派遣社員とは派遣会社に登録している方のことで、勤務先の企業ではなく派遣会社が給与や福利厚生を提供します。
簡単にお伝えすると、派遣社員は派遣会社と雇用契約を結びます。
派遣会社は企業側からお金を貰って利益を生み出しているため、「ピンハネされてるんじゃない?」と疑問に感じている派遣社員の方は多いと思います。
この記事では派遣会社の「取り分(マージン率)」について詳しく解説していきます。
ぜひ、参考にしてみてください。
目次
派遣会社の「取り分」とは?
派遣会社について詳しくない方は「取り分ってなに?」と疑問に感じているは多いと思うので、まずは派遣会社の仕組みについて解説します。
派遣会社は人材を雇用したい企業と働きたい人の仲介をしている会社になります。
働きたい人は派遣会社のスタッフとして雇用契約を結び、企業側は派遣会社に紹介手数料を支払います。
この紹介手数料で利益を生み出していて、「取り分」と言われるお金になります。
派遣会社の仕組みを理解すると、「給料からピンハネされているの?」と不快な気持ちになるかもしれませんが、ピンハネされているわけではありません。
企業側は派遣社員に支払う給与とは別に取り分を支払っているため、給与から差し引かれているわけではないので安心してください。
そして日本国内にある全ての派遣会社は同じ仕組みで運営しています。
そのためどの派遣会社を利用しても取り分はあり、企業側は給与とは別の料金を支払っています。
正社員と同じ仕事をしている派遣社員は同じ給料がもらえるって本当?
業界によって取り分の相場は異なる
派遣会社の取り分は平均して「20%~30%」と言われています。
ただし業界によって取り分は大きく変わり、30%を上回る業界も存在します。
業界別の取り分は下記の通りです。
IT関連 | 約40% |
---|---|
サービス業 | 約25%~32% |
事務 | 約25%〜30% |
クリエイティブ | 約27%~29% |
放送 | 約23%~30% |
ビル・建設管理 | 約20%~30% |
以上のようになっています。
IT関連は人材不足で需要の高い業界になるため、派遣会社の取り分も多くなるのでしょう。
派遣会社の取り分が多い業界は、派遣社員の給与も多い業界ということになります。
取り分が多い業界は派遣社員の給与が少ないというわけではないので、注意してください。
大手派遣会社の取り分一覧
派遣会社には取り分を公開しなくてはいけないという法律があります。
そのため公式サイトより確認することが可能です。
大手派遣会社の取り分は下記の通りです。
ウォルオブ | 約33% |
---|---|
スタッフサービス | 約30% |
リクルートスタッフィング | 約28% |
パソナ | 約28% |
テンプスタッフ | 約27% |
マンパワーグループ | 約25% |
以上のようになっています。
派遣会社の取り分は拠点によって変わるため、おおよその数字になります。
大手派遣会社になればなるほど、取り分に大きな差はありませんでした。
そのためサービス内容や福利厚生を重視して派遣会社を選ぶようにしましょう。
派遣会社の取り分の使い道
派遣会社の取り分が利益になっているとお伝えしましたが、全てが利益になっているわけではありません。
取り分の多くが派遣社員の保険料や有給休暇の賃金支払いに使われています。
派遣会社の取り分の使い道について詳しく解説していきます。
派遣社員の教育制度費用
1つ目が「派遣社員の教育制度費用」です。
派遣会社では派遣社員に対してさまざまな教育制度を用意しています。
一般的の多いのは、ビジネスマネー講習やそれぞれの業種で必要になる資格支援制度です。
派遣社員であれば無料で教育制度を受けることができるため、取り分は教育制度に使われています。
派遣会社と雇用契約を結ぶとはいえ、無料でさまざまな教育制度を受けられるのは大きなメリットです。
派遣社員の福利厚生費用
2つ目が福利厚生にかかる費用です。
派遣会社とはいえ人材を雇用しているため福利厚生があり、社会保険や交通費手当などが挙げられます。
「社会保険も支払ってくれるの?」と疑問に思われた方は多いと思いますが、派遣会社では派遣社員と折半になります。
派遣社員が4万円の保険料を支払っていれば、派遣会社も4万円の保険料を支払っています。
このような福利厚生に取り分が使われています。
福利厚生は保険以外にもさまざまあるため、取り分が多ければ多いほど福利厚生は充実している可能性が高まります。
派遣会社の運営費用
3つ目が「運用費用」です。
派遣会社を運用していくためには、オフィスを借りてサポートするコンサルタントを雇う必要があります。
その他にも派遣会社を運用していくためには、さまざまな費用がかかります。
そのような費用に取り分が使われています。
派遣会社によってオフィスに数は変わりますが、多ければ多いけど運用費用は高くなるでしょう。
【派遣社員のデメリットと実態】登録する前に知っておきたい派遣の知識
取り分の多い派遣会社=悪い会社ではない
取り分が多い派遣会社は「悪い」と思いがちですが、上記でお伝えしたように福利厚生や教育費用として使っています。
そのため取り分の多い派遣会社=悪い会社というわけではありません。
言い方を変えると、取り分が多い派遣社員ほど福利厚生や教育制度が充実しているということになります。
ただし、1つ注意が必要です。派遣会社の中には取り分は多いものの、福利厚生や教育制度が充実していない場合があります。
そのような派遣会社はそのまま利益にしているため、注意が必要になります。
派遣会社に登録する際は、福利厚生や教育制度は必ず確認するようにしてください。
派遣会社を選ぶ際のポイント
派遣社員として充実した職場環境で働くためには、優良な派遣会社に登録する必要があります。
そこで優良な派遣会社を選ぶ際におさえておきたいポイントをいくつかご紹介します。
取り分も気になるところですが、気にせず下記のポイントを重視してください。
求人数
1つ目が求人数です。
派遣会社には取り扱っている求人数に違いがあります。
求人数が多ければ多いほど、幅広い選択肢から派遣先を選択することが可能で、希望条件に近いものを見つけやすくなります。
そのため派遣会社を選ぶ際は求人数を確認しましょう。
そして派遣会社によっては、地域に特化している場合があります。
求人数が多くても希望する地域の求人は取り扱っていない可能性があるため、求人数を確認するとともに取り扱っている地域も確認するようにしましょう。
福利厚生
2つ目が福利厚生です。
派遣社員として働くうえで、福利厚生が充実しているかはとても大切なことで、充実していれば充実しているほど働きやすい環境なります。
また派遣社員は正社員よりも福利厚生が充実していないと言われることが多いため、充実している派遣会社を選ぶことが大切になります。
上記でもお伝えしたように、福利厚生は保険や手当などさまざまなものがあります。
全ての福利厚生が充実しているに越したことはありませんが、自分が求める福利厚生を重視して確認するとスムーズに選びやすいです。
サポート体制
3つ目が「サポート体制」です。
派遣会社によってサポート体制が変わります。
もちろん、サポート体制が整っている派遣会社の方が就業しやすく、就業した後もしっかりとフォローしてくれます。
そのため不安な気持ちを抱くことなく派遣社員として働くことができます。
またサポート体制が整っていると長期的に派遣会社に登録しておくことができます。
派遣社員は基本的に3ヵ月〜6ヵ月で派遣先を変えることが多いのですが、サポート体制が整っていることでスムーズに次なる派遣先が見つかるでしょう。
派遣会社のサポート体制は、口コミや評判を確認すると、知ることができると思います。
派遣会社おすすめランキング【2021年】大手から特化型まで人気の派遣会社を紹介
総合的におすすめな派遣会社
派遣会社を選ぶ際のポイントをお伝えしましたが、日本国内には数多くの派遣会社があります。
そのため「どの会社が良いんのかな?」と悩むことが多いと思います。
そこで取り分も含めておすすめな派遣会社を2社ご紹介します。
マンパワーグループ
1つ目が「マンパワーグループ」です。
マンパワーグループは50年以上の実績がある業界最大級の派遣会社で、日本で初めて人材派遣のサービスを開始しました。
これほどの実績があるということは、登録しているスタッフからも派遣先の企業からも絶大なる信頼が寄せられている証拠になると思います。
さらに求人数も業界トップクラスで2万7,000件以上を取り扱っています。
そして福利厚生が充実していて、「マンパワーグループクラブオフ」という、レジャー・ショッピングなどの暮らしを充実させる優待特典サービスも福利厚生の1つとしてあります。
取り分も派遣会社の中で多い方ではないので、総合的におすすめな派遣会社になります。
ウィルオブ
2つ目が「ウィルオブ」です。
ウィルオブは1997年より人材派遣サービスを提供している派遣会社になります。
上記でお伝えしたようにウィルオブは取り分が「33%」と多いのですが、福利厚生と教育制度がとても充実しています。
福利厚生は社会保険と労働保険が完備されていて、「ウィルオブ クラブオフ」という宿泊・グルメ・レジャーなどの優待特典サービスがあります。
そして教育制度は基礎的な「身だしなみのレクチャー・PCの使い方・専門知識」などから、専門的な「ITエンジニア向けの研修・強い印象を与える接客術」などまで幅広く用意されています。
もちろん、全て無料で受けることができます。
取り分の多い派遣会社ほど福利厚生などが充実している
この記事では派遣会社の取り分についてお伝えしてきましたが、取り分の多い派遣会社=悪い派遣会社ではありません。
多くの方が取り分の少ない派遣会社の方が良いと考えているのですが、その考えには注意が必要です。
取り分が多い派遣会社ほど福利厚生や教育制度が充実していて、満足のいく環境で働けると思います。
そして派遣社員の給与からピンハネしているわけではないので、福利厚生やサポート体制が整っている派遣会社に登録するようにしましょう。