「自由度が高い」「いろんな職種がある」「企業が選べる」など、メリットが豊富な派遣社員。一方で、働ける期間が決まっているなどのデメリットも存在します。
派遣社員としての人生を歩む場合は、すべてのデメリットを把握した上で働くことがオススメです。
ここでは、派遣社員になったらぶち当たるであろう「9つの壁」を紹介しています。
のちのち後悔しないよう、すべてのデメリットを理解して登録するようにしましょう。
目次
派遣社員として働く9つのデメリットと実態
派遣社員とは、派遣会社に登録して、派遣会社が紹介する派遣先企業で働く人を指します。
業務においての指揮命令者は派遣先企業の上司になりますが、雇用契約を交わしているのは派遣会社です。
派遣先企業が労働力の対価として派遣会社に報酬を支払い、派遣会社はマージンを差し引いてから派遣社員に給与を支払う仕組みになっています。
派遣社員という働き方を選択した人は、「プライベートを重視できる」「責任感がなくて気楽」などの理由で選んだ人も多いでしょう。
しかし実際に働いていく中で、正社員と派遣社員の格差に気づき、働きづらさややりがいのなさを感じるかもしれません。
ここでは、派遣社員として働いたときに感じる9つのデメリットを解説します。
デメリットを理解した上で、もう一度「理想の働き方」について考えてみましょう。
交通費が自己負担
基本的に派遣会社から交通費は支払われません。
そのため勤務先が自宅から近ければいいですが、地方から都市部に通勤している人は、定期代が大きな負担になりがちです。
まれに「交通費補助あり」と書かれた求人票もありますが、その場合は時給が低く設定されています。
交通費なしのケース
時給2,000円×8時間=16,000円
時給1,930円×8時間+500円=15,940円
このように、計算してみるとほとんど差がないということがありますので、交通費の有無だけで判断するのは注意が必要です。
有給休暇は当日申告NG
風邪などの体調不良で派遣先を欠勤した場合、当日の申請では有給扱いにしてもらえないケースがあります。
派遣会社としては、派遣スタッフにできるだけ有給を使用せずに働いてもらいたいので、「派遣社員の有給取得は事前申告に限る」という規則を設けているのが実態です。
また派遣先は人手不足で派遣社員を雇っているため、有給をどんどん使われてしまっては「派遣を雇っている意味がない」と考える企業も少なくありません。
派遣社員が有給をとる際は、派遣先の休暇に合わせることや、自分の代わりに業務を担当してくれる社員にきちんと引き継ぎをするなどの配慮が必要です。
契約が更新されるとは限らない
派遣社員は「有期雇用」ですので、あらかじめ契約期間が定められています。
多くの企業では、3ヶ月や半年の期間を設け、双方が更新を望めばその後も働き続けることが可能です。
しかし会社の居心地が良く、周りの社員ともうまく接していたとしても、企業の業績や仕事が無くなったなどの理由で契約を更新されないケースもあります。
そうなると、新しい職場を紹介されることになりますが、また一から仕事や名前を覚えることになり、精神的な安定も得られません。
さらに派遣社員の場合は、40代、50代になるにつれて需要が減り続けます。
「手に職がある」「スキルが高い」などの魅力がないと、年齢を重ねるごとに仕事がなくなり、紹介してもらえなくなることを忘れてはいけません。
代わりが効く仕事が多い
派遣として働くメリットの上位を占めるのが「責任が軽い」というものなので、デメリットには感じないかもしれませんが、責任のある業務を派遣社員に任せることはありません。
基本的にはマニュアルに沿ってこなしていくルーティンワーク、つまり「誰でもできる仕事」を任されることになります。
自分の働きがどんな役に立っているのかも把握しづらいポジションで、スキルアップも難しい環境です。
「誰かに頼りにされたい」「バリバリ働きたい」という人の場合、モチベーションの維持は難しいでしょう。
ボーナスがない
派遣社員の時給はわりと高めなケースが多く、経験者であれば一般事務でも1,500〜1,600円ほどの時給が支払われます。
しかしボーナスや退職金のような制度はなく、毎月の給与から計画的に貯金をしなくてはなりません。
ボーナスがないことは事前に分かっていたとしても、7月や12月にワクワクしている正社員をみると、「派遣だけがなぜもらえないの」と悔しい気持ちになります。
派遣会社によって時給に差がある
派遣会社によって、同じ部署で同じ業務をしているのに、派遣スタッフの時給が違うということが発生します。
これは派遣会社のマージン率による違いで、派遣社員の時給はマージンで決まってしまうのです。
派遣先企業では、大体同じ料金を派遣会社に支払っていますが、どれだけのマージン率で派遣スタッフに支給しているかは把握していません。
そのため、派遣スタッフ同士で内輪の話になったときに、「〇〇の派遣会社の方が、時給が50円安かった」などという事実が発覚してしまいます。
マージン率が30%の場合、派遣先から1,950円の時給が支払われ、派遣会社に450円搾取された残りの1,500円を時給としてもらっているということです。
未経験者は時給が低い
事務職の場合、経験者は1,600円ほどもらえるのに対し、未経験者は1,200〜1,400円程度の時給しか支払われません。
派遣の場合は「即戦力」を期待されているため、一から指導しなくてはならない未経験者は、仕事が選べないのがデメリットです。
しかし半年〜1年だけ安い時給で我慢すれば、次からは経験者として働くことができます。
派遣社員のことをきちんと考えてくれる派遣会社であれば、派遣コーディネーターが未経験者でも比較的働きやすい職場を紹介してくれるでしょう。
多少の条件には目をつぶって、まずは実務経験を積むことを重視し働いてみることがオススメです。
最長3年までしか同じ職場で働けない
派遣社員として、同じ企業の同じ課で働けるのは最長3年までと決まっています。
なぜこのような期間が設けられているのでしょうか?
そもそも派遣とは「一時的なもの」であるという大原則があり、3年以上も派遣社員として働かせるのであれば、正社員として雇って下さいというのが理由です。
しかし、フルタイムで働きたくない人や、正社員として責任を負う働き方を望んでいない人には、この法律は邪魔になっています。
「派遣社員を守る」という定義は、すべての派遣社員には当てはまっていないのが現実です。
派遣社員が少ない会社では孤独感強め
コールセンターや事務、秘書などは派遣社員のみで構成させていることが多く、普段の業務で格差を感じることはありません。
しかし派遣社員が少ない部署では、正社員に囲まれて仕事をするという孤立された環境に強いられるケースもあります。
派遣社員は「お金」を目的として働くのに対し、正社員は「会社」のために働いています。
そのような状況で、派遣社員を厳しい目でみたり、見下したりする正社員もいるようです。
同じ場所で働いていても、仲間として接してもらえず、派遣として働くことを惨めに感じてしまうこともあるでしょう。
正社員より派遣社員がいい?それぞれのメリット・デメリットを比較
派遣社員はどこの派遣会社に登録するかが非常に重要
派遣社員が安定して働くためには、「どの派遣会社に登録するか」が大切で、派遣会社の選択を誤ってしまうと、以下のようなことが起きる可能性があります。
- 給料が支払われない
- 個人情報の流出
- 悪条件の仕事しか紹介してくれない
- 派遣先に媚を売って派遣社員の気持ちを考えない
- 福利厚生がない
- 派遣先へのフォローがない
このようなあり得ない状況に立たされてしまうこともありますので、登録するなら大手の派遣会社がオススメです。
現在、派遣の事業所は全国に8万カ所以上あり、コンビニよりも多いそうです。
その分、倒産する会社も多く、給料が支払われず事務所も消えてしまったということが実際に起こっています。
あなたを雇用しているのは派遣先企業ではなく「派遣会社」です。登録する前に、派遣会社の実績がどのくらいあるのか、どのくらいの案件(派遣先)を抱えているのかを十分に把握してから登録するようにしましょう。
無期雇用派遣は自由な働き方ができない?
2015年の労働者派遣法の改定により、無期雇用派遣という新しい働き方が注目されました。
無期雇用派遣とは、一般的な派遣社員とは異なり、派遣先で就業していないときでも常に派遣会社に雇われている雇用形態です。
派遣会社の社員になるので、収入も雇用も安定します。
しかし派遣の魅力である「自由な働き方」「派遣先企業を選べる」という選択肢がなくなってしまうというデメリットは見逃せません。
派遣会社としては常にどこかの企業で働いていて欲しいので、派遣会社の指示があれば指示通りに働き続けなくてはならないのです。
結果として、「長期の休みが取れない」「休む間もなく次の派遣先が紹介される」といった実態が起こってしまいます。
派遣社員になる前に「3年後の自分」について考えよう
自由さが魅力の派遣社員ですが、自由さゆえに不安定さも付きまとってしまう働き方であるのは間違いありません。
しかし、ここで挙げたようなデメリットも、受け取る人によってはメリットになるケースもあります。
すべての派遣社員がデメリットばかりというワケではないのです。
派遣社員になろうと思ったら、3年後にどうなっていたいかを考えて派遣先を選んでみましょう。
「スキルアップして正社員になりたい」「留学するまで」「妊娠するまで」など、自分で見切りをつけて働くことが、派遣社員として失敗しない人生を歩むコツです。
40歳を過ぎると紹介される仕事は急激に減ります。
後で後悔することがないよう、計画性を持って働くようにしましょう。