「夫が突然仕事に行かなくなってしまって、なんて声をかけたらいいのか分からない・・。」
パートナーが働かない状態がずっと続くのは、精神的にも経済的にも苦しいですよね。パートナーはなぜ働きたくないのでしょうか?対処法はあるのでしょうか。
パートナーが働かないのは、あなたが原因ではありません。
しかし、働かない夫への声掛け次第で、働く意識をもってくれる可能性もありますし、反対にやる気を削いでしまう可能性もあります。
今回は夫が働かない心理から働く気にさせる方法を、徹底的に解説していきます。
また本記事はワーク・ライフバランスコンサルタントの小山佐知子さんに監修をいただいています。
記事監修
小山佐知子さん
https://tomobataraki-mirai.jp/
ワーク・ライフバランスコンサルタント
ソーシャルプラットフォーム「共働き未来大学」ファウンダー
専門は働く女性のライフ&キャリア、女性活躍推進、家庭経営。個人と組織それぞれのサスティナブルな未来づくりをサポート。2020年より働くママ向けWebメディア「LAXIC(
目次
夫が働かないときに最初に確認すべきこと
パートナーが働かなくなったら最初に確認すべきことは「働く気はあるけど働かない(働けない)のか」「働く気がなくなってしまったのか」です。
働く気はあるけど働かない(働けない)場合は、妻の声掛け次第では働くようになる可能性もあります。
仕事がかなりハードで体力的・精神的に「しばらく休みたい」と言っている場合は、妻が働くことを急かしてしまうと逆効果です。
もう働く気がない場合は、あなたが働いて夫を支えるか、離婚を考えるか、夫が働く気になるまで待つかという選択になるでしょう。
あなたの夫がどちらのタイプかで、かけるべき言葉も対処法も違ってきます。
夫が働かなくなったらまず、働く意思があるのかないのかを確認しましょう。
働かない夫の心理
働くことが楽しくない
働くことが幸せと感じておらず、働かなくなってしまったケースです。
今の職場で働きたくない理由ができた、もしくは働くこと自体に幸せを感じなくなっていると考えられます。
特に毎日同じ作業を繰り返していて、働く事で得られる喜びを見いだせなくなっている状態の方も多くみられます。
マンネリ化という言葉があるように、仕事に毎日変化がないと、楽しさがなくなり労働の時間の経過がどんどん長く感じられていきます。
最近では働かずに家事をして生活したいと考える夫もいます。
仕事がつまらないと感じる理由と手遅れになる前に取るべき解決方法
職場選びで妥協できない
今の職場からの転職を考えている夫もいると思います。
次の職場が見つからない夫の中には、プライドが高く「働きたい場所が見つからない」という男性もいます。
「そんなこと言わないで働いてよ!」というのが本音ですが…。
このタイプは、自分の能力を発揮できる仕事がないと思っています。なぜ働かないのかを聞くと、会社や社会や環境のせいにして、次の職場を決めることができません。
本来ならある程度の条件を満たしていれば、家庭を支える立場として、ある程度妥協はすべきところです。
しかし自分の抑えが効かずに、どうしても職場選びで妥協することができなくなってしまう方が多いのです。
理想の職場といえば聞こえはいいですが、結局はわがままになってしまうことが多いのです。
楽な状態になれてしまった
1度働かないことの楽さを覚えてしまうと、働かないことに慣れてしまいます。
いわゆる「さぼり癖」です。
頑張ろうという気が起きなくなってしまう、または頑張ろうと思っても頑張れなくなってしまいます。
前に仕事をしていた時のつらい環境から楽な環境に慣れてしまったことで、自分から辛い環境に踏み込むことができなくなってしまいます。
人間楽な方に行きたくなりますから、わざわざ時間をかけてまで転職するのは面倒です。
無理をして転職活動をしても、すぐに楽な環境に戻ってきてしまうこともあります。
転職活動でやる気が出ないよくある理由とモチベアップの対策を徹底解説
完璧主義
プライドが高く完璧主義すぎると一度仕事に行かなくなったことで「もういいや…」と諦めてしまう可能性もあります。
ミスをして仕事に行くことが嫌になることもあるようです。
どちらにせよ仕事を休んだことに罪悪感を覚えて、ますます仕事に行きづらくなってしまい悪循環に陥ってしまいます。
また完璧に仕事ができない環境になったと自覚してしまうと、再度転職を繰り返す事態になってしまいます。
精神的にまいってしまった
夫が働かなくなったのは精神的な問題も考えられます。
うつ病などにかかってしまった場合、本人は働きたいと思っていても体が動かなくなったり、何をするにも嫌になってしまいます。
夫が仕事以外の日常生活にも支障が出ている場合は、精神的な問題が考えられますので、早めに専門医への相談を検討しましょう。
夫が働かないときの対処法
まずは話を聞く
まずは、働かないパートナーを頭ごなしに否定するのではなく、本人気持ちを聞きましょう。
もしかしたら、自分では言い出せないだけで、仕事内容や人間関係に悩んでいるかもしれません。
話を一通り聞いたら、自分の考えも必ず伝えてください。子供がいる場合は子供を育てられなくなる可能性や、働かない夫がいることで子供に悪影響を与える可能性もあること話して、夫婦間で問題を共有することが大切です。
「なんで働かないの!?」と言うより、家族みんなで解決しようとする姿勢を見せることが大切です。
信頼できる人に相談する
夫が働かないことで悩んだら、1人で抱え込まず信頼できる友人や家族相談してください。
夫が働かないのは、あなたの責任ではないですが、夫婦なのでどうしても悩んでしまいますよね。
あなたが精神的に辛くならないように、信頼できる人に相談しましょう。
夫を知る人(友人・前の会社の人・親戚)に相談すると、パートナーの違う一面も見ることができ、解決の糸口が掴めるかもしれません。
ただし相談していることを相談相手から夫にバラされてしまうと、夫のプライドを傷つけてしまうことにもなりかねません。
一度、距離をとってみる
本人は「働かなくては」と思っていても、あなたがいることで心のどこか「何とかなる」と安心しているかもしれません。
妻が「夫が働かないことに精神的不安・金銭的不安をもっていること」に気づいていない場合は、一度離れてみることで事態の重大さに気づくでしょう。
またあなた自身も、自分が夫とどうしていくかを冷静に考えるきっかけにもなりますよ。
精神的な原因が疑われる場合は早めのカウンセリングを
夫のうつ病が疑われる場合は夫婦でカウンセリングを受けましょう。
病気が原因の場合、自力でなんとかしようとしても解決できません。
人の意見は素直に聞けないけど、専門家の意見なら納得できる夫もいます。
カウンセリングに気が進まない方も多いと思うので、本人嫌がらなければ一緒に行ってみることをおすすめします。
小山佐知子
一緒に職探しをする
今の職場を退職して、転職を考えている方もいらっしゃると思います。
働く気はあるけど、行動に踏み出さないときは一緒に職を探してあげることも一つの手です。
ハローワークに一緒に行く・職探しの状況を聞くなどサポートしてみると、本人も行動しやすくなるでしょう。
小山佐知子
働かない夫に効果的な言葉
一緒に将来○○しよう
この「一緒に」というところがとても重要なポイントです。
子供を大学に行かせてあげよう。海外旅行をしよう。結婚式をあげよう。
一緒にと言うことで、「自分1人だけではない」という安心感が生まれます。
高い目標をもたせる言葉
「一緒に○○しよう」の進化系ですが、具体的な金額を提示して目標にすることでやる気が生まれます。
「なんで仕事に行かないの!?経済的に困るから仕事してよ!」
どうですか?働く気はあっても前向きに働きたいとは思えなさそうですね。
「将来、一軒家で一緒に暮らしたいから500万円を目指して貯金していこう。」
これだと、前向きに「よし頑張るぞ!」という気持ちになれそうです。
本人自身がわくわくする目標だと、一層やる気がでるはずです。
自分も辛いことをアピールする
働いてほしいことをやんわり伝えても深刻さを分かってもらえない場合、自分も悩んでいることを夫に伝えましょう。
家計簿を見せる・預金通帳を見せるなど具体的にどのくらい深刻なのかを数値で示すことで「やばい」という自覚をもってもらうことも1つの手段です。
あなたとの生活を本気で考えてくれている旦那さんなら、妻に苦労を掛けたくないという気持ちで行動してくれるでしょう。
一緒に仕事を探そう
今の職場をやめて転職しようと思っているけど、職探しの一歩踏み出せない夫には、一緒に職探しをする言葉をかけるとよいでしょう。
「探してよ!」と一方的に押しつけるのではなく「一緒に」というフレーズを伝えることでパートナーも前向きに仕事を探そうとするでしょう。
こんな言葉をかけるのは逆効果
頑張って
頑張ってほしいからつい言ってしまう気持ち、分かります…。
しかし、仕事に行きたくないのはなんらかの理由があります。理由を聞かずに頑張ってと言うのは夫にとっては苦痛です。
もし本人が精神的に参ってしまっている場合は、追い打ちをかけてしまい悪化してしまいます。
理由も聞かずに頑張ってと言うのは避けましょう。
頭ごなしに否定する
パートナー働かないことで、焦るしイライラしてしまい、つい喧嘩腰になってしまいそうですよね。
しかし、頭ごなしに否定してしまうと逆にやる気を削いでしまいます。
男のプライドを傷つけてしまうと自信がなくなってしまい、その後にも影響がでてしまいますので気をつけましょう。
小山佐知子
どうしても働かない夫。あなたが取るべき選択肢は
何を言っても試しても働かない男性は働きません。
いつまでも夫が働かない状態は精神的にも金銭的にも辛くなってしまいますよね。
どうしても働かないときは離婚も視野にいれる
夫が働くまで待つという選択肢ももちろんありますが、もう待てない限界だ!と感じたら離婚を考える必要もでてくるかもしれません。
残念ですが、いくらあなたの考えを伝えても働かない人はずっと働かない可能性もあります。
結婚はあくまで価値感が一致し、相手と一緒に過ごしたいと考えた時にするものです。
相手が働く気がないのに自分は働いてほしいと考えている点で、意識に相違が生まれていますから、離婚でそれぞれ新しい道を選択することも検討してみましょう。
パートナーを信じてあなたが支える覚悟を持つ
本人いつか働くと信じる。またはあなたが家計を支えて、本人は専業主夫になってもらう選択肢もあります。
今後、夫婦として生活していく自信があれば、あなたがパートナーを支えるのもありでしょう。
働くのを待つ場合、パートナーにだけに問題を押し付けるのではなく、家族全員の問題だとしてサポートしましょう。
小山佐知子
自分も働けないなら生活保護受給も検討し始める
妊娠中などで働けない状況にある場合には、生活保護受給も検討しましょう。
万が一パートナーに精神的な疾患があった場合、無理やり働かせるのは非常にむずかしいです。
しかし生活がどうしても成り立たないまま、生活を送ろうとしてしまうことで、文化的な生活ができなくなってしまう可能性もあります。
生活がどうしても苦しいと考えた場合には、自治体の生活保護に関連する課に連絡して、受給できないか打診してみましょう。
周りからあなたのせいと言われても気にしない
「夫が働かないんだよね…」「働かせるにはどうしたらいい?」と周囲に聞いたりネットで聞くと、決まって一部の人から「あなたが甘やかしているから」といわれることもあります。
しかしいくら家族といっても、一人の大人同士です。
子どもであれば育てた責任もありますが、血縁関係がない以上皆さんがそこまで面倒を見る必要はありません。
少々冷たいかもしれませんが、自分できちんと管理するようでなければ、一人前の大人としては恥ずかしいですよね。
周囲のひとは「あなたがしっかりしなければ」という意味合いで言っていることが多いのですが、第三者からのただのアドバイスとして受け取りましょう。
妻であるみなさんが「自分のせいだ」」と追い込まれる必要はありませんので、客観的な1アドバイスとして聞き流すことも重要です。
最終的に働くか働かないかは夫次第
あなたがパートナーをサポートすることや仕事に行くことを促すことはできますが、最終的に働くか働かないかは本人次第です。
あなたが何をしても無駄ということは十分にありえます。
いつまでも夫が働かない状態は精神的にも、金銭的にも辛くなってしまいますよね。
お金や職の問題は深刻です。夫を好きな気持ちだけでは生活していけません。
あなたの考えを伝えても働かない場合は離婚を考える必要もありますし、病気かもと思ったら、病院を受診させる必要があります。
まずはパートナーと一緒に考えて、今後どうするかを考えていきましょう。