転職活動をはじめるときに大切なこと。それは企業がどんな人材を求めているかを把握しておくことです。
求人の募集要項には「新卒」「経験者優遇」「第二新卒」などターゲットが明記されているので、自分が当てはまっているかを理解しておく必要があります。
この記事では「第二新卒」にフォーカスし、第二新卒の定義や特徴、転職のメリットなどを紹介していきたいと思います。
最後に、第二新卒者が転職を成功させるコツについて説明していますので、転職に悩んでいる方や採用に至らない方は参考にして下さい。
目次
「第二新卒」とは新卒者が3年以内に転職活動を行う場合に呼ばれる
第二新卒の定義は、「学校を卒業して一旦就職したが、3年以内に退職・転職を検討している人」を指します。
しかし企業によって定義は異なり、「卒業して5年以内」もしくは「25歳まで」などと定めていることもあるようです。
ちなみに卒業して就職せずフリーターやニートになり、初めての就職を目指す人は「既卒」と呼ばれます。
また厚生労働省では「就業経験の有無」を問わず、卒業して3年以内を第二新卒と定義づけているようです。
『それぞれの企業の中で第二新卒の定義がある場合にはその定義によるものとし、特に定義がない場合は、学校(高校、専門学校、短大、高専、大学、大学院)卒業後、おおむね3年以内の者とした(学校卒業後すぐに就職する新卒者は除く。また、職務経験の有無は問わない)』
つまり第二新卒の年齢は以下のように考えられます。
- 高卒…21歳前後
- 大卒…25歳前後
- 大学院卒…27歳前後
引用元:厚生労働省 「若年者雇用を取り巻く現状」
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12602000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Roudouseisakutantou/0000065181.pdf
第二新卒は転職市場で人気がある
新卒の就職率は高く、売り手市場が続いています。厚生労働省が発表した「平成30年3月大学等卒業者の就職状況」では、98.0%の就職率でした。
短大に至っては99.1%と、ほぼ100%に近い数字です。
2010年の大学卒業者の就職率は60.8%だったことから、現在の景気の良さが理解できると思います。
そんな状況の中、新卒の採用に苦戦しているのが中小企業です。
学生に人気が高い大企業にばかり人が集まるため、中小企業は深刻な人材不足に悩んでいます。
また企業規模を問わず、若手の早期離職も問題です。
そこで新卒の補てんを目的として「第二新卒」が注目されており、どの企業も若い人材を確保しようと採用に積極的です。
参考:厚生労働省「平成30年3月大学等卒業者の就職状況」
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000205940.html
第二新卒は学校卒業後3年以内の転職で適応される
求人サイトやハローワークを活用して転職活動をしている人は、「第二新卒歓迎」というワードを目にすることも多いのではないでしょうか?
求人をする際、企業が応募者に対して年齢制限を設けることは法律で禁止されています。
そのため、「25歳まで」「20代限定」という表記は禁止です。
しかし若手を募集しているのに40代の中堅社員ばかりが応募してきても困りますよね。
そこで法律に引っかからない表現として、「第二新卒歓迎」を用いるようにしています。
求人の募集内容に「第二新卒歓迎」と記載されていたら、「25歳くらいまでをターゲットとしているんだな」と理解しておきましょう。
20代であれば第二新卒として受け入れるという企業もある
先述した通り、第二新卒の定義は企業や業界によりまちまちです。
一般的には25歳くらいまでという認識が浸透しているため、大学を卒業してから3年くらいと考えておけば問題ありません。
しかし企業によっては、20代なら第二新卒として扱うケースもあります。
自分の年齢が募集枠に入っているかは、採用企業に直接問い合わせて確認してみましょう。
第二新卒のメリット4つ
企業が第二新卒を積極的に採用したい4つの理由について解説します。
第二新卒のカードが使えるうちに転職するのがオススメなのは、以下のようなメリットがあるからです。
新卒と同じくポテンシャルで採用される
20代前半である第二新卒は、新卒者とほとんど変わらない年齢です。
企業としても新卒のように扱えるため、経験やスキルよりも将来性を重視したポテンシャル採用が行えます。
ポテンシャルとは「潜在能力」のことで、「今はまだ経験や知識が不足しているが、将来的に成長する可能性がある」と判断する採用方法です。
簡単にいうと「投資」に近いようなニュアンスですが、第二新卒は挫折や失敗を経験しているので、職務経験のない新卒よりもミスマッチが少ないと期待されています。
前職の企業に染まっていないため新しい職場に適応しやすい
第二新卒は前職の企業のカラーに染まりきっていないので、新しい職場の文化や風土を受け入れやすいと捉えられています。
企業からみると、新卒者と同じようなフレッシュさ、仕事に対するモチベーションを高く持っているのが魅力です。
また第二新卒者にとっては、新卒では入社できなかった憧れの企業にもう一度チャレンジできる、大きなチャンスでもあります。
未経験の業界や職種でも採用されやすい
一般的な中途採用枠では「即戦力」が求められています。
20代後半や30歳を過ぎると、未経験の業界や職種へのジョブチェンジはむずかしくなってしまうのです。
しかし第二新卒枠であれば「実務経験」を問わず、これから大きな成長が期待できる人材を、潜在能力を評価して採用してくれます。
一旦就職はしたものの、
「自分に営業職は向いていない」
「固い仕事を選んだけど、やっぱりアパレルに転職したい」
「マーケティングの仕事に興味がある」
というようなキャリアチェンジができる、最後のチャンスであることは間違いないでしょう。
大学のキャリアセンターを利用できる
大学にあるキャリアセンターでは学生だけに限らず、第二新卒や既卒に向けても就職サポートを行なっています。
企業説明会などを実施したり、個別指導が受けられたりするので、ぜひ利用してみましょう。
キャリアセンターには、これまで多くの学生を支援してきた実績があるので、内定に有利な情報収集が期待できます。
また大学にしかない求人があるのも、キャリアセンターを利用するメリットのひとつ。
ハローワークや求人サイトには掲載されていない、お宝求人に出会えるかもしれません。
第二新卒のデメリット2つ
第二新卒はメリットばかりではありません。
企業が第二新卒者に抱く不安やデメリットを理解して、面接対策や自己分析を行い転職に挑みましょう。
経験やスキルがなくても新人扱いされない
企業が第二新卒者に求めるものは、若さや意欲といったポテンシャルと、ビジネスマナーを体得していることです。
前職では新人研修をしっかり受けているだろうと判断され、新卒にかかる研修や教育コストを削減する目的が含まれています。
電話対応の仕方や名刺の受け渡し、メールの書き方や資料づくりなど、社会人としての最低限のビジネスマナーは身についていると思われているので、新人扱いはされません。
新卒ではなく、第二新卒は社会人経験者としてみられているので注意しましょう。
すぐに辞めてしまう可能性を疑われる
ここが一番のデメリットですが、やはり前職を早期離職してしまったことは大きなマイナス点になってしまいます。
「採用しても、またすぐに辞めてしまうかもしれない」「社会への適応能力が低いのでは?」などと疑問視される可能性もゼロではありません。
面接では、前職を辞めた理由について必ず質問されるので、面接官が納得のいく回答を用意していておいて下さい。
ここをクリアできれば、採用される確率が高くなります。
第二新卒が転職を成功させるコツ
第二新卒者が転職を成功させるにはどうしたらいいのでしょうか?
あなたのアピールポイントを探っていきましょう。
転職する目的や条件を明確にしよう
転職する理由について、目的や条件を明確にしておくことは何よりも重要です。
就職して早い段階で退職してしまったということは、就活のやり方に問題があったのかもしれません。
- 企業規模ばかりを重視してやりがいについて考えていなかった
- やりたい仕事があって就職したのに事務作業ばかりだった
というようなことはありませんでしたか?
このようなミスマッチは、自己分析の不足や入社目的が曖昧だった場合に起こります。
転職することで「何を実現させたいのか」「どんなことにチャレンジしたいのか」「どんなスキルや実務経験を身に付けたいのか」などを考え、失敗しない転職活動を行いましょう。
経験やスキルがなくても入社への意欲をアピールする
第二新卒者は、「アピールできるポイントや経験がない」と不安になる人が多いようです。
しかし企業としては、第二新卒に経験やスキルを求めていないので、あまり気にする必要はありません。
それよりも、今後どう頑張っていきたいのか、会社にとってどんな人材になりたいのか、入社への意欲をしっかりとアピールすることの方が大切です。
意気込みを伝えるだけではなく、具体的にどんなことがやりたいかを説明できれば、印象が良くなります。
柔軟さや素直さをアピールする
柔軟性や素直さは、企業から歓迎される重要な要素です。
具体的には、臨機応変な対応ができることや、さまざまな視点から物事をみる力、問題が起こったときの対応力などが挙げられます。
また上司や先輩から指摘されたことに反発せず、自分の欠点や間違いを受け入れる素直さも大切です。
前職でも学生時代でもいいので、柔軟性をアピールできるエピソードがあれば、採用担当者により伝わりやすくなります。
前職を辞めた理由を明確に話せるようにしておく
まずは前職を辞めた理由について、自分で噛み砕いてみましょう。
そして転職先に求めるものや条件を洗いだし、「退職理由」と「志望動機」を結びつけて下さい。
例えば、「前職は営業だったけど人前で話すことが苦痛で退職した」という場合、「営業を辞めたかった」という理由では納得されません。
この場合は、
前職では営業に配属されましたが、学生の頃から趣味でやっていたプログラミングのスキルを活かし、システムエンジニアになりたいと思うようになり退職しました。営業職はお客様以外にも、他部署の方々と接する機会が多く、コミュニケーション能力と迅速な判断力を身につけることができたと思います。
このように、ネガティブな伝え方ではなく、前職で身についたことを活かして、新しい職種へチャレンジしたいというストーリーを組み立てるようにしましょう。
第二新卒の転職は面接のアピールが大切!内定をゲットする志望動機・自己PRを伝授!
他人のせいにするのはNG!前向きな理由を語ろう
退職理由については、会社のせい、上司のせい、環境のせいなど、何かにつけて人のせいにしがちです。
事実はそうかもしれませんが、このようなネガティブ要素を含んだ退職理由は印象が悪くなります。
「入社当初から残業が深夜まで続く環境でした。
自分なりに改善策を考えて上司に相談しましたが、対応できないと言われたため退職を決意しました」
というような、何らかのアクションを起こしたけど会社が答えてくれなかったというような言い方を心掛けましょう。
成功したいなら転職エージェントの利用がおすすめ
若さはあるけど新卒ではない、社会経験はあるけどスキルや実績はない。
そんな第二新卒者の転職を成功させるには、転職エージェントに相談してみるのが一番いい方法です。
プロの視点であなたの強みと弱みを分析し、長く働き続けられて活躍できる職場を紹介してくれます。
万が一、次の転職に失敗してしまった場合、もう第二新卒のカードは使えません。
2度も早期退職を経験しなくて済むように、コンサルタントから企業情報やアドバイスをもらって、転職を成功させましょう。
第二新卒におすすめ転職サイト・エージェントランキング!【口コミ徹底比較】
卒業後3年以内の「第二新卒」は転職しやすい!
第二新卒の需要はこれからも伸びていきそうな勢いです。
しかし新型コロナウイルスの影響もあり、企業はより優秀で意欲のある第二新卒を雇いたいと考えています。
これから転職活動をする第二新卒の皆さんは、採用担当者が納得するような退職理由や志望動機を伝えていくことが重要です。
あなたにとって初めての転職活動、応募書類の書き方や面接の答え方に不安はありませんか?
「自信がない」「第三者に分析してほしい」、そんな方は転職エージェントを活用して下さい。
売り手市場の今、本命の企業に入社できるよう自分をアピールしていきましょう。