転職活動中に妊娠が発覚。思わぬ事態にパニック状態になっていませんか?
「今の会社には退職することも伝えているし、どうしよう……。」
すでに転職先が決まっているなら入社前に伝えた方がいいのか、辞退した方がいいのか、悩みはつきません。
ただ妊娠を隠して入社したところでいずれバレますし、入社してすぐに体調面で迷惑をかける可能性もありますよね。
この記事では、突然の妊娠で転職先への対応に困っている方、産休・育休がとれるか心配な方、妊娠を希望しているけど転職をしたい方へ向けて、その解決先をご紹介します。
目次
転職活動中に妊娠が発覚したらどうする?
就職先が決まってなければ活動をストップする
転職活動中でまだ就職先が決まっていない場合は、一旦活動をストップすることを考えましょう。
まずは体を安静にすることが大切です。
妊娠がわかるのは大体2〜3ヶ月くらいですが、まだ安定期に入っていない状態ですので、出来るだけ大事をとることをおすすめします。
転職してからも長く働いていきたいと思っているのであれば、最初から会社に迷惑をかけてしまうのは避けた方がいいかもしれません。
新人はただでさえ目立ちますので、その上で妊娠していると周り目が気になり居心地も悪くなってしまうでしょう。
就職先が決まっていたらすぐに報告
転職先が決まっていたら、人事や採用担当者にすぐ報告しましょう。
妊娠を理由に内定を取り消されることは法律的に違反行為ですので、入社する権利はあります。
しかし妊娠を隠して入社するのはあまりオススメできません。
もちろん報告の義務はありませんし、安定期に入ってから伝えようという考えもありますが、会社は騙されたと感じるでしょう。
配属を予定していた部署の仕事がハードな場合は、転属も検討しなくてはなりませんので、妊娠がわかった時点で報告の義務は果たしましょう。
採用側も驚いてしまうでしょうが、初めにきちんとした対応をみせることで、あなたの信頼度も上がります。
転職してすぐ産休・育休はとれる?
産休と育休の違いから、転職後すぐに取得する権利があるかについて説明します。
転職直後でも産休はとれる
「産休」とは産前産後休業のことで、出産予定日の6週間前から、出産後の8週間は働いてはいけないという規則になっています。
つまり転職してすぐの場合でも、産休は取れるということです。
またその期間中は加入している保険組合から出産手当金が支給されます。
支給額は支給開始日より以前の、1年間の平均給与の2/3くらいと考えておいていいでしょう。
転職期間に妊娠された方は1年間も働いていないので、以下のいずれか低い方の金額で計算されます。
支給開始日の属する月以前の継続した各月の標準報酬月額の平均額
標準報酬月額の平均額
28万円 | 支給開始日が平成31年3月31日までの方 |
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30万円 | 支給開始日が平成31年4月1日以降の方 |
産前産後の14週間、約3ヶ月間の出産手当金がもらえるのは嬉しいですよね。双子や三つ子の場合はさらに長い産休が設けられています。
転職直後は育休がとれない可能性がある
「育休」とは育児休業制度のことで、1歳未満の子どもを育てるにあたり会社を休業することができる制度です。
一定の条件を満たしていれば、誰でも育休をとることができます。
しかし会社によっては入社1年未満の場合、育休を取得できない会社もあります。
入社前に妊娠が分かったら、会社側に育休の規定について確認をしておきましょう。規定次第では退職を選択しなくてはならないケースもあります。
育児給付金をもらうためには
育児給付金とは、子どもの育児で仕事ができないときの収入源として、国が負担してくれるお金のことです。
会社が支払っているわけではありませんので、入社したばかりなのに申し訳ないなどと思う必要はありませんよ。
育児期間中の大切な収入源ですから、確実にもらえるようにしておきたいですね。
育児給付金をもらうための決まりは、「育休前の2年間で、1ヶ月に11日以上勤務している月が12ヶ月以上ある」ことです。
一般的に考えると、新卒で入社しすぐに妊娠した場合を除くと、ほとんどの人に当てはまります。
転職された方は働いていない期間がどのくらいあるかによって、給付金の受給が決まってきますので、確認してみてください。
また雇用保険の加入も必須ですが、パートで働く人もほとんどが加入している保険ですので問題ないでしょう。
妊娠中の転職で注意すべきポイント
妊娠中での採用は、どの企業も消極的です。
しかし以下のポイントに注意すると転職を成功させる可能性もあります。
即戦力になる
求人をしている企業には、「こんな優秀な人材がいたら採用したい」というパターンと、「人が辞めたから今すぐ穴埋めしたい!」というパターンがあります。
すぐに人を入れなければ、既存の社員があまりに大変という状況です。
そんな会社であなたのスキルが存分に活かせるのであれば、妊娠していたとしても働くことができるでしょう。
ただ産休までの数ヶ月間だけなので、企業はまた新しい人材を雇う必要があります。
特別な資格を持っている
看護師や薬剤師、建築士や税理士など、特別な資格を持っていると優遇されるケースがあります。
もし資格がない場合でも、育休中に資格をとるつもりでいることをアピールすると好印象です。
あなたが働いている業種で活かせる資格を選択しましょう。実際に育児休業中に資格をとってから、子育てに柔軟な会社に転職する女性も多いようです。
役に立つのはどの資格?女性の転職に有利な資格を年代・業界別に解説!
妊娠・出産・育児に理解がある企業を探す
ママさんが活躍している企業は、妊娠中でも採用されやすい傾向にあります。
産休までは契約社員として採用し、復帰したら正社員として正式に採用されるパターンなどです。
現役のママが会社にいると、上司やほかの社員が子育てに理解を示してくれる環境が整っているため、復帰してからも働きやすいでしょう。
妊娠中でも転職しやすい職業
妊娠中は通勤だけでも大変ですので、まずは通いやすい職場を選ぶことが第一です。そして肉体労働は避け、無理なく続けられる仕事を選びましょう。ここでは妊婦さんでも働きやすい職業を紹介していきます。
一般事務・営業事務
事務の仕事は座っていることが多く、肉体労働は基本的にありません。
会社によっては荷物を運んだり軽めの作業をしたりもあるかもしれませんが、そこは他の人に代わってもらいましょう。
営業事務も営業に同行して客先に行く仕事でなければ、体に負担をかけず仕事ができます。
受付
企業の受付や、百貨店のインフォメーションセンターなども、座り仕事でおすすめです。
受付の仕事は残業もありませんし、2、3名体制が多いので休憩も取りやすいというのがメリットです。
ただし環境によっては、夏場は空調が効きすぎて寒い、冬場は足元が冷えるということもあります。
膝掛けを利用することや、こまめに水分を摂るよう注意しましょう。
データ入力
データ入力も立ち仕事や作業がないため、妊娠中の方におすすめの職業です。
お客様とのやりとりもほとんどないため、精神的にストレスが溜まることもありません。
ただし座りっぱなしですと足がむくんでくるので、こまめにトイレに立ったり、ストレッチしたりするようにしましょう。
コールセンター
コールセンターも基本的に座り仕事で、体力を使うことがない仕事です。
ただしノルマがある、クレームが多いなどの仕事は、精神的な負担がかかるのでオススメできません。
転職する際はよく確認してから応募するようにして下さい。
在宅での仕事
満員電車に乗る必要がないため、ゆったりとした妊婦生活が送れる在宅での仕事もオススメです。
在宅での仕事は、webライターやデザイナー、エンジニア、事務などがあります。
エンジニアで経験値が高ければ高収入も期待できますが、一般的には給料は少なめです。
ただしフリーランスで働くことになると雇用保険がありませんので、育児給付金は受け取れません。
企業に雇用された上で在宅勤務ができれば大丈夫です。
転職活動のベストな妊娠のタイミングとは?
転職もしたいけど、年齢的にそろそろ妊娠したいなと考えている場合、どちらを優先すべきか悩むところです。
転職を考えている方にとって、ベストな妊娠のタイミングとはいつでしょうか?
転職を優先したい
現状の職場環境に悩みがあり、どうしても転職したい方は、転職して1、2年待ってから妊娠に踏み出しましょう。
妊娠してからの転職活動は大変です。運よく採用されても、つわりで体調を崩したり休みがちだったりすると仕事を覚えることもできません。
前任者の引き継ぎがある場合、前任者の退職までに引き継ぎが完了しないことだって考えられます。
そうなると会社全体に迷惑をかけてしまうので、どうしても転職を優先したいのであれば、妊娠は先送りにする方がいいでしょう。
妊娠を優先したい
転職よりも妊娠を優先した方は、いったん転職を思いとどまりましょう。
今の会社で産休・育休に入る方が周りの目も気になりませんし、育児給付金も確実に受け取れます。
また子どもが生まれてから環境が変わると、仕事への向き合い方が変わることも考えられます。
転職しなくてもいいと心変わりするかもしれません。それでも転職したいという場合は、育休から復帰したあとでも遅くありませんよ。
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まとめ
転職活動中に妊娠が発覚した場合は、体調を考慮し、活動をいったん中止しましょう。
就職先が決まっていたら、妊娠が分かった時点で連絡を入れることをお忘れなく。
秘密にして入社すると、長く働きづらくなり元も子もありません。
これから転職と妊娠を望んでいるのであれば、優先順位を決めてタイミングを選びましょう。
妊娠・出産・育児にはお金が必要です。出産前後は働けなくなるため、確実な収入源を確保しておくことをオススメします。