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認定薬剤師とは?
認定薬剤師とは日本薬剤師研修センターなどが行っている制度を利用し認定を受けた薬剤師のことであり、薬剤師としての知識や研修成果を客観的に証明してもらうことができる制度です。
この制度を利用し認定を受けることで、薬剤師の国家資格を取得しているだけで満足しているのではなく、薬剤師としての実力を高め日々新たな知識を得ようと努力している証拠にもなります。
認定薬剤師の資格を持っていれば転職時にも評価されやすいので、今後転職を考えている方も取得しておいて無駄にはなりません。
まずは「研修認定薬剤師」を目指そう
- 日本薬剤師研修センター
- 日本医療薬学会
- 日本薬剤師会
- 日本臨床腫瘍薬学会
- 日本病院薬剤師会
上記した場所以外にも様々な団体で認定薬剤師の資格を取得することができます。
団体ごとに取得できる資格は違い、皆さんの現在の職場やこれから目指す働き先に合わせた資格を取得することがキャリアップに好影響を与えます。
その中でも最初の一歩としておすすめなのが「研修認定薬剤師」です。
研修認定薬剤師制度とは
研修認定薬剤師制度とは、薬剤師として日々、自己研鑽を行っていることを証明してくれる制度です。
基礎薬学・医療薬学などについての勉強会などに参加することで単位を取得し、一定期間内に指定された単位を取得することで認定を受けることができます。
既に10万人を超える薬剤師の方がこの資格の認定を受けており、割合で言えば総薬剤師数の3割ほどにもなります。
新規に認定される薬剤師の数も毎年1万人を超えており、非常にポピュラーな認定薬剤師の資格と言えます。
通信教育や自己学習で単位を取得することも可能ですので、自分のペースで学びやすいというのも特徴の1つです。
研修認定薬剤師になるための手順
研修認定薬剤師になるには、幾つかのステップを期間中にクリアする必要があります。
取得すること自体は決して難しい資格ではありませんが、期間内に条件をクリアする必要があるので無計画に学んでいては条件をクリアできない可能性も否定できません。
逆に言えば手順を理解しておけばスムーズに研修認定薬剤師になることが可能となります。
ここからはその手順を一つ一つ解説させていただきます。
薬剤師研修手帳を取得する
認定薬剤師の認定を得るには「薬剤師研修手帳」が必要になります。
様々な研修などへ参加することで「研修受講シール」を手に入れることができるのですが、最終的にはそのシールをこの手帳に貼り付けて提出することになります。
この手帳は学部(学科)を卒業する時に渡された表紙が深緑色のものが利用できます。
もしお手持ちでない場合でも、各都道府県の薬剤師研修協議会で購入することができます。
他にも日本薬剤師研修センターのサイトからWeb申し込み・代金前払い方式にて購入していただくことも可能です。
ただ申込みから発行までに1週間から1ヶ月の期間が必要になる点にご注意ください。
また福岡県・沖縄県・茨城県に在住の薬剤師はカードによって研修記録が管理されている場合があり、その場合は「単位取得証明書」が手帳代わりとなります。
認定対象となる研修を受講する
- 集合研修、実習研修…日本薬剤師研修センターや日病薬、日薬などの団体が行う研修会
- 特定講座研修…計画された研修期間(30時間以上)行われる研修。実習を伴うカリキュラムであることも
- グループ研修…薬局内の勉強会や企業による新薬説明会など。研修後に研修センターに対しての受講単位請求が必要
- 通信講座研修…大学などが行っている通信講座。1期(認定や更新までの期間)に15単位まで取得可能
- 自己研修…書籍や雑誌、テレビやインターネットの視聴などにより医学薬学関連の学習を行う、年間5単位まで取得可能。研修センターに対しての受講単位請求が必要
上記した研修を受けることによって、認定を受けるために必要な単位の取得ができます。
どの様な方法で単位を集めるかは基本的に個人に任せられていますので、自分のペースで学んでいくことが可能です。
認定に必要な単位を集める
研修認定薬剤師の新規申込みを行うためには、4年以内に40単位を集めるのが条件となります。
研修期間のスタートとなるのは初めて単位を取得した日からとなっていますので、前もって計画を立てておくと期間内に単位取得が間に合わなくなる危険を大きく減らすことができますね。
最初の1年で40単位集めていただいても問題ありますんが、複数年かけて単位取得を目指す場合には年間5単位以上を取得するのが条件となっています。
また集合研修は1単位1.5時間で実習研修は1単位2時間、自己研修の場合は1単位取得するのに4時間の勉強が必要など、研修方法によって時間ごとに取得できる単位数は変わってきます。
認定手数料を振込み薬剤師研修協議会へ提出
研修手帳入手済みで4年以内に40単位を集めることができれば、各都道府県薬剤師研修協議会に対して申請手続きを行うことができるようになります。
日本薬剤師研修センターの口座へ郵便振込にて認定申請手数料10,286円を振込み、研修認定薬剤師新規申請書・研修手帳・生涯学習自己診断表・認定申請手数料振込受領書の写しを提出すれば手続きは完了です。
詳しい手続き方法や申請書のダウンロードなどについては、日本薬剤師研修センターのサイトにアクセスし、「各種認定制度→研修認定薬剤師制度→研修認定薬剤師になるには?」と進むか、サイト内の「よくある質問」を確認してください。
認定薬剤師証が交付される
手続きが完了し取得単位数や申請書の記載内容に問題が無ければ、めでたく研修認定薬剤師として認められ「認定薬剤師証」が交付されます。
ただ申請を行ってから手元に認定証が届くまでには、平均して2〜3ヶ月の期間が必要になります。
認定証が届く1ヶ月ほど間には認定が確定したという内容のハガキが送られてきますので、そのハガキが届けば安心です。
3年ごとの更新をお忘れなく
研修認定薬剤師は継続した研修を受けることが重要と考えられている制度ですので、認定薬剤師として認められた後も3年ごとの更新が必要になります。
更新には3年以内に30単位の取得と年5単位以上の取得が条件となっています。
更新期間は研修認定薬剤師新規申込書に記入した申請日がスタートとなっています。
実際に認定書が届く前から更新期間が始まっていることになりますので、可能であれば申請後も次回の更新に向けて研修をスタートさせましょう。
キャリアアップを目指すなら専門分野の認定薬剤師
研修認定薬剤師を取得し、さらなる高みを目指すのであれば、「専門分野の認定薬剤師」を目指すことをおすすめします。
これは特定の医療分野での豊富な知識を証明してくれる検定ですので、取得しておけばキャリアップの近道になってくれるはずです。
専門分野と一口に言っても多岐にわたりますから、ご自身が薬剤師として進みたい道を考えてから目指す資格を決めましょう。
研修認定薬剤師と比べた場合、資格取得への難易度は高くなりますが、価値に関してもその分だけ高い資格がほとんどです。
ここからは、専門分野の認定薬剤師になることで得られる代表的なメリットを3つご紹介します。
専門知識を持っているとアピールでき転職で有利になる
持っている認定薬剤師の資格にマッチした求人に申し込めば、転職は確実に有利になります。
薬剤師の国家資格を持っていても専門知識の深さを計り知ることは難しいのですが、認定薬剤師の資格を持っていれば一定以上の知識を持っているという保証にもなります。
雇う側としては知識に関しては充分な期待が持てるわけですから、持っていない方と比較した場合は高く評価されるのは当然と言えますね。
その結果、転職時の給与などの条件面でもプラスアルファが期待できるかも知れませんよ。
資格手当がもらえるケースもある
職場によっては認定薬剤師の資格があることで「資格手当」がもらえることがあります。
対象となる資格を持っていれば、それだけで収入が増えるのですから嬉しいことですね。
額としては月当り5000円〜10000円程度であることが多い様ですが、中々給与が上がらない現在においては資格を取って収入を増やすというのも賢い考え方です。
もし手当が出ないとしても、自己啓発を行っているということで職場内での評価は高くなるのではないでしょうか?
最新の薬学や医療に関する知識が学べる
認定薬剤師の資格を取るために研修などに参加することで、「最新の薬学や医療に関する知識」を学ぶことができます。
医学や医療は日に日に進歩していきます。
自ら学ぼうとしなくては、その進歩に着いていくことですら容易ではありません。
転職に有利になるためや収入アップのために認定薬剤師の資格取得を目指した結果として様々な知識が手に入り、薬剤師としての実力もアップするというのはとても好循環と言えますね。
もしかするとこれが人体薬剤師になる、最も大きなメリットになるかも知れません。
転職で有利になるおすすめ認定薬剤師資格
- がん薬物療法認定薬剤師
- 感染制御認定薬剤師
- 妊婦、授乳婦薬物療法認定薬剤師
- 漢方薬、生薬認定薬剤師
- 抗菌化学療法認定薬剤師
などなど、専門分野の認定薬剤師には数多くの資格があります。
どの資格にチャレンジするのかは皆さんの判断次第ですが、これからの時代に役立ち転職の際にも有利に働きやすい「おすすめの認定薬剤師資格」を3つ皆さんにご紹介します。
この中から選んでおけば転職のチャンスはとても大きくなるはずですよ。
がん薬物療法認定薬剤師
「日本病院薬剤師会」が認定団体となっている資格です。
この資格を持っていれば、がんに関する薬物療法の知識と技術を身に着けたと認められます。
5年以上の実務と3ヶ月の実技研修または、がん薬物療法への従事が3年以上であることが取得条件に含まれています。
研修単位は40時間20単位となっていますが、50症例以上のがん患者への薬剤管理指導という条件もあり、認定されるには試験に合格する必要もあります。
漢方薬・生薬認定薬剤師
「漢方薬・生薬に関する専門知識を習得し、能力と適正を備えた薬剤師であることを認定する制度」であり、「日本薬剤師研修センター」が認定団体となっている資格です。
9回の講義研修会と1回の薬用植物園実習で構成された漢方・生薬研修会に参加し、試験に合格することで認定を受けることができます。
漢方・生薬へのニーズは年々高まっており、取得しておけば転職時にも非常に有利です。
日病薬認定指導薬剤師
日病薬会員であることが条件の1つであり、チーム医療など5領域16項目からなるカリキュラムの中で過去3年以内に50単位(年10単位以上)を取得していることなど、幾つかの条件をクリアしなくてはなりません。
論文や症例、学会発表などは取得条件に入ってはいませんが、試験を受ける必要はあります。
高度化する医療に対応するだけの知識を得ている証明にもなる資格です。
「日本病院薬剤師会」から認定を受けることになります。
薬剤師3年目でスキルアップしたい方必見!転職時の注意点とおすすめの転職サイト5選
認定薬剤師の方におすすめの転職サイト
薬剤師が転職を目指すなら「薬剤師に強い転職サイト」を利用するのが必須です。
総合型の転職サイトでも多くの求人を見つけることはできるはずですが、特に認定薬剤師の資格を取得している方の場合、資格の価値を最大限に活かすには特化型のサイトを利用することが大切です。
薬剤師向けの転職サイトも幾つかありますが、その中でも選んで間違いのない2つのおすすめ転職サイトをご紹介します。
ヤクジョブ
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