40代になると子育てにひと段落したり、環境が変化したりで、転職や社会復帰を考える女性も多いようです。
「これから定年まで長く働きたい」と思ったときに、体力面でも精神面でもそれほど負担がなさそうな事務職は、女性に大変人気の職種です。
40代からの転職はむずかしいと言われますが、40代で事務職を試みた場合、転職を成功させることは可能なのでしょうか?
この記事では、未経験から事務職へ転職する際のポイントや事務職タイプ、転職に役立つ転職エージェント情報などを掲載しています。
できるだけ早く就職したいという人は、ぜひ参考にしてみて下さい。
目次
40代の事務職の転職事情とは?
女性に人気の事務職ですが、近年AIの発達により「将来なくなってしまう仕事」のイメージも強い職業です。
すでにその波は押し寄せているようで、全国的に働き手の不足が懸念されるなか、事務職の有効求人倍率は0.4倍となっています。
単純に考えて、4人の募集枠に10人が応募しているということになると、未経験者の採用確率は下がってしまうでしょう。
また以前と比べると会社の制度が見直され、結婚や育児で退職する人が少なったことも、事務職の募集が少ない原因のひとつです。
参考:厚生労働省(一般職業紹介状況)
https://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11602000-Shokugyouanteikyoku-Koyouseisakuka/G35_66.pdf
事務職の経験があると転職で有利
どんな業種でもそうですが、40代の求職者に求めるものは「即戦力」です。
40代で未経験歓迎というのは、タクシー業界や、体力を使うサービス業や接客業でしょう。
40代でも資格を持ってバリバリ働いて場合は、転職できる可能性もありますが、40代でどうして転職に至ったのかを聞かれる可能性があります。
転職しやすい年代を過ぎているため、企業が欲しいスキルを持っており、尚かつ穴が空いたタイミングですぐに応募することが重要です。
未経験での40代の事務職への転職はむずかしい
事務職の転職は30代でもむずかしいと言われているため、40代はさらに難しくなってきます。
枠が少ない上に、20代30代の求職者がライバルとあっては、書類選考通過もままなりません。
パートや派遣社員としてなら採用されるかもしれませんが、正社員での採用はほぼ無理だと考えていた方がよさそうです。
事務職にも色々なタイプがある
事務職といっても、実にいろんな種類の仕事があります。
どんな仕事をやってみたいか、どんなことが得意かで、進みたい分野を決めてみましょう。
一般事務
もっともポピュラーな事務が一般事務です。
仕事内容は、社内の事務処理やファイリング、郵便物の配布、電話・来客対応などがあります。
メインはデスクワークで、日中はパソコンと向き合い、客先からの注文を受けたり社内の関係者とやりとりをしたりします。
OA事務
パソコンや複合機などを使用して仕事を行う事務を、OA事務といいます。
OAとは、オフィスオートメーションの略称で、現在はほとんどの事務がOA機器を使用しています。
仕事内容は文書作成やプレゼン資料の作成、データ入力や顧客対応などさまざまです。
OA事務に応募する場合、多くの企業がエクセルやワード、パワーポイントなどのオフィスソフトのスキルが必要となっています。
営業事務
営業事務とは、基本的に社外で営業活動を行う営業マンを、社内でサポートする仕事です。
具体的には、顧客からの電話・メール対応、受発注処理や請求書の作成、見積もり作成などが挙げられます。
1対1でサポートすることもあれば、部署全体の営業マンを2〜3人でサポートすることもあります。
事務職の中でも人とのやりとりが多い仕事になり、コミュニケーション能力が必要です。
貿易事務
貿易事務とは、海外との商品の輸出入に関わる仕事で、商社やメーカーなどに多い職種です。
仕事内容は輸出と輸入でも異なりますが、通関における書類作成や配送便の手配、商品管理など多岐に渡ります。
なかには語学力が必要な仕事もあり、英文でのメールのやりとりや電話での交渉なども発生します。
英語を使用した業務経験がある人や、TOEICのスコアがいい人は転職で有利です。
経理事務
経理事務とは、会社のお金の流れを把握し、数値化して管理する仕事です。
日々の売上や仕入れ管理、従業員の給与計算、決算書作成などが毎日の業務となっています。
一日を通して数字を扱うため、きっちりとした細かい性格の人や数字が得意な人に向いています。
会社の規模が小さい場合は、一般事務が経理を兼任していることもあるため、仕事内容をよく把握して応募するよう注意しましょう。
医療事務
事務職はオフィスなどが職場である場合が多いですが、医療事務の勤務先はクリニックや病院などの医療機関になります。
診察の受付や医療費の計算、カルテの仕分けをするのが仕事です。
資格は必須ではありませんが、知識やスキルの証明になるため、資格を持っていると転職でも優遇されます。
40代の未経験から挑戦するには、よほど人手不足で困っていない限り採用されることは難しいかもしれません。
民間の資格がいくつかありますので、挑戦しやすいものを選んで取得することをお勧めします。
40代におすすめ!事務職に強い転職エージェント5選
type女の転職の転職エージェント
名前の通り女性向けの転職エージェントで、年間5,000名以上のキャリアアウンセリング実績を持っています。
ライフイベントが多い女性ならではの悩みに対応しており、様々な成功事例のノウハウを持っているのも特徴です。
求人への応募や面接の日程調整などは、キャリアアドバイザーがあなたの代わりに対応してくれるため、仕事との両立で転職活動がままならない人にもお勧めです。
そのほか女性のための面接メイクアップという講座も開いており、スーツの着こなし方やビジネスメイクを教えてくれます。
マイナビミドルシニア
マイナビミドルシニアは、40代〜60代の転職に特化した転職サイトです。
2017年からサービスを開始し、「いくつになっても働ける、そんな明日をつくる」を目標に掲げています。
求人を探すときに20代の女性ばかりが写真に写っていると、「応募しづらいな」「若くないとむずかしいのかな」と敬遠してしまいますが、マイナビミドルシニアは年齢を気にせず仕事探しができるのが特徴です。
ただし検索できる求人は関東周辺のみに限られているため、1都6県(東京・神奈川・千葉・埼玉・栃木・群馬・茨城)以外は掲載されていません。
とらばーゆ
とらばーゆは、人材サービス会社の大手リクルートが運営する、女性に特化した求人サイトです。
女性目線でのみ作られているため、産休・育休制度やこだわりポイントなどについて分かりやすく掲載されています。
「40代以上活躍中」「子育てママ在籍中」「ブランクあってもOK」などのアイコンがあり、一目で応募可能かが判断できるようになっています。
求人を出している企業もとらばーゆ独自の会社が多いため、他の転職サイトでは見られない求人が多数ある点もメリットです。
しかし転職エージェントではなく、転職サイトのため、気になる求人には自分自身で応募しなくてはいけません。
面接のアドバイスなどを受けたい場合は、転職エージェントを活用しましょう。
doda
非公開求人を含むとおよそ10万件以上もある求人を保有する転職エージェント、doda。
対面でサポートしてくれるキャリアアドバイザーと、メールや電話で企業の有益な情報を提供してくれる採用プロジェクト担当が、あなたの就職をサポートしてくれます。
未経験で事務職にチャレンジする場合には、それに適した職務経歴書の書き方などをアドバイスしてくれたり、応募する企業ごとに面接対策をしてくれたりと手厚いサポートが魅力です。
また内定がでたら入社日や年収などの交渉も行ってくれるため、自分では言いにくい要望なども通しやすくなります。
パソナキャリア
パソナキャリアは全国に拠点を持ち、16,000社の求人情報を扱っている転職エージェントです。
2019年と2020年の2年連続で、オリコン顧客満足度調査「転職エージェント総合第1位」を獲得した実績を持っています。
そんなパソナの特徴は、「正しい就職、正しい転職、正しい再就職」を企業理念に掲げており、目先の利益よりも転職者を第一に考えて行動する点です。
キャリアアドバイザーが親身になり、一人ひとりにあった仕事を厳選して紹介してくれます。
未経験で事務職へ転職するときのポイント
「未経験だけどどうしても事務をやりたい!」という方には、以下のポイントを抑えた転職活動をオススメします。
- 派遣や契約社員も視野に入れて活動する
- 好条件を望まない
- 転職エージェントに相談する
派遣や契約社員も視野に入れて活動する
正社員だけに絞って探すと、転職活動に何ヶ月もかかってしまい、その間の生活費が嵩んでしまう可能性があります。
また採用されたとしても、社員が少数の会社では、事務職以外にもさまざまな業務が課せられるかもしれません。
派遣社員の場合は、就業先も大手企業が多いですし、時給も悪くありません。
正社員で固定給25万円くらいだったとしても、都内であれば派遣でもそのくらいの月収は見込めます。
正社員に固執せず、派遣や契約社員といった働き方も視野に入れた方が、企業の選択肢は増えてきます。
好条件を望まない
年収・勤務体系・任せられる仕事の量・福利厚生など、いろんな面で高望みするのはやめましょう。
条件がいい求人はライバルも多く、未経験者は圧倒的に不利になります。
年収なども大切ですが、経験がない40代を丁寧に指導してくれる企業体制があるか、どんな人が在籍しているのかなどにも注目してみましょう。
転職エージェントに相談する
40代で事務職へ転職するには、数々のライバルを蹴落として選んでもらわなくてはいけません。
そのためには面接官が納得する明確な志望動機や、企業が望む人材に当てはまっていることが条件です。
しかし1人での転職は思うようにはいかず、途中で挫折してしまう可能性も。
転職エージェントを利用すれば、悩みや不安も相談に乗ってもらえる上、履歴書の添削などのサポートが受けられます。
「出来るだけ早く就職したい」という場合は、転職エージェントを活用するのが成功への近道です。
40代でもこだわり過ぎなければ転職は可能
40代での事務職への転職は、経験の有無で大きく左右されます。
経験者であれば採用される可能性は少なくありませんが、未経験者はよほどのことがない限り採用されないでしょう。
派遣社員も期限付きではありますが、会社の仕事をひと通り覚えることができたら、簡単に契約打ち切りにはなりません。
転職においては、収入を優先したいのか、出来るだけ気楽に働きたいのか、どうしても正社員として採用されたいのか、譲れないポイントと諦めてもいいポイントを見つけて活動してみましょう。