「はぁ~、これで、少し手が離せる」
小学校高学年、中学進学をきっかけに子育てがひと段落。
今まで気にはなっていたけれど、あまり深く考えずにいた将来のことを少し考えてみた。
子どもが大きくなると大学にも行くだろうし、自分たちの将来も考えないといけない。
積み立てもしなきゃいけないし、そろそろ働かないといけないけど、ブランク期間が何年もある。こんな私でも雇ってくれる会社あるのかな。
こんなことを思っている人はいないでしょうか。
今回は不安や対策についてお伝えしていきます。
目次
ブランクのある主婦は再就職が難しい?
ブランク期間が長いと就職活動に不利という話や、パートしか見つからない話を聞いて落ち込んだ経験はありますか。
以前はブランク期間のある主婦は再就職が難しい状況でした。
子どもが小学生や幼稚園など手がかかる状態だと採用されにくく、仕事を辞める人も多くて、仕事を希望しても半分ぐらいの人しか働けない状態でした。
「以前」というのは15年ぐらい前の話です。
私たちが子どものころの母親は半分ぐらいの人しか働けない状況が当たり前でした。
これを見て私たちは、ブランクのある主婦は再就職が難しいという印象が残っているのかもしれません。
ここ数十年で状況は変わってきています。ブランク期間のある主婦でも働きやすい世の中になってきています。
平成20年は35歳~39歳の配偶者がいる家庭での主婦は56.5%しか仕事をしていませんでした。
平成30年は35歳~39歳の配偶者がいる家庭での主婦は69%が仕事をしています。
「その当時は景気が良くて一人働けば良かったんじゃないの?」と思う人もいるかもしれません。でも、当時の平均給与は今と変わらない状況です。
何が変わってきたのでしょうか。雇用する側つまり企業などの意識です。
企業側が主婦も活躍できることに少しずつ気づいているため、以前は採用を渋っていた企業も、徐々に採用に傾いてきたのです。
人というのは不思議なもので、今まで採用を渋っていても一人目を採用して活躍できることが分かると、二人目・三人目を採用し始めます。
その為、今は再就職がしやすい環境になってきています。
この女性の雇用率は、日本は低いと思われていますが既に欧米並みに近づいています。
実は、アメリカよりも20代~50代にかけての女性の雇用率は高くなり改善されており再就職がしやすい環境はできています。
主婦の再就職は簡単?
少しずつ働く主婦が増えてきて、雇用する側も主婦が活躍できると理解が深まっています。
このように、少しずつ環境が良くなってきていると知ると、つい「誰でも採用されるだろうし、私も大丈夫かな~」と思いますよね。それは誰もが思う気持ちです。
ただ、環境が良くなっても、誰でも採用される訳ではありません。では、採用と不採用を分ける壁は何だと思いますか?それは、下記の5つです。
- 働いていた時のことを、きちんと整理する
- ブランク期間の中で経験したことを整理する
- 働く中で気を配って欲しいこと、気になることを整理する
- 協力者を見つける
- 今後のプランを整理する
これらは今まで採用が決まったブランクのある主婦が、再就職のために準備してきたことです。
しっかりと準備し考えていくことで、採用されやすくなります。
事前に準備を考えておくことで「思っていたより簡単に決まった!」と感じることができるでしょう。
1 働いていた時のことを、きちんと整理する。
あなたは、以前に働いていた経験はありますか?
正社員として働いてきた経験を整理できていますか?
多くは在職中に結婚・出産をして、そのまま退職していると思います。
働いていた時の経験をきちんと整理は出来ていないということも多いと思います。
ここでいう整理とは、5つです。
「どうしてその会社を選んだのか」
「どんな仕事をしていたのか」
「大変だったこと」
「工夫した・改善したこと」
「そこで出した結果」
他に「退職理由」や「両立を考えたかどうか」などもあります。
まずは、この5つの質問にしっかりと答えられることが大切です。
答えられると就職活動の時に必要な履歴書・職務経歴書が書きやすくなります。
一方でアルバイト経験などはあるが、正社員として働いたことは無い場合もやることは同じです。
働いていた時の経験を整理します。
この時のコツは「誰でもできる、当たり前のこと」をきちんと整理をすることです。
実は「誰でもできる、当たり前のこと」こそが、あなたの魅力であり、企業が求めていることだったりします。
そのような細かいことをしっかりと振り返り整理しましょう。
2 ブランク期間の中で経験したことを整理する
ブランク期間は何年でしょうか。
1~2年で保育所に預けて働く、14年のブランクで子どもが中学生になるから働くなどさまざまです。
その際にブランク期間が長いほど、就職に不利になるのではと心配が出てきます。
安心して下さい。ブランク期間の中で経験したことは、立派なあなたの財産です。
さらには、ブランク期間で経験したことが仕事につながることもあります。
数年の短いブランク期間であっても、新たな経験をしていると思います。
例えば育児と掃除と調理を同時並行でこなしていたなどです。
それらをまず整理していきましょう。
すると知らない内にマルチタスクスキルや改善力など、様々なスキルを身に付けているかもしれません。
ブランク期間が長い場合はその中で経験したことを整理していきましょう。
例えばPTAや地域のボランティア活動も立派な経験です。
なかなか連絡がとれない100名以上の保護者と頑張って調整し、イベントを行なった経験があれば、それは企画力や調整力に大きく繋がっていきます。
地域のボランティア活動で幅広い年齢層の方々のコミュニケーションがあれば、一つの大きな財産です。
「たいしたことをしていない」と思うことを振り返り整理しましょう。
整理を行った結果を見ると、「これだけ自分は頑張ってきたんだな」と思い、大変な環境を乗り越えてきたことを実感できると思います。
3 働く中で気を配って欲しいこと、気になることを整理する
前述した2つは採用されるために整理するあなたの力です。
企業が、「この人は働く力がある」と思って貰うために必要な整理でした。
では気になることや、気を配って欲しいことを整理するのはどういう目的でしょうか。
これは働く中で、不安を拭い去ることと同時に企業の不安感を拭い去ることができます。
例えば、何か商品をおススメされた時に一方的に良い事だけ説明されるとどのように感じますか?
A:この掃除機は、吸引力も抜群で音も静かで夜でも使えます!ぜひ買って下さい!
B:この掃除機は、吸引力も抜群で音も静かで夜でも使えます!
ただバッテリーは5年程度しか持たないので注意して下さい。
それでも多くの人が満足しています。
このようにAの良いことばかりだと人は疑いの気持ちを感じます。
逆に悪いことも提示したBは提示されると安心感を得ることができます。
あなたが働く際に起こるかもしれない悪いことを考えましょう。
この時に考える悪いことは「仕事ができません」や「自信がありません」ということではなく以下のようなことです。
「子どものイベントで年に2~3回、平日の休みが欲しいです」
「子どもの習い事の送り迎えで残業や土曜日は仕事ができないことがあります」
「子どもに持病があるので年に2~3回、午前中に病院に行くことがあります」などです。
ある程度、許容できる範囲を想定した上で、気を配ってほしいことや、気になることを整理しておきましょう。
「こどものイベントは全て休みます」よりも「こどものイベントで年に2~3回、平日の休みが欲しいです」では印象が異なります。
企業との採用面接で家庭との両立の質問が出ても困ることが少なくなり、質問に対して自信を持って答えることが出来るようになります。
4協力者を見つける
協力者と聞くと、何か凄い人を見つけないといけないように感じます。
そんなに大きなことではありません。例えば、小さい子どもがいるときには、「親や兄弟などで何か緊急時にお願いする人がいる」ということや、大きな子どもがいるときには、「父親がクラブの送迎に協力してくれる」などです。
このような親族に協力者が居なくても大丈夫です。ママ友、市役所のサービスや民間のサービスなど様々な形の協力者が存在します。
これらの協力者の存在を事前に理解していると、何かあった時に戸惑うこともありませんし、採用面接などの場面で、「お子さんが病気になって休むことはありませんか?」と質問をされたとしても、「~が助けてくれる手はずになっています。」と自然に答えることが出来るので、あなた自身だけではなく採用を考えている企業も安心感を持つことができます。
この協力者の存在を探すことが難しそうなら、協力者を見つけるための協力者の存在を探しても良いでしょう。
例えば厚生労働省が運営しているマザーズハローワークや地域の自治体が運営している男女共同参画センターなどがあります。
さらには、民間の就職支援会社にもコーディネーターやサポーターなど名前は異なりますが、私と同じようなキャリアコンサルタントなどの専門家がいると思います。
協力を得ながら、今後の為にどのような協力者が居そうかを整理しておくといいでしょう。
5 今後のプランを整理する。
最後の整理は、今後のプランです。これは就職活動の計画というだけではありません。
将来、子どもが大きくなることを見据えて、どのような所で働きたいでしょうか。
パートナーが異動や転勤が多いようなら、転職しても通用するスキルが身に付けられる仕事だと良いかもしれません。
正社員を目指すのであれば、企業側も長く働いてほしいと思います。
次を見越したキャリアアップを目指す場合、少し難しい仕事を選ぶことも良いでしょう。
企業によっては勉強もできて仕事ができることもあります。
いきなり正社員を目指すことは考えていなくて、融通の利く非正規を目指そうと思う場合はそこでどのような経験を積んでいきたいか考えるといいと思います。
なかなか、すぐに考えることは難しいかもしれませんが、働き始めると、こういったことを考える時間が減り、流されながら働くことになるかもしれません。
このような将来のキャリアプランを見据えて仕事を考えると、どうしてその会社で働きたいのかという志望動機に繋がる点が明確になります。
面接などでしっかりと想いを伝えるようにしておきましょう。
これらは採用面接で重要になります。想いだけでは空回りしますが、1、2でしっかりと自分自身の力を整理できていれば、「力も想いもある」と受け取って貰え、再就職に繋がりやすくなります。
一人で考える事が難しければ、家族や友人、さらにはキャリアコンサルタントなどの専門家に相談すると多くの発見や気づきが出てきます。
まとめ
再就職は決して難しい事ではありません。
しかし一人で考えて行動すると、採用と不採用を分ける壁に阻まれて上手くいかずに、再就職を挫折してしまうことや、希望する仕事で働くことができなくなるかもしれません。
しっかりと、5つの壁を乗り越える準備をしましょう。
難しいときは積極的に助けを得て下さい。そして、ブランク期間に負けない、あなたに合った就職先を見つけていきましょう。