「ドライバーになりたいけど運送会社ってブラックのイメージが強い……」
「どうやったら優良な運送会社を見つけられるの?」
最近は労働状況が改善されつつある運送業界ですが、気をつけないとブラック企業に入社してしまうかもしれません。
そうならないためにも、優良な運送会社かが判断できるポイントや、優良求人の探し方について知っておく必要があります。
ここでは、入社前にチェックしておきたいポイントやドライバーになるための注意点、ドライバーの就職にオススメのサイトなどを紹介していきます。
目次
ドライバー・運送会社の現状について
運送会社はブラック企業が多いって本当?
運転免許があれば、誰でも稼ぎやすい職業として人気だったトラックドライバー。
しかし走れば走るだけ稼げるという給与システムのため、睡眠不足のドライバーが多発し事故を起こすということが社会問題になりました。
そのため「トラックドライバー=ブラックな仕事」というイメージがつき、ドライバーになりたい人材が低減したのです。
しかしブラックだったのはだいぶ前の話で、現在は労働環境の改善に力を入れている運送会社が多く見られます。
トラック業界の約45%は40歳〜54歳
トラック業界は大幅な人手不足です。平成30年4月の有効求人倍率は2.68倍となっており、約3人の求人に対して1人しか採用に至っていないという結果になっています。
またドライバーの高齢化も問題で、半数近くが40歳を超えているようです。
29歳以下の若手層は全体の10%にも満たない状況になっています。
また最近では女性のドライバーも見かけるようになりましたが、それでも全体の2.5%と非常に低い数値になっています。
参考:国土交通省(トラック運送業の現状等について)
http://www.mlit.go.jp/common/001242557.pdf
優良な運送会社とは?
ドライバーになって活躍するためには、優良な運送会社を選ぶことが大切です。
ここでは、優良な運送会社の見極め方を紹介していきます。
トラックがキレイに洗車されている会社
商売道具であるトラックをきちんと手入れしているかが、優良企業かを見極める大きなポイントです。
車両が洗浄されているということは、業務時間に洗車する時間があるということにつながるため、従業員に過度な労働をさせていないということが分かります。
車両が汚い会社は、車両の整備もきちんと行っているのか疑問です。
従業員を長い時間働かせていては洗車する時間も余裕もないため、車両の状態はブラックか否かを見極める基準となります。
安全装備がされているか
安全装備がされているということは、従業員を大切にしているということの表れです。
また社会的にも、安全・事故防止に努めるのは、会社を存続させる重要なポイントになってきます。
安全装備の代表的なものは以下の3点です。
- ドライブレコーダー
- デジタルタコグラフ
- バックモニター
ドライブレコーダー
ドライブレコーダーとは、車両のフロントガラスに取り付け、映像や音声などを記録する装置です。
交通事故やトラブルの際に、正確な状況が把握できる役割があります。
デジタルタコグラフ
デジタルタコグラフとは、ドライブレコーダーと同じ記録装置で、バスやトラックなどの業務用車両では装着が義務化されています。
ドライバーの安全管理が目的で使用され、運転速度やエンジンの回転数、走行距離などをグラフ化して記憶し、勤務状況の把握に役立てています。
バックモニター
普通自動車にも搭載されているバックモニターですが、車両が大きいトラックには必須のアイテムです。
とくに運転歴が浅いドライバーには非常に役に立ちます。
事故を起こさないためにも、4t以上のトラック(平ボデーを除く)でバックモニターをつけていない会社はNGと覚えておきましょう。
車両の保有数や従業員数は関係ない
車両の多さや従業員の多さなどで優良企業かどうかを判断する人もいるようですが、実際にはあまり関係ありません。
車両の保有数が少なくても、従業員を大切にしてくれる会社は五万とあります。
ただし従業員数をギリギリで経営している会社の場合、体調不良などで替えが効かないということもあります。
ドライバーは常に事故を警戒しながら運転しなくてはいけないため、体調が業務に及ぼす影響は大きいでしょう。
入社を考える際は、ドライバーの体制確認をしておくと安心です。
インフルエンザなどの感染病でも出社しなくてはいけない会社は、今後のドライバー人生を左右する可能性もあるため、遠慮したほうがいいかもしれません。
ドライバー・運送会社の優良求人の見分け方
仕事探しでは、インターネットを利用してドライバーの求人サイトを閲覧する人が多いと思います。
ここでは、求人に掲載されている内容のチェックするべきポイントを紹介していきます。
給料の内訳や残業手当をチェックする
ドライバーの給料は、基本給+歩合がほとんどで、他の職種と比べて基本給が手薄なのが特徴です。
歩合の割合が大きすぎると、働かなくては生活できないようになってしまうため、基本給がそれなりに確保されている会社を選ぶようにしましょう。
会社によってはみなし残業代込みの給与設定を設けている会社もあるので、注意が必要です。
また給与欄で「月収20万〜40万円」など、幅を持たせて記載されているときは、低い方を目安に考えて下さい。
最初から40万円をもらえる可能性は、事故を一度も起こしていないベテランドライバーであるなど、条件が付きものです。
勤務時間帯などの労働条件はどうなっているか
決まった日程や時間帯に荷物を届けなくてはいけないドライバーは、届け先によって夜勤や長時間の運転が強いられます。
中には1週間近くかけて荷物を運ぶ仕事もあるため、宿泊や徹夜が必要な業務もあるでしょう。
若ければ多少の無理ができたことも、年齢を重ねるごとにきつい勤務体制は体にも響きます。
労働時間や勤務体制、残業がどのくらい発生するのかも、長く働くためにはしっかりと確認しなくてはいけません。
福利厚生の充実度合い
運送会社によっては、寮を完備していたり、財形貯蓄制度を設けていたりと福利厚生が充実しています。
従業員の待遇に力を入れている企業は、できるだけ長く働いてもらいたいという企業方針がある可能性が高いです。
どのような福利厚生を設けているかをチェックすることで、従業員の労働状況を考えないブラック企業を排除できます。
ドライバー・運送会社の優良求人が見つかる転職サイト5選
ドラEVER
物流会社が立ち上げた、運送会社やバス・タクシードライバーの専用求人サイトです。
会社の紹介には画像や動画を使用しているため、これから働く会社がどんなところかが、より分かりやすくなってます。
職種も軽車両ドライバーから宅配ドライバー、寝台・霊柩車ドライバーまで豊富です。
会員登録すると、企業から直接スカウトされる機能もあります。
また寮・社宅完備の企業特集や運送業界お役立ちコンテンツなどもあり、ドライバーを目指すなら必ずチェックしておきたいサイトです。
Driver JOB
Driver JOB はドライバー専門の転職サイトで、北海道から沖縄まで全国に対応しているのが特徴です。
長距離ドライバーからトレーラー、フォークリフト、引越しドライバーまで、さまざまなドライバーの仕事を掲載しています。
未経験歓迎の仕事も多く、LINE登録しておくと、企業からのスカウトが届く仕組みになっています。
Driver JOBでは約80%の求人が非公開となっているため、好条件を望むのであれば登録しておきたい求人サイトです。
トラックマンジョブ
トラックマンジョブはドライバー専門の求人サイトで、全国のドライバー求人を掲載しています。
求人の情報が詳しく掲載されており、1日の業務の流れや先輩たちの声、会社の安全への取り組みなどが書かれているのが特徴です。
正社員の求人が8割以上ある点も見逃せません。長く働きたい、安定した収入を手に入れたいという方におすすめです。
会員登録すると、登録した希望条件にマッチする求人がメールで届くので、仕事をしながら転職活動をしている人にもピッタリのサイトです。
インディード
コマーシャルでもお馴染みのインディード。実はインディードは求人サイトではなく、求人に特化した検索エンジンです。
企業が掲載元にお金を払って求人を掲載しているわけではありません。
インディードはサイト内にある膨大な数の求人を勝手にピックアップして、結果を表示してくれます。
そのため求人件数は圧倒的に多く、正社員は約80万件、アルバイトは約90万件となっています。地方などで求人数が少なく、ひとつのサイトで端的に検索したいという人に向いているサービスです。
タウンワーク
駅やコンビニなどで見かけたことが多い、リクルートが運営するタウンワークは、求人数が多いのが特徴です。
雑誌のイメージが強いですが、webも運営しており、特定のエリアが絞れたり駅ごとに検索ができたりと、検索機能が充実しています。
写真を多数掲載して職場の雰囲気がつかめるのも、求職者にとってのメリットとなっています。
キープ機能や閲覧履歴、web応募済み、電話済みなどが確認できるのも使いやすい理由のひとつです。
タウンワークはアルバイトのイメージが強いですが、正社員の募集も多く、自分の希望にあった働き方が選べます。
ドライバーになるための注意点
大手運送会社だから稼げるわけではない
「大手に入社したら稼げる」と思って、大手ばかりを狙う求職者もいるようですが、決してそうではありません。
働き方改革による国の働きかけで、ドライバーの勤務状況は良くなってきていますが、もらえる給与も働いた分だけになってしまうからです。
しかし大手企業であれば、倒産の可能性は低くなり、その分安定した生活が送れるというメリットがあります。
忙しくてもいいから稼ぎたいのか、無理なく長く続けたいのかを判断して決めていくことが大切です。
違反歴や事故歴の有無
運送会社の義務として、人材を採用する際は「事故歴・違反歴」を把握する必要があります。
面接ではこの2点について必ず聞かれますが、ウソは厳禁です。
「本当のことをいうと不採用になるかもしれない」といって虚偽の報告をしても、運転記録証明書を求められたらすぐにバレてしまいます。
こんな運送会社には要注意!
応募する際には以下の2点に注意して、会社を選んでいきましょう。
常に求人募集をしている
これはどの業界でも当てはまりますが、いつも募集しているということは、それだけ辞める人が多いということです。
従業員の定着率が低い会社は、優良企業であるわけがありません。
給与や勤務条件がよくても、入社してみると違っていたということも起こってしまいます。
いい会社は人が離れませんので、「この会社いつも募集しているな」と思ったら要注意です。
新車導入をアピールしている
ドライバーになりたい人の中には、車好きや運転好きが多いと思います。
どうせ乗るなら新車がいいというのも当然です。
しかし新車を求人のアピールポイントにしている会社は気をつけて下さい。
新車を購入するのは大きな資金が必要になり、従業員に負担をかけている会社もあるようです。
社長が車好きで、新車を頻繁に購入している会社は要注意です。
ドライバーに転職して後悔することが多い?後悔しない転職方法を解説
ブラックとホワイトの運送会社を見極めドライバーになろう!
運送業界は、以前に比べると労働状況は改善されブラックのイメージも払拭されつつあります。
しかし中には従業員を違法に働かせる会社もまだまだ健在しているため、応募する際には求人項目や企業情報をしっかりと調べる習慣をつけましょう。
稼ぎたい人とライフワークバランスを重視したい人とでは、選ぶ会社も違ってくるので、何を重視したいかをリスト化するのもおすすめです。
運送業界は人手不足のため求人も豊富。あなたがいい会社に出会って、自分らしく働けるよう応援しています。