現場監督は、建設現場において円滑に進めるため工期や予算・安全を管理するマネジメント立場の人です。
現場監督にはマネジメント能力が求められますが、なるために必要な資格等はありません。
しかし現場監督の仕事に活かせる資格はいくつかあり、取得しておくことで給与アップやキャリアプランが広がるなどのメリットがあります。
そこでこの記事では、現場監督の仕事に活用できる資格の紹介や、取得のメリットを解説します。
目次
現場監督の仕事に活用できる資格一覧
現場監督は、建設現場で円滑に工事が進むように工期や予算・安全管理を行う人のことを指します。
基本的に手を動かすのではなく、職人に指示を出すのが現場監督の役割です。
工程管理はもちろん、品質管理・安全管理、原価管理など1現場のマネジメントを行っています。
そんな現場監督になるために必要な資格はありませんが、持っていると仕事で活用できる資格はいくつかあります。
そこでここでは、現場監督の仕事に活用できる資格を紹介します。
1~2級建築士
設計分野においては、1~2級建築士を取得しておくのがおすすめです。
1級と2級の違いは、設計できる建物の規模です。
1級建築士には規模の制限はありませんが、2級は制限があり戸建ての設計などで活用できます。
建築士の資格が直接的に現場監督に必要ではありませんが、建築に関する知識も持つ証明になり、待遇面でメリットを感じやすくなるでしょう。
合格率は1級で10%2級で20%前後と、簡単な試験とは言えません。
かなりの努力が必要ですが、これを取得しておくと将来のキャリアにも大きく影響するでしょう。
管工事施工管理技士
管工事施工管理技士は、冷暖房設備、下水道やダクト配管工事などの管工事の施工計画作成、工程・品質・安全管理するために必要な国家資格の一つです。
規模が大きい建物になるほど拝観は複雑になり、配管ミスは大きな問題に発展してしまいます。
この資格を持っていると、配管に関する知識が豊富だという証明になります。
電気主任技術者
電気主任技術者は、発電所や変電所はもちろんビルの電気設備に関する保安監督業務をするための資格です。
第一種から第三種まで資格がありますが、第一種は電力会社で仕事をするための資格のため、現場監督であれば第二種か第三種の取得がおすすめです。
ただ第三種の合格率は9%程度で、発電・配電・送電の知識はもちろん、数学や理科の知識も必要とかなり難しいことがわかります。
建築施工管理技士
建築施工管理技士は管理施工に関する資格の一つで、電気工事における施工計画の作成・工事の工程・安全・品質などの管理など電気工事の監督業を担う資格です。
1級と2級がありビルや商業施設など規模の大きい建設現場では1級。4000万円未満の中小規模の建設現場では2級の資格が活用できます。
この資格を取得すれば、営業所に必要な専任技術者や主任技術者、監理技術者として認めら、資格手当などに影響します。
土木施工管理技士
土木施工管理技士は、施工管理技士の一つで土木工事に関する資格です。
土木成功管理技士は、ダム・橋・道路・港湾・トンネルなど私たちのライフラインにかかせない工事の工程管理・計画・品質管理をするために必要となっています。
建設現場でも土木に関する現場である場合、この資格を持っていると、現場監督として専門的な知識を持つという証明になります。
資格には1級・2級とあり、その違いは、施工管理できる規模となっています。
消防設備士
消防設備士は、施設にある消火器やスプリンクラーなどの消防設備の点検・整備・工事をするための資格です。
資格には甲乙があり、甲は点検・整備・工事のすべてを、乙では工事以外ができます。
この資格を取得すれば、建設現場において消防設備に関する工事などに従事でき活躍が期待できます。
かなり細かく資格区分がわかれているため、きちんと調べることが大切です。
消防設備点検資格者
消防設備点検資格者は、講習を3日受け最後の考査に合格すれば取得できる資格です。
ただ受講するためには、管工事施工管理技士や消防設備士、電気工事士などの資格が必要となるため、基準を満たしていないと資格取得ができないことに注意が必要です。
この資格は消防設備の点検に必要で、仕事な幅がかなり広がるでしょう。
マンション管理士
マンション管理士は、マンション修繕工事だけでなく住民トラブルの解決や、マンション管理組合の運営・会計処理のサポートなど、マンションを維持管理していくための国家資格です。
試験には、標準管理規約・建築基準法・都市計画法・消防法・区分所有法だけでなく、水道法や住宅品質確保法も出題されるため、幅広い知識が必要となります。
直接的に現場監督に関係なく感じますが、幅広い知識を持つことの証明となり、任される仕事も広がる可能性があります。
宅地建物取引主任者
宅地建物取引主任者は、宅建とも呼ばれ不動産の売買や賃貸契約の際に、重要事項説明をするための資格となっています。
土地の形質・面積や区分をはじめ、建物の形質・構造などの宅建業法施行規則や民法に関する問題が出題され、合格率は15%~17%程度となっています。
建物に関する法律を熟知しているという証明となり、今後のキャリアにも役に立つ資格の一つです。
不動産鑑定士
不動産鑑定士は、不動産の売買や相続などの手続きの際に、正確な価格を調査して評価するための国家資格です。
不動産の適切な価格を評価するだけでなく、有効活用するためのアドバイスなども行います。
現場監督として不動産に関する知識も有しているという証明になり、さまざまな場面で役に立つ資格となっています。
コンクリート診断士
建設現場で欠かせない、コンクリートの点検・診断をして評価するのがコンクリート診断士です。
高層建築はもちろん、高級注文住宅にも使用されるコンクリートは、建物の耐用年数にも大きく影響を与えます。
建設現場で多く使われるコンクリートに関する調査、診断、維持管理をするための資格のため、現場監督として保有しておくと業務の幅が広がるでしょう。
試験を受ける前に試験前講習を2日間受講しなければいけないという決まりがあります。
現場監督が資格を取得するメリット
現場監督が取得しておくと活躍できる幅が広がる資格を紹介しました。
中には「これが関係あるのか?」と疑問に思うっている人もいるかもしれません。
どの資格も簡単に取得できるというものではなく、仕事とは別に勉強する時間や講習を受けなければいけません。
なぜ特別な資格のいらない現場監督の仕事において資格取得すると良いのか、それを知っておかないと勉強する気になりません。
そこでここでは、現場監督が資格を取得するメリットを紹介します。
資格取得でキャリアプランが広がる
現場監督になるのに必要な資格はないため、特別な資格を取らなくても仕事ができます。
ただ資格を取得しておくことで、その後のキャリアプランが広がるメリットがあります。
現場監督を目指していても、必ずしもなれるとは限りません。
そこで資格があれば別の仕事で資格を活かして別のところで活躍できます。
このように資格取得しておくことで、いつでも別のキャリアを目指せるというのは、自分の自信にも繋がるのではないでしょうか。
今後の転職活動に役立つ可能性がある
資格取得は転職活動にも役立つ可能性があります。
転職活動では、書類選考の際にその人のスキルを判断するために、経歴やスキルを見て判断するしかありません。
そこで資格を取得しておくことがプラスに働き転職活動がスムーズになることもあるのです。
上で紹介したような資格を持っていれば、建設現場だけでなく、電気工事・設計事務所・不動産業界などさまざまな業界への転職が可能となります。
いつどこで興味が湧くかわからないため、資格は取得できる時にしておくのがおすすめです。
資格手当で給与が上がる可能性がある
現場監督として働く場合に、資格取得しておくとそれが「資格手当」の対象となり給与が上がる可能性もメリットです。
特に建設現場役に立つ資格は、資格手当の対象となり給与のアップに繋がります。
資格がなくても現場監督になれますが、資格取得しておくことで給与が上がり信頼度もアップするなど、責任者としてもっと活躍の幅が広がることを期待できます。
現場監督が働きながら資格取得するときの注意点
現場監督として働きながら、さらなるキャリアアップや給与アップを目指す一つの方法として、資格取得がおすすめです。
ただどの資格取得にもたくさんの勉強時間が必要で、決して簡単ではありません。
そこでここでは、現場監督が働きながら資格取得するときの注意点を紹介します。
仕事と両立するのが難しい
現場監督として働いていると、現場の工程管理や安全管理・品質管理のためにたくさんの業務を行うことになります。
そこに資格取得のための勉強時間を設けるのは、簡単なことではありません。
最初はやる気があっても、仕事の忙しさから徐々に勉強が大変になってしまい、辞めてしまう人もいるでしょう。
また勉強に集中しすぎてしまうと仕事に影響が出てしまう恐れもあります。
このように余程強い気持ちでいないと、資格取得のための勉強と仕事の両立が難しいことにも注意が必要です。
勉強時間が長い
上で紹介した資格の中には、合格率が低くかなりの時間を勉強に費やさなければいけない場合もあります。
資格によっては1000時間の勉強が必要と言われる資格もあるくらい、しっかり勉強しないと合格できません。
そのため仕事のあと勉強時間を設け、毎日コツコツ進めなければいけないのも大変なことの一つです。
受験資格が設けられていることがある
取得したいと思う資格があってもそれに受験資格がある場合は、まずはその条件を満たさなければいけません。
この資格がないとそもそもの受験資格がないという資格もあり、その場合まずは前段階の資格取得を目指す必要があります。
これが取りたい!と思っても、すぐにできない可能性があるのも、注意するべきポイントです。
現場監督の資格を確認してキャリアに活かしてみよう
現場監督の仕事に活用できる資格を紹介しました。
現場監督に特別な資格はありませんが、関係のある資格を取得しておくことで、現場監督だけでなく今後のキャリアにも繋がっていきます。
資格取得は決して簡単ではありませんが、今後のキャリアのためにも仕事と両立し取得を目指してください。