退職は「寿退職」や「定年退職」などさまざまあると思うのですが、どの退職でも挨拶する場が設けられます。
しかし退職時にしか行わない挨拶なため「退職時の挨拶は何を言えばいいの?」「どれぐらい話すのがベスト?」と悩むことが多いのではないでしょうか?
この記事では退職時の挨拶で意識するべきポイントや例文をいくつかご紹介するので、退職する予定のある方は参考にしてみてください。
目次
退職の挨拶は朝礼でおこなうことが多い
退職時には会社の方々に対して挨拶する機会が設けられるのですが、朝礼で行われることが多いです。
基本的に会社内の全員が集まる機会が朝礼しかないということもあり、退職の挨拶は朝礼が多いのですが、そのタイミングで退職することを知ることになる方は少ないでしょう。
上司であれば退職することは知っているであろうし、同僚や先輩にも事前に伝えていることがほとんどだと思います。
そのため退職をする旨を伝えるというよりかは、今までの感謝や今の気持ちを伝える場だと考えておくと良いでしょう。
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退職の挨拶で意識しておくべきこと
「退職の挨拶」と考えると何を話すべきなのか悩みますよね。
そこで退職の挨拶で意識しておくべきポイントを2つご紹介します。
2分以内の簡潔なスピーチ
挨拶となると「何分話すべきなんだろう」と思いますが、時間は2分以内がベストです。
1分は短すぎますし、2分以上になると長すぎるので2分以内で考えるようにしましょう。
そして「簡潔なスピーチ」ということも大切です。
2分以内で挨拶を考えると勝手に簡潔な内容になると思いますが、簡潔なスピーチということを意識していないと「この人は何を伝えたいんだろう」と思われてしまいます。
会社で話す最後の機会なのに、そのような印象を持たれるのは嫌ですよね。
そのため2分以内の簡潔なスピーチを意識してください。
内容はポジティブに!
退職の挨拶は「ポジティブ」な内容にすることが大切です。
例えば、「会社の中で人間関係に悩み、退職することになりました」と挨拶されるのか、「自分の夢に向かって退職することになりました」と挨拶されるかではどっちが良い印象を受けるでしょうか?
多くの人が後者の挨拶だと思います。極端な例えかもしれませんが、退職の挨拶で「ネガティブ」な内容は良い印象を与えることができません。
そのため内容を考えるときは「ポジティブ」ということを意識するようにしてください。
退職の挨拶時に避けた方がいいこと
退職の挨拶で意識するべきポイントをお伝えしましたが、避けた方がいいポイントもあります。
下記のポイントには注意が必要です。
- 内容をネガティブにしない
- 早口で小声な話さない
- だらだらと長く挨拶しない
- 一定の人だけに視線を送らない
- 暗い表情で話さない
特に一定の人だけに視線を送ることには注意が必要です。
意識はしていなくても一定の人だけに視線を送っていると「あの人だけに話しているみたい」と悪い印象を持つ人もいます。
そのため全員に視線を送って挨拶することを意識してください。
コツとしては「∞」のように視線を送り挨拶をすると勝手に全員に視線を向けられています。
最後の挨拶になるため、悪い印象は与えないように上記にポイントには注意してください。
退職理由別のスピーチ例
退職の挨拶は退職する理由によって少し内容が変わってくるのですが、「どんなスピーチ内容がいいんだろう」と悩むと思います。
そこで「寿退社」「定年退職」「転職」3つの退職スピーチの例をご紹介します。
寿退社の場合
寿退社とは結婚に伴い、会社を辞めることを指します。
そのため結婚をきっかけに退職する「女性」を指す言葉として捉えられることがほとんどです。
寿退社する場合のスピーチは下記の例を参考にしてみてください。
例文
本日は私のためにお時間をつくって頂き、ありがとうございます。
私事ですが、この度結婚を理由に、本日付で会社を退職することとなりました。
新卒で入社をして、今日まで勤めてきた6年半は私にとって忘れもしない経験です。
何もわからなかった私に、丁寧にお仕事を教えてくれた先輩や上司の方々には、感謝しかありません。今では部下を指導する立場となった私でも、大きなミスをして、同僚や上司のみんなを困らせたこともあります。
しかし毎日の失敗から学ぶことや皆様のサポートのおかげで、私は6年半で大きく成長をすることができました。これからは家庭を支える立場として、自分の全力を尽くしていきたいです。
最後になりましたが、今後の皆様のご多幸とご活躍を心よりお祈り申し上げます。
今まで本当にありがとうございました。
定年退職の場合
定年退職は就業規則などによって定年制を設けている企業で、一定の年齢になった社員が退職することを指します。
そのため年齢はそれぞれですが、もう仕事することはない場合がほとんどだと思います。定年退職する場合は下記の例文を参考にしてみてください。
例文
勤務中にも関わらず、貴重なお時間を作って頂き、ありがとうございます。
私事で大変恐縮ですが、本日をもちまして40年間慣れ親しんだこの会社で定年を迎え、退職することとなりました。月日がたつのは本当に早いものですが、みなさんに支えられ、良い刺激を受けながら、おかげ様で大過なく今日まで勤め上げることができたと思っております。
そして私に従いサポートしてくれたみなさんに心より感謝いたします。
退職後は趣味であるゴルフに励みたいと考えておりますので、ご興味のある方はお声をかけていただければ幸いです。最後になりましたが、会社のさらなる発展と、皆様のご活躍、ご健康をお祈りして、退職の挨拶に代えさせて頂きます。
長い間、本当にお世話になりました。
定年退職のスピーチでは長い歴史の話をしてしまうことが多いのですが、知らない世代にとってはあまり関心の話になってしまうので注意してください。
転職の場合
転職する場合のスピーチは悩むと思いますが、ポジティブな内容にすることが大切です。
転職する場合は下記の例文を参考にしてみてください。
例文
お忙しい中お時間を作って頂き、ありがとうございます。
私事ではございますが、一身上の都合により、本日をもって退職させていただくこととなりました。入社して10年間、右も左も分からない私を、あたたかくご指導いただき、また随所で支えていただき、本当にありがとうございました。ここでの経験は、私にとっての貴重な財産です。
私の業務は、部下の〇〇さんに引き継いでいただくことになっております。
今後は全く業界に進むこととなりますが、ここで学んだことを生かして一生懸命頑張っていく所存です。本当に、ありがとうございました。
転職で退職する場合は良い印象を受けない人もいる可能性があるので、ネガティブな内容は注意が必要です。感謝の気持ちと次なる企業での抱負を伝えるようにしましょう。
退職理由は、言いずらいなら「一身上の都合」でOK
挨拶では退職理由を伝えることもあるのですが、言いずらい場合は「一身上の都合」で問題ありません。
ただ退職する理由がポジティブな場合は正直に伝えても良いです。
例えば「夢であったシステムエンジニアになることを諦められないので、退職させていただくことになりました」と伝えると悪い印象を受ける人は少ないと思います。
そのため言いずらい場合は「一身上の都合」と伝えて、ポジティブな場合はそのまま正直に伝えるようにしましょう。
シチュエーション別の挨拶例
上記では退職理由別のスピーチ例をお伝えしましたが、挨拶するシチュエーションによっても少し内容を変更する必要があります。
そこで「全体朝礼」「部署内朝礼」「送別会」の場合の挨拶例をご紹介するので、参考にしてみてください。
全体朝礼の場合
会社の規模にもよるのですが、退職の挨拶を会社全体の朝礼で行う場合があります。
そのため顔見知りではない方の前で挨拶することになるので、所属している部署と名前は初めに入れるようにしましょう。
全体朝礼の場合は下記の例文を参考にしてみてください。
例文
皆さま、おはようございます。○○課の〇〇(名前)です。
この度一身上の都合により、今日をもって退職をすることとなりました。
4年前に○○課に配属されて以来、皆さまには大変お世話になりました。
個人的な思い出としては、1年前のプロジェクトの成功が今でも心に刻み込まれています。
あのときは私がミスをしてしまい、皆さまに多大なるご迷惑をお掛けしながらも、常に支えて頂き、何とか乗り切ることができました。皆さまのお力なしでは私は今ここにいないと思います。
今後はこちらでの貴重な経験を次の道で生かすべく、努力を続ける所存です。
最後になりますが、皆さまのますますのご活躍と今後のご発展をお祈りし、私からのご挨拶とさせて頂きます。本当に、ありがとうございました。
部署内朝礼の場合
上記は会社全体の場合でしたが、基本的には部署内朝礼で挨拶をすることが多いです。
その場合は部署と名前を伝える必要はありません。
部署内朝礼の場合は下記の例文を参考にしてみてください。
例文
お忙しい中、このようなお時間を設けていただきありがとうございます。
このたび、一身上の都合により今日付で退職することとになりました。
入社してから7年間、お世話になりましたことを本当に感謝しております。
失敗を繰り返してばかりの私を支えてくれた皆さまのおかげで今この日を迎えられています。
これまで皆さまにご指導いただいことは決して忘れず、今後も最大限に生かしていく決意です。
皆様、お体に気をつけてますますお励みください。
重ねて感謝申し上げますとともに、かげながら皆様と会社の御隆盛をお祈りいたします。
本日の退社時間まで、最後の仕事をさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
送別会の場合
送別会での挨拶の場合は上記2つのシチュエーションよりも、少し柔らかい印象を与えることができる内容にすることがポイントです。
そして送別会を開いてくれたことへの感謝は忘れないようにしましょう。
送別会の場合は下記の例文を参考にしてみてください。
例文
本日は、私のためにこのような会を開いていただき、本当にありがとうございます。
また、先ほどは部長をはじめ、皆さまから温かいお言葉をいただき、感無量です。
このたび、〇月〇日付けで退職することとなりました。
皆さまと仕事をさせていただけたことは、自分にとって貴重な財産で、今後に生かせる糧でもあります。最後になりますが、皆さまのますますのご活躍と今後のご発展をお祈りし、私からのご挨拶とさせて頂きます。本日は本当にありがとうございました。
送別会ではお酒を飲んでいることもあると思いますが、必ず会を開いてくれたことへの感謝は忘れずに伝えるようにしましょう。
まとめ 退職時の挨拶は社会人としてのマナー
この記事では退職時の挨拶についてお伝えしてきましたが、退職時の挨拶は社会人としてのマナーであり、大切なことです。
人前で話すことが苦手な方や不満があり退職することとなった方でも、しっかり挨拶することが社会人としての常識です。
無理にこだわった内容にする必要はありませんので、上記の例文を参考に良い印象を与えられる挨拶をしましょう。