リクルートダイレクトスカウト(旧キャリアカーバー)といえば、2015年12月に起きた情報漏洩問題を覚えている方もいらっしゃるかもしれません。
リクルートダイレクトスカウト(旧キャリアカーバー)を運営しているのは、求人業界最大手のリクルートキャリアです。
そのリクルートキャリアが、リクルートダイレクトスカウト(旧キャリアカーバー)の個人情報約3万7000件を流出させる問題を起こしたということで、業界内はもとより世の中全体に衝撃が走りました。
リクルートダイレクトスカウト(旧キャリアカーバー)を利用する側にとっては、情報漏洩は不安材料だと思います。
自分が登録した個人情報や転職に関する情報がどこかに渡ってしまうのではないか、と。特に転職媒体に登録する情報はかなりデリケートな内容を多く含むため、より敏感に考えてしまいます。
そこで今回は、リクルートダイレクトスカウト(旧キャリアカーバー)の情報漏洩問題の詳細と、それを受けての対策、利用にあたって安全かどうかなどについて解説していきます。これから登録する際の参考にしていただければ幸いです。
目次
リクルートダイレクトスカウト(旧キャリアカーバー)の情報漏洩問題とは?
2015年12月、リクルートダイレクトスカウト(旧キャリアカーバー)の運営会社であるリクルートキャリアは、リクルートダイレクトスカウト(旧キャリアカーバー)の登録者の個人情報3万7000件を流出させました。
個人情報の漏洩事件としてはかなり規模が大きく、業界を揺るがす問題にもなりました。
この項目では、情報漏洩事件の経緯や流出した情報の内容、現在の対策についてなどを解説します。
情報漏洩・流出事件の経緯
▼2015年12月1日
リクルートキャリアが業務を委託している企業に対して、リクルートダイレクトスカウト(旧キャリアカーバー)に登録された3万7000件の個人情報を送信してしまうミスを起こします。送ってしまった担当者はすぐにミスを把握して上司へ報告。その後リクルートキャリア側がすぐに業務委託先に事態を共有し、送信してしまった情報削除を進めていきます。
▼2015年12月2日
リクルートキャリアの社員同席のもと、業務委託先企業が送信してしまった個人情報を全て削除。企業のメールサーバ上のデータ以外に、端末内データも全て削除したことで、業務委託先企業にある個人情報は全てなくなりました。
▼2015年12月3日
リクルートキャリアが、情報漏洩の対象となったリクルートダイレクトスカウト(旧キャリアカーバー)の登録者に対して漏洩の経緯とその後の対応内容をメールで共有し、謝罪。これによりとりあえず事態は終息しました。
どんな個人情報が流出してしまった?
流出してしまった個人情報の内容は以下の通りです。
プロフィール情報
- 氏名
- 生年月日
- 性別
- 都道府県
- 会員番号
職務経歴
- 直近の年収・業種・職種・企業名・部署名・役職・在籍期間
- 過去の業種・職種・企業名・部署名・役職・在籍期間
学歴
- 学校種別
- 学校名
- 学部
- 学科
- 卒業年月
資格など
- 英語レベル
- 英語資格の点数
- 資格
希望条件
- 希望の業種
- 職種
- 勤務地
これだけの情報が全て流出しています。
これまでの経歴が全て外部に漏れてしまうというレベルなので、人によっては大きな被害です。
どうして個人情報は流出してしまったのか
今回はリクルートキャリアのスタッフが、あくまで間違って個人情報をメール送信しています。
機械的なエラーではなく、ヒューマンエラーが原因です。
しかし、一社員が個人情報をメールに添付できる状態にあったことや、情報を送信する際にアラートが出ない状態であったことなどは、同社による認識の甘さがあったとしか思えません。
現在リクルートダイレクトスカウト(旧キャリアカーバー)ではどんな対策が練られているか
今回の情報漏洩事件について、リクルートキャリア側が起きた直後に対応を行っており、事件発生から終息まで2日間というスピーディさでした。
結果として個人情報が流出したのは業務委託先までであり、その他の第三者が閲覧できる状態にはなっていません。
この事件を受けてリクルートキャリアの広報部は「重大に受け止め、再発防止に取り組む」と発表。その具体的な再発防止策は以下の通りです。
- 情報管理の強化・徹底、および運用業務のフローの見直し
- 統計データを作成する業務において、業務担当者がダウンロードできる情報に個人情報を含めず、職種などの属性情報のみとする仕様に変更
- サービス運営上必要な業務全般において、会員個人情報についてはシステム管理者を除いてダウンロードできない仕様に改修(システム管理者がダウンロードした場合もログを記録)
- メールへのファイル添付については一度ファイルを開いて事前確認を行うという社内規定を徹底
これらの対策を見ると、人的ミスを防ぐだけでなく、システム的にも外部に情報を送信できないように改修がされています。
今のリクルートダイレクトスカウト(旧キャリアカーバー)は安心して利用できる?
一度情報漏洩を起こしてしまうと、信頼は地に落ちます。
特にリクルートキャリアという業界最大手企業だっただけに、利用者もショックが大きかったのではないでしょうか。
あれから3年以上が経過した今、安心してリクルートダイレクトスカウト(旧キャリアカーバー)を使うことができるのでしょうか。
以降情報漏洩は起きておらず、信頼はできる
2019年3月現在、リクルートキャリアによる情報漏洩事件は再発していません。
これは同社の対策が一定の効果を残していることの裏付けでもあります。
もちろん情報流出自体は起きないことが当たり前なので、ようやく信頼がマイナスから回復傾向にある段階といえるかもしれません。
ショック療法というわけではありませんが、一度問題を起こしてしまった企業は、より堅牢な防止策を講じます。
結果的に現在のリクルートキャリアは、他企業にも増して情報漏洩に気を使うシステム・体制があるといえるでしょう。
これらを総合して考えると、今ユーザー登録を行うこと自体に問題はほぼないと考えられます。
転職サイト・エージェントを利用するのは危険?
転職サイトやエージェントに限らず、自分の情報を誰かに預けるという行為には、常にリスクが付きまといます。
今回紹介したのは情報漏洩でしたが、たとえば情報の悪用や二次転用などの危険性も考えられます。
情報をWeb等で登録する際には、常に自分で自分の身を守る行動も必要です。
例えば公式サイトの個人情報保護方針がきちんと提示されているか、Pマークは取得しているか、過去の情報漏洩事件を起こしていないか、など。利用前に自分自身で調べ、本当に登録してもよいのかを考えなければなりません。
リクルートダイレクトスカウト(旧キャリアカーバー)に登録しても会社にバレることはない?
今回ご紹介した情報漏洩事件によって、リクルートダイレクトスカウト(旧キャリアカーバー)に登録された情報が一般企業に渡ったという事実はありません。
よって登録者が現職にバレてしまうことはありませんでした。
しかし一般的に転職サイトなどに情報を登録した場合、あなた自身のWeb履歴書を企業が閲覧できるようになります。
これにより現職の企業にバレてしまうのではないか…と思われるかもしれません。
実はリクルートダイレクトスカウト(旧キャリアカーバー)の場合、この危険性はありません。リクルートダイレクトスカウト(旧キャリアカーバー)の『匿名レジュメ』を見ることができるのは、提携しているヘッドハンターのみ。
企業の担当者などが匿名レジュメを見ることはできません。
つまり、登録することによって会社にバレる危険性はないということです。この点についてはぜひ安心して登録してください。