美容師は、お客さんを綺麗して喜んでもらうやりがいのある仕事です。
しかし意外と転職を考えている人は少なくありません。
ただ美容師は専門的なスキルや技術が必要な仕事で、異業種へ転職したくてもしにくいと思っている人もいるのではないでしょうか。
しかしそのスキルを活かして、異業種へ転職も可能なのを知っていますか?そこでこの記事では、美容師からのおすすめの転職先や成功させるためのコツなどを解説します。
目次
美容師から異業種に転職したくなる理由
美容師は、一時期なりたい職業にランクインするなど、人気の仕事でした。
全国の美容室の数も年々増えており、就職先には困らない業界です。
ただ美容師は離職率の高い仕事で、3年以内の離職率は6割~7割となっています。
人を綺麗にするやりがいのある仕事ですが、激務なこともあり離職率が高くなってしまうのです。
ここでは、美容師から異業種に転職したくなる理由を紹介します。
自由に休みが取りづらい
美容師は、お客さんの予定に合わせて施術を行うため、自由に休みがとりにくいことで転職を考える人もいます。
美容室自体が休みであれば、週1日の休みもありますが、最近は年中無休の美容室も増えており、休みがとりにくいのです。
また閉店後も練習や研修があれば、休みでも出勤が必要となるなど、自分の時間がほとんど取れず、プライベートな時間を楽しめません。
このような理由からも、ワークライフバランスが取れる仕事に転職を目指す人がたくさんいます。
仕事中の休みを取りづらい
休日だけでなく仕事中の休憩が取りづらく、食事もとれないような状況に疲れてしまうという理由もあります。
休憩を取ろうと思っても、予約状況や混雑状況によって、休憩が取れずにお昼ご飯も食べられないと疲労は取れません。
このような状況が続くと、しっかりと休憩が取れるような職種へ転職を検討するのです。
お客様優先だからこそ、休憩を省いて仕事をしなければいけない辛さが美容師にはあるのです。
スタイリストになるまでの下積みが長い
一人前のスタイリストになるまで、長い下積み時代を乗り越えなくてはいけないのが美容師です。
下積み時代は、営業中に先輩のアシスタントとして、シャンプーや準備・清掃などを行い、閉店後も遅くまで残って練習しなければ、スタイリスト試験に合格できない厳しい世界です。
さらに朝早くから夜遅くまで仕事があることに加えて、先輩のいうことは絶対という体育会系の環境で働くことに疲れてしまい、辞めたいと考える人もたくさんいます。
職場がブラックでしんどい
人間関係が悪い、待遇が悪いなど、職場がブラックなしんどさから転職を検討する人もいます。
やりがいがあっても、人間関係が悪い・長時間労働で薄給など、ブラック企業要素があると、やりがいだけでは続けられなくなってしまうのです。
そのような美容院ばかりではないですが、まだまだ体育会系の色が残る、休みはなくて当たり前など過酷な労働を強いられることが珍しくないため、転職して待遇や環境をアップさせたいと思う人がたくさんいます。
他の職種に興味が出てきた
美容師の仕事に憧れてなったものの、働き始めてから別の職種に興味が出て、そちらに転職を目指す場合もあります。
美容師という仕事は好きだけど、もっと別にやりたいことができた、美容師の仕事から派生して興味が湧いたなど、理由は人それぞれですが、前向きな気持ちで転職を検討することも珍しいことではありません。
いろいろな人と接する機会が多い美容師だからこそ、たくさんの職種に触れ興味も湧きやすいといえます。
給料が思うように上がらない
休みや休憩がなく、長時間労働でありながら、給料が思ったように上がらないというのも、転職を検討する理由の一つです。
特にアシスタントのときは、給料が安く一人暮らしをしていると、全く自分の使うお金が残らないということも珍しくありません。
そうなると生活できず副業などしなければいけなくなってしまいます。
しかし時間も取れずどうにもならなくなってしまうのです。
また一人前のスタイリストになりたくてもすぐに慣れるものではなく、段階を踏む必要があるなどキャリア形成が個人の希望通りにはなりません。
またスタイリストになっても、お客さんが付かなければ給料が上がらない、もともとの給料が安いなど給与面の不満から、転職を検討する人はたくさんいます。
美容師からの異業種転職でおすすめの転職先
美容師は、技術面だけでなく社会人としてのスキルも身に着けられる仕事です。
美容師だからこそ身につくスキルもたくさんあり、転職する際はそのスキルを活かせるような転職先を目指すのがおすすめです。
ただその選択肢を知らないとどんな転職先を選べば良いか悩んでしまいます。
そこでここでは、美容師からの異業種転職におすすめの転職先を紹介します。
不動産営業
不動産営業は未経験採用も積極的で、それまで営業の経験がなくても採用してもらえる可能性が高い職種です。
美容師としてたくさんの人を接客する機会があり、自然とコミュニケーションスキルは身についているでしょう。
また同時に何人ものお客さんの施術に関わることがあれば、マルチタスク能力も身に付いているので、営業として最初に必要なスキルが備わっている状態と言えます。
不動産営業ではインセンティブも大きいため、成績を上げ続けられれば大幅な年収アップも目指せる仕事です。
ただノルマの面など、きつい部分もあるため、転職前にはきちんと調べておくと早期退職を減らせます。
IT業界の営業
IT業界の営業は、顧客の問題をヒアリングし、それを解決できるようにITシステムやサービスを提案する仕事です。
ITやシステムの知識は必要となりますが、コミュニケーションスキルやヒアリング力など、基本的な営業スキルは美容師の時に身についているため、無理なく仕事に馴染めるでしょう。
IT業界は、今後も大きく伸びていく業界のため、スキルや知識を身につけておけば、長く働ける仕事と言えます。
サービス業
美容師もサービス業の一つですが、別の業界のサービス業へ転職するのもおすすめです。
サービス業としての基本はすでに身についている人が多いため、転職後も即戦力として活躍を期待できます。
サービス業の中にも様々な業界があり、ニーズが多様化しているのでそれだけサービス業の内容も増えています。
自分にはどのようなサービス業が合うのか、興味や関心適性を元に、最適な業界を選ぶのも良いでしょう。
キャリアコンサルタント
キャリアコンサルタントは、転職希望者に単純に求人提案するだけでなく、その人にマッチする仕事を見つけることや、実際の選考の際の履歴書添削・面接対策等、転職に関する様々なサポートをします。
コミュニケーションはもちろん、傾聴力やサポート力・分析力なども必要となりますが、美容師時代に身についているスキルも十分生かせるでしょう。
資格を取れば収入アップも目指せるため、キャリア形成もできる仕事と言えます。
アパレル関連企業
美容師にとっておしゃれや流行は欠かせないものです。
そのようなセンスを活かして、アパレル関連企業への転職もおすすめです。
美容師になる人の多くは、おしゃれや美容に関心が高く、洋服が好きという人もたくさんいます。
センスだけでなく美容師のもつ提案力、コミュニケーション能力を活かせるのもこの仕事の魅力です。
その興味関心を活かせば、好きなおしゃれを仕事にできます。
販売員はもちろん、プレス職などその特性にマッチした職種を選ぶとよいでしょう。
企業の広報担当
美容意識の高い美容師は、企業の顔である広報担当として活躍する道もあります。
広報は、企業の顔のため、清潔感や身だしなみには人一倍気を付けなければいけません。
自社の認知度を上げる、自社商品のPRなどを行い、自社の売上に貢献します。
最近ではSNSを使った広報活動も活発になっており、美容師としてSNS発信をした経験が活かせるでしょう。
美容師からの異業種転職でアピールできるスキル
美容師からの異業種転職では、身に着けたスキルのアピールがマストです。
ただ実際に働いていると、スキルが身についている実感が少なく、アピールできるスキルはないと思っている人もいます。
自分にはどのようなスキルが身についているか、それを理解しておくことで転職の際にアピールもしやすくなります。
そこでここでは、美容師から異業種転職するときにアピールできるスキルを紹介します。
体力
美容師は休憩や休みがとりにくいことから、体力がないと勤まりません。
そのため美容師として働いていると、自然に体力がついています。
体力はどの仕事でも必要なもので、体力がないと体調を崩しやすくなってしまいます。
また体力に自信がないとできない仕事もたくさんあります。
このような面からも、体力も転職時にアピールするべきスキルの一つです。
忍耐力
美容師業界は、先輩のいうことは絶対の体育会系社会です。
このような環境にいると、必然的に忍耐力が身につきます。
忍耐力は仕事続けるために重要で、忍耐力がないと少し嫌なことがあっただけで辞めたくなってしまうかもしれません。
そのため、忍耐力があるということが企業にとってはメリットが大きいのです。
これを理解してしっかり忍耐力をアピールしてください。
コミュニケーションスキル
美容師は、毎日たくさんの人と接して、希望に合わせつつ最適なヘアスタイルを提案する仕事です。
満足してもらうためには、お客さんの会話なの中から希望や悩みを聞き出す力や、信頼してもらうためのコミュニケーションスキルが必要となります。
このスキルはどの仕事にも必要なものなので、美容師は非常にこのスキルが高く、アピールできれば企業に良い印象を与えられます。
このような理由から、コミュニケーションスキルは積極的にアピールしてください。
流行を追う力
美容師にとって流行に敏感であることは必然です。
常にアンテナを張り、新しい技術や流行に敏感でなければ美容師として成功しません。
この美容師の経験は、流行を追う力で立派なスキルです。
最近はSNSを仕事使うことも多く、いかに人の目に付くのかが非常に重要です。
そこで流行を追う力を必要としている企業は多く、美容師のこのスキルが有利に働くでしょう。
美容師から異業種転職する時の転職対策
美容師から異業種転職を目指すときには、転職対策をきちんととっておくことが大切です。
転職対策がきちんとされていないと、転職できても後悔や失敗になってしまうリスクが高まります。
そうならないように、ここでは美容師から異業種転職するときの転職対策を紹介します。
美容師経験で得たスキルを細かく言語化する
異業種転職するときには、得たスキルをきちんと相手に伝えることが大切です。
自分がどのような経験をして、どのようなスキルを身に着けたか言語化し相手に伝えることで、入社してからのイメージを持ってもらいやすくなります。
スキルが身についていても相手に伝えるのは簡単ではありません。
そこで転職活動をする前に、スキルを整理して言語化しておくと、面接などでスムーズに伝えられるでしょう。
行きたい業界を明確化しておく
行きたい業界を決めたら、その業界がどのような業界なのか明確化しておきましょう。
どのようなスキルが必要なのか、どんなキャリアを積めるのかなど、明確化しておくと異業種転職でも入社後に感じるギャップを減らせます。
入社後に転職失敗とならないように、事前に業界を明確化しておきましょう。
転職活動を働きながら進める
転職活動をする際は、働きながら進めるようにしましょう。
美容師は激務なため、働きながらだと転職活動が思うように進まないという人もいます。
しかし退職してしまうと、収入が途絶えてしまうため生活費の心配なども出てきてしまいます。
すぐに転職先が見つかればよいですが、見つからなければ焦りから「どこでもいいや」という気持ちになってしまい、ブラック企業に転職してしまうリスクが高まります。
このようなことがないように、働きながら転職活動をするのがマストです。
転職サイト・エージェントを活用する
転職活動をよりスムーズにするためには、転職サイトやエージェントを活用するのがおすすめです。
転職サイト・エージェントでは、求人提案だけでなく転職に関するさまざまなサポートをしてくれます。
自分には何が向いているのか、アピールできるスキルとは?など、転職に関する悩みがある人は転職サービスを活用するとよりスムーズになります。
美容師から異業種に転職したいなら経験とスキルを活かせる職種を探そう
美容師は人気の職種でありながら、3年以内の離職率が高い仕事でもあります。
その理由は、上記のようなものが多く、個人の頑張りではどうにもならないこともたくさんありました。
これを打開するために、転職を目指すのは悪いことではありません。
ただ転職しても同じようになってしまうと、転職が後悔に繋がってしまうかもしれません。
少しでも良い転職にするために、経験とスキルを活かせる転職先を見つけましょう。