派遣社員の中には、勤務をはじめてすぐに辞めてしまう人もいますよね。
派遣会社の中では、「派遣当日から1週間が一番大切」といわれることも多く、それくらいはじめも1週間以内に辞めてしまう人が多いのが現実です。
中には派遣されて即日辞めてしまう人も。
もちろん長期的に誠実に働いてくれる人もいますから、出来れば多くの派遣社員の方にもそんな風に長く勤めてほしいものです。
そこでこの記事では、派遣社員がすぐに辞める理由と定着率あげるための方法について解説します。
派遣社員がすぐに辞める職場の特徴についても紹介していますので、現在の状況と照らし合わせながら目を通してみてください!
目次
派遣社員がすぐ辞める理由
派遣社員がすぐ辞める理由は、主に下記の6つです。
- 待遇に不満がある
- 人間関係や職場の雰囲気が悪い
- 仕事内容が合わないと感じた
- スキル不足で業務についていけない
- 責任感がない
- 本当にやむを得ない理由がある
ここから順に解説していきます。
待遇に不満がある
派遣社員の中には、主に金銭系の待遇に不満を持っている人が多いです。
正社員と比べるとそもそもの給与が安い、賞与がない、交通費が出ないこと等が離職の原因となっていることも多いのですね。
昇給の見込みも感じられず持ったような待遇が受けられないとわかると、早々に見切りをつけて次の職場を探そうと考えるのです。
人間関係や職場の雰囲気が悪い
待遇には納得していても、職場の雰囲気が悪く人間関係に不満がある場合は派遣社員がすぐ辞めてしまう傾向にあります。
職場の雰囲気というのは実際に就業を始めてみないとわからないことですし、一緒に働く仲間を選ぶことはできませんからね。
派遣社員にとって、どんな職場に派遣されるかは運次第。
うまくいかなそうなら、ガチャを引き直すように次の職場を探そうという発想で、早々に辞めてしまうこともあります。
また正社員と派遣社員という立場の違いから、人間関係に不和が生じることもありますよ。
仕事内容が合わないと感じた
就業を始めてみて、「思っていた業務内容と違う」「事前に聞いていない業務まで担当になっている」という状況が生じると、辞めてしまう人は多くなります。
募集要項の内容や派遣前の説明と、実際に現場で依頼される仕事内容にギャップがあると、話が違う!と感じてしまうのですね。
仕事内容のミスマッチは、派遣社員の退職理由の中でもかなり多い原因の一つなのです。
スキル不足で業務についていけない
働く前は楽な仕事だと思ったのに、いざ働いてみると予想上に高いスキルを求められる内容で業務についていけなかった、なんてことも起こっています。
特に未経験や初心者歓迎を押し出した募集の場合、派遣社員の感じるギャップも大きくなりやすいです。
業務の難易度が派遣社員に正確に伝わっていないと、ミスマッチの原因になりやすいのですね。
責任感がない
派遣社員の中には、「どうせ派遣だからすぐに辞めても大丈夫」というような考え方の人もいます。
もちろんすべての人がそうではありませんが、正社員に比べて責任が少ない身軽な立場だと捉えている人も少なからずいるのですね。
また就業してすぐのタイミングは、現場とのつながりもまだ薄いことから、多少非常識な行動をとっても責任を感じにくいです。
そういった理由から、自分に合わないと感じるポイントが少しでもあればすぐに辞めてしまおうという発想があるのですね。
本当にやむを得ない理由がある
すぐに仕事を辞めてしまう派遣社員が、全員職場に不満を持っているとは限りません。
稀ではありますが、中には本当に家庭の事情等のやむを得ない理由を持った人もいるでしょう。
派遣の退職理由を疑ってしまう気持ちもわかりますが、退職の意思を示された以上引き留めることはできません。
それよりは今後入ってくる派遣社員に定着してもらえるよう、対策を考えることに注力したほうが有益です。
派遣社員がすぐ辞める職場の特徴
派遣社員がすぐ辞める職場にありがちな特徴についてまとめました。
現場の状況と照らし合わせながら、当てはまるものがないかチェックしてみてください。
- スタッフ同士の関係が希薄
- お局がいる
- 十分な休憩をとれないほど忙しい
- 残業が多い
- 研修体制が整っていない
- 派遣の立場を下に見る風潮がある
・
派遣社員がすぐに辞めるのには、本人だけでなく環境側にも原因がある可能性があります。
また派遣社員に変化を求めるよりも、こちら側の体制を変える方が効率的で確実な対策になりますからね。
まずは受け入れ態勢を見直してみることが、定着率の向上にもつながっていくでしょう。
派遣社員がすぐ辞める時の兆候
すぐに辞めそうな派遣社員を見極める時のポイントは下記の2つです。
- 仕事でわからないことがあっても自分から質問しに来ない
- 職場の物事に無関心
すぐにでも辞めようと思っている場合、今から新しいことを覚えてもしかたがないと考えるためいろいろなことに無関心になります。
分からないことがあっても、どうしても今必要でない限りは後回しにして、簡単にできることだけをこなしつつやり過ごそうという発想になるのですね。
また同じ理由で、他のスタッフさんがいろいろと教えてくれることに関してもイマイチ無関心な態度が出てしまうことがあります。
派遣社員が仕事を辞める時は決断が速いので見極めるのはとても大変ですが、こんな兆候を感じた場合、派遣社員は退職を視野に入れているかもしれません。
派遣社員の定着率を上げるためにできること
派遣社員の定着率を上げるためにできることは主に下記の5つです。
- 待遇の改善
- 相談や話をしやすい環境づくり
- 募集要項の見直し
- 業務内容の見直し
- 研修制度を充実させる
待遇の改善
正社員よりも待遇面で劣ることは、派遣社員にとって大きな悩みの種です。
2020年に「同一労働同一賃金制度」が施行され、派遣社員の労働条件が緩和されたように、派遣社員の待遇改善は社会的に取り組むべき課題となっています。
今一度賃金の引き上げや昇給制度の見直しを行い、派遣社員の待遇面の改善を検討してみましょう。
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相談や話をしやすい環境づくり
派遣社員自身は、自分の事を正社員よりも弱い立場だと認識しています。
正社員や、勤務歴の長いスタッフに対して気を遣うことも多く、悩みがあっても気軽に相談できる相手がいないことが多いのです。
まずは、現場で新人さんがコミュニケーションを取りやすいように配慮してあげることが大切です。
派遣社員の受け入れ時に自己紹介の機会をつくったり、教育担当をつけるなどすると、既存社員側も派遣社員をフォローしやすくなるでしょう。
募集要項の見直し
派遣社員がすぐに辞める理由として、仕事内容のミスマッチがあります。
業務内容が聞いていたことと違う、イメージと違っていて自分には合わないということが起こらないよう、一度募集要項を見直してみましょう。
長いこと同じ文言で掲載しているが、その間現場では業務範囲が変化していて、それが反映されていないなんてこともあるかもしれません。
また急いで人員を補給したい場合でも、簡単な仕事であることを押し出しすぎるのは危険です。
就業後のギャップも大きくなり、離職につながる可能性も高くなりますからね。
業務内容の見直し
派遣社員によくある不満の中には、「業務内容が曖昧で何をしたらいいのかわからない」といった声も多いです。
業務内容が分からない場合は誰か他のスタッフに指示を仰ぐことになりますが、誰かに助けを求めずらいというのもまた派遣社員の悩みの一つです。
このような「働きずらい」の連鎖が起こらないようにするためにも、派遣社員の恣意事はなるべくシンプルにはっきりとさせたほうが良いでしょう。
また、「わからないことがあった時は○○さんに相談」のように、困ったことがあった時の対処法をあらかじめ決め、派遣社員と他のスタッフに共有しておきましょう。
一部の人だけでなく現場にいる人みんなに共有されていることで、お互いに対応がしやすくなるはずですよ。
研修制度を充実させる
派遣元での研修というのはよくありますが、派遣社員は中々派遣先での研修を受ける機会がありません。
派遣先で行われる研修の方が、より現場の事情を考慮した内容となっていることが多いです。
派遣先の研修に参加できる機会を増やすことで、より実践的なスキルや知識を身につけることができますし、研修がスタッフ同士の交流の場にもなります。
また業務上の不安や不満を相談する場にもなれば、派遣社員にとっての多くの課題を解決することにつながるでしょう。
派遣社員が辞めにくい環境づくりを考えよう
派遣社員がすぐに辞める理由と定着率あげるための方法、派遣社員がすぐに辞める職場の特徴等について紹介しました。
派遣社員にすぐに辞められてしまうと受け入れる側としても困ってしまいますよね。
ただ、派遣社員側に変化を求めるのは現実的にも難しいです。
受け入れ側の体制だけが悪いということではありませんが、派遣社員の定着率を改善したいなら、派遣先の環境を見直す方が対策として効率的です。
ぜひ紹介したような定着率改善のためのポイントを参考に、離職防止に取り組んでみてくださいね。