近年IT業界の拡大により、IT人材の募集が増えています。
記事を読んでくれている皆さんも、これからプログラマーを目指そうと考えている方も多いのではないでしょうか。
しかし経験がない場合、「何らかの資格を持っていた方が有利になるんじゃないか…?」と不安になりますよね。
プログラマーになるための国家資格はありませんが、スキルを証明できる資格はあります。
そこで今回は未経験からプログラマーを目指す方向けに、転職で役立つ資格を紹介していきます。
目次
プログラマーが取得すべきおすすめ資格一覧
プログラマーが取得すべきおすすめ資格を、下記の通り一覧でまとめてみました。
- Javaプログラミング能力認定試験
- Ruby技術者認定試験
- C言語プログラミング能力認定試験
- PHP技術者認定試験
- 基本情報技術者試験
- ITパスポート
- 応用情報技術者試験
各資格について、下記で説明していきます。
Javaプログラミング能力認定試験
その名の通り、Javaのプログラミングスキルを図るための民間試験です。
JavaはOSに依存しない言語として幅広い現場で使われ、今なおトップクラスのシェアを持ち続けています。
民間試験と言えど、企業がその人がどれだけのJava言語能力を持っているかを計る指標にもなりますので、取得していない方はぜひ取得するようにしましょう。
レベルは1級~3級の3段階
3級
簡単な入門レベルです。筆記試験で、実技はありません。
Javaの基本的な知識、オブジェクト指向の概念を理解し、簡単なプログラムを書けるかが求められます。
2級
プログラムが組める程度のスキルレベルを図るものです。
こちらも筆記のみで、実技はありません。
3級とは異なりJavaに関する一般的な知識、オブジェクト指向の概念について知識を持っているかが問われます。
また、アプリケーションなどの小さなプログラムが書けることも求められます。
1級
1級のみ実技試験です。
試験では、提示される変更点や追加点を実際のシステムに反映し、その上で仕様変更書を作成していきます。
2,3級で得た知識をフル活用してプログラム保守をする能力が求められます。
またUMLの表記の基本的知識も必要になります。
転職でアピールしたいなら2級以上は必須
3級はあくまで入門レベルなので、未経験募集ならまだしも、経験者募集の求人であれば履歴書に書いていてもアピールにはならないでしょう。
最低でも2級以上は欲しいところです。
2級であればプログラミングが出来ることを示せますし、1級になれば実務レベルで活用できることが分かります。
過去問題集もあるため勉強しやすい
Javaはシェアも高く、開発人口が多い言語です。ゆえに勉強する人も多く、試験の過去問題集もたくさん出版されています。勉強がしやすいため、取得しやすいのも特徴といえるでしょう。
Ruby技術者認定試験
Rubyの文法など、プログラマーとして必要なスキル・知識を図るための資格です。Rubyは国産のプログラミング言語としてWebをはじめ幅広い現場で利用されています。資料や最新情報が日本語なので、学びやすいというメリットもあります。
レベルはsilverとgoldの二段階
silver
基本的な技術を確認する試験です。初級の開発者だけでなく、学校でRubyを勉強している学生なども受験するレベルです。
Rubyに関する基本的な知識さえあれば解くことができます。
gold
Silverより一歩進み、アプリ設計に関する知識が問われます。
現場での開発経験者を対象としており、より高い知識・スキルを身に付けたい方が受験するレベルです。
内容もsilverの発展問題が多いためsilverを取得した上で受験することをおすすめします。
学習期間は未経験で一か月
Silverであれば、未経験からでも一か月程度の学習でも充分合格の可能性があります。
ただ、転職活動で有利なレベルとなると、やはりGoldを取得したいところ。
そうなると実務レベルの知識・経験が必要になります。
ちなみに現在はSilverとGoldの二段階ですが、将来的にはPlatinumというさらに上級のクラスも出来るそうです。
公式サイトで参考書が紹介されている
この試験は学びやすく、公式サイトで模擬問題集のPDFや一問一答の外部サイトなどが紹介されています。
もちろん一般の書店などで参考書も販売されていますが、まずは無料で使える模擬問題集から挑戦してみましょう。
C言語プログラミング能力認定試験
C言語のスキルを図る試験です。
C言語は開発から50年近く経った今でもシェアの上位に名を連ねる言語であり、多くの企業から知識・スキルを求められています。
ゆえに資格取得によって転職活動を有利に進めやすいともいえるでしょう。
レベルは1級~3級の三段階
3級
筆記試験のみです。入門レベルなので、学校でC言語を学んだ方でも充分受験できます。
C言語の概念を理解していて簡単なプログラムを書くことが出来ればOKです。
2級
実務初級者程度のレベルです。3級同様に実技はなく、筆記のみです。
小さい規模のプログラムを簡潔に適切なスピードで書くこと、アルゴリズムの基本的概念を理解していることを要求されます。
1級
C言語での実務経験者を想定しています。
応用レベルのプログラム作成を実技試験でチェックされます。
C言語を理解し、2級よりもさらに高度なプログラムを書く能力を要求されます。
Javaと同様に2級からアピールできる
転職活動を有利に進めたいのであれば、Java同様に最低でも2級以上は取得しておきたいところ。
特に経験者募集の求人に応募するのであれば、1級を取得していないと有利にはならないかもしれません。
1級が経験者向けの試験内容ですので、是非取得しておきましょう。
学習時間は約100時間
すでにC言語の基礎をある程度理解している方であれば、2級取得のための勉強時間は100時間程度です。
C言語は数ある言語の中でも歴史が古く、参考書や過去問などもたくさん出版されていますので、勉強もしやすいといえるでしょう。
PHP技術者認定試験
Web系の開発言語としてシェアが高いPHP。その初級の知識レベルを認定するための試験です。
昨今はPythonなどの台頭により以前より人気も落ち着いてきましたが、それでも開発プロジェクト数としてはやはり圧倒的シェアを誇ります。
開発数が多いということは、それだけ求人や案件数が多いということ。
つまり資格を取得しておけば、企業からの引き合いも多くなるということです。
初級と上級の2レベル
初級
学生や実務初級者を想定した試験内容です。一般的な知識レベルを問われるもので、公式ページ上にあるオンラインマニュアルから出題されます。
上級
より実務で求められる知識・スキルを図る試験です。実務で数年以上PHPを活用してきたレベルの応用力が求められます。
取得することで応募できる求人の幅が広がる
前述の通り、PHPは今でもニーズが非常に高く、案件数が圧倒的に多い言語のひとつです。ゆえにPHPに関する資格を取得していれば、応募できる求人の幅が広がりますし、転職活動を有利に進められます。
学習時間はPHP経験者で10時間~50時間
上級レベルを取得しようとすると、経験者でも10~50時間の学習が必要です。
なお公式ページでは認定教材が紹介されており、この教材の中からも出題がされるとのこと。
勉強にあたって、まずはこの認定教材から初めてみましょう。
PHPは人気の言語なので、認定教材以外にも、書店にはたくさんの参考書が並んでいます。
過去問などもありますので、自分に合ったものを探してみましょう。
基本情報技術者試験
ITに関する国家資格です。
プログラマー向けの認定試験として重宝され、企業によっては取得が必須化されていることも珍しくありません。
出題範囲は広く、プログラミングだけでなく運用やネットワーク、データベース、セキュリティなど多岐にわたっています。
認知度が抜群
国家資格ということもあり、数あるIT系の資格の中でも認知度は抜群です。
人事・採用担当も資格について理解しているので、取得しておけば転職活動を有利に進められることは間違いありません。
独学でも取得可能で過去問が豊富
受験者も多い資格なので、参考書や過去問が豊富です。
書店に行けばどこでも基本情報技術者試験関連の書籍を扱っているはず。ゆえに勉強しやすく、独学でも充分に資格取得を目指せます。
合格率は25%と低め
資格名に『基本』と入っているので、入門・初級レベルの資格かと思われがちですが、実は難易度は高め。
合格率は25%程度と低く、年によっては15%程度になることもあるようです。
基本だからと言って気を抜かずにしっかりと対策を行ってから挑むようにしましょう。
ITパスポート
ITパスポートは、ITに関する基本的な知識を問う国家試験です。
基本情報技術者試験の前段階にあたる試験で、エンジニア以外にも学生や他の職種でも、受検者が拡大しています。
出題範囲の中には、ビジネスに関わる用語もあるため、社会人から取得に動いてみると合格の可能性が高くなります。
合格率は5割と高め
ITパスポートは開催期間の平均として約5割程度と、国家資格の中では比較的難易度が低いです。
その中でも社会人の合格率が6割を超えており、しっかりと対策しておくことで、落ちる可能性を限りなく低くすることもできるでしょう。
入門編の資格ですので、ある程度対策をして挑むことをおすすめします。
勉強時間は約180時間
ITパスポートの勉強時間は、約180時間と他の資格試験よりも短期間で取得できる資格です。
1日数時間の勉強時間を取っておけば、半年以内には働きながらでも取得が可能です。
応用情報技術者試験
応用情報技術者試験は、基本情報技術者試験の上位互換的な立ち位置の国家資格です。
高度IT人材として活躍するために、基本情報技術者試験の出題範囲よりもさらに踏み込んだ内容が、幅広く出題されます。
四者択一形式の選択問題が80問と、記述式の問題が11~5問出題されます。
合格率は2割程度と低め
応用情報技術者試験の合格率は、2割程度と国家資格の中では低めの部類に入ります。
基本情報技術者試験を取得した後、経験を積んだエンジニアが受験するにもかかわらず、難易度が高いため低い合格率を推移しているのです。
経験者でもしっかりと対策をしていないと、合格できない可能性が高いので、注意が必要です。
プログラマーが転職前に資格を取るメリット
経験が浅い、未経験の状態でプログラマーへ転職したい方が、資格を事前に取得しておくメリットは以下の通りです。
- 資格取得勉強で基礎が身につく
- 資格取得で面接のアピール材料獲得
- ポートフォリオ作成に役立つ
- 資格取得でモチベーションが上がる
以下で詳しく解説していきます。
資格取得勉強で基礎が身につく
プログラマーが転職前に資格を取るメリットとして、資格取得勉強でプログラミングの基礎が身につくことが挙げられます。
経験が浅い、未経験からプログラマー転職を始めるのであれば、プログラミングの基礎から学ぶ必要が出てきます。
資格取得勉強を徹底することで、基礎が身についていくため、実際に働くときに役立つ可能性が高いです。
資格取得で面接のアピール材料獲得
プログラマーが転職前に資格を取得することで、面接でのアピール材料を獲得できるでしょう。
ITエンジニアは各々がスキルを持っているものの、実際にどこまでの業務を任せられるのか、採用担当者は一発で判断するのが難しいです。
認定を受けているある程度の難易度の資格を取得しておけば、面接の際にアピール材料して役立てることが可能です。
履歴書にも書ける内容なので、ぜひ時間を見つけて取得しておくことをおすすめします。
ポートフォリオ作成に役立つ
転職前に資格を取得しておくことで、ポートフォリオ作成に役立つ可能性が高いです。
プログラマーが転職活動をするときには、資格だけではなく実際にどのくらいの成果物を作成できるのか、ポートフォリオを作成することになります。
資格勉強で得た知識を活用して、ポートフォリオを作成することで、より企業からの印象をUP出来る可能性があります。
資格取得でモチベーションが上がる
転職前に資格を取得しておくことで、単純にモチベーションが上がる可能性もあります。
資格は簡単なものであれば合格率9割、難しいものであれば2割を切ることもあります。
最初は簡単なものからトライしてみて、段々と難易度をあげていくことで、仕事に対するモチベーションの向上につながるのです。
資格取得のみではなくスキルアップも重要
資格を取得することで、転職活動は有利に進められます。
しかし、あくまで資格はスキルや知識があることを示すためのツールにすぎません。
資格取得はただの手段であり、大切なのは業務で活かせる技術・スキルを磨いていくことでしょう。
資格取得のために勉強をするのではなく、スキルアップのために勉強をした結果資格も取得できた、というくらいがベターだと言えるでしょう。
転職の際はポートフォリオを持参して視覚的に技術力を証明しよう
転職活動の際、履歴書や職務経歴書に資格を書くことで有利になるのは確かです。
それは、スキル・知識という数値化しにくいものを、資格が数値化してくれるから。
資格以外にも技術を明確に示せるものがあります。
それが、ポートフォリオです。
守秘義務などもあるかと思いますが、可能な範囲で過去の開発実績をポートフォリオにまとめ、技術力を証明してみましょう。
百聞は一見に如かず、と言いますが「自分はスキルがある!」と口で説明するよりも、見てもらうほうがすぐに伝わるはずです。
資格取得でプログラマー転職を有利に進めよう!
今回の記事では、プログラマーが転職活動を有利に進めるために有効な資格について解説してきました。
どの資格に挑戦するかはご自身の経験やスキル次第ですが、どんなものであっても取得しておいて損はありません。
技術レベルを示せることはもちろん、学習意欲の高さや継続して学ぶ姿勢などを企業側にも見せることができます。
ぜひ資格を有効に活用しながら、転職活動を上手に進めていきましょう。