転職を考えたときに、ほとんどの人は転職サイトや転職エージェントなどのサービスに登録すると思います。
登録の際には、氏名や住所、連絡先などはもちろん、Web上で履歴書や職務経歴書なども入力することになります。
こうした情報は企業に応募する際に必要になるのですが、実はリスクもあります。
それが、『登録情報が、今働いている会社にバレてしまう』ということ。つまり、転職活動をしていることがバレてしまう可能性があるんです。
「転職活動をします!」と会社側に伝えた上で転職活動をする方は、おそらくほとんどいないと思います。
転職活動をしていることは伏せ、内定をもらった段階で会社に退職希望日と共に伝えるのがほとんどでしょう。
ではなぜ転職活動をしていることが、現職の企業に知られてしまうのでしょうか。
今回はその理由を詳しく解説します。また、登録情報がバレないようにする方法や、勤務先にバレにくい転職エージェントなどもご紹介します。
勤務先にバレにくいおすすめの転職エージェント
転職サービスなら、どれもバレる可能性は同じ…というワケではありません。
実は企業にバレにくいサービスもあります。それが、『転職エージェント』です。
『転職エージェント』は、企業と応募者の間に立って、その企業で活躍できる人材を推薦するコンサルタントのような役割を果たします。
企業が直接ユーザーの情報を検索できないため、バレる可能性は限りなく低いといえるでしょう。
今回はその中でも特にバレにくく、おすすめな転職エージェントを紹介します。
doda
dodaのおすすめポイント
- スカウトブロック機能を活用して特定企業への開示を防ぐ
- 勤務会社企業は自動でブロック
- コンサルタントからの情報公開は事前に確認がある
テレビCMなどでもおなじみの『doda』は、転職サイトのイメージが強いかもしれませんが、実は転職エージェント機能もあります。
転職サイトと転職エージェント両方の機能を併せ持つため、公開求人と非公開求人を合わせると、その求人数は13万件以上と業界でも圧倒的です。
dodaがおすすめな理由は、『スカウトブロック機能』があるから。スカウトブロック企業に設定した企業は、氏名や住所の詳細などの匿名情報を含めたすべての登録情報が見られなくなります。
勤務先や取引先、関連会社など、登録先企業は全て自分で選ぶことができます。
ちなみにdodaでは、『勤務先会社名』の項目に入力した企業には、自動的にブロックがかかり、情報が公開されないようになっています。
こうした点を総合的に考えても、dodaは他の転職サイト・転職エージェントと比べてバレにくいといえるでしょう。
ビズリーチ
ビズリーチのおすすめポイント
- ユーザーの情報を検索できるのはヘッドハンターのみ
- 特定の企業への情報非公開
- 送信されるスカウトは大半が自動送信
『ビズリーチ』は転職エージェントとしてはまだ新しいサービスですが、テレビCMでの露出が増えていることから認知度が高まっています。
リリースからわずか10年程度ですが、すでに業界トップクラスの求人数を誇っています。
日本で初めて『求職者課金型』を採用。登録しているユーザーの転職意欲が高いことから、ビズリーチ経由での転職成功率は高くなっており、企業側からの信頼も高いサービスです。
ビズリーチのユーザー情報を検索できるのは、ビズリーチと提携しているヘッドハンターのみ。他のサイトよりも厳しく設定されているため、勤務先に情報が洩れる可能性は限りなく低いといえるでしょう。
またサイト上から、特定の企業やヘッドハンターに対して情報を完全非公開にすることもできます。
Spring転職エージェント
Spring転職エージェントのおすすめポイント
- 企業に精通したアドバイザーが専任でつくのでばれにくい
- 360度式コンサルタントにより機械的なスキルマッチを防ぐ
- 転職先の待遇や雰囲気の情報収集も可能
Spring転職エージェントは、グローバル企業やハイキャリアの転職に手厚いサポート受けられるサービスです。
専任のアドバイザーが応募者と企業を担当するため、今の職場にばれる可能性がほとんどありません。
応募状況の進捗はマイページからも確認できるので、今の仕事が忙しい人も勤務中の電話連絡が避けられます。
レジュメや連絡先はマイページから自分で登録できるので、いつでも変更できることもサービスのメリットです。
コンサルタントは外資系の企業にもくわしい人材がそろっており、豊富な転職サポートの実績があります。
具体的な転職希望時期が決まっていないという人も、キャリアの方向性を決めるためのアドバイスが受けられるでしょう。
語学力を活かしてハイキャリアに転職したいという人におすすめの転職エージェントです。
JACリクルートメント
JACリクルートメントのおすすめポイント
- コンサルタントからの紹介でのみ情報が開示
- 勤務先企業のブロックも可能
- 非公開求人多数
JACリクルートメントは、ハイクラス求人や海外転職に役立つ求人を紹介している転職サイト・エージェントです。
ミドル・ハイクラス人材向けの求人を取り扱っており、転職の支援実績は43万人を超えています。
国内大手から外資系・海外進出企業等、幅広い求人を保有しており、非公開求人は全体の65%を超えています。
企業と転職者の間にコンサルタントが入っているので、勝手に皆さんの情報を企業側に開示することはありません。
そのため在席している企業が求人を出している場合であっても、皆さんが転職活動をしていることが転職エージェント側から漏れることはありません。
パソナキャリア
JACリクルートメントのおすすめポイント
- 本人の了解なしで情報公開無し
- コンサルタントに依頼して企業のブロックもOK
- 年収800万円以上の求人多数
パソナキャリアはマッチング力と提案力に自信を持つ、転職サイト・エージェントです。
本人の了解を得ることなく、企業に皆さんの情報をお伝えすることはありませんので、在籍している企業にバレないように転職活動をしたい方にお勧め。
内定獲得のための企業野情報提供や採用トレンドまで、丁寧にコンサルタントが教えてくれるので、転職活動に不安がある方でも安心です。
求人の半数が年収800万円以上の求人ですので、ハイクラス転職をすすめたい方は、是非活用してみて下さい。
転職サイトへ登録すると会社にバレる?
なぜ転職活動の事実が会社にバレてしまうのか。
それは、転職サイトに登録しているユーザーの情報を、企業側が見ることができるからなんです。
企業は、『スカウト』という機能を使うことができます。
スカウトとは、転職サイトに登録しているユーザーの詳細情報を見た上で、自社で活躍できそうな方に直接メッセージでアプローチができる機能です。
ほとんどの転職サイトに実装されている機能で、優秀なユーザーに直接アプローチできることから、利用する企業も多いサービスです。
スカウトできそうなユーザーを探す過程で、「このユーザー、もしかしてウチの社員じゃないか?」と企業にバレてしまう可能性があります。
転職活動が勤務先にバレるデメリット
そもそも、なぜ転職活動をしていることが勤務先にバレてしまうといけないのでしょうか。理由は大きく2つです。
自分の処遇が悪くなる
当然ですが、企業は自社で長く働いてくれる社員を重宝します。
転職しようとしている社員は、つまりこの先長く働く意思がないということ。給与を上げたり、役職に付けたりという必要はないと判断されかねません。
最悪の場合、転職活動の事実が分かった段階で降給・降格されたりというケースも考えられます。
転職活動がうまくいって次の会社が見つかればいいかもしれませんが、もし転職先が見つからず現在の勤務先にとどまる場合は、処遇が悪くなるのはかなりのデメリットです。
転職活動を妨害される可能性がある
転職先を探す際には、経験を活かせる同業の同職種を探す方が多いのではないでしょうか。
業界は広いようで狭いもの。転職活動をしていることが知られてしまうと、現在の勤務先から検討中の企業に妨害工作をされてしまうことも考えられます。
実は実際に同業他社への転職を妨害し、裁判にまで発展してしまったケースは何件もあります。
会社側から確認できる情報
個人情報保護の観点から、企業側であっても全ての情報を見ることはできません。
サイトによって多少の違いはありますが、企業側が見られる情報と見られない情報は以下の通りです。
企業が見られる情報
- 年齢
- 性別
- 住んでいる都道府県
- 最終学歴と学校名
- 保有資格
- 勤務したことがある会社の企業規模
- 勤務期間
- 職務経歴
- 転職に関する希望条件(職種や勤務地、年収など)
企業が見られない情報
- 氏名
- 都道府県以下の住所
- 電話番号やメールアドレスなどの連絡先
- 勤務先会社名
ポイントは、『名前や勤務先は明確に見られてしまうわけではない』ということです。
勤務先に知られると個人が特定される情報
「名前や勤務先は企業に見られないなら、自分が転職活動をしていることはバレないんじゃない?」
…と思われるかもしれませんが、そうとも限りません。『住所の都道府県』と『職務経歴』が分かれば、人事担当や経営者は自分の会社だと分かるものです。
しかも『年齢』や『最終学歴(学校名)』まで分かれば、ほとんどの場合個人が特定できてしまいます…。
スカウト機能のない転職サイトならバレない?
スカウト機能がない転職サイトであれば、100%ではありませんが、勤務先にバレる可能性はほとんどないでしょう。
もしバレる可能性があるとすれば、応募した企業から、勤務先に情報が流れてしまうケースが考えられます。
しかし応募者の個人情報を外部に漏らすことは法的にも問題があるため、こちらもほとんどあり得ないと考えて問題ありません。
転職サイトのスカウト機能の仕組みとは?スカウト経由は内定率が高い?
非公開機能のある転職サービスは安心?
スカウト機能があったとしても、実は『非公開』にする機能もあるんです。
非公開企業はサイトによって詳細が異なりますが、非公開にしたい企業名をあらかじめ登録しておくことで、その企業がスカウト対象者を検索したときに自分の情報が表示されないようにできるんです。
現在の勤務先の他、過去に勤務していた会社や勤務先とつながりが深い会社などを非公開にすることで、限りなくバレないようにできます。
転職サイトの登録がバレないようにする方法
転職サイトに登録することで、転職活動をしていることがバレる可能性があることはここまで説明してきました。
では次に、登録したことをバレないようにするために、自分自身で出来る防衛策をいくつかご紹介したいと思います。
個人が特定できる情報は登録しない
個人が特定できる情報として危険なものは、『住所の都道府県』『職務経歴』『年齢』『最終学歴(学校名)』です。
その中で勤務先を特定するために最も重要なのが、『職務経歴』でしょう。
とはいえ職務経歴を登録しなければスカウトサービスを使うことはもちろん、企業に応募することもできません(職務経歴なしで応募できたとしても、選考にはほぼ通過しないでしょう)。
そこで、職務経歴の中に個人を特定できる内容を書かないようにすれば、ある程度バレることを防ぐことができます。
例えば具体的な部署名や役職、担当している業務領域、プロジェクト名などを明記しないだけでも、個人の特定はしにくくなります。以下は書き方の例です。
個人が特定されやすい職務経歴の書き方
▼2017年4月1日~2019年3月31日
・法人営業2部 首都圏担当課 課長補佐
・マネジメント人数 13名(営業10名、管理3名)
法人営業部にて、ECサイト制作ソフト『ECツクール』を中心としたweb関連商品を販売。プレイングマネージャーとして自身も年間5,000万円の売上目標を持ちながら、課長補佐として部署全体で4億2,000万円の売上目標を追いかける。達成率・受賞歴は以下の通り。
2017年度 個人売上119%達成 課売上108%達成
2018年度 個人売上129%達成 課売上102%達成
2017年度 ベストマネジメント賞 受賞
2018年度 ハイプレイヤー賞3位 受賞
個人が特定されないようにした職務経歴の書き方
▼2017年4月1日~2019年3月31日
・営業部門 課長補佐(マネジメント人数 10~20名程度)
法人向けにweb関連商品を販売。プレイングマネージャーとして、個人売上と部署売上の両方を追いかける。
2017年度 個人約120%達成 部署約110%達成
2018年度 個人約130%達成 部署約100%達成
2017年度 役職者向けの社内賞受賞
2018年度 業績目標ハイ達成賞受賞
転職サイトに嘘の情報を登録しても大丈夫か?
では、バレるのが怖いからと転職サイトに嘘の情報を登録しても良いのでしょうか?
答えはもちろんNGです。虚偽記載は言語道断ですし、入社後に発覚すると最悪の場合、懲戒などの処罰にも発展してしまいます。
中には訴訟に発展し、損害賠償を請求されたというケースもあるようです。
事実をあえて書かないことは応募者の自由ですが、事実を捻じ曲げて書くことだけは絶対にやめましょう。
転職サイトに偽名で登録してもバレない!偽名で登録するデメリットとは
担当者にしっかり伝えておく
バレるのを防ぐための予防線として、応募先企業の担当者にあらかじめ伝えておくのも良いでしょう。
個人情報保護の観点から、企業が転職者の応募情報を他の企業に流すことは、基本的にはあり得ません。
しかし市場規模が狭い業界の場合は、経営者や人事同士のつながりが深いことが多く、雑談の中で伝わってしまうことがないとも限りません。
そういったことが無いように、「現職には転職活動をしていることを伝えていないため、伏せておいていただけると幸いです」と応募した企業に伝えておくのも手です。
会社のPC等で転職サイトへログインしない
仕事が忙しくてなかなか自宅で転職サイトを開けない方は、会社のPCや社用スマホで転職サイトを見ることもあるでしょう。
しかし、これも実は危険です。
会社から貸与されているPCやスマホは、会社側が通信のログなどをチェックできるようになっているケースが多いようです。
つまり転職サイトを見ていることもバレる可能性が高いのです。
いくら時間が無かったとしても、会社から貸与されているPCやスマホで転職サイトを閲覧・ログインすることはやめましょう。
また企業への電話連絡なども同じです。通話内容も会社側が確認できるようになっている可能性があるため、必ず私用の携帯電話で連絡しましょう。