女性の就業者が多い事務職は、営業のようにノルマなく、技術職のように難しい知識がいらない仕事として人気が高い職業です。
しかし近年では正社員の求人が少なく、ひとつの募集に大勢の応募者が殺到しやすくなっています。
ここでは、採用担当者に好印象を持たれるような志望動機の例文や、アピールすべき5つのポイントを掲載しています。
内定を勝ち取るためには、どんなスキルを持っていて、どういう風に活かせるかを理解しておくことが大切です。
目次
事務職で面接官を納得させる転職理由とは
転職理由で面接官を納得させるためには、自分自身の気持ちと向き合い整理しておくことが重要です。
企業は採用した人材が長く働き、活躍してくれることを願っているので、将来を見越したキャリアプランを立てて面接に挑みましょう。
なりたい自分になる
面接官を説得するための要素として、「将来このような仕事をしていたい」とアピールすることが重要です。
例えば、「後輩を育てる経験を積みながら、将来はマネジメントができるようになりたい。
しかし今の会社では新卒の採用を行っていないためスキルを身につけることが難しい」というような理由が述べられるといいでしょう。
ただし転職先の企業がそれを実現できるかの裏付けが必要ですので、入念にリサーチした上で説明するようにして下さい。
やりたい仕事をやる
現職が事務でない場合、どうして事務職を希望したのかという理由を明確に伝えなくてはなりません。
そのためには「〇〇の資格を持っている」「パソコンスキルには自信がある」というようなスキル面と、「前職で培ったコミュニケーション力を活かしてチームに貢献した」というような意欲も必要です。
事務職の面接でアピールすべき5つのポイント
面接では以下のポイントから、あなた自身に当てはまるもの全てをアピールしましょう。
事務職にはパソコンスキルや作業の正確性のほかにも、臨機応変な対応力やスケジュール管理能力が求められています。
コミュニケーション能力の高さ
事務職は電話・メールや来客応対などを通し、顧客と接する「会社の顔」としての役割があります。
企業によっては社内のみの対応になるケースもありますが、部門間でも円滑なコミュニケーションを図ることは重要です。
他の社員との良好な関係を保ちながら業務を遂行するため、前職でチームをまとめた経験や業務改善の実績があれば、ぜひアピールしてほしいと思います。
TOEICスコア
外資系・グローバル企業以外の、業務に英語を使用しない企業でも、英語の知識があると重宝されます。
現在は国内のみの取引しかないが、いずれは海外への進出を考えている企業などもあるためです。
事務職の中でも海外とのやりとりが多い貿易事務は、メールを英文で書くため、最低限の読み書きができるとアピールポイントになります。
前職で少しでも英語を使用した経験があったら、履歴書や職務経歴書に書いておきましょう。
求人の募集要項に「英語のスキル不要」と書いてあっても、TOEICのスコアが600点以上ある場合はスコアを書くことが望ましいです。
しかし600点未満であれば平均、もしくはそれ以下になるため書かない方が無難でしょう。
オフィスソフトのスキル・資格
パソコンを使用した業務がメインですので、最低限のパソコンスキルは必要です。
メールソフトを使用したことがないという人は稀だと思いますが、事務職未経験の方はパソコンスクールに通い、必要なスキルを磨いておくことをオススメします。
使用するアプリケーションはほとんどの企業がマイクロソフト社のオフィスソフトです。
「Word」「Excel」「PowerPoint」「Outlook」の4つは頻繁に使用するでしょう。
集計などの業務が多いため、Excelのピボットテーブルは使いこなせておいた方が有利です。
MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)の資格を取得しておくと、ひと通りの機能が使えるという証明にもなりますよ。
ミスがない慎重かつ正確な作業
作業の正確性とスピーディーさは、どの事務職にも強く求められる要素です。
他の社員をサポートがすることが多い事務職では、依頼された仕事をミスなく、納期までに着実に処理しなくてはいけません。
そのため「コツコツと作業をすることが得意」「タイピングには自信がある」など、細かい作業が得意ということがアピールできるといいですね。
臨機応変な対応力
一日中机に向かって、黙々と作業をしているイメージが強い事務職ですが、実際には多くの社員や顧客とも関わりが多い仕事です。
仕事内容もさまざまで、営業事務であれば見積もりや請求書の発行、急なトラブルにも対応しなくてはなりません。
法務事務は、契約書の作成・確認、営業部の役職者や経理部門とのやりとりも発生します。
そこで必要なのが対応スキルです。
事例がないトラブルではどの部署に確認をしたらいいのか、リスクヘッジをするには顧客にどんなメールを書いたらいいのかなど、幅広い分野のスキルをカバーする必要があるのです。
事務職の志望動機の書き方と例文
転職活動において一番重要である志望動機。
採用担当者が必ずといっていいほど問いかけてくる質問です。
ここでは、経験者と未経験者の2パターンで、履歴書の書き方を紹介していきます。
未経験から事務職へチャレンジ
営業から事務職へ
前職の不動産会社では営業をしており、賃貸部門でお客様へ物件をご案内する業務に携わっていました。
設立して間もない会社だったため、営業以外にも契約書の作成や管理、家賃の集計や売上分析など、事務業務にも携わっていた経験があります。
その中でバックオフィスから事業を支える事務職に興味を持ち、転職を決めた次第です。
持ち前のコミュニケーション能力を活かして、多くの営業をサポートする営業事務として活躍したいと思っています。
実務経験があるため、営業が求めていることが理解でき効果的なサポートができるのではないと考えております。
販売職から事務職へ
店舗の販売スタッフとして、社員やアルバイトのシフト管理や商品の受発注業務に携わった経験から、事務作業に専念して仕事をやっていきたいと思うようになりました。
毎日の売上集計も行っていたので、その経験を活かし戦力になりたいと考えています。
貴社では多くの部門の方とのやりとりがあると伺っていますが、販売職で培ったコミュニケーション力を活かしながら、1日も早く仕事を覚えて活躍していきたいです。
ワードやエクセルなどのオフィスソフトも使用していましたが、さらに深い知識をつけるために独学で勉強しています。
事務経験者が転職するとき
一般事務から経理事務へ
前職では部内の社員の経費精算や日計の集計に携わっていました。
学生時代から細かい数字を扱うことが好きで、簿記2級の資格も持っています。
現在はプレゼン資料作成や見積もり対応も行っていますが、経理業務に専念したいと思うようになりました。
専門的なスキルを身につけ、将来は税法や資産管理を行いながら、貴社に貢献していきたいと思っております。
人材コンシェルジュから人事事務へ
現在は人材派遣会社で、派遣社員との面談を通し、派遣先となる企業へスタッフを紹介する業務を行っています。
派遣スタッフの方が生き生きと働き、また企業からも必要とされる人材に成長していくことが誇りでもありました。
これまで数百名の派遣スタッフを担当してきた経験を活かし、自社の人材採用や教育に携わりたいと思ったことが、転職に至ったきっかけです。
貴社の人材を重要視する理念や方針に深い感銘を受け、応募させて頂きました。
前職で培った対応力と人材を見抜く力を発揮し、貴社に貢献していきたいと考えております。
人気が高い事務職は求人が少ない
人工知能(AI)の普及により、10年後には事務職がなくなるかもしれないということが話題になっています。
また以前から、事務員を正社員として迎え入れず、派遣社員のような非正規社員で補充する傾向も強くみられるため、事務職の競争率は上昇傾向です。
転職サイトdodaの調査によると、事務職の求人倍率は0.24倍とかなり低め。
1人の求人に対し4人が応募するため競争率が高く、正社員での応募を諦める方も多いようです。
事務職の求人が多い転職エージェント
事務職に強い転職エージェントを紹介していきます。
倍率が高いからと諦めず、戦略を練って挑戦しましょう。
ハタラクティブ
常時2,000件を超える求人を抱えている「ハタラクティブ」。
事務求人も家族扱っており、未経験からの転職や20代の転職に特に強いのが特徴です。
若者世代の転職相談に乗ってきたプロのアドバイザーが、的確なアドバイスで事務転職をサポートします。
type女性の転職エージェント
女性専用の転職エージェントで、「女性の新しいキャリアを提案する」がコンセプト。女性の活躍や社会進出を全面的にサポートしてくれる会社です。
女性に特化したエージェントですので、女性に人気の職種が豊富で、1都3県(東京・神奈川・千葉・埼玉)に強いのも特徴のひとつ。
また年収アップを目指している方にも、年収交渉力が高いと評判です。
パソナキャリア
人材派遣のイメージが強いパソナですが、その社風を引き継いだ転職エージェントも高いサポート力に定評があります。
「正しい就職・正しい転職・正しい再就職」が株式会社パソナの企業理念であり、求職者目線で行動することを社員に義務づけている企業です。
多くの女性転職者を支援しているため、事務職の求人数も多く、5,000件以上の案件を保有しています。
グループ全体が女性支援に力を入れているところも魅力です。
リクルートエージェント
リクルートエージェントには、非公開を含めた事務職の求人が1万6,000件ほどあります。
これは転職エージェントの中でも一番に多い数字です。
企業の事務だけでなく、学校事務や医療事務などの案件もあり、応募者にとっても選択肢が広がるきっかけになるでしょう。
またリクルートエージェントは30代、40代の転職にも強い実績を誇るため、頼りになる転職エージェントだと言えます。
まとめ
事務職は社内にいる時間が圧倒的に多いため、入社前に社内の雰囲気や環境を確認しておくことが重要です。
また現在どんな女性が活躍しているのか、事務職の社員がどのくらいいるのかを把握しておくと、入社して業務量が多すぎたというような失敗を避けることができます。
未経験でも入社しやすい事務職ですが、正社員での募集が少ないことから、きちんとした面接対策が必要です。
1人での転職活動よりも、企業の内部情報や動向に詳しい転職のプロと二人三脚で臨む方が、採用される確率もアップします。
パソコンスキルや対応スキルを磨き、社員をサポートできる縁の下の力持ちを目指していきましょう。