賃貸物件の仲介やマンションの販売などをおこなう「不動産業界」は、転職市場で高い人気を誇ります。
実際に不動産業界への転職を考えている方も多いと思いますが、「未経験で不動産業界へ転職できるのかな?」と悩むことがあるのではないでしょうか?
この記事では未経験で不動産業界へ転職できるのか、ということについて解説します。
不動産業界の種類別の転職難易度や、必要になるスキルもご紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。
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目次
不動産業界は未経験でも転職できる?
不動産業界は未経験でも転職することが可能です。
転職サイトなどに掲載されている不動産の求人には、「未経験歓迎」や「職歴不問」などと記載されていることが多く、実際に未経験から転職を成功させている方も多いです。
ただし、未経験で転職することは簡単ではありません。
転職市場では、未経験者よりも経験者の方が優遇される傾向があるため、転職先が決まるまで時間がかかるかもしれません。
未経験で不動産業界への転職を目指す場合は、事前に「簡単ではない」ということを理解しておくことが大切になります。
未経験の場合は営業職として採用されるケースが多い
不動産業界には、企画や管理、事務などさまざまな職種があるのですが、未経験で転職するときには、営業職で採用されるケースが多いです。
そのため不動産業界の経験がなくても、営業職の経験があれば、転職難易度は低くなります。
特に、無形商材の法人営業の経験がある方は、未経験でも不動産業界へ転職しやすいです。
無形商材の法人営業経験は、転職市場で需要の高い人材として認識されているため、転職が成功しやすくなります。
第二新卒は未経験でも転職しやすい
未経験で不動産業界へ転職することは簡単ではありませんが、「第二新卒」は転職しやすいです。
第二新卒とは、法的なもので明確な定義は決められていませんが、一般的には「新卒で入社して3年未満の求職者」を指します。第二新卒は転職市場で、最も需要の高い人材と言われているため、未経験でも転職を成功させやすいです。
また、第二新卒限定の求人などもあり、転職先の選択肢が広くなります。
もし、第二新卒に該当する年齢で不動産業界への転職を考えている場合は、すぐに転職活動をスタートさせることをおすすめします。
【種類別】不動産業界の転職難易度
不動産業界は大きく4つに分けることができます。
- 不動産デベロッパー
- 不動産販売会社
- 不動産仲介会社
- 不動産管理会社
各種類によって転職難易度が変わるのですが、未経験で「不動産デベロッパー」へ転職することはとても難しいです。
未経験では応募すらできない可能性もあるので、未経験から転職するときには、不動産デベロッパー以外に転職する必要があります。
未経験で転職できる3種類の転職難易度について詳しくご紹介します。
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不動産販売会社
不動産販売会社とは、開発会社が開発したマンションや、ハウスメーカーが開発する新築一戸建ての販売を、開発者に代わって販売する会社です。
不動産業界で知名度の高い「三井不動産」や「野村不動産」は、不動産販売会社に該当します。
不動産販売会社は未経験でも転職することが可能なのですが、不動産の知識と宅建などの資格が必要になります。
上記でお伝えした無形商材の法人営業の経験がある方や、第二新卒では未経験でも採用している企業はありますが、それ以外の人材では転職することが難しいです。
「とにかく不動産業界へ転職したい」という方は、不動産販売会社以外を目指すことをおすすめします。
不動産仲介会社
不動産仲介会社とは、売買物件や賃貸物件の契約を仲介する不動産会社です。
「アパマンショップ」や「ホームメイト」が不動産仲介会社に該当して、一人暮らしをするときや同棲するときにサービスを受けたことがある方は多いでしょう。
不動産仲介会社は、未経験でも積極的に採用している傾向があるので、転職難易度は高くありません。
特に、営業経験や販売経験があれば、採用率が高くなります。
そして、未経験で転職しても勉強しながらキャリアアップすることが可能です。
不動産経験がない方には、不動産仲介会社への転職がおすすめです。
不動産管理会社
不動産管理会社は、言葉の通り、賃貸物件の管理をする会社です。
「大東建託」や「積水ハウス」などが、不動産管理会社に該当します。
不動産管理会社では、オーナーに代わって賃貸物件の管理・メンテナンスをおこなうと同時に、入居者募集や入居者のクレーム対応などもおこなうため、経験者が採用されるケースが多いです。
しかし、不動産管理会社で役立つ資格などを取得している場合には、未経験者でも採用されています。
「営業職へ転職したくない」という方は、不動産管理会社への転職がおすすめです。
【年代別】不動産業界に転職する難易度を紹介
ここからは、年代別に不動産業界に転職する難易度を紹介します。
不動産業界に限ったことではありませんが、若年層の転職は有利と考えましょう。
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20代は完全未経験でも採用される可能性が高い
20代の転職者は完全未経験でも、不動産業界に採用される可能性が高いです。
入社後は資格取得をサポートしてもらえたり、専門的な研修を受けられるため、成長する姿勢が PR できれば転職自体はハードルが高くありません。
不動産に関する知識だけでなく接客や営業の経験がある20代は、需要の高い人材と考えられます。
扱う不動産によって難易度が異なりますが、教育体制が整っている企業を目指して転職を進めましょう。
30代は前職の経験を活かせる分野ならOK
30代は前職の経験を活かせる分野なら、採用される可能性があります。
不動産業界へ転職する場合は、即戦力として働けるように営業や集客に関する力をつけましょう。
集客業務の経験や高い対人スキルがあると、転職に有利です。
不動産業界は結果至上主義のため、目標達成のためにできる努力を具体的にアピールすれば、採用担当者にプラスの印象になります。
40~50代は採用される可能性が低くなる
不動産業界では、40~50代は採用される可能性が低くなります。
資格を取得しても、不動産業界未経験の場合は転職の難易度が非常に高いでしょう。
他社で管理職やマネジメントを経験した場合でも、入社後にどのような活躍ができるのか、経営への貢献についてアピールが必須です。
シニア世代は転職する場合も管理職として入社することが多いので、期待に応えるための努力をしましょう。
転職活動前に、会社の方針や営業方法が自分にマッチするか確認してください。
未経験で不動産業界へ転職するときに必要になるスキル
未経験で不動産業界への転職を成功させるには、必要になるスキルを把握することが大切です。
そこで不動産業界へ転職するときに必要なスキルをいくつかご紹介します。
下記のスキルを採用担当者にアピールできれば採用率は高くなるので、ぜひ参考にしてみてください。
コミュニケーション能力
不動産業界では、開発会社・オーナー・お客様など関わる方が多いため、コミュニケーション能力が必要です。
特に、販売会社と仲介会社では、コミュニケーション能力がなければ、成果を上げることが難しいでしょう。
また、不動産業界では、お客様の求めている物件を提案する必要があるので、話す能力だけではなく、相手の気持ちを察するコミュニケーション能力も必要です。
未経験で不動産業界に転職するときには、コミュニケーション能力の高さをアピールできる実績やエピソードを採用担当者に伝えることが大切になります。
スピード感のある対応
不動産業界への転職では、スピード感のある対応が必要になります。
不動産業界には数多くの会社があるので、お客様は複数の会社に物件の問い合わせをしていることが多いです。
その場合に、どの会社よりも早く物件を提案することができれば、お客様に好印象を与えられて、成果を上げやすくなります。
また、内見や契約手続きに時間がかかってしまうと、お客様の気持ちが変化してしまう可能性があるので、スピード感のある対応が必要です。
このようなことは採用担当者も理解していることなので、「スピード感のある対応ができる」ということを転職でアピールできると、採用率が高くなるでしょう。
伝達力
不動産業界で最も大切なスキルと言われるのが、「伝達力」です。
不動産会社に訪れるほとんどの方が不動産に関する知識はありません。
そのような無知な人に物件を販売・契約してもらうには、物件に関する情報をしっかりと伝達する力が必要になります。
もし、伝達力がなければ優良な物件があっても、契約を結んでもらうことができません。
「伝えたいことが伝えられる」という伝達力がなければ、不動産業界で成果を上げることは難しいです。
上記でお伝えしたコミュニケーション能力と同時に、伝達力が必要になります。
不動産に関する知識
未経験で転職するときに必要なスキルとは少し異なるのですが、不動産に関する知識は必ず必要です。
未経験を積極的に採用している企業でも、無知な人材は採用したいとは思いません。
未経験で採用してもらうためには、最低限の不動産知識を身に付ける必要があります。
また、未経験で不動産知識を身に付けることで、転職に対する気持ちの高さをアピールできます。
深い知識までを身に付ける必要はありませんが、最低限の不動産知識は必要です。
未経験で転職するときは資格を取得すべき?
未経験で不動産業界へ転職するときは、「資格を取得すべきなのかな?」と悩まれる方が多いでしょう。
無資格でも転職することは可能なのですが、未経験の場合はアピールできる実績や経験がないので、資格を取得した方が転職成功率は高くなります。
また、資格は身に付いているスキルと知識を明確に証明できるものなので、採用担当者からの信頼を得やすいです。
業界の基本的な用語が勉強できるだけでなく、企業によっては資格に応じて手当がつく場合があります。
「今後も不動産業界で働く」と考えている方は、転職をきっかけに資格を取得することをおすすめします。
不動産業界への転職を考えている方におすすめの資格を紹介します。
宅地建物取引士
宅地建物取引士とは、不動産取引の専門家であることを示す国家資格です。
不動産業界への転職で宅地建物取引士を取得していると、転職成功率がグンと高くなります。
その理由は、法律で宅地建物取引士の設置が義務付けられているからです。
また、宅地建物取引士を取得していることで、資格手当が支給される企業が多く、年収を高められます。
ただし、宅地建物取引士は国家資格になるので、合格率は15%〜20%です。社会人として働きながらでも取得を目指せる資格なので、転職を考えている方にはおすすめです。
任意売却取扱主任者
任意売却取扱主任者とは、その名の通り、不動産を任意売却するときに必要な「ノウハウ」「知識」を保有していることを証明する資格です。
国家資格ではないですが、不動産業界で人気が上昇している資格で、採用担当者からの信頼を得やすいです。
また、まだ取得している方が少ないので、未経験者には取得することをおすすめします。
任意売却取扱主任者の合格率は、35%〜40%と言われているので、比較的取得しやすいでしょう。
ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルプランナーは土地や相続に関する基本的なことが学べる、お金全般に関わる国家資格です。
資格は3級から1級まであるので、自分に合ったレベルから取得しましょう。
不動産業務でファイナンシャルプランナーの資格を活かしたい人には、2級からの取得がおすすめです。
不動産鑑定士
不動産鑑定士は「土地を売りたい貸したい」「贈与したい」などの要望に応じて、有効な使い方のコンサルティングを担当します。
不動産の鑑定評価を行うために必要な国家資格です。
資格を取得すれば、権利関係が絡み合っている不動産に対応できる専門家として、広く活躍できるでしょう。
不動産鑑定士の資格を取れば、フリーランスとしても活躍できる可能性が高いです。
マンション管理士
マンション管理士とはマンションの維持と管理に携わるための国家資格です。
資格を取得すれば、アドバイスをするコンサルタントとして活躍が可能です。
大規模修繕の計画立案や組合の管理など、マンションの管理に関わる業務に対応できるでしょう。
マンション管理士の合格率は7~9%なので、難易度が高い傾向です。
不動産業界へ未経験で転職するメリット
不動産業界へ未経験で転職するメリットには、以下のものがあります。
- 働きながら資格取得ができる
- 未経験からでも活躍している人が多い
- 営業職ならではのスキルが身につく
働きながら資格取得ができる
働きながら資格取得ができることが不動産業界のメリットです。
不動産業界の求人には、資格取得支援ありの仕事も多数確認できます。
働きながら資格取得を目指すことで、モチベーションを保ちやすいのではないでしょうか。
資格を取得すれば手当が加算される企業もあるので、仕事のやりがいにつながります。
未経験からでも活躍している人が多い
不動産業界は未経験から活躍しやすい業界です。
企業にもよりますが、性別や学歴にとらわれずスキルや勉強しだいで実績が重ねられる傾向です。
営業職や販売職の経験がある場合は、マンションや賃貸住宅を扱う不動産業界への転職に有利でしょう。
賃貸物件を扱う仕事の中には、経験不問で求人募集を行っている企業も多くあります。
営業職ならではのスキルが身につく
不動産販売や仲介の営業では、販売やサービス提供のスキルが身に付きます。
営業職は見込み客の獲得から契約までを担当するため、特化したスキルが仕事に必要です。
顧客に対する柔軟な対応力のほか、物件の紹介技術などの高いコミュニケーション能力が得られるでしょう。
企業に貢献するためにどのように能力を発揮するか、ベストな方法も勉強できます。
不動産業界へ未経験で転職するときの注意点
不動産業界へ未経験者が転職する時の注意点をまとめました。
転職後にミスマッチを起こさないように、あらかじめ確認しましょう。
営業職としてのストレスを感じやすくなる
不動産業界は、営業職としてのストレスを感じやすい傾向です。
企業から課せられるノルマや店舗の目標達成のために、幅広い業務を担当しなくてはなりません。
仕事を円滑に進めるためには、営業活動とプライベートの両立のほか、社内や顧客との人間関係も重要です。
不動産業界で活躍するために、ストレス耐性が試されるでしょう。
コミュニケーション能力が必要になる
コミュニケーション能力は不動産業界で重要な素質です。
相手の言いたいことをまとめ、要件を洗い出すためには高い対人スキルが求められるでしょう。
接客業を兼ねている仕事のため、日々のコミュニケーションが苦痛にならないように注意してください。
顧客から無茶な要求がされた場合も、柔軟に対応する能力が求められます。
顧客との予定のスケジュール管理が必要になる
顧客とのスケジュール管理が必須です。
内覧や契約などのスケジュールが、当初の予定通りに進むとは限りません。
直前になってキャンセルをされたり、大幅に遅刻してきたり、さまざまな予定の遅れが考えられます。
顧客とのスケジュールを合わせるためには、急な変更でも対応できるようにしてください。
未経験でも不動産業界へ転職することは可能
この記事では未経験で不動産業界へ転職することについてお伝えしましたが、いかがだったでしょうか?
不動産業界では、専門的な資格やスキルを必要としないため、未経験でも転職することが可能です。
特に、無形商材の法人営業経験者と、第二新卒は未経験でも転職しやすい傾向があります。また、不動産業界の中では「不動産仲介会社」が最も転職しやすいです。
ただし、未経験だからといって無知な状態で採用してもらうことはできません。
最低限の不動産知識や、コミュニケーション能力を身に付ける必要があります。
この記事でお伝えした内容を参考にして、未経験から不動産業界への転職を成功させてください。