「第二新卒が大手に就職することは可能?」「大手への転職を有利に進めたい」そんな風に悩んでいる20代前半のあなた。
大手への就職は年代に限らず難易度が高い傾向です。
志望企業の難易度に合わせて、ベストな転職対策をしなくてはなりません。
この記事では第二新卒が大手に転職する際のポイントと、企業のジャンルごとに難易度をまとめました。
目次
第二新卒が大手に転職する4つの方法
第二新卒が大手に転職するポイントは以下の通りです。
- 大手から採用される理由をチェック
- 転職理由を明確にする
- 第二新卒は成長性をアピールする
- 大手に強い転職エージェントを活用する
それぞれの要点をまとめたので確認しましょう。
第二新卒は大手企業に転職するチャンス!?大手へ転職する秘訣とは?
1.大手から採用されやすい理由をチェック
第二新卒が大手企業に転職する場合は「新卒で採用できなかった若手人材を確保する」という背景に着目しましょう。
第二新卒は、とくに以下のものが求められます。
- ビジネスマナーを習得している
- 前職で成果がある
- ポテンシャルや姿勢が企業に合う
地頭の良さを証明する学歴がある
学歴を採用時に重要視する企業は、今いる社員と同じレベルの人材を雇いたいと考えています。
ビジネスマナーを習得していれば、育成コストもかからず、起業にメリットがありますね。
2.転職理由を明確にする
新しい仕事につく理由を、転職の動機を含めて企業に説明しましょう。
「今の会社を辞めて企業に入社したい理由」を具体的に考えてください。
退職理由と志望動機に整合性や一貫性がなければ不信感を与えてしまいます。
事前に転職理由を明確にすれば、企業に求める条件に優先度が付けられるでしょう。
企業とのミスマッチを防ぐことができるので、本格的な行動に移す前に転職理由を洗い出すとベストです。
3.成長性をアピールする
大手企業への転職では学歴や人間性のほかに、成長性の有無も確かめられます。
学歴や素養に加え、ポテンシャルや仕事への姿勢が見込める人材の方が、採用される確率が高いでしょう。
転職の際に企業に成長性をアピールできれば、採用につながる可能性があります。
4.大手に強い転職エージェントを活用する
大手企業への転職成功のためには、転職エージェントの活用をおすすめします。
自分にマッチする転職先を見極めつつ活動を進めるためには、第三者の視点も必要です。
エージェントによっては、保有求人数が高いだけでなく非公開の転職先も紹介してもらえます。
ノウハウも豊富なため、キャリアやスキルに合った大手企業への転職をサポートしてもらえるでしょう。
大手に転職するメリット
第二新卒が大手企業に転職するメリットには、さまざまなものがあります。
メリットとデメリットを比較するだけでなく、働き方にマッチするのか自分の望む条件と照らし合わせてください。
社会的信用度がある
大企業は社会的信用度があるので、ビジネスチャンスが多く事業の拡大が順調に進む可能性があります。
雇われる側からすると仕事に安定が望めるため、生活のレベルが保てるでしょう。
独立を考えていたり、転職を重ねたりする場合も、大企業の名前が有利に働くことがあります。
年収アップが期待できる
大企業の給料はボーナスや手当昇給を合わせると、高い傾向にあります。
転職後は第二新卒も、年収アップが期待できるでしょう。
退職金もしっかり設けられている企業が多いため、定年まで安心して働けることも魅力です。
大規模な仕事ができる
大企業で経験を積めば、大規模な仕事に関われる可能性が高いです。
最低でも10年程度の実績が必要ですが、社会的に需要のある業務や、技術の発展に貢献できる仕事を担当できることがあります。
業務の上流工程や大規模な仕事を経験できることも、大企業ならではの魅力です。
大手に転職するデメリット
第二新卒が転職するデメリットをまとめました。
個人で企業に求める条件が異なるため「大企業=働きやすい」とは一概に言えないことに注意してください。
大企業への転職を成功させる方法と後悔しないために知るべきリスクを解説
年功序列制度で評価されにくい
大企業の管理職になるまでの社員は、勤務年数をもとにしたクラス分けで給料が決まっていることが多いです。
年功序列制度のため若手社員がどれだけ頑張っても、思うように成果に結びつかない可能性があるでしょう。
年功序列のスタイルに合わない人は、大企業への転職でミスマッチを起こす場合があります。
人間関係に派閥がある
大企業は人間関係に派閥がある可能性が否めません。
とくに、学歴が根付いている会社も多く、学閥があることも考えられるでしょう。
出身校や学部によって社員が集団化しているといったケースも珍しくありません。
学閥に属さない人間や、興味がない人には居づらい環境と予想できますね。
IT化に遅れている企業もある
大企業の中には、IT化が遅れている会社もあります。
社会やインフラに大きく影響する業務内容の企業は、ミスが発生したり品質が落ちたりすることをおそれる傾向です。
現状維持のために、必要以上のIT化が進められないことが考えられます。
企業にIT化推進の意欲がないと、テレワークが不可能なため住む場所が限定されたり、連絡手段が限られたりする可能性もあるでしょう。
風土にミスマッチを起こすことがある
企業の雰囲気や文化を風土や社風と言いますが、マッチしないと仕事がしづらいことがあります。
体育会系の社風であったり、古い習慣が未だに続いていたり、昔ながらの企業や業界にはそういったデメリットが考えられます。
トップダウンの傾向がある大企業も存在しているため「上層部の言うことは絶対」という環境に抵抗がある人には転職をおすすめしません。
トップダウンとは
経営層や上司の一言で全てがひっくり返るような風潮
若手の意見が反映されにくい
第二新卒を採用している大手企業一覧
第二新卒を採用している大手企業を一覧表にしました。
大手企業といっても採用難易度が業界や会社によって異なるので注意してください。
コンサルティング | デロイトトーマツコンサルティング アクセンチュア NTTデータ経営研究所 三菱UFJ リサーチ&コンサルティング 野村総合研究所 日本総合研究所 |
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IT業界 | 富士通 日本IBM NTTデータ |
WEB系 | 楽天 Zホールディングス GMO エムスリー ヤフー メルカリ サイバーエージェント ベネッセコーポレーション |
メーカー | ソニー パナソニック キヤノン 日立製作所 トヨタ自動車 ブリヂストン 任天堂 日清食品 サントリー 味の素 TOTO ヤマハ ニコン |
金融系 | 三菱UFJフィナンシャル・グループ 三井住友フィナンシャルグループ みずほフィナンシャルグループ 新生銀行 りそな銀行 野村證券 大和証券 SMBC日興証券 |
総合商社 | 三菱商事 伊藤忠商事 丸紅 三井物産 住友商事 |
放送・通信・インフラ | NTTドコモ 日本電信電話 ソフトバンクグループ KDDI NHK 日本テレビ 東日本旅客鉄道 日揮ホールディングス |
物流 | ヤマト運輸 IHI 日本通運 日本郵政 |
サービス | リクルートホールディングス オリエンタルランド エムスリー ベネフィット・ワン |
不動産 | 東建コーポレーション オープンハウス 大東建託 |
未経験者を採用している大手企業もある
第二新卒であれば未経験者を採用している企業も多くありますが、成長性と期待値を証明しなければ転職の成功には結びつかないでしょう。
第二新卒は、前職での経験が3年程度またはそれ以下といった人も多い傾向です。
未経験者を採用する企業の研修制度や昇給率をよくチェックしてから、転職を決めてください。
コンサルティングの大手企業
コンサルティング系の大企業には、以下の会社があります。
- デロイトトーマツコンサルティング
- アクセンチュア
- NTTデータ経営研究所
- 三菱UFJ リサーチ&コンサルティング
- 野村総合研究所
- 日本総合研究所
大手企業の採用には学歴と経験が重視される傾向があります。
業界の特色 | 採用は学歴と経験に一定の決まりがある可能性が高い |
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転職難易度 | 外資系企業は学歴に決まりがあることが多い 社会人1年目は対象外の可能性が高い 新卒で社会人3年目までの場合は営業や管理部門の経験が優遇される 特化した専門性がないと採用が難しい |
メリット | 年収や給与ベースが高く安定している 3年目以降は規模の大きい仕事に携われる可能性がある 社会的信用度が高い 研修制度や福利厚生が手厚い |
デメリット | 成果次第で報酬が決まる 個人に任される業務の量が多い 転職後に多忙となる可能性が高い 昇進が望めない場合は仕事を続けづらい環境 |
IT・WEB系の大手企業
IT・WEB系の大手企業は、以下の企業が有名です。
- 楽天
- Zホールディングス
- GMO
- エムスリー
- ヤフー
- メルカリ
- サイバーエージェント
- ベネッセコーポレーション
会社の人気が高く社員も優秀な人が多いため、中途採用の場合でも求められるレベルは並み以上と考えてください。
Web系の企業は革新的な会社も多く、第二新卒を積極採用している可能性があります。
業界の特色 | 比較的革新的な会社が多い |
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転職難易度 | 情報収集が必須でトレンドや競合も把握しなければならない 社員のレベルと学歴が比例して高い傾向 基礎力やフラットな姿勢スピード感が重要 メーカーや金融系とはジャンルが異なる |
メリット | 年収や給与のベースが比較的安定している 福利厚生に特殊な手当がある企業も多い |
デメリット | 風土が合わないことがある 能力主義だが業務の量が多い可能性がある マッチしなければ業務に抜てきされないことがある |
エンジニアに強い大手企業
- 富士通
- 日本IBM
- NTTデータ
IT系の求人は、専門性の高いスキルを持っていなければ転職が難しいでしょう。
プログラマーの転職で大手を狙うコツを徹底解説!レベルや中小との違いは
業界の特色 | 企業によっては採用スタイルが保守的 |
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転職難易度 | 転職経験が多いほど不利 学歴に決まりがあることが多い 業種によってはエンジニア未経験者は不可 |
メリット | 社会的信用度が高い 年収や給与のベースが比較的安定している 規模の大きい仕事に関われることがある |
デメリット | 年功序列で若手が評価されにくい可能性がある 形式的な会議があることも多い |
メーカーの大手企業
メーカー系の大手企業の例をまとめました。
- ソニー
- パナソニック
- キヤノン
- 日立製作所
- トヨタ自動車
- ブリヂストン
- 任天堂
- 日清食品
- サントリー
- 味の素
- TOTO
- ヤマハ
- ニコン
メーカー系の特色として保守的な風土が多く、採用する人材にもある程度の条件が決まっている可能性が高いです。
メーカー系企業の求人は数が少なく、決められたエージェントで非公開求人として扱われていることがあります。
業界の特色 | 保守的な人材採用が見られる |
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転職難易度 | 人員不足の人材を確保するため大量採用は難しい 同業種経験者が優遇される 社会人経験2年以下の人材は難しい傾向にある 採用人材の学歴に決まりがある 転職者が多く難易度が高い |
メリット | 規模が大きく社会的な需要に応える仕事に関われる 研修や福利厚生の制度が手厚い 社会的信用度が高い |
デメリット | 年功序列制度で第二新卒は評価されにくい 個人に任される仕事の幅が決まっている |
金融系の大手企業(銀行・証券・保険など)
金融系の大手企業の一例をまとめました。
- 三菱UFJフィナンシャル・グループ
- 三井住友フィナンシャルグループ
- みずほフィナンシャルグループ
- 新生銀行
- りそな銀行
- 野村證券
- 大和証券
- SMBC日興証券
基本的に第二新卒の求人は少なく、経験や専門性がなければ採用される可能性は低いでしょう。
同業種で活躍した人材であれば、転職成功の期待がもてます。
業界の特色 | 採用スタイルは非常に保守的 |
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転職難易度 | 求人数が少ない 偏差値や学歴に条件があることが多い 社会人2年目以下の人材は対象外という企業もある |
メリット | 年収や給料のベースが安定している 社会的信用度が高い 業界的に企業の安定性が高い |
デメリット | 年功序列で成果が評価に反映されにくい 高い専門知識が求められる 形式だけの稟議や会議が行われる場合がある |
総合商社の大手企業
総合商社の大手企業は以下の通りです。
今回は5大総合商社と呼ばれる企業を紹介します。
- 三菱商事
- 伊藤忠商事
- 丸紅
- 三井物産
- 住友商事
業界の特色を紹介しますが、あくまで参考程度に受け取ってください。
魅力的な仕事内容と高い給与の影響で、第二新卒の転職は難易度が高い傾向です。
業界の特色 | 商社で活躍したキャリアがなければ第二新卒から総合商社に転職するのは難しい |
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転職難易度 | 偏差値や学歴に条件があることが多い 社会人経験に条件がある企業も多い 高いコミュニケーションスキルや法務財務といった分野の情報収集能力が必須 多数の関係者と交渉する能力が求められる 投資先の状況を把握することも必須 |
メリット | 給料が一般的な企業よりも高い 規模の大きな仕事に携われる グローバル拠点があるので海外勤務が可能 |
デメリット | 仕事量が多い 勤務時間が不規則 転勤や異動の可能性が高い 得意先の接待をしなくてはならないことがある |
放送・通信・インフラの大手企業
放送・通信・インフラの大手は、以下の企業があります。
- NTTドコモ
- 日本電信電話
- ソフトバンクグループ
- KDDI
- NHK
- 日本テレビ
- 東日本旅客鉄道
- 日揮ホールディングス
上記の業界を目指す場合、採用応募後に企業からリアクションがなければ難しいでしょう。
自分一人で就活することはおすすめしません。
成功するためには、転職エージェントを活用してプロのサポートを受けましょう。
業界の特色 | 採用の型式が古い企業も多い 人材の採用も保守的 |
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転職難易度 | 離職率が低く求人数が多くはない テレビ業界はホームページから個人情報を送信し、企業からリアクションがもらえなければ書類応募に進めない |
メリット | 平均年収が高く離職率が低いため安定して仕事ができる 社会的信用度が高い |
デメリット | 一人で就活することが不可能に近い 企業によっては社風が合わない可能性がある 取引先との接待が必要な業界も多い |
物流の大手企業
物流業界の大手企業の例は以下の通りです。
- ヤマト運輸
- IHI
- 日本通運
- 日本郵政
平均年収は600万円以上の企業が多い傾向ですが、会社によって差があります。
業界の特色 | 企業によっては採用に保守的 |
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転職難易度 | 学歴や経験に条件がある可能性が高い 海運企業への転職はトップレベルに難易度が高い 資格や英語力が試される企業も多い |
メリット | 平均年収が高い 業績が安定している企業も多い |
デメリット | 業務が遅くまで続くことが多い 運転免許が必須 体力と精神的なタフさが必要 |
サービス業の大手企業
サービス業の大手企業の例をまとめました。
- リクルートホールディングス
- オリエンタルランド
- エムスリー
- ベネフィット・ワン
店舗サービスの大手業界の特色として、求人は多い傾向で店に出て仕事をスタートすることがほとんどです。
業界の特色 | 採用人材の選考が保守的 |
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転職難易度 | データ分析や数字に関わる仕事の実績が有利 企画や生産管理などの経験を行かせないと本部への転職は難しい |
メリット | 年功序列の傾向が一定数ある 社会的信用度が高い 研修制度や福利厚生が手厚い |
デメリット | 優秀な人材と判断されなければ本部への異動がむずかしい 現場での就業は休日や給料の条件面でマッチしないこともある 年収1,000万円を超えるためには上層部への昇格が必須 |
不動産の大手企業
不動産の大手企業の例は以下の通りです。
- 東建コーポレーション
- オープンハウス
- 大東建託
不動産業と一口で表しても、物件賃貸や売買仲介、デベロッパーやコンサルティングなどさまざまな分野に分かれます。
業界の特色 | 採用に関してはやや保守的な傾向 |
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転職難易度 | 求人数は少ない業界ではない 第二新卒も実績が重視される 不動産関連の資格が必須の職種もある 自分の本質をアピールする能力が必要 意欲の高さと持続性もアピールすると有利 |
メリット | やりがいが大きい 責任のある仕事を担当できる 若年層も活躍できる可能性がある |
デメリット | 景気に左右されやすい傾向がある プレッシャーや責任が大きい |
第二新卒におすすめの転職エージェント
第二新卒の大手転職におすすめのエージェントは、ハイクラス向けのサービスを使用しましょう。
大企業は求人を掲載する転職エージェントを絞っていることが多いので、複数の登録がおすすめです。
ビズリーチ
ビズリーチはハイクラス向けの転職サイトで、転職後の年収アップが期待できます。
希少な求人も掲載されており、大手企業への転職に有利なサービスです。
プロであるキャリアアドバイザーの目から自分の市場価値を判断してもらえるので、マッチする企業に出会いやすいでしょう。
求人やヘッドハンターの質が高いことも特徴です。
JACリクルートメント
JACリクルートメントは、管理職や専門職への転職サポートが受けられるエージェントです。
コンサルタントの総数は約1,200名を誇り、サポートは約43万人の実績があります。
年収800万円以上のハイクラスや大手企業の求人も多数記載されているため、キャリアアップが期待できるでしょう。
第二新卒によくある転職の疑問を解消【Q&A】
第二新卒が大手に転職するときに多くある疑問をまとめました。
解決策とともにチェックしましょう。
Q.第二新卒は大手の転職に有利?
第二新卒は大手の転職に有利な傾向です。
正社員経験があり、若く柔軟性に富んでいる人材は、ポテンシャルを期待して採用される可能性があります。
入社後の昇進や受け入れ体制が整っている大手企業も多いため、キャリアアップも見込めるでしょう。
Q.就業経験は3年以上あった方がいい?
職務経験が応募条件に設定されている場合は、3年以下の勤務期間では不利に働く可能性があります。
ただし、勤務年数よりもスキルや実績を重視する大手企業もあるため、一概に就業経験は3年以上ないと不利とは言い切れません。
Q.第二新卒が気を付けたい面接対策は?
第二新卒は、転職の際に社会人になったあとの経験をPRしましょう。
前職で何を学んだのか、目標のためにどんなことをしたか具体的に伝えてください。
経験を転職先の大手企業でどう活かすか、採用担当者がイメージしやすいようにまとめるとベストです。
Q.第二新卒におすすめの職種は?
第二新卒におすすめの職種は、転職前に経験した業務が生きる仕事です。
実績があれば、即戦力として活躍できます。
経験やスキルを備えていれば、就活のときも有利に働くでしょう。
第二新卒が大手へ転職することは不可能ではない
第二新卒が大手へ転職することは不可能ではありません。
ただし、求人を常に公開している大手企業は少ないため、転職エージェントを活用すると有利です。
効率的に転職活動を行いたい人には、エージェントの複数登録をおすすめします。