ADHDが仕事でできるミス対策には、重要なポイントがあります。
業務を円滑に進めるためにも、ミス対策を習慣付けることが重要です。
日常的に癖をつければ、ミスが起きづらくなるでしょう。
ケアレスミスを減らすための方法をまとめました。
ADHD向けのミス対策13選!
ADHDは特性上、ケアレスミスが起こりやすい特徴があります。
ミスの内容によっては仕事に大きな悪影響があるので、注意してください。
失敗しないように集中しすぎて、ほかのミスを重ねないために気をつけることも重要です。
仕事でできるミス対策を、ADHDの特性をふまえて紹介します。
必要なものは前日に用意する
仕事で必要な資料や道具は、前日のうちに用意しましょう。
予定がある日の出発前にそろえようとすると、慌ただしくなりミスの発生につながります。
事前に必要な書類をカバンに入れておいたり、道具をひとつの袋にまとめておくと慌てることはありません。
外出時にそのまま持っていくだけで、忘れ物が防げるでしょう。
前日のうちに用意しておけば、足りない物があっても気づけるので早急な対処が可能です。
席を立つときは振り返ってチェックする
会社や外出先で席を立ったあとに、自分がいたスペースを振り返ってチェックする癖をつけてください。
この動作だけで、忘れ物はほとんど防げます。
自分が座っていたテーブルや椅子を確認すれば、そこで使った持ち物を忘れることはありません。
仕事で必要な道具を外出先で紛失する危険性もなくなるので、毎回振り返って確認してください。
カフェやレストランで会計する必要があっても、支払いに気を取られずに立ち上がった後に確認することが重要です。
外出前にリストを使って指さし確認する
外出前に仕事に必要な道具を、作っておいたリストと照らし合わせて指さし確認しましょう。
必要な道具と持ち物のリストは、前日より前に用意することが重要です。
時間があるときは、バッグを空の状態にしてリストに書いてあるものを一つずつ詰めれば、混乱することがありません。
取りこぼしがないか確認するだけでなく、同時に荷物を整理できます。
必要な道具や持ち物は常に持ち歩く
仕事に必要な道具や持ち物は、常に持ち歩くことがおすすめです。
財布や時計、スマートフォンは、日常的に携帯することで忘れ物が防げます。
持ち物は使い終わったら決まった場所にしまい、不安な場合はポーチなどにまとめてもいいでしょう。
ただし、そのポーチ自体をなくしてしまうと、必要な荷物を一度にすべて紛失してしまうので注意してください。
ものを置く場所を決める
個人の財布や時計、スマホだけでなく、会社で使うものは置く場所を決めましょう。
デスクのどの場所に置くのか、引き出しの何段目にしまうのか、個人の道具をきちんと管理してください。
その他にも、会社では共有の道具をしまう場所が決まっているため、使った後はきちんと指定の位置に返すことが重要です。
共有している道具や文房具の紛失はほかの社員にも迷惑がかかるので、使ったらそのまま片付ける習慣をつけましょう。
カギやスマホは目立つケースやストラップを付ける
家やロッカーの鍵やスマートフォンは、目立つケースに入れたり大きなストラップを付けたりしてください。
蛍光色のスマホケースや鈴がついているストラップを使えば、急いでいるときも見つけやすくなります。
かばんの中でも目立つので、急いでいる時もすぐに取り出せるでしょう。
外出時にも部屋の中から発見しやすくなるため、なるべく派手なデザインのものがおすすめです。
担当業務は見直すクセを付ける
会社で任せられた仕事は、上司への提出前に見直すクセをつけましょう。
メール送信前に内容を見直したり、書類作成後に文面をチェックしたり、間違いないか確認しましょう。
メールや書面が完成したからといって、チェックせずに提出することは避けてください。
パソコンのデータや情報も、問題ないか指差し確認するとベストです。
間違っている場合は後回しにせずに、その場で修正しましょう。
スケジュールはメモ・アプリで管理する
仕事のスケジュールはメモを取り、スマートフォンのアプリで管理しましょう。
予定を頭の中で覚えておくことは避けて、メモに残しておくことが重要です。
ADHD特性である管理に関わるストレスを感じない範囲で、スケジュールはなるべく具体的にメモしてください。
「会議」「○○様との商談」といったことに加えて、何を行うのかどんなものを用意するのか細分化がおすすめです。
スケジュール登録後は、予定開始の前日や数時間前にアラームが鳴るように設定しましょう。
予定の前に準備の時間を設定する
決まったスケジュールの前に、準備の時間を逆算して設定してください。
予定開始時刻の前に、準備の時間を十分に確保することが重要です。
書類準備や移動の時間を踏まえて、余裕をもって設定しましょう。
メモやアプリに予定を登録するときに準備の期間や時間を逆算すれば、スケジュールが簡単に調整できます。
アラームを使って余裕を持った行動をする
スマートフォンのアラームを使って、時間に余裕を持って行動してください。
例をあげると、10時から予定が始まる場合は、9時40分にアラームを鳴らすといった工夫が必要です。
10分や15分など準備にかかる時間は予定や人によって異なるので、自分に合った時間配分を考えましょう。
不安な人は、前日の夜や半日前から段階的にアラームを設定してもいいですね。
アラームは予定中に鳴らないように、事前に設定を解除しておきましょう。
優先タスクは上司に尋ねる
優先タスクや担当の業務に迷ったら、早めに上司に相談してください。
自分なりに優先するタスクをまとめて、順番に間違いはないか確認してもらいましょう。
「どの業務が優先ですか?」といった質問は、受け持っているすべてのタスクを上司から確認してもらう手間がかかります。
優先だと思われるタスクの解釈に間違いはないか、上司に確認する形が理想です。
デスクの整理整頓をする
デスクの整理整頓は定期的に行いましょう。
昼休憩や退社前のタイミングを見計らい、整理整頓を習慣付けることが重要です。
ADHDには片付けが苦手という特性がありますが、あまりに散らかったデスクは見ていて気持ちいいものではありません。
片付けないことで仕事自体に大きな影響はなくても、職場の環境やほかの社員に悪影響があります。
自分の周りでデスクを使っている社員にも迷惑になるので、片付けはタイミングを決めて毎日行いましょう。
適度に休憩を取る
仕事でミスをしないためには適度に休憩を取ることも重要です。
業務に集中する姿勢は大切ですが、タイミングを見計らって一息つきましょう。
ひとつタスクが完了したら数分休憩するというように、業務に差し支えのない程度に休んでください。
脳や体を休めることで、次の仕事が効率よく頑張れます。
ただし、周囲の社員が慌ただしかったり、来客があったり、ふさわしくないタイミングで自分だけ休憩を取ることは避けてください。
仕事でミスをしたときの対策を紹介
ADHDの人に限らず仕事でミスをしたときは適した対策があります。
ミスを起こした時は、知らないふりをしたり人のせいにしたりすることはやめましょう。
仕事の管理をしている上司は、ミスの発生原因が何かすぐにわかります。
ミスをした時の対策をまとめたので、チェックしてください。
ミスは早めに報告する
ミスを起こしてしまったら、なるべく早い段階で上司に相談しましょう。
ただミスの発生を伝えるだけではなく、どのような状態で何が起きたのかくわしく話すことが重要です。
ミスの発生によってどのような影響があるのか、考えられる範囲で伝えてください。
失敗を隠すことでミスの発覚が遅れると、取り返しのつかない悪影響が起きてしまうおそれがあるので注意しましょう。
周囲に対し丁寧に謝る
ミスを起こしてしまったら、上司やチームメンバーに対して丁寧に謝りましょう。
「申し訳ございません、以後気をつけます」といったように真摯な姿勢をとり、心を込めて謝ることが重要です。
ミスが起きた時に「自分のせいじゃない」「特性だから仕方ない」といった態度をとってしまうと、新しい仕事を任せられなくなる可能性が高いです。
そのほかにも、迷惑をかけたのに横柄な態度をとっている人は、職場で浮いてしまいます。
ミスを起こしたことだけでなく、周囲に迷惑がかかってしまったことにも、反省を示してください。
ミスの原因を洗い出す
なぜミスが起きたのか原因を洗い出すことは重要です。
仕事で起きるミスには、おもに以下の発生原因があります。
- 作業の確認不足
- スキル不足
- 思い込みによるミス
- 心身の疲れによるミス
- 上司や担当者とのコミュニケーション不足
ミスの原因がわかれば、それを解決することで再発が防げます。
なぜ今回ミスが起きてしまったのか、くわしい原因を順序立てて考えてください。
ミス対策を検討し報告する
ミスについて報告した後は、再発防止の対策を検討して上司に相談しましょう。
どのような方法でミスの再発を防ぐのか、自分でよく考えて具体的に話してください。
ただし、自分ひとりでミスの対策を考えても、その方法が間違っていたら意味がありません。
ミス対策を考えた後は、上司に合っているか尋ねてください。
ADHDが仕事を続けるためのポイント
ADHDの人が働きやすい環境で仕事するためには、ミスの対策以外に必要なことがあります。
より仕事に励むためにも、働く環境や雇用形態について見直しましょう。
ADHDの人が働きやすい環境を整えるポイントをまとめました。
特性を周囲から認知してもらう
ADHDの人は特性を周囲から知ってもらうことも重要です。
どのような場面でミスを起こしやすいのか、仕事に影響がある特性はどんなことか、周囲に話すことも視野に入れましょう。
ただしプライベートなことなので、必ずしもすべて話す必要はありません。
加えて、特性のことを話しにくい職場の場合は、無理にオープンにする必要はないでしょう。
ADHDの特性の周知については、ケースバイケースの対応が必要です。
雇用形態を考える
ADHDの人は一般雇用と障害者雇用が考えられます。
どちらの雇用を選択するかは、医師による診断や心理士による検査などが役立ちます。
ただし、一般雇用の場合はADHDの特性に対する配慮が受けられない可能性があるでしょう。
一般雇用は他の社員と同じクオリティーの仕事や成果が求められます。
一方で、障害者雇用はミスが多い人も特性に対する配慮を受けて働くことが可能です。
自分にマッチする雇用形態は何か、確認してください。
働きやすい環境を整える
働きやすい環境を整えることは、ADHDの人が長く仕事を続けるコツです。
集中力を上げるために仕事中にパーテーションを設置したり、イヤホンを装着したりさまざまな工夫が考えられます。
ただし、働きやすい環境を整えるためには、職場からの許可が必須です。
一人だけパーテーションやイヤホンの利用が許されることには、ほかの社員からの理解も必要でしょう。
働きやすい環境を整えるためには、職場への相談と準備がいることに注意してください。
発達障害がミスを繰り返す原因
ADHDの人はなぜミスをしてしまうのでしょうか。
ケアレスミスを何度もすると、仕事での評価に関わってしまいます。
ミスを防ぐためにもADHDの特性を確認しましょう。
ADHDのミスは脳の機能が原因で起きる
ADHDの人は、ミスが多く確認作業が苦手という特性があります。
その他にも、体を常に動かさないと精神が安定しなかったり、気が散りやすかったりすることもADHDの特性です。
以上の特性は脳内の神経伝達物質の機能障害が原因とされています。
特性に応じた対策をとったり、医師に相談したりすると、適切な対応が取れるでしょう。
ミスが多くてもADHDとは限らない
ミスが頻発するからと言ってADHDとは限りません。
仕事内容が自分に向いていなかったり、プライベートで悩みを抱えていたり、ミスを起こす心理的な原因はさまざまです。
加えて、マニュアルが不十分だったり、パソコンの調子が悪かったり、ミスの原因は広い範囲で考えられるでしょう。
仕事でミスが多いからといった理由だけで、ADHDと判断するのは避けてください。
不安な場合は医療機関に相談しましょう。
仕事はミス対策を徹底しよう
ADHDの仕事はミス対策を徹底しましょう。
特性に対してベストな対応を取れば、ミスの発生を減らせる可能性があります。
その他にも、ミスが起きてしまった場合は適切な対処をとりましょう。
上司や他の社員に迷惑をかけてしまったら、真摯に謝ることが重要です。