老人ホームなどの介護施設は、自然が豊かなほど高齢者の健康を促進しやすく、地方の優位性が高いもの。
その一方で、高齢者には緊急医療が必要になることも多く、都市部へのアクセスの良さも求められます。
その点、名古屋という大都市に近く自然も多い岐阜県は、介護産業のポテンシャルが特に高い県の1つといえるでしょう。
ここでは、そんな岐阜県でおすすめできる介護転職サイトや、同県の介護士の転職事情をまとめていきます。
岐阜県でおすすめの介護職転職サイト・エージェント
介護転職の求人サイトを見ると、非常に多くの情報が掲載されています。
しかし、岐阜県での介護転職を考えるのであれば「岐阜県の情報」が多数紹介されているサイトが便利だと、多くの人が考えるでしょう。
ここではそのように「岐阜県での介護転職の情報」が多く掲載されているサイトを6つ紹介していきます。
1位 岐阜介護求人センター
岐阜県に特化した介護求人の情報サイトです。エリアや職種、雇用形態や保有資格など、さまざまな条件から求人情報を絞り込んで検索できます。
岐阜県に限定されている分、通常のサイトよりもエリア検索をしやすいのがメリットです。
一般的なサイトでは、岐阜県のエリア分けは「岐阜」と「飛騨・高山」に分けられています。
しかし、岐阜介護求人センターでは、岐阜エリアが「岐阜・西濃・中濃・東濃」と4つに分けられているのが特徴です。
特に地域にこだわって求人情報を探したい人に役立つサイトといえるでしょう。
2位 カイゴジョブ
カイゴジョブでは、会員登録が完了するとすぐ条件に合う求人情報を案内してくれます。
非常にスピード感があるため、できるだけ早く求人情報を見つけたい、効率的に転職活動を進めたいという方にとっては最適と言えるでしょう。
また介護職の求人情報を直接聞くことが出来る「カイゴジョブフェスタ」が頻繁に開催されています。
無料セミナーや介護に関する多くのイベントを主催していることも、このサイトの大きな特徴です。
カイゴジョブに登録しているとこれらのイベントに参加可能となりますよ。
3位 ミラクス介護
ミラクスの大きな魅力は、職種はもちろん施設や雇用形態など、さまざまなこだわり条件を入力することで希望の求人が閲覧できる条件検索のきめ細やかさです。
介護系特化サービスならではの、ニーズに合った使いやすさが人気ですよ。
幅広い条件をそれぞれ組み合わせることで、自分にピッタリの求人案件が探せるとの人気が高いことで知られています。
もうひとつの魅力は介護業界の転職を成功させるための支援サービスが充実していることで、特に正社員案件のバックアップには定評があります。
介護業界事情や、各施設の情報を網羅したプロのキャリアコンサルタントが親身になってサポートしてくれるため、自分に合った転職ができると評価が高まっています。
4位 e介護転職・岐阜
e介護転職は、介護と福祉に特化した求人情報サイトです。総合的な求人情報サイトよりも、この2分野の情報を詳細な条件で絞り込めます。
職種ごとの検索でも、児童発達支援管理責任者やサービス管理責任者など、細かい分類で情報を探すことが可能です。
サービスの種類からの検索も、特養ホームやグループホームなど、「このような場所で働きたい」という細かいニーズに合わせて情報が整理されています。
岐阜県のページにも県内の各エリアで、さまざまな職種の求人を多く見ることができ、岐阜県内での介護転職で非常に役立つサイトです。
5位 介護求人ナビ岐阜
介護求人ナビは、介護職専門の転職・求人情報サイトです。
介護業界では最大級の求人サイトであり、膨大な案件から希望の情報を探せます。
岐阜県内の求人情報も非常に多く、2022年4月19日時点での求人件数は311件です。
ヘルパーやケアマネージャーなどの職種はもちろん、送迎ドライバーや事務関係職など、介護系の資格が必要ない職種の求人も多く掲載されています。
「まだ資格を持っていないが介護の分野に転職したい」という人にも、自身のスキルや経験に合った仕事が見つかりやすいでしょう。
6位 クリックジョブ介護
クリックジョブ介護では、他の転職サイトには掲載されていない「独占非公開求人」が多いのが大きな特徴です。
非公開求人とは、条件が良かったり募集人数が少なくて、一般公開すると応募が殺到してしまうような求人の事。
そのため混乱を避けるために、特定の転職サイトのみが預かっている求人なんですね。
クリックジョブ介護の紹介でしか応募できない求人も多数あるため、他のサイトでなかなか理想の求人が見つからないという方はぜひ登録してみましょう。
介護士におすすめ転職サイト・エージェントランキング!【2022年】
岐阜県の介護職転職事情
岐阜県は全国的に見ても高齢化率が高い県です。
平成22年の国勢調査によれば、65歳以上の年齢層の、全体に対する人口比率が24.1%となっています。
これは同年の全国の数値である23.0%を上回る数値です。75歳以上の後期高齢者の比率は11.8%で、これも全国平均の11.1%を上回っています。
このように高齢化が深刻な県であるため、介護職も人手不足の傾向にあり、他の都道府県と比較すると求人は多めといえます。
その点では、介護転職の難易度は高くなく、希望の条件で転職できる可能性も高いと考えられるでしょう。
平均年収はどれくらい?
岐阜県における介護職の平均年収を性別ごとにまとめると、下の表のようになります。
職種 | 男女計 | 女性 | 男性 |
---|---|---|---|
ホームヘルパー | 280.7万円 | 270万円 | 318.8万円 |
介護支援専門員(ケアマネージャー) | 359.8万円 | 355.3万円 | 393.3万円 |
福祉施設介護員 | 344.5万円 | 333.2万円 | 367.1万円 |
看護師 | 478.2万円 | 478.3万円 | 477.1万円 |
准看護師 | 390.9万円 | 390.9万円 | – |
看護助手・看護補助者 | 351.7万円 | 351.7万円 | – |
栄養士 | 368.2万円 | 348.9万円 | – |
調理師 | 325.4万円 | 280.3万円 | 332.6万円 |
准看護師や看護助手、栄養士などの男性が少ない職場については、平均年収のデータがありません。
しかし、男女を合わせたデータがある栄養士は、女性の平均年収から推測して、およそ375万円前後であると推測できます。
全体的に男性の給与が高いものですが、例外的に看護師は女性の給与の方が高いのが特徴です。
介護職の平均年収は315万円!平均相場よりどれくらい低い?
求人はどの地域が多い?
同じ岐阜県の中でも、介護職の求人が多い地域ほど、好条件の仕事が見つかりやすくなります。
このため、無理なく通える範囲であれば、同じ岐阜県内でも求人の多い地域から探すのも有効な選択肢です。
ここでは、そのように求人を探す人のために、岐阜県内でも特に介護求人の多い地域の上位3位を紹介します。
各サイトでの求人件数などのデータは、2019年6月23日時点のものです。最新の情報は変化していることに留意してください。
1位 岐阜市
もっとも求人が多いのは、やはり岐阜市です。「岐阜介護求人センター」の求人件数は784件となっています。
同サイトでは、岐阜市内でも大池や大洞、茜部や島田といったエリアの情報が多いのが特徴です。
別のサイトを見ると「介護求人ナビ岐阜」では、岐阜市の求人数が176件となっています。
岐阜県全体は474件であり、県内における求人の3分の1以上が、岐阜市に集中している状態です。
こちらは尼崎町や栄新町、南蝉や菱野などのエリアの情報が特によく見られます。
2位 大垣市
2番目に求人が多い地域は、岐阜市に次いで人口が多い大垣市です。
「岐阜介護求人センター」では361件の情報が掲載されています。同サイトの求人情報では、外渕や多芸島、東前や赤坂などの地域で求人が多く見られます。
「介護求人ナビ岐阜」を見ると、大垣市の求人は43件です。岐阜県全体の10%を占めており、岐阜市ほどではないものの特に求人が多いことを実感できます。
同サイトの情報では、築捨町や美和町、禾森町や久瀬川町などの求人が見られます。
3位 高山市
3位は飛騨・高山エリアの中心都市である高山市です。「岐阜介護求人センター」では75件の情報があります。
新宮町や朝日町、上切町や清見町などが、特に最新の求人が多い地域です。高山市ならではの特徴としては、奥飛騨温泉郷の求人が多数あることでしょう。
この地域は観光客にも人気ですが、湯治の健康効果の高さから高級老人ホームの用途でも需要の高い立地です。
こうした環境で働くことは高齢者の方だけではなく、介護職員の健康にも好影響を与える可能性があるでしょう。
岐阜県の介護職求人の特徴
岐阜県での介護の求人数は、全国的に見ても多いといえます。理由は高齢者単独世帯の増加にあります。
2010年から2015年にかけて岐阜県では、65歳以上の高齢者単独世帯が1.23倍に増加しました。
これは「生活上の支援を必要とする人が増えている」ということであり、介護職のニーズの高さが、数字でも裏付けられているといえます。
年収については、岐阜県のすべての職業の都道府県ランキングが参考になるでしょう。この数値は21位で、介護・福祉の各職業についても、おおむねこのレベルになるといえます。医師や薬剤師などの職業を除けば、ほとんどの職業は都道府県のランキングや平均年収がそのまま当てはまることが多いためです。
職種については、他の都道府県と比較して際立った特徴はありません。
しかし、東京や大阪などと比較すると、デイケアセンターの送迎ドライバーなどの需要が多いといえます。これらの大都市と比較して、自動車がなければ移動が不便なためです。雇用形態は他の都道府県と大きく異なることはありませんが、女性職員の割合が78.3%と高いのが特徴です。
全国平均より女性比率が高い分、パートなどの非正規雇用の比率も高い可能性があります。勤務先については、飛騨高山を中心として自然の豊かなエリアが多いのが特徴です。この点は、他の都道府県と比較して、自然が好きな介護職の方にとってメリットといえるでしょう。
岐阜県のおすすめ求人
岐阜県で介護の仕事を探すのであれば、実際に出ている求人情報に特に興味があるでしょう。
岐阜県の介護業界全体の動向も重要な情報ですが、具体的な求人情報は転職活動に直接役立つものです。
ここでは、そのような実際の求人情報の中でも、特におすすめできるものを紹介していきます。
1位 特別養護老人ホーム・あんきの家「細畑」(岐阜市)
職種 | 常勤介護職(ヘルパー2級・初任者研修・介護福祉士など有資格者) |
---|---|
休日 | 週休2日制・有給休暇 |
就業時間 | シフト制 |
基本給与 | 165,200円~183,200円(介護福祉士・4年制大学卒業・介護職3年間経験の場合) |
賞与 | 年3回 |
昇給 | 年1回あり |
社会福祉法人「みどり福祉会」による求人情報です。ヘルパー2級や介護福祉士などの資格を持つ人が対象の求人となっています。
休日が豊富にとれるのが特徴で、2018年の実績は年間で116日となっています。有給休暇は10日から20日取得可能です。
賞与は年3回で7月・12月・3月に支給されます。合計で4.1カ月分という条件です。その他、資格手当や夜勤手当などの各種手当も充実しています。
2位 特別養護老人ホーム「パサーダ」(大垣市)
職種 | 正職員 |
---|---|
休日 | 月9日、その他(夏季休暇3日、冬季休暇3日) |
基本給与 | 170,000円~235,000円 |
賞与 | 年2回 |
昇給 | 健康保険、厚生年金、雇用保険、労災保険 |
社会福祉法人・北晨が運営する、特別養護老人ホーム「パサーダ」の求人情報です。
ここでは一例としてホームヘルパー2級以上の求人を紹介していますが、2019年6月24日時点で、下のような条件でも求人情報があります。
- 新規学卒者
- 介護福祉士
- 正看護師・准看護師
- 機能訓練指導員
また、介護の資格が必要のない職種としては、送迎車両運転手のパート職員などがあります。
こちらは2種運転免許は不要で、普通免許で応募可能です。「介護の資格はないけど介護業界に転職したい」という人にもおすすめできます。
3位 社会福祉法人「清徳会」(高山市)
職種 | 介護職員・看護職員 |
---|---|
給与 | 大卒177,200円など |
休日 | 完全週休2日 |
加入保険 | 社会保険 |
社会福祉法人「清徳会」による求人情報です。勤務地は同法人が運営する下の4つの施設のいずれかです。
- 特別養護老人ホーム新宮園
- 特別養護老人ホーム豊楽園
- 特別養護老人ホーム南風園
- 清徳会宙
高山市の中では特に大きな社会福祉法人であり、高山市内で介護の仕事を見つけたい人には特におすすめできる求人です。
給与は学歴によって分かれており、一覧にすると下記のようになります。
- 大卒…177,200円
- 短大・専門卒…162,800円
- 高卒…153,600円
これらは初任給であり、勤続しているうちに昇給していきます。昇給は年1回で、賞与は年2回です。
岐阜県へ転職した介護職の体験談
介護でもその他の業界でも、転職活動をする際には「その業界での転職に成功した人の体験談」が参考になるものです。
とりわけ同じ岐阜県での転職を成功させた人の話は、身近に感じやすく、成功のイメージトレーニングにつながる効果も高いといえるでしょう。
ここではそのような目的から、岐阜県で介護職の転職を成功させた3名の方の体験談を紹介します。
残業手当や夜勤手当をしっかり払ってくれる職場に転職したかった(22歳女性・介護福祉士)
年齢 | 22歳 |
---|---|
性別 | 女性 |
職種 | 介護福祉士 |
転職前の年収 | 240万円 |
転職後の年収 | 290万円 |
転職理由 | 雰囲気のいい職場に移りたかったため |
私は高校卒業後に専門学校の介護福祉士コースを卒業し、そのまま老人ホームの職員となりました。私は介護の仕事に大きなやりがいを感じており、体も丈夫なため、夜勤や長時間労働が多くてもまったく平気でした。しかし、前の職場では残業手当や夜勤手当がしっかり払われておらず、裁判でもしない限りはまともに対応してもらえないという状態でした。
まだ年齢も若く、他の職場にもすぐ転職できる自信があったため、勤務2年目で前の職場を退職しました。そして、転職活動の際には、夜勤手当や残業手当をしっかり払ってもらえるかどうかという一点のみを見ていました。
仕事は大好きで、休みは少ない方がむしろ良いくらいだったので、「お給料だけはしっかり払ってほしい」と考えていたためです。いくつかの施設を回った結果、その点で信頼できる職場を見つけ、今はそこで働きながらとても充実した日々を送っています。
雰囲気のいい職場に移りたかった(36歳男性・ケアマネージャー)
年齢 | 36歳 |
---|---|
性別 | 男性 |
職種 | ケアマネージャー |
転職前の年収 | 390万円 |
転職後の年収 | 390万円 |
転職理由 | 雰囲気のいい職場に移りたかったため |
私は福祉系の大学を卒業後、14年間ケアマネージャーとして働いています。この仕事に誇りを持っていますが、人間関係だけは何かと難しいものがあるなと、いつも思っていました。前の職場でもずっと我慢していたのですが、あるトラブルをきっかけに「もっと雰囲気のいい職場で働きたい」と思うようになりました。
このような動機だったため、年収についてはまったく意識していませんでした。楽しい職場で働けるなら多少下がってもいいというくらいの気持ちで、転職活動をしていました。結果的に今の職場で前職と同じお給料を保証していただき、とても感謝しています。もちろん、もっとも重視していた職場の雰囲気はとても良いもので、毎日気分よくお仕事させていただいています。ストレスがなくなったことで、体も健康になったと感じています。
子育てが終わりパートから正職員になりたいと思った(44歳女性・ホームヘルパー)
年齢 | 44歳 |
---|---|
性別 | 女性 |
職種 | ホームヘルパー |
転職前の年収 | 90万円 |
転職後の年収 | 280万円 |
転職理由 | 正職員としての求人がある施設で働きたかった |
私は子育てをしていた時期にホームヘルパーの資格を取得し、子どもが高校を卒業するまでは、パートとして前の施設で働いていました。
子どもが大学に進学して県外で一人暮らしを始めたことで、もう手がかからなくなったため、ヘルパーとして正職員の仕事を見つけたいと考えました。
この年齢で正職員になるのは当然難しく、前の職場ではパートとしてしか雇ってもらえない状態でした。そのため、ネットの求人サイトを見ながら転職活動を繰り返し、ようやく現在の職場を見つけたといういきさつです。私の場合、正職員が不足して困る施設が出るまで、ひたすら粘り強く情報を探したのが良かったと思います。それができたのも、多くの求人情報サイトのおかげであり、とても感謝しています。