万が一の不安に備えて加入する生命保険や医療保険を販売するのが、保険営業の仕事です。
保険営業は成功すれば高収入が見込める仕事としても人気を集めていますから、転職先として検討している方もいることでしょう。
そこで今回は保険営業の仕事内容から向いている人の特徴、求められるスキルや転職に成功するコツを紹介していきます。
目次
保険営業の仕事内容
保険営業の仕事内容は、基本的に自社で販売している保険商品を、訪問先のお客様に対して販売するのがメインです。
保険は内容が複雑ですから、お客様の理解を深めながら加入してもらうために、商品説明から人生プランの構築、老後のお金の試算など細かい情報を提供していきます。
保険の提案からアフターフォローまで対応することもあるので、お客様の人生のトータルサポートが実現できます。
保険代理店の販売職とは異なり、自社の保険の中からの提案を行っていきます。
契約件数に応じて収入が増える仕組みなので、営業成績を残せれば高収入が狙える仕事としても人気が高いです。
また営業先によって、下記の特徴があります。
法人営業
1つ目は、法人に向けた営業を行う法人営業(ホールセール分野と呼ぶ企業もあります)です。
この営業の特徴はお客様が企業や団体になるというところです。
企業がお客様になる法人営業は、基本的に一般の方が勤務されている時間での営業が多くなるため、残業は比較的少ないとされています。
勤務時は、企業に対し、電話やメールでのアポ取りや商談後の対応などを行います。
アポを組んだ後、相手企業に足を運び、商品の紹介を行い、契約やアフターフォローなどが業務となります。
法人が相手であることから、1つの契約が大きなものになります。
そのため、一般的なマナーやコミュニケーション能力は必ず求められるでしょう。
個人営業
2つ目に個人に向けた営業を行う個人営業(リーテイル分野と呼ぶ企業もあります)です。
お客様は個人が主になり、企業によっては中小企業に対しても個人営業と呼ぶところもあります。
個人のお客様を相手にするため、出勤時間外でのお客様対応が入ることは避けて通れなくなるため、結果的に残業をすることになります。
一般的に保険の営業が激務であるイメージを持たれやすいのはこれが原因でしょう。
勤務時は、主にお客様の新規開拓を行うことと、保険加入者に対してのアフターケアを行います。
自社の保険商品をただ提案するのではなく、顧客毎の金額や加入したいプランなどの要望を元に、その人に合った商品を提供することになります。
それをきっかけに新しい商品の開発に繋がるケースもあるようです。
1つ1つの契約は、さほど大きなものにはなりにくいですが、1人1人の人生に向き合いながら仕事ができる分、人が好き、話をするのが好きな方にはやりがいがあり、またそういった人材を求められるでしょう。
代理店営業
3つ目に保険代理店になってくれる法人や個人に営業をする代理店営業です。
代理店営業は、直接お客様に代理店として営業をしてくれる法人や個人に営業を行い、より自社の保険商品を販売する幅を広げる役割を担っています。
先ほど少し触れた銀行や消費者金融、郵便局などで保険が販売できるように営業をかけた人たちが代理店営業にあたります。
新規開拓はもちろんのこと、どのように保険商品を販売していくのかを指導するのも役割の1つです。
保険営業の平均年収は400万円程度
仕事をしていく上で、誰しもが気になるのが年収です。
収入の金額によって、モチベーション、やりがいを感じるレベルが変動するといっても過言ではありません。
それでは、実際に保険の営業を職業としている人たちはどのくらいの年収をもらっているのでしょうか。
平均年収
先ずは保険会社で働いている人たちの平均年収を見てみましょう。
とある職業別年収ランキングでは77/129位の402.2万円と発表されています。
月収にすると約30万円、賞与の平均は約50万円と調査結果が出ています。
これは平均であって、中には1000万円を超える年収を稼いでいる人もいらっしゃいます。
なぜこんなにも稼いでいるのか?
それは、インセンティブ(成果報酬)の制度が組み込まれているからなのです。
一般的に保険会社に入社してから1,2年の間は、15~20万円程度の基本給がもらえます。
営業をしていく中で、目標売上が存在しますが、入社したばかりで経験の浅い人に対しては一定額の固定額が支給されるようになっています。
それ以降は、どの企業も半年間や1年間の契約件数や売上目標の達成の有無などによって、基本給や賞与の金額が確定します。
少ない人は基本給が5~10万円程度であり、上限が決まっていない企業も存在します。
その基本給で交通費や営業の際にかかる諸費用などの経費を自己負担するのが、一般的です。
それ以上の収入を望むには保険の商品を販売し、成果報酬を手にいれるしかありません。
保険営業の仕事で得られる4つのやりがい
保険営業では様々なライフステージのお客様に対してサポートをする機会が多く、やりがいを感じるとの声も多くありまう。
保険営業の仕事で得られるやりがいの中でも、特に下記の4項目が挙げられることが多いです。
- 生活で使える知識が身につく
- 営業力が身につく
- お客さんの人生設計に関われる
- 人脈が広がる
以下で詳しく解説していきます。
生活で使える知識が身につく
生命保険や医療保険について説明するためには、ファイナンシャルプランナーや保険関連の資格を取得する必要があります。
勉強をしている過程で、ライフプランの組み立て方や家計管理法、困ったときに使用できる公的制度などの知識が身につきます。
普段ただ生活しているだけでは身につかない知識も選られるので、お得かつ賢く生きる知恵が身につきます。
また家族や親せきに対する家計管理のアドバイスもできるので、身内のためにスキルを活用できるメリットもあります。
営業力が身につく
保険の営業の多くは飛び込み営業で、関係性がゼロベースの状態から営業をしなければなりません。
根気強く何度も連絡をしたり、お客さんの印象に残るための行動が求められます。
また難しい商品をわかりやすく説明するためには、論理的思考力も必要になります。
またどんな年代の人とも会話するためのコミュニケーションスキルや、情報収集能力も求められます。
営業職として必要なスキルをフル稼働することになるので、自ずと営業力が身についてくるでしょう。
お客さんの人生設計に関われる
保険のプランを選ぶときには、保険料だけではなくお客さんの今後の人生を考慮して、ライフプランニングを元に提案していくことになります。
現時点での給与や将来的に希望している家族構成、何歳に定年など情報を元に、今後の人生のもしもに備える保障を作っていきます。
今後の人生設計に携われるので、普通の営業よりも湯やりがいを感じるケースが多いようです。
人脈が広がる
保険の営業は様々な人に対して保険の提案を行っていくので、自ずと人脈が広がっていきます。
本来関わることのなかった分野の人にまで関わる機会ができますので、生活が豊かになります。
保険営業の仕事がきついといわれる理由
保険営業は営業職の中でもやりがいを得やすいとも言われている反面、仕事内容がきつく離職率が高いといわれています。
保険営業仕事がきついといわれる理由は、以下の通りです。
- 成果と給料が直結する
- 成果主義で契約件数ノルマがある
- お客さん話をそもそも聞いてもらいづらい
以下で一つずつ解説していきます。
成果と給料が直結する
保険営業は契約件数に応じてインセンティブがもらえる方式を取っており、バック率は他の営業職よりも高いといわれています。
成果に応じてインセンティブの金額が変わりますので、契約件数を獲得できないと給料UPが見込めません。
自分の頑張りをお給料という目に見える形で確認出来る反面、頑張っても成果が出ない場合モチベーションの低下を招く可能性があります。
成果と給料が直結することでモチベーションが維持できることもあれば、成果がでずに悩んでしまう可能性もあるので、注意が必要です。
成果主義で契約件数ノルマがある
契約件数が給料に反映されるだけではなく、業界全体で成果主義が用いられています。
そのため企業によっては毎月契約件数ノルマが設定されているところもあります。
毎月数字に追われる生活で、月末になってくるとノルマ達成が見込めずに焦燥感に駆られる人もいるようです。・
契約件数ノルマを達成できないと、今後の評価にも響いてきますから、常に切迫した状態で仕事をすることになります。
お客さんに話をそもそも聞いてもらいづらい
お客さんにそもそも話を聞いてもらいづらいのも、保険営業のつらいところ。
保険営業に対して良いイメージを持っている人が少ないことから、保険の話をすると途端に話を聞いてもらえなくなることもあります。
他人からの一方的な拒絶に触れる機会が多いので、精神的にしんどくなる方も多いようです。
特に訪問の場合、インターホン越しに断りを入れられることもあり、拒絶される苦しさを味わうことにもなりかねません。
保険営業に向いている人の特徴
保険営業を目指す時には、自分がはたしてこの職業に向いているのか、迷うこともあるでしょう。
保険営業に向いている人の特徴は、以下の通りです。
- コミュニケーション能力が高い
- 人が好き
- 相手の立場で考えられる
- 数字を追うのが好きな人
以下で詳しく解説していきます。
コミュニケーション能力が高い
法人や個人を相手に営業をする仕事ですが、話をする相手は常に対人です。
商品の販売だけを目的にお客様と会話をするだけでは、契約は獲得できません。
コミュニケーション能力が高く、雑談や日常会話ができ、結果的に相手の気持ちを動かせる程の能力がある方にはお勧めといえます。
相手の要望やニーズを満足に聞き出すことができ、それにあった商品の提案や臨機応変に対応できる能力があると、よりお勧めです。
人が好き
人が好きであること、これは保険の営業をするにあたりとても重要なことです。
人に会い、お話をする時間を大切にすることができ、会話のキャッチボールが確実にできる人には向いている職業といえるでしょう。
たとえ、お客様といえども、交友関係が良好になるとプライベートでの食事やお互いの趣味に関心を持ち遊びに出かける人もいるほどです。
それも他人と時間を共にすることが好きであるからこそできることです。
相手の立場で考えられる
保険の商品を販売するうえで、会社が売りたいものはもちろんあると思いますが、主軸はお客様です。
相手の立場で物事を考え、要望、ニーズを本音から聞き出し、本気でお客様のお力になりたい、最適な商品はなんであるかを考えられる人にはやりがいを感じられる仕事になるでしょう。
また、契約後にはアフターフォローをします。
契約後に不明な点はあるのか、また実際に毎月保険料の支払いをしているが、金額面で厳しくなってしまったお客様や保険内容の見直しをしたいお客様のフォローをする際も相手の立場で考えることができれば、相手の喜ぶ選択を迷わずできることでしょう。
保険でよくあることの中に、他社の保険への切り替えも存在します。
なぜ他社に切り替えるかというと担当の人が信用できない、金額が高い、アフターフォローを満足にしてくれないなど理由は様々です。
金銭が関わる仕事である以上、信頼関係が非常に大切になります。
信頼関係が構築できていれば、簡単に他社に切り替える人はいないでしょう。
その点において、相手の立場で考えることができる人は、信頼を確実に築いていくために必要な能力を備えています。
数字を追うのが好きな人
保険営業は契約件数=自分の成果になりますので、数字を追うのが好きな人が向いています。
毎月の契約件数を見て今後も数字を伸ばしていくために、行動変化も伴ってくるとさらに良いでしょう。
数字を追うことで、さらに収入アップすることも可能です。
保険営業は未経験でも転職できる?
「専門性が必要なら保険営業って未経験から転職が難しいんじゃ…」と思う人もいるでしょうが、保険営業は未経験から転職することは可能です。
資格は入社後の研修で取得できますし、完全未経験からでもスキルを磨くことで活躍することもできるでしょう。
保険営業は未経験からの転職者も多く、個人営業から始められるので、他の営業職への転職よりも難易度が低いといえます。
保険営業への転職を成功させる4つのポイント
未経験の状態から、保険営業への転職を成功させるには、下記のポイントを把握しておくと良いでしょう。
- 保険やライフプランに関する資格を取得しておく
- 転職先のノルマの有無を確認する
- 清潔ではつらつとした印象で面接に挑む
- 転職サイト・エージェントを利用する
以下で詳しく解説していきます。
保険やライフプランに関する資格を取得しておく
入社してからでも保険やライフプランに関する資格は取得できますが、入社後すぐにスタートダッシュを切れるように、事前に資格について勉強しておくといいでしょう。
実際に働き始めてからの方が知識の定着度は高いですが、事前に勉強しておいた方が保険の提案にも役立ちます。
また入社前に資格を取得しておくことで、採用の時に役立つ可能性もあります。
転職先のノルマの有無を確認する
保険営業として転職するのであれば、転職先のノルマの有無を確認しておくといいでしょう。
保険業界では段々とノルマ制を減らしているところもありますが、中には非現実的なノルマを課しているところもあります。
転職先のノルマの有無を確認することで、転職後に良い環境で働ける可能性が高くなります。
企業の口コミサイトを確認して、実際の制度をチェックできますよ
清潔ではつらつとした印象で面接に挑む
保険営業に限った話ではありませんが、面接に挑むとときは特に清潔感とはつらつさを意識sるうと良いデショウ。
営業職は特に清潔感やはきはきとした喋り方が重要視されます。
採用担当者としても、暗い人よりも身だしなみや第一印象に気を使っている人を採用したいと思いますよね。
服装は勿論のこと受け答えもしっかりと気を配っておきましょう。
転職サイト・エージェントを利用する
保険営業に未経験から転職する場合は、転職サイト・エージェントを活用することをおすすめします。
転職サイト・エージェントでは、専門のコンサルタントが、みなさんの転職活動をサポートしてくれます。
求人の紹介から履歴書や面接の練習など、幅広く対応してくれるので、初めての転職活動でも安心して任せられるでしょう。
特に初めて営業職として転職活動をするときに心強い味方になってくれるので、是非利用してみてください。
保険営業は営業のベースが身につく仕事
保険の営業について解説してきましたが、販売している商品は、自身の身に何か予期せぬことが起きた際に備えるためのものです。
その備えがあるからこそ自身や周りの人を救う手助けにもなります。
人の人生に関わる仕事をすることは素敵なことで、尊敬されるやりがいのある職業です。
この記事を読んでいただき、職業の理解と自分に向いているかどうかが判断できたかと思います。
今後の人生の選択の参考になれば幸いです。