営業職と聞くと会社の花形部署であるものの、中には「ブラックだ」という人もいます。
営業職への転職を目指している人からすれば、「ブラックなら転職を辞めたほうがいいかも」と思いますよね。
結論、営業職全体がブラックではなく、営業スタイルが自分に合っているか、企業選択が適切かでブラックと感じるかが変わってきます。
そこで今回はそもそもの「ブラック」の定義から、激務になりやすい営業職の特徴、またいい企業選択をするためのコツを紹介していきます。
目次
営業職がブラックが多いのではなく企業の体制と向き不向きによる
結論、営業職すべてがブラックなのではなく、企業の体制と向き不向きによって異なります。
企業によっては社員の健康を考えたうえでの業務設定をしているところもあります。
企業の体制がブラック寄りかどうかで、営業職の扱いも変わってくるのです。
また営業職がブラックと感じられる原因には、営業職の向き不向きもかかわってきます。
営業職は顧客とのコミュニケーションや資料作成等様々なスキルが必要になります。
根本的に向いておらず、業務が間に合わなくなったことで長時間労働や休日に対応することもあります。
ブラック企業とは?
「あの会社はブラックだ」「日本はブラック企業だらけだ」なんて言葉を良く耳にしますよね。
では、そもそもブラックとはどういったことを意味しているのでしょうか。
どのようなことをブラックと呼ぶかを解説していきたいと思います。
ブラック企業という言葉が生まれたきっかけ
ブラック企業という言葉が社会でよく耳にするようになったきっかけは何でしょうか。
それは、退職率の増加、会社での精神的ストレスによる、うつ患者の増加と自殺者の増加が原因とされています。
日本人は働き過ぎだと良く言われますが、海外と比較するとまさにその通りで、休みの少なさや就業時間の長さが問題になることが多くありました。
最近では、「ノー残業デー」を作っている会社が増え、社員を休ませる取り組みを心掛けている企業が増え、ブラックというマイナスなイメージを持たれないよう、各企業の努力がみられます。
ブラックな営業職に共通する5つの特徴
営業職すべてがブラックであるとは言い切れませんが、中にはブラックな働き方を強いられている企業があるのも事実。
営業職にブラックな労働をさせている企業に共通する特徴は以下の通りです。
長時間労働
1つ目は、長時間労働です。
労働基準法では、「1週間の内休憩時間を除く40時間以上の労働をさせてはいけない。また、1日に休憩時間を除く8時間以上の労働をさせてはいけない」とあります。
残業においても労働基準法での取り決めは存在し、そもそも残業をさせるために届け出をする必要があります。
この基準を守らずに、従業員に仕事をさせる企業が未だ存在しているのが現状です。
また、企業によっては、残業に見合った賃金の支給をしていない企業もあります。
休暇が取れない
2つ目は、休暇が取れない、希望休みを出せないことです。
休みが満足に取れないのもブラックの特徴と言えます。
また、希望休みを申請してもそれ通りに休みが取れることが少ないのも特徴です。
休みが少なく、仕事が大変であると「1日中寝ていた」「家にいて家事をやっていたら1日があっという間に終わってしまっていた」という経験をされている方は多いのではないでしょうか。
希望休みが取れないことから「友人の結婚式」「国内外の旅行」などに行ける機会が激減し、関わる交流関係が狭まりストレスを抱える人も少なくないでしょう。
賞与が少ない
3つ目は、給料が低い、賞与が少ない、昇給されない、残業が出ないなどの金銭面です。
労働時間が長いわりに給料が低く、時給換算をしてみると900円を下回っているなんてことは当たり前にあります。
その地域の最低賃金を下回っていては、働くモチベーションは上がりませんよね。
また、賞与が少ない、むしろ賞与の支給すらない企業も存在しています。
企業で仕事をしている人であれば、半年に2回、1年に1回の賞与を楽しみに日々頑張っている人もいます。
その賞与が少なかったり貰えなかったりとなると、企業に対しての不満が募り、結果的に世間ではブラックと呼ばれることになります。
退職率が高い
4つ目は、退職率が高いことです。
退職率が高いということは、その企業に対しての不満を抱く人が多くいることを示します。
理由は様々ありますが、退職率が高いという理由だけでブラックと呼ばれてしまうのが近年の傾向です。
パワハラが横行している
5つ目は、パワハラ、セクハラです。
数年前に大問題になったパワハラやセクハラ、これが原因で自殺者や退職者が増え、社会問題になりました。
ここ最近生まれたパワハラという言葉やセクハラは、いまや上司の立場の人間は常に気にかけなくてはいけないポイントになりました。
以上が主にブラックと言われる共通点になります。
細かく上げていけばまだまだ沢山出てきますが、代表的なものだけ今回はご紹介しました。
【怖すぎ】ブラック企業あるある!一つでも当てはまったら転職を!
激務・辛いといわれる営業の種類3選
企業によってもブラックかそうでないかは異なるため、一概にこの企業がブラックだと判断することはできません。
しかし実際に働いている人の声を参考にしてみると、営業の中でも下記野3種類で激務・辛いと感じている方が多いようです。
- 個人営業
- 無形商材の営業
- 新規顧客営業
以下で詳しく解説していきます。
個人営業
個人営業とは、BtoCとも言われるお客さんに直接営業するスタイルの営業のことを指します。
販売する商品は多岐にわたり、保険などの金融商品から日用雑貨、通信サービスなど様々です。
実際にお客さんに直接商品の魅力について説明していくのですが、話を聞いてもらうまでの労力がかかります。
電話や声をかけて話を聞いてもらうところからスタートするので、実際に営業トークを始めるまでに無視されることの方が多数。
全くの他人から完全に無視されることも多く、精神的にきついと感じることも多いです。
また取り扱う商材によっては、土日にも顧客対応が必要になることもあります。
プライベートにも仕事が入りこむことがあるので、ワークライフバランスを意識して働きたい方には向かない可能性があるのです。
無形商材の営業
無形商材とは、サービスやサポート等、物体の実態がないものを販売する営業のことを指します。
通常商品を売り込むときには実物を見せて、メリットをアピールすることが多いです。
しかし無形商材の場合は、その場で手に取ってみてもらう商品がなく、実例や資料、実績など情報で勝負を仕掛けることが多いです。
そのため事前準備を徹底して行ったり、営業の際も不信感を払しょくするために信頼関係づくりが必要になります。
うさん臭さを感じられてしまうこともあり、お客さんに話を聞いてもらえないことも多々あります。
新規顧客営業
新規顧客営業とは、既に企業が獲得している営業先ではなくリストアップした取引のない人たちに対して、新規で営業をかけていくスタイルです。
そのため訪問をしたり架電をしたりと、まずは話を聞いてもらえる土台作りを徹底していく必要があります。
新規顧客営業は上述した営業と同様に、精神的にも体力的にも辛さを感じる人が多いです。
時には100件以上の営業をかけることもあり、そのうち1件も獲得できないことも。
途中で試行錯誤をしてスキルアップする必要もあり、精神的に強くないと途中で挫折してしまうことも多いです。
その中でノルマを設けられることもあり、数字と獲得件数に挟まれて、残業や休日対応をする方もいるようです。
ブラック企業が少なく働きやすい営業の特徴
ブラック企業かどうかは個人の感じ取り方によって左右されますので、一概には言えません。
しかし下記の営業職は比較的働きやすいといわれています。
- ルート営業
- BtoBの営業
ルート営業
ルート営業は既に企業の獲得している顧客に対して、アフターフォローや提案を行うのがメイン。
そのため新規で営業する必要がないのが大きなメリットです。
もちろん取り扱っている商品や先方への理解度を高めることも求められるので、全く努力をしなくていいわけではありません。
「BtoB」の営業
営業職と言っても業界によって相手にするお客様やサービスが異なります。
例えば、商品開発に力を入れやすいサービスが提供できる企業の営業は、サービス内容の説明が上手いかどうかというより、圧倒的なサービスの力で営業が成立してしまうからです。
それは、主に企業を相手に営業をするいわば「BtoB」の営業です。
「BtoB」の営業にはこんな業界が存在します。
「食品メーカー」「自動車メーカー」「自動車部品メーカー」「専門的な機器を販売するメーカー」「電気系メーカー」などがあります。
比較的「何々メーカー」といわれる業界の顧客ターゲットは絞られ、販売先や営業先がある程度決まってきます。
もちろん、メーカーですので、各商品の細かい要望に多少の無理があるものも要求されます。ですが、営業という視点では比較的サービスを提案しやすいでしょう。
実際にあったひどいブラック企業の実例
実際にあったブラック企業で働く、私の知人のエピソードをご紹介します。
27歳男性、機械系メーカーの営業、独身。
入社5年目、基本給26万円という方がいます。
1週間の内、6日間は地方出張に行き、その際の経費は、翌月に会社から支給されるため、それまでは自分の給料から立て替える必要が常にある状態です。
経費の前借はできず、毎月40万近くの経費がかかるようです。
給料の金額を超えていますよね。
また、1週間の内、1日のみ休みがありますが、顧客対応があれば、半日仕事に出なくてはいけないようで、それがまた出張になるため、実質、休み無しの状態が続きます。
その生活を5年続けていますが、給与は入社1年目から大きく変わることのない日々を送っています。
典型的な、長時間労働、低収入なブラック企業のエピソードと言えます。
企業の営業職がブラックかを見極める4つのポイント
では、営業職を経験したいが、ブラックな職場にはいきたくないという人はどうするべきでしょうか。
就職をする会社を探す際に見るのが求人広告ですよね。
その求人広告を見る際に気を付けるべきポイントを紹介します。
ただし、企業によって異なりますので1つの参考として見ていただければと思います。
求人に記載されている労働時間が本当か
どの求人広告にも記載されているのが、労働時間についてです。
大体の企業は「残業ほぼなし」「1日就労8時間」と書かれています。
広告の段階で労働基準法を違反するわけにいきませんから当然です。
しかし、実際に働いてみたら、毎日残業する羽目になるケースもあります。
ですので、広告にある就労時間を当てにはせずに、面接の際にしっかりと確認するようにしましょう。
固定残業代の時間
求人広告に記載されている基本給に関しては、概ね、その通りになるかと思います。
確認すべきは、残業代が働いた分支給されるのかどうか、中には「一部残業代支給」などと一見、よく分からない書き方をされています。
給与面において隠したいことがある企業はその時点でブラックの可能性が高まりますので、疑問に思うような文言があった際には必ず質問し、解決させておく必要があります。
実際に働いている社員の口コミがどうか
営業職として転職する際、実際に働いている人の口コミが掲載されているサイトを参考にすることをおすすめします。
求人に掲載されている情報は、企業の提示している情報を元に記載されているので、言葉を言い換えて事実とは異なる内容が記載されていることもあります。
実際に働いている社員の情報であれば、信ぴょう性も高いでしょう。
社内の内部からみないとわからない情報がかかれていることもあるので、良い企業かどうかを判断する良い材料になるでしょう。
信頼できる転職サイト・エージェントに登録する
信頼できる転職サイト・エージェントに登録することも大切です。
いくら自分で調べたからといっても、完全に良い企業かどうかは判別がつきません。
評判がいい、コンサルタントの対応がしっかりしている転職サイト・エージェントを利用することで、いい求人を紹介してもらえる可能性も高くなります。
転職サイト・エージェントは完全無料で利用できるので、2~3個ほど登録しておくと良いでしょう。
営業職がブラックではなく企業選択がいい転職先探しの鍵
営業職は、人を成長させるやりがいのある仕事である反面、実際に激務をさせられている人もいます。
一概に営業職が全てブラックなのではなく、業界やその企業によっても異なります。
営業職を経験したい方は、自分がやりがいに感じられる業界やその企業に勤める人を見極めて入社される企業を選ぶと良いでしょう。
あなたに合った営業職は探せばきっと見つかります。
多少忙しい日々を過ごしたとしてもやりたいことを仕事にしていけば良いライフスタイルを手にできると思います。
間違ってブラック企業を選んでしまわないよう、少しでもお役に立てれば幸いです。