面接をする際に、逆質問をする機会が与えられます。
面接官が一通り質問を終わった後に、「何か質問はありますか」と聞かれることがあると思いますが、この質問時間には深い意味があります。
この逆質問の時間は、転職への意欲を確認する意味が含まれています。
逆質問を上手に利用すれば面接官の心証を一気にアップすることが可能です。
逆にまずいことを言ってしまうと、せっかくこれまでの面接の過程で積み上げてきた良い評価を一気に失うこととなります。
特に転職においては逆質問には大きな意味があると考えましょう。
今回は面接官に「おお!これは非常に優秀な転職希望者だな」と思わせられるような逆質問と、一気に内定確立を下げてしまうNGな逆質問を具体例を添えて解説いたします。
少し長くなりますが、最後までお付き合いくださいね。
目次
面接官が質問をする意味とは?意図を把握することが重要
面接官は質問項目すべてに意味を持たせて質問しています。
例えば、「どんな本を愛読されていますか?」という質問があったとします。
小説でもビジネス書でも、読んでいる本はなんでも結構ですが、自分の考え方が色濃く反映されているようなビジネス書や話題のベストセラーを答えるのが無難です。
この質問は、高校生を採用する際の面接では、禁止されている質問です。
どんな本を読んでいますか、という質問は思想を問いていると捉えられるからです。
私がうっかりと高卒採用の面接の場で、この質問してしまい、ハローワークと労働局から呼び出しの上、なぜこんな思想を問うような質問を面接者に対してしたのか?と詰問されました。
そしてしばらく面接官を外されたという経験があります。
人事の面接での質問にはこのようにすべてに何らかの意図が含まれています。
もしも、逆質問を転職希望者が行うのであれば、必ず意味を持たせることを心がけるようにしましょう。
他の転職希望者と、大きな差をつけることができます。
最後に行う逆質問にはどんな意味が込められている?
面接官は一通り面接で、聞きたい質問を聞き終えた後、「最後に、ご質問はありませんか?」と聞いてくると思います。
人事が逆質問を行う場合には、3つの知りたいポイントがあるので質問をしています。
面接官が逆質問で知りたい3つのポイント
- 会社へ本当に興味があるのか
- 質問力があるか
- 会社とのミスマッチはないか
会社へ本当に興味があるのか
一つ目は、うちの会社に本当に興味があるのかどうかを知りたいという場合です。
特に転職希望者は複数の会社を受けることがある意味、当たり前なので、志望度の高さを知りたいという意味があります。
そして志望する会社に興味を持っているならば当然、疑問点がたくさん沸いてくるはずです。
面接官に遠慮をせずに、聞きたいことや疑問点はしっかりと聞いて、解消するようにしましょう。
質問力があるか
二つ目は、質問力を試しています。仕事の基本は、細かい確認と質問です。
何でもハイハイと言ってしまう素直さは新卒採用の際には重視されますが、社会人の転職の場合は、そういう人よりも、質問をしっかりとして仕事を進められる人が求められています。
仕事の出来る人材は細かい確認を怠りません。
会社とのミスマッチはないか
三つ目は、転職希望者と会社のミスマッチを防ぎたいということです。
ミスマッチを防ぐ基本は、転職希望者の仕事に対する価値観と、面接官が経営者から指示されている会社としての行動計画を初めとした会社としての価値観とズレがないかを確認したいということがあります。
この転職希望者の価値観と会社の価値観にズレがあると内定者の短期離職のような致命的で悲劇的な結果を招きます。
会社も転職希望者も激しく傷つくのです。
面接官も、その胸中は常に不安があります。
もしも採用した人材が短期離職した場合には、その内定を出した面接官が激しい叱責を経営者から受けます。
面接官はその採用手法を1から問われますし、お前は人事として人を見る目がない、お前は会社に損失を与えたという強烈な叱責を受けます。
面接官と転職希望者は、お互い同じくらいプレッシャーを感じているものと考えるようにしましょう。
そうすれば、自然と、面接官に対する緊張が解けていきます。
転職希望者と面接官は対等な立場であり、面接はあくまでスキルの売買交渉の場であるということを念頭に入れるようにしましょう。
面接で逆質問して「これは優秀だ!」と人事に思わせる質問とは?
転職希望者が逆質問で人事部に対してこれは優秀だ!と思う質問の基本は、転職しようとする会社の現状の課題に対して、私はこう考えているという風に、転職先の会社の現状把握と自分の意見をミックスさせると優秀だなと感じてもらうことが可能です。
この逆質問手法には逆質問の基本として取り込んでしまえば、簡単に面接の場でアレンジすることができるようになります。
自動車メーカーへの転職を決めた優秀な逆質問の具体例
24歳の転職希望者が、現在勤めている商社を辞めて、自動車メーカーに転職しようと考えています。
自動車メーカーの最終目標は、すべての日本国民1人に車を1台以上保有させることで新車をユーザーに送り届けることです。
その目標達成のために、自動車メーカーは各社どの会社も苦心しています。
自動車メーカーの命は、新車が何台売れるか。
生産工場の高稼働な状態を維持しながら、どれだけその新車を効率よく生産するかが永遠の課題です。
しかし、もっと大きな課題が出現しました。
AIの自動運転技術の発展によって、運転手も必要なくなり、国民全員が車を保有する意味もなくなってしまうという大きな問題です。
自動車業界の目標と価値観、これからの課題を頭に入れておきましょう。
面接は終始、良い雰囲気で進み、いよいよ面接の終盤に人事から、「最後に、何か質問はありませんか?」という質問が出ました。
このように現実的に起こっている問題と、これからの転職先の展望に興味があるという逆質問は、強烈に相手の印象に残ります。
大企業でも中小企業でも、経営者が口を酸っぱくして言う言葉があります。
「どれだけ考えた?本気で考えてこの企画書を持ってきたのか?安易にやろうとするな」
どれだけ考えられるのか?という能力もこれからの世代には求められます。
このようにしっかりとした逆質問をすることができれば、面接官は間違いなくこの転職希望者は本気であり、優秀であるという印象を持つことになります。
転職先の業界の抱える問題をしっかりと把握し、自分なりに解決策や考え方を示せるようにしておきましょう。
この逆質問は危険!避けるべき逆質問とは?
避けるべき逆質問とは、ずばり、働く気が本当にあるのかと疑われるような質問と、自信がなさそうに見える逆質問です。
代表的な質問がこれです。
「有給休暇は取得可能ですか?」
大企業ならば問題ありませんが、もしも中小企業やスタートアップ時のベンチャー企業では聞かない越したことはありません。
大企業はしっかりと年休取得目標を立てており、1カ月に1日以上有給取得促進などが掲げられている企業が多いです。
大企業は労働組合なども力が強いので、しっかりと有給休暇は取れるので聞いても差し支えはないでしょう。
しかしベンチャー企業や中小企業ではいまだに有給取得=悪という考え方を持っている会社もあります。
特にスタートアップ時のベンチャー企業では有給休暇以前に、普通の休日を取得することも難しいです。
会社の立ち上げ時には、会社内は戦争状態です。
仕事の進め方自体に決まったルールがないので、手探りで仕事をするのが常の状態で、有給休暇を普通の企業のように申請するのは難しいという認識を持っておきましょう。
また中小企業においても、トップの考え方にも大きく左右されますが、そもそも中小企業は人員に余裕がないことも多く、有給休暇の取得が難しいという可能性があることも考慮するようにしましょう。
これが最悪の逆質問だ!
「未経験ですが、入社してから仕事についていけるか不安ですが、大丈夫ですか」
自信がなさそうに見えるような逆質問は絶対に避けるようにしましょう。
面接官が不安になってしまうような質問です。
もしも、転職先の募集職種のプロフェッショナルで、職務経験が十分にあるならば謙遜にも聞こえますが、これから未経験の仕事に挑戦したい!というときには出来るだけ自信を持って面接に臨んでください。
仮に職種のプロフェッショナルであったとしても、転職後の現場においては毎日予測不可能な事態が起きて、自信を失うような出来事の連続です。
面接の場ですでに自信がないという印象を受けると、採用内定の出しようがありません。
出来るだけ胸を張って、未経験の仕事であったとしても活躍して見せるという印象を与えるようにして下さい。
転職活動は転職サイトを活用しよう!
いい逆質問と悪い逆質問についてこれまで解説をしてきましたが、面接にたどり着けなければ、逆質問をするチャンス自体を掴むことができません。
転職サイトの活用をすることで、逆質問をするチャンスを手に入れましょう。
また、転職サイトには転職に関するニュースをメールなどで送信してくれるため、面接の事前対策に役立つ情報満載です。
良い逆質問の作り方なども解説されていますし、人事担当者自身がコラムを執筆していることもあるため、非常に有益な情報を手に入れることも可能です。
転職サイトでチャンスをつかみましょう。
新天地でご活躍されることをお祈りしております。