問題なく転職ができます。
本人が理由の転職であっても、転職理由をうまくアピールし、「長く働くことができる」と採用側に思ってもらえれば転職することが可能です。
自分ではうまく転職理由をアピールできないのであれば、転職サイトに登録して担当コンサルタントと面接対策をしたり、面接に同行してフォローしてもらいましょう。