デザイナーやクリエイターが就職活動や転職活動を行う際に必ず必要なのか“ポートフォリオ”です。
自分の作品を見てもらうためだけのものではなく、人柄や仕事への向き合い方などもこのポートフォリオで判断されます。
デザイナーやクリエイターにとって、ポートフォリオは非常に重要な役割を担っているのです。
この記事では、ポートフォリオの役割や基本的な作り方、作成時のポイントなどを解説していきます。相手に伝わるポートフォリオを作成しましょう!
目次
ポートフォリオとは?
ポートフォリオ(Portfolio)とは、直訳すると「紙挟み」や「降りかばん」のことを指します。
“複数の書類をまとめて持ち運べるケース”と捉えると分かりやすいかと思います。
バインダーやファイルとは異なり、運びながら中身を出し入れすることができ、“書類全体でひとつ”と捉えます。
見せる相手によって、内容を変えていく必要があります。
ポートフォリオは自己アピールのための作品集と言えます。
これまでの実績や自身の強みを相手に伝えるだけでなく、企業と自分の作品をつなげ、また新たな作品を生み出すための重要な役割を担っています。
デザイナー&クリエイターにとってポートフォリオの役割
デザイナーやクリエイターにとってポートフォリオは、“これまでの自分を表現する作品集”です。
これまでの実績やスキル、センスなどを評価してもらうための材料となり、デザイナーやクリエイターの就職・転職活動には欠かすことのできないものです。
人柄や考え方、仕事への向き合い方などもポートフォリオには表れます。
見てもらう相手にとって、ポートフォリオはこれから生み出される作品の参考になり、イメージもしやすくなります。
フリーランスで活動している人にとっては、ポートフォリオが重要な営業資料にもなります。
紙or WEBどちらで作る?
ポートフォリオは紙とWEB、2種類の作成方法があります。
紙のポートフォリオは、ファイリングしてあることで相手が見やすいという特徴があります。
WEBのポートフォリオは“動き”のあるものを表現できるので、WEBデザイナーにとっては相手に作品の良さを伝えやすい方法です。
紙とWEBのどちらで作るのかを判断する際には、希望している企業の要求やどう伝えたいのか、自分の作品はどちらの方が相手に伝わりやすいのかで判断すると良いでしょう。
面接の場合はその場ですぐにページをめくりながら会話ができるので、紙のポートフォリオが見やすく伝えやすいでしょう。
ポートフォリオに載せる基本的な項目
ポートフォリオの作り方に決まった形はありませんが、基本的な中身は、
- プリフィール
- デザイナー(クリエイター)として持っているスキル
- 自分の作品
以上の3点です。
プロフィール
履歴書だけでなくポートフォリオにもプロフィールを載せることで、履歴書+αの情報を伝えることができます。
履歴書だけではどうしても伝えられる範囲が限られているため、自分がアピールしたいプロフィールはポートフォリオで捕捉すると、より“自分”が伝わります。
- 名前
- 顔写真
- 生年月日
- 経歴
- 仕事への意気込み
- 自己PR
以上の要素を取り入れたプロフィールを意識すると、自分がどういう人物なのかが伝わりやすくなります。
デザイナー(クリエイター)として持っているスキル
どんなことができるのか、どんなスキルを活かした仕事ができるのかを相手に伝える必要があります。
例えば、イラストレーターやフォトショップ、ワードプレスなど自分が操作できるものを表やグラフにして一目で得意分野が分かるようにすると、自分のスキルも伝わりやすくなります。
自分の作品
未経験者の場合でも、1つは載せると良いでしょう。
- どうしてその作品を作ったのか
- どうやって作ったのか
- 作ったことでどうなったのか
といった、作品制作の目的や手段、そこから考えたことも一緒に伝えましょう。
製作期間や工夫したポイントなども情報のなかに取り入れます。
採用担当者は、その作品がユーザーに向けたものであるかどうかを見ています。
つまり、目的を意識して作られた作品であるかどうか、ということです。
ユーザー目線に立った作品作りはデザイナーやクリエイターにとって欠かせない要素なので、相手もとくに意識してポートフォリオからあなたの考えを知ろうとしています。
自分のスキルや強みを整理してオリジナリティを!
ポートフォリオを作るにあたって、自分のスキルや強みを自分自身で理解しておくことが大切です。
ポートフォリオは自己アピールの場です。自分が何を得意としていて、それをどんなことに活かせるのかということを相手に伝えることが重要なポイントになっていきます。
まずは自分が出来ることや得意なことをすべて書き出してみましょう。
自分のスキルを目に見える状態にすることで、自分でもそれらを整理しやすくなります。
ポートフォリオ自体も自分の作品です。ポートフォリオを作成する際にも、ひとつの作品を作るという意識で取り組みましょう。
相手が求めている情報が含まれているか、自分のことをどう伝えたいのかを考えながら全体の構成を考えることがポイントです。
ポートフォリオ作成サービスを利用する
作成に不安を感じている方は、ポートフォリオ作成サービスを活用することをおすすめします。
テンプレートなどが用意されているので、初心者でもスムーズにポートフォリオを作ることができます。
サービスによって無料のものと有料のものがあるので、自分の用途に合わせて注意して利用しましょう。
【ポートフォリオ作成サービスの一例】
- MATCH BOX(参照:https://matchbox.work/)
- Salon.io(参照:https://salon.io/)
- Behance(参照:https://www.behance.net/)
採用担当者が見ているところ
ポートフォリオから読み取ることができるのは、デザイナー(クリエイター)としてのスキルやセンスだけではありません。
就職や転職活動において採用担当者は、あなたのスキルやセンスだけでなく、人柄や考え方、仕事への向き合い方、価値観なども会話やポートフォリオから読み取ろうとしています。
“あなた”という人物を感じられるポートフォリオを採用担当者は見たいと思っているのです。
ポートフォリオで重要な部分
ポートフォリオの作成で意識したい重要なポイントは、「“自分”という人間をどう伝えたいか」ということです。
全体の構成
全体の構成を考えるときには、ストーリー性や流れがあるかどうかを意識しましょう。
紙のポートフォリオでもWEBのポートフォリオでも、1ページ目から最後のページまでに流れを感じることができる構成で作られていると、相手が最後まで見たいポートフォリオを作ることができます。
面接では時間も限られているので、希望する企業によって必要な情報を選択して取り入れましょう。
限られた時間のなかで見てもらうものだからこそ、全体の流れが重要なポイントになります。
載せる作品
ただ作品を載せるのではなく、作品に込めた思いやその作品ができるまでの過程で工夫したこと、作品ができたことによって生じた変化なども取り入れた内容にすることで、自分の考え方や仕事への向き合い方を伝えることができます。
希望する企業によって、価値観や求めるものは異なります。企業がどんな人材を必要としているかを理解したうえで、ポートフォリオに載せる作品も変えていく必要があります。
今後のビジョン
面接は、これから一緒に働く人を決める場です。
今後どんなデザイナー(クリエイター)になっていきたいか、どんな作品を作りたいか、作品を通してどんな影響を与えられる人になりたいかなど、企業とあなたの方向性を確認する場でもあります。
ポートフォリオにも、自分自身の今後のビジョンが伝わるような工夫が必要です。
ポートフォリオ作成時のポイント
前述したように、ポートフォリオ自体も自分の作品です。自分のスキルを見せるだけでなく、伝え方が重要なポイントになります。
そのためには自分がアピールしたいことばかりを盛り込むのではなく、相手が求めていることを理解したうえで自分のアピールポイントを選択することが大切です。
何よりも、ポートフォリオをひとつの作品作りと捉えて制作を楽しむことが、結果として相手に伝わるポートフォリオにつながります。
自分にしか作れないポートフォリオで仕事を掴もう!
いかがでしたか?
デザイナーやクリエイターにとって、ポートフォリオは自分自身をアピールする重要な役割をもっています。
ただ作品を並べるのではなく、自分にしか作れないものを意識することで、自己アピールになり相手にも伝わるポートフォリオになります。
そこから新たな仕事に関われるチャンスが生まれます。
自分のスキルアップも兼ねて、ポートフォリオの作成に取り組みましょう!