今、高卒や大卒が当たり前とされている世の中ですが、中卒で働いているという人もいます。
しかし一般的に中卒では、仕事がなかなか見つかりにくいと言われてしまっています。
その理由の多くが、学歴が低いことがハンデとなってしまっていることのようです。
そこで今回は、中卒の人が仕事を見つける方法や採用されやすい職種などについてお話していきます。
目次
中卒が仕事がないといわれる5つの理由
最終学歴が中卒という人もいますよね。
しかし近年は高卒はおろか大卒が主流になっているため、中卒での就職が厳しい世の中と言われています。
中卒に仕事がないと言われてしまっている理由は、「任せられる仕事が少ないこと」「専門性のなさ」「学歴が中卒自体ハンデ」「偏見」「中卒が圧倒的に少ない」ということが関係しているようです。
高校や大学と違い、義務教育の中卒では企業の求める専門性を勉強する機会がないと判断されやすい傾向にあるようです。
それぞれを詳しく見ていきましょう。
任せられる仕事が少ない
中卒では任せられる仕事が少ないとされているため、求人の数が少ないようです。
専門的な知識を必要とする職業はもちろん、今は多くの職種で、学歴を高卒以上としている企業が多いのが現状です。
その理由は、中卒では知識が少なく、任せられる仕事がないと判断されてしまうからです。
皆がそうだとは思いませんが、一般的に義務教育だけでは知識が少ないと判断されてしまうようです。
企業の採用の都合
企業側の採用の都合により、仕事が見つからないこともあるようです。
採用の都合とは「一括採用しにくいこと」「企業の求める専門性がないこと」などのようです。
中卒を対象とした一括採用をしている企業自体少なく、より条件のよい専門性のある人を採用たいと考える企業にとって、中卒は採用しない考えを持っている場合が多いようです。
一括採用しにくい
日本ならではの一括採用とは、卒業予定の学生を対象に年度ごとに一括で採用し、卒業後すぐに勤務させるのことを言います。
近年は中卒で働く人の割合が減っており、中卒を対象とした一括採用を行っている企業は少ないようです。
企業が求める専門性がないと判断される
高卒、大卒が当たり前となりつつある日本では、中卒であると企業の求める専門性がないと判断されてしまうことが多いようです。
企業はより専門性の高い人材を求める傾向にあり、中卒であると義務教育しか受けていないため、専門性がなく採用しにくいようです。
日本は学歴社会なので中卒の肩書がハンデに
学歴社会という意識が減ってきたとはいえ、まだまだ日本は学歴主義の考えが根強く残っています。
そのため中卒=忍耐力がないなど、マイナスのイメージを持たれやすいようです。
学歴が全てではないといえ、まだまだ中卒という肩書ではハンデになってしまうのが現状です。
そもそも高卒以上を条件としている場合、フィルターとして設定している企業が大半のようです。
中卒という肩書のせいで仕事がないと感じる原因の多くは、学歴なのかもしれません。
敬語などの社会人としてのマナーが苦手
中卒で社会人になった人の中には、敬語やマナーが苦手という人もいるのではないでしょうか。
つい最近まで中学生の子供であった自分が、いきなり社会人としてのマナーや敬語を話さなければならない、というのはとても大変なことです。
しかし社会人になった以上、敬語やマナーは必ず必要です。
企業としても、中卒はまだまだ社会人としてのマナーがなことで、取引先などに迷惑をかけてしまうリスクがあるかもと考え、採用をしていないこともあるのではないでしょうか。
中卒の人数が圧倒的に少ないから
高卒や大卒が当たり前の日本では、中卒で働く人の割合自体少ないことも関係しています。
圧倒的に割合が低いため、中卒を採用している企業も限られたものになってしまうでしょう。
日本では、まだまだ根強く学歴社会主義が残っています。
現代では高卒、大卒が当たり前の前提での求人が多く出されており、中卒向けの採用をしている職種は限られてしまっているのが現実です。
またマナーや敬語が使えないなど、中卒という肩書がハンデとなってしまい、採用が難しくなってしまっているようです。
中卒でも仕事を見つける3つの方法
中卒の就職活動が難しいというお話をしましたが、決して見つからない、働けないというわけではありません。
高卒・大卒より難しくなってしまいますが、就職先を見つける手段についてお話します。
「いきなりの正社員ではなく、アルバイトからの社員」「縁故採用」「採用されやすい職種に絞る」です。それぞれを詳しく見ていきましょう。
アルバイトからの正社員登用を狙う
いきなりの正社員は、中卒では難しいです。
そのため最初はアルバイトとして入社して、正社員登用を目指すという選択肢もあります。
最初は安定せず厳しいですが、アルバイトとして会社に真面目に勤めて実績を積むことで、正社員という道も開けることもあります。
またアルバイトとしてなら、採用もされやすいので、徐々に社会に慣れていくという点でも、良い経験になるかもしれません。
縁故採用してもらう
縁故採用などをしている企業であれば、縁故採用を目指してみても良いかもしれません。
親や先輩、友人などのコネで入社もしやすくなるでしょう。
しかし縁故入社に関わってくれた人の手前、きついからすぐ辞めるや、バックレるなどに注意しなければいけません。
世話をしてくれた人に対して、恩をあだで返すことのないようにしましょう。
中卒でも採用されやすい仕事を見つける
「中卒で大企業に入社したい!」というのは難しいのが現実です。
しかし、中卒の人でも採用されやすい職種もあります。
そういう職種を選んで、就職活動を進めると採用に繋がりやすくなるかもしれません。
「自分は中卒だから就職できない」という考えは間違っています。
もちろん誰もが知るような、大企業に就職は難しいかもしれません。
しかし、アルバイトから地道に正社員を目指したり、縁故採用、また中卒の人も採用されやすい職種などの手段を選ぶことで、正社員として働ける道を開けることに繋がるでしょう。
中卒でも採用されやすい仕事14選
中卒でも採用されやすい職種があるとお話しましたが、どのような職種が採用しているのでしょうか。
その多くが身体を使う仕事であったり、接客業、技術職のようです。
例えば、自衛官や警備員、飲食店員、介護職、営業職などがあるようです。10個程の職種について詳しくお話していきます。
自衛官
自衛官は、中学卒業後に「陸上自衛隊高等工科学校」という所謂、自衛隊の「高校」を有しています。
授業料が無料なだけでなく、給与やボーナスの支給もある国家公務員でもあります。
卒業後は陸上自衛官として任官されます。いち早く自立のできる学生という感じです。
警備員
警備員の職は、基本的に学歴に関係なく就けることが多いようです。
警備の仕事は、給与が高い傾向にあるため、中卒の人や高齢の人にも人気の職種です。
警備員の仕事にもいろいろあり、施設の警備から工事現場の交通誘導など、仕事内容によっても給与は異なります。
中卒の人も多い職種なので、仲間が見つかりやすいかもしれません。
飲食店のキッチン
飲食店はアルバイトを多く採用しているため、アルバイトからの正社員登用を目指しやすいです。
また学歴や職歴を必要としていないことも多く、採用されやすい職種です。
キッチンとして経験を積むことで、料理の技術が身につき、転職の際にも飲食関係であれば採用に繋がりやすくなるでしょう。
アパレルショップなどの店員
アパレルショップなどの店員も、アルバイトからの正社員を目指しやすい職種と言えます。
アパレルショップの店員は、余程の人気ショップでない限り人手不足の場合が多く、アルバイトとしての採用がされやすい職種です。
おしゃれを楽しみたい人や接客が好きな人におすすめです。
介護施設の職員
介護業界も人手不足と言われており、中卒でも採用されやすい職種です。
ヘルパーや介護にもあまり学歴を必要とはしません。
経験年数を重ねることで、介護福祉士やケアマネジャーなどの資格の取得もできるので、安定した生活を送れるようになりばかりでなく、より条件のよい施設などへの転職も可能になります。
ネイリスト
ネイリストとして働く手段もあります。
中卒でも学歴関係なしで採用してくれるお店もあり、働きながら「ネイリスト技能検定試験」などの資格を取得することも可能です。
センスがあれば大いに成功する可能性があるので、おしゃれが好きな女性に人気の職業になっています。
通信などでも資格の取得し、ネイリストになることが可能です。
営業
営業の職は能力主義なことが多く、学歴より実力を評価してくれることが中卒でも成功しやすい職と言えます。
ノルマや売り上げ主義のため、きつい職業ではありますが、成功すると高い給与をもらえることもあり、自分の頑張り次第では大卒の人よりも稼ぐことも可能です。
中卒=薄給というイメージを打開できる職と言えるかもしれません。
工場の職員
工場などの製造業の職員も、中卒の人にとっては採用の多い職種と言えるでしょう。
コツコツと仕事を進められるひとにとっては、製造業は面白さを感じることができるかもしれません。
また学歴を必要としていないため、中卒の人が最初に就職しやすい職種なので、仲間ができやすく働きやすい環境と言えるでしょう。
警察官
採用試験に合格さえすれば、中卒でも警察官になることができます。
体力も必要となるため、若いうちに試験を受けることで多少採用に繋がりやすくなるかもしれません。
とはいえ、一般常識等の試験に合格しなければならないので、勉強は必須です。
新聞屋さん
新聞配達の職も、学歴を必要とはしていない傾向にあります。アルバイトとしてだけでなく、正社員としても採用はされやすいようです。
しかし朝早かったり、天候関係なく配達しなければならないなど体力的に厳しい職でもあります。
ですが、寮を完備している場合も多く、早く自立したい人にとっては好条件で働ける環境かもしれません。
このように中卒でも働ける職は、公務員から新聞配達までいろいろとあります。
「中卒だから・・」とあきらめず、自分にあった職種で働けると良いですね。
トラック運転手
中・大型トラックも、学歴関係なく就ける職種の一つです。
中型・大型免許を保有していれば働けるので、18歳以上になれば免許さえあればだれでもつける職業です。
トラック運転手で求められるのは、長距離の運転ができる集中力と体力です。
中には日本の端から端まで、荷物を運搬することもありますから、長時間の運転に慣れていなければなりません。
しかし長距離で何日もかけて運搬をすることから、週休3日になることもしばしばあります。
給与も手当が出ますから、ある程度の給与は確保できるでしょう。
タクシードライバー
タクシードライバーも中卒で働ける職業の一つです。
第二種運転免許を持っていれば採用してもらえる可能性が高いので、学歴関係なく活躍できる職場であるといえるでしょう。
基本的に給与体系は歩合制となり、基本給に加えて成績分の歩合が支給されるシステムです。
そのため頑張れば頑張るほど給与に反映されることになるので、自分の能力次第でどんどん給与を伸ばすことができるようになります。
若いうちから給与を多くもらっておきたい!と考えている方にとっては、大幅な給与UPのチャンスになります。
接客業
アパレルや宿泊業などの接客を行う職業も、学歴が問われることは少ないです。
基本的に対面の仕事になりますから、お客様とのコミュニケーションや気遣いが求められるようになります。
仕事に求められる能力が学力・学歴が関係ないため、中卒でも働ける仕事になります。
実際に現場に出て経験しながら覚えていく業務が多いので、いくら学歴が高い人が就職しても対応できないことが多いのです。
どんどんスキルを磨けば昇進できる可能性もありますので、是非試してみてください。・
コールセンター
コールセンターの職員も、比較的学歴関係なしに働ける職業であるといえます。
企業の電話対応窓口での対応がメインになりますので、マニュアルに沿って対応するだけでOKなこともあり、比較的働きやすい職業であるといえます。
ただしコールセンターの業務内容によっては、クレーム処理を担当することもありますので、精神的に疲弊してしまうこともあります。
電話応対が上手くできるようになると、他の企業で需要も高くなりますから、転職先も見つけやすくなるかもしれません。
企業によっては対応する時間が少なく、暇な時間の方が多いなんてこともありますので、職場選びは慎重に行いましょう。
中卒が仕事を見つける時の注意点
上記で紹介した職業のほかにもまだ中卒でも働ける企業はありますが、転職・就職するときにはリスクも把握しておいた方がいいでしょう。
以下では中卒で仕事を見つける時の注意点を紹介していきます。
業務内容と給与が合わない仕事は避ける
中卒が仕事を見つける時には、業務内容と給与が合わない仕事は怪しい可能性が高いので、避けることをおすすめします。
業務内容が異常に簡単なのに、他の求人よりも明らかに給与が高い場合、裏に何かがある可能性があります。
例えばブラック企業で求人に掲載されている内容とは全く異なる条件で働かされてしまうなんてこともあるでしょう。
また犯罪に巻き込まれてしまうこともあります。
実際に特殊詐欺の受け子をやらされることもありますし、気が付いたら何らかの犯罪の片棒を担いでいた…避けたいですよね。
ハローワークでの求人検索は慎重に
求人検索をするといえば思いつくのはハローワークですが、ハローワークでの求人検索はできるだけ慎重に行うことをおすすめします。
ハローワークは地域の求人を多数掲載しているものの、中には粗悪な求人が紛れている可能性があるためです。
ハローワークに掲載されている求人は、基本的に掲載料が無料です。
いい企業はいい人材を見つけるために、人材募集にお金をかける傾向にある一方で、逆にお金を使いたくない企業は無料掲載のサービスを利用します。
もちろん中には良い企業もありますが、ブラック企業が求人を掲載している可能性もぬぐえないので、求人検索の際には慎重に実施する必要があるのです。
企業のサイトや求人情報を細かく確認して、内容にウソがないかをチェックしておくことをおすすめします。
正社員求人が見つからない可能性が高い
日本の高校進学率は97%とほぼ100%が進学しており、人口的には高卒の割合が多いのが現実です。
求人の多くが高卒以上を採用要件に指定していることが多く、正社員求人が上手く見つからない可能性があるのです。
そのため最初のスタートは非正規雇用からの採用になる可能性も考慮しておく必要があります。
ただし最初から非正規雇用になったとしても、残念がる必要はありません。
最初はアルバイトからでも、頑張り次第によっては店舗のリーダーになり、そこから本社の社員になれる可能性もでてきます。
着実なキャリアアップが実現できる可能性があるので、安心です。
中卒が仕事を見つけるための対策法
中卒の人が、仕事を見つけるためにしたほうが良いことがあります。
それは「転職・就職サイトのチェック」「専門資格やスキルを身に着ける」ことです。
中卒だからと諦めていては、アルバイトのままで歳を重ねてしまったり、就職できなかったりなんてことにもなりかねません。
自分が就きたい職種の情報を得るための転職・就職サイトのチェックや、採用されやすくするための専門資格取得など、惜しみなく努力をすることが大切です。
転職サイトや求人サイトをチェックする
転職・求人サイトをこまめにチェックすることは大切です。
中卒からでも採用している企業の数は、そう多くないでしょう。
常にチェックをしていくことで、より条件のよい求人が出た際にいち早く行動を起こすことができます。
求人はないわけではありません。いつでも動く準備をしましょう。
専門資格を身に着ける
介護やネイルなど、専門資格を取得することで採用に繋がりやすくなる職もあります。
ものによっては何年か働いてから、試験を受ける場合もあり働きながら資格を取得できることもあります。
資格を取得することで、転職にも有利になるので、興味のある業界にはどのような資格があるのかを調べてみてはいかがでしょうか。
中卒でもポテンシャルを活かして仕事を見つけよう
中卒だから職がないというのは、事実です。それは日本がまだまだ学歴社会であり、中卒という肩書がハンデになってしまう世の中だからなのかもしれません。
しかし中卒だから仕事がないというわけではなく、中卒や学歴関係なく採用している職もあります。
頑張りしだいでは、大卒と変わらない給与をもらえることもあるかもしれません。
大切なのはポテンシャルを生かして、仕事を見つけることと、努力をすること、真面目に働く姿を見せることなのではないでしょう。
より自分に合う仕事に就けるように、頑張ってみてはいかがでしょうか。