働きやすい会社とはどんな会社?
働きやすい会社といっても人によって感じ方も違います。
どんなに一般的に働きやすい会社だと言われていても自分自身の希望と違っていては意味がありません。
福利厚生が整っていたとしても、一人で黙々と仕事するのが好きな人に常にコミュニケーションが必要な環境は苦痛です。
まずは自分がどんな環境や仕事に働きやすさを感じるのかを考えてみましょう。大きく分けて5つに分類してみました。
1.環境重視
オフィスの環境が整理されている
オフィスの立地が通いやすい。オフィスがキレイで快適な空間である。
清掃を業者に任せている会社と自分たちで行う会社があります。
書類が溢れている会社もあれば、完全にペーパーレスの会社もありますね。
もしも自分のパソコン能力に自信が無ければ、ペーパーレスに対応できる程度の知識やスキルを事前に身につけておかないと、職場で迷惑をかけるなど人間関係が悪くなる可能性もあるので注意が必要です。
オフィス内にカフェやゲームルーム・マッサージルーム・仮眠室などがあり、リフレッシュしながら仕事ができる会社もあります。
仕事をする場所が選べる
同じ部署の人と毎日決まった場所で仕事をするのではなく、自分が居心地の良い効率の上がる場所で仕事ができるフリーアドレスになっている会社も増えてきています。
リモートワークの制度や環境が整っていれば、自宅やカフェ・コワーキングスペースでも仕事ができます。
人間関係によってはいつも上司に見られながら仕事をすると、気になって仕事が進まなかったり、後輩のことが心配でいつまでも世話を焼いてしまったりする人もいます。
仕事内容にもよりますが、直行や直帰があるかないかも確認しておくといいですね。
働く時間帯が選べる
定時が9時~5時など決まっている会社はまだまだ多いかもしれませんが、ウィルス感染予防もあり時差出勤やフレックス制度を導入する会社はどんどん増えています。
店舗など営業時間が決まっている場合はサービス残業が多くなりがちです。
シフト管理をどのように行っているのか、残業実績などは許容範囲かどうかも大切です。
入社時には夜勤が無かったのに、部署が変わって夜勤や交代勤務になることも可能性として考えられます。
同じ会社の他の部署の方がどんな勤務体系になっているのかも確認しておくことをおすすめします。
休日の取り方が柔軟かどうか
年間休日の配分が完全週休二日制なのか、繁忙期には変動するのか。
有休休暇の取得にも決まりがある場合もあります。
理由によっては却下されたり、人員不足で取得できなかったりする会社がある中、5日~10日の連休を取得促進している会社もあります。
2.人間関係重視
仕事を辞める原因の多くを占める人間関係。入社前にはなかなか判断しづらい面もあります。
上司や同僚との関係
コミュニケーションが取れ、意見が言いやすい環境があるか。
また相談できる環境が整っているかどうか。
例えばインストラクター制度やメンター制度があると疑問に思っていることがあっても相談しやすいです。
社内行事がどの程度開催されているかどうか
日頃の飲み会を含め楽しいと感じる人もいれば負担に感じる人もいます。
自分自身の仕事とプライベートのスタンスによって、考え方が合っているかは大切です。
イントラネットの整備
社内コミュニケーションが円滑かどうか、仕事での質問がしやすい仕組みになっているか。
個人間のメールのやり取りはトラブルの元になる場合もあります。
相談窓口があるか
ハラスメントやメンタル不調の際、安心して相談できる窓口や制度が社内外にあるかどうか。
社内の人に相談したら、知らないところで広まって窮地に追い込まれるなどということの無いように相談する場所や相手はしっかりと選びましょう。
社外の人間関係
取引先やお客様との関係に悩む場合もあります。接待やお付き合いがある場合は気を付けましょう。
3.福利厚生重視
パッケージプランに加入している
ベネフィットステーションやリロクラブなどのパッケージプランに加入している会社が増えています。
フィットネスクラブや旅行・映画など様々な割引などがあり、仕事だけでなくプライベートも充実できます。
中にはカウンセリングや人間ドック、資格取得講座の割引などもあります。
住宅手当・家賃補助、人間ドックなどの補助がある
会社によってはシングル手当・バースデー・リフレッシュ・アニバーサリーなどの休暇が充実しています。
子供や配偶者の誕生日や結婚記念日に花束が届く会社もありますね。
資格手当がある
資格取得時の一時金としてや、毎月の給与に上乗せして支給される手当金があると自己研鑽のきっかけになりますね。
スキルアップすることで仕事での評価も上がる可能性もあります。
保険制度が充実している
一般の健康保険よりも自己負担の上限を抑えられるよう保障してくれる健康保険組合もあります。
健康保険でインフルエンザの予防接種の料金を負担したくれるところもあります。
また団体の生命保険や医療保険が用意されている会社や、GLTDなどの就業不能保険があり、働けなくなった場合に備えてくれる会社も増えています。
財形貯蓄制度がある
給与から天引きで貯蓄する制度で、住宅購入の際にメリットがあります。
銀行で貯蓄するよりも利率が高く魅力的です。自動的に貯蓄ができて簡単に引き出せないので貯金が苦手な人におすすめです。
社宅や独身寮がある
住居費は支出の中で大きな割合を占めます。社宅や寮があることでかなりの負担軽減になります。
地方から都会に出てくる場合など助かりますよね。
親元から離れて一人暮らしをはじめるきっかけにもなります。転勤がある場合は、引越し代や準備費用が会社負担かどうかも気になりますね。
弔慰金制度がある
結婚の時や身内の葬儀の際に会社からお祝い金やお見舞金などが支給される制度です。
ほとんどの場合、自分で確認して申請します。身内の葬儀の際に会社名でお供えとして花輪を出してもらえることもあります。
4.評価・給与重視
入社時の給与が、その後どのように変化していくのかがとても大切です。
退職者の理由にもこういったものがあります。
「10年以上先輩に給料の額を聞いたら、自分と変わらなかったから希望が持てなくなった。」
「同期の中で一番実績を上げているにも関わらず、給料は全く同じで変わらないことが不満。」
「仕事ができなくて嫌味な先輩が多く給料をもらっていることが納得できなかった。」
「直属の上司のみが評価するので、上司の前でだけアピールしている人が評価され、裏で協力している自分が馬鹿らしくなった。」
「役職が付いて、負担ばかりが増え給料は大して変わらない。」
「ノルマや目標に追われるのが耐えられなくなった。」
評価基準がどのようになっているのか、評価は誰が行うのかによって努力しても報われない会社もあります。
お互いに評価する仕組みを導入している会社もありますが、明確な基準がない場合は評価者が一面だけを見て判断するという可能性もあります。
昇給基準、昇格基準がどうなっているのかを確認しておきましょう。
人によっては成果が上がった分だけ評価されたいという方と、コツコツと同じことを続けて同じ給料を継続して受け取りたいという方もいると思います。
数字や目標に追われたくない場合など、自分の仕事内容と性格に合っているかも考えましょう。
転職の場合は一時的に給与が下がっても、将来的にステップアップできる制度があれば安心ですね。自分の思い描くキャリアを実現できる会社なのかどうかは重要です。
5.制度・仕組み重視
1~4全てにおいて言えることですが、口約束や個別対応ではなく会社の制度としてきちんと決められているか。
また、決められた内容が実際に制度に添って運用されているかどうかが重要です。
産休や育児休暇の制度が整備され、実際に利用されているか
女性だけではなく男性にとっても子育て期間中の協力体制があると心強いです。
育児休暇が何年まで取得可能か。休暇中に会社との連絡が取れるか。
復帰支援プログラムがあるかどうか。子供が病気の時に休める子の看護休暇、時短勤務や在宅勤務制度があるかどうか。
最近では子連れ出勤や保育園補助がある会社も出てきています。介護休暇も同様です。
教育・研修制度が整っているか
入社時研修の後は定期的な研修があるかどうか。
社内に教育部門があるのか。管理職研修、コンプライアンス研修、ハラスメント研修など様々な研修があります。
また資格が取得できる研修を社内外で受けられる会社もあります。
社外の教育施設と提携して仕事に必要な知識やスキルやマネジメントなどを学べる、様々な研修が対面やオンラインで受けられる会社も増えています。
ジョブローテーション制度・自己申告制度など他部署への異動が可能かどうか
配属された部署での適性や希望により他の部署へ異動できる制度があると長く勤務することができます。
また思いもよらない配属で自分の能力が発揮できる可能性もあります。海外や地方への転勤に関しても選択できると嬉しいですね。
治療と仕事の両立支援制度があるか
仕事内容も人間関係も環境も問題なかったが、突然の傷病により働けなくなってしまう場合があります。
その際に通院や検査で有給が使えたり、消化しきれなかった有休を貯めておいて病気の時に消費できたりという制度があると助かります。
在宅勤務や時短勤務・時差出勤・マイカー通勤などの配慮をしてくれる会社もあります。
スムーズに復帰できるように職場復帰プランを導入している会社も増えています。
いかがでしたか?重複する部分もありますが、この中でも自分にとって重要だと思う項目とそうでない項目があったかと思います。
自分にとってどうなのかを基準に優先順位をつけてみてくださいね。
働きやすい会社の探し方
会社のHPや会社案内をしっかり確認する
キャリア制度や休暇制度などがあるかどうか、SDGSなど会社の取り組みについて知る。
また社長の考えや会社の理念を理解して自分が共感できるかどうかも大切です。
面接で質問をする
上記で挙げた内容でも確認すれば解答してもらえる内容も多いです。
気になることは入社前に確認しましょう。
また会社を訪問する際は、社内で働く人たちの表情や雰囲気もしっかりチェックしましょう。
エージェントに確認する
エージェントは同じ会社に就職した先輩や社内の情報を持っています。
気になる内容だけれど、直接聞きづらいことはエージェントに確認するのも一つです。
SNSで働いている人の様子を確認する
禁止している会社もありますが、経営者や社員がSNSで発信をしている場合もあります。
どんな働き方をしているのか、Twitterやブログなどから情報を得ることもできます。
最後に・・・
働きやすい会社かどうかは、一人ひとりの考え方や特性によって異なります。
条件だけに目がくらんで適正に合わない仕事をすることのないように、自分にとってどうなのかを良く考えて会社を選んでくださいね。