働き方を自由に選ぶことができる今、フリーターという選択肢が以前に比べて選びやすくなってきたように思います。
しかしフリーターを経験したからこそ、正社員を目指したいと思う人も中にはいるでしょう。
そろそろフリーターではなく、正社員で働いたほうがいいのかな?と、将来に不安を感じることもあるはずです。
そこで今回は、フリーターと正社員という、雇用形態の違いによって年収にはどれくらいの差がでるのかを解説していきます。
この記事を読んで、ぜひ自分の将来のお金について、考えてみてください。
フリーターと正社員の年収の差
フリーターと正社員では、もらえる賃金に大きな差があることは、多くの方がご存知かと思いますが、一般的な大卒初任給は月収16万円ほど。
それなら時給900円×1日9時間×20日働けば、同じくらいの金額を稼ぐことができるのでは?と考える人もいるでしょう。
そこで実際のデータをもとに、フリーターで働く場合と、正社員で働く場合では、稼げる金額にはどれほどの差が出るか、比較してみたいと思います。
男女 | 男性 | 女性 | |
---|---|---|---|
正社員 | 約322万円 | 約348万円 | 約264万円 |
非正規社員 | 約211万円 | 約235万円 | 約190万円 |
表からわかるように、正社員と正社員以外では、年収に110万円ほどの開きがあります。
女性の場合は男性に比べると約70万円の差にとどまりますが、それでも大きな差があることがわかります。
さらに、厚生労働省の調査結果によると、年代によっても年収には格差があり、男性の正社員は50~54歳ころが年収のピークで約437万円ですが、正社員以外になると年収にあまり大きな変化は見られず、60~64歳の252万円がピークとなります。
正社員は、年齢があがるとともに年収も右肩上がりとなることがわかりますが、正社員以外となると、基本給の増額が見込めないうえに、時給制ということもあり、年収を上げていくことは難しくなります。
最初にもらえる金額にあまり大差なかったとしても、5年、10年と働けば時間とともに差は開いていきます。
このことから、フリーターで働きつづけることは、収入の面で正社員との間に大きな差がでてくるといえます。
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年収に差ができるのはどうして?
はじめにお話ししたとおり、初任給はそれほど高くないはずなのに、年収には約110万円もの差ができてしまうのはなぜでしょう?
その理由は、ズバリ「ボーナス」です。年齢が上がるにつれて基本給があがっていくことも理由の1つに挙げられるのですが、一番大きな理由はボーナスしかありません!
フリーターや正社員以外の場合ボーナスがないため、毎月同じ額、または働いた分だけの給料となりますが、正社員の場合は一般的に夏と冬の2回、賞与をもらうことができます。
ボーナスの計算は、「一カ月あたりの基本給×比率(●カ月)」というふうに行います。このボーナスの比率というのは、それぞれ会社によって異なります。
たとえば、基本給が20万円で比率が2か月なら、1回でもらえるボーナスは40万円となり、年2回ボーナスが受け取れるとすると、年間で80万円もらえることになります。
この計算からわかるように、年収の差にはボーナスが大きく影響しているのです。
ちなみに、ボーナスがもらえる回数は会社によって異なり、多いところでは年4回もボーナスがもらえる会社もあるんだそうです!
生涯年収はどのくらい?
正社員の生涯年収は2億円が目安と言われています。
年収には個人差がありますが、生涯年収は大学を卒業してから定年までの約40年間働くことを考えて、年収×40として計算してみると大体の金額がわかります。
例えば、一般的な正社員の場合、年収320万円×40=約1億3千万円となります。
ここに、さらに年齢にともなう基本給の増額がプラスされていくため、生涯年収で考えると約2億円となるようです。
これがフリーターになると、年収210万円×40=8千400万円になります。
比べるまでもなく、大きな差があるのがわかります。
どんな人生を歩むかによって必要なお金の金額は変わってきますので、一概に年収だけでどちらのほうがいい、ということはできません。
しかし、それぞれのライフプランに沿って、どのくらいのお金が必要になるのかを把握し、貯蓄やお金の使い方を知っておくことは、全ての人に必要なことでしょう。
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一生涯でどれくらいお金が必要?
結婚して家庭をもつことや、老後のことを考えると、これからの人生にどれくらいのお金がかかるのか不安になりますよね。
これからの将来にどのくらいお金が必要になるかを知っていれば、今の年収で十分なのか、それとも収入や資産、貯蓄を増やす必要があるのかがわかります。
では、人生においてどんなタイミングでどれくらいのお金が必要になるのかを見ていきましょう。
人生で最もお金が必要になるといわれているのは、この3つの支出といわれています。
- 住宅費(約2200~3600万円)
- 教育費(約1000~2500万円)
- 老後費用(月約30万円)
住宅費は、これから先も実家暮らしの人の場合にはそれほど関係ないかもしれませんが、これから一軒家またはマンションの購入を検討している人にとっては大きな出費になります。
購入する場合も、借りる場合も、相当な額となります。住宅がなければ生活はできませんので、必ず必要なお金です。
次に大きな支出となるのが教育費です。子供が欲しいと考えている人は、子育てにどのくらいのお金がかかるのか、気になりますよね。
子育ては保育園・小学校から大学までの学費の他にも、習い事・塾・受験・成人式など、様々なシーンでお金が必要になることが想定できます。
最後に、3つ目の支出はご自身の老後費用です。三大支出のなかで最も重要な支出といってもいいかもしれません。
というのも、「教育費」「住宅費」は必ずしも全ての人に関わってくるわけではありません。
しかし、「老後の生活費」に関してはみなさんご自身に必ず必要となる費用といえます。
特に女性は男性よりも長生きするといわれていますので、より老後資金の重要性が高くなるといえるでしょう。
3大支出は、いずれも避けて通れない道です。これだけの支払いをするために、きちんと貯蓄をしていれば問題はありませんが、なかなかそうはいかないものです。
しかも、これらの3大支出に加えて、人生には結婚・出産・入院・介護・葬儀、などお金が必要となるシーンがたくさんあります。
生活しながらこれらのお金を捻出するのは、そう簡単なことではありません。節約や貯蓄だけではどうにもならない、という場合もあるかもしれません。
大きな資金が必要になることがわかっていても、準備にはそれなりの時間がかかります。
そんなときは収入を増やす・投資をするなど、どんな方法があるかまずは調べてみることから始めましょう。
もしかしたら、職を変えて収入を増やすのが、一番早い方法かもしれません。
正社員で働くことの年収以外のメリット
正社員とフリーターの間には年収に大きな差があることがわかりましたが、年収以外にもメリットはいくつかあります。
まずは、働く上での体力面でのメリットです。若いうちは長時間働いたり、アルバイトを掛け持ちすることもできるかもしれませんが、年を取ることで体力が低下したり仕事が限られてくることもあります。
また、思うようには勤務日数を増やしてもらえず、短時間勤務や休日を増やさなければいけない、ということも。
フリーターは時給制の働き方なので、勤務時間が減れば、当然収入も減ります。
ケガや病気でやむを得ず休まなければいけないときも働かない限りお金は入ってきません。
体力で勝負できるうちはいいかもしれませんが、年齢を重ねたり、家庭を持つとなると、フリーターという働き方は難しくなってくるでしょう。
その点、正社員は8時間労働・週休2日が一般的で、ケガや病気の場合は有給休暇を利用することができます。お金はもちろん、体力の面でも安心して働けるといえます。
そして正社員には退職金制度や、厚生年金による定年退職後の収入があることも大きなメリットです。
退職後も一定の収入があることで、大きな不安を抱えることなく老後を迎えることができます。
一方フリーターの場合、退職金制度などはないうえに、60歳までアルバイトを続けられる事はかなり稀なケースです。
もし、今後もフリーターを続けていきたいと考えている人は、体力面や老後のことを考慮して、どのくらいお金が必要かを考えてしっかり貯蓄するのが良いでしょう。
正社員になりたければ早めの検討を
フリーターとして働き続けることは、年齢的にも難しくなってくることは上記で説明しましたが、アルバイトも正社員も、基本的に若い方が優遇されます。
そのため、年齢と共に市場価値は下がっていくことがわかっています。
フリーターから正社員を目指したいと考えているのであれば、少しでも早いほうが有利になるということを覚えておいてください。
例え就業経験がなかったとしても、年齢的が若い場合はまだまだ採用してもらえる可能性は高いです。
また、正社員として早めに働き始めることができれば、継続年数とともに基本給は上がっていくので、必然的にボーナスもあがり年収は増えていきます。
もしも今フリーターでいることに不安を感じているのであれば、まずは求人を探して今の自分の状況と比較してみるなど、できることから始めてみてはいかがでしょうか。
まとめ
フリーターと正社員には、それぞれのメリットがあります。
時間の融通が利くことは、フリーターの最も大きなメリットです。
反対に正社員は、拘束時間が長く残業はあるものの、収入面ではフリーターよりも安定しているので、ゆとりのある生活ができることがメリットといえます。
どちらがいいかは人それぞれですが、自分が好きに使えるお金や、将来の貯蓄にお金を確保したいと考えている人は、正社員への就職を検討してみてもいいかもしれません。
フリーターと正社員、それぞれ自分にはどちらがいいのか、これを機に考えてみてはいかがでしょうか。