会社の中で問題を起こしてばかりの「問題社員」に頭を抱えている方は多いのではないでしょうか?
今すぐにでも退職に追い込みたいと思うのですが、理想は円満な自主退職させることだと思います。
法律上「会社都合」で退職させることには様々な制限があるため、問題社員を簡単に退職させることはできません。
しかし、問題社員を退職に追い込む方法はあります。
この記事では問題社員を退職に追い込む方法と、円満に自主退職させる方法についてご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
パワハラで退職に追い込むのは違法です
いくら退職させたい社員がいても「パワハラ」で退職に追い込むのは違法です。
会社は「職場環境配慮義務(民法第415条)」もしくは「使用者責任(民法第715条)」として罪に問われ、民事事件として判決が下されます。
万が一、殴るや蹴るなど身体的な攻撃をした場合は、「傷害罪(刑法第204条)」もしくは「暴行罪(刑法第208条)」として罪に問われ、刑事事件として判決が下される場合もあります。
そのため、パワハラをして退職に追い込むことは絶対にしてはいけません。
しかし「会社都合」で退職させることは様々な制限があり、簡単に退職させることはできませんので「退職勧奨」をして自主退職させるしか方法はありません。
近年はパワハラに対して社員が敏感に反応するようになっているため、少しでもパワハラに感じられる行為はしないでおくことをおすすめします。
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退職に追い込むよくある方法
パワハラをせずに退職に追い込む方法は様々あります。
問題社員を退職に追い込むことによって「自主退職」してくれる可能性があるのですが、「退職勧奨」のやり方が露骨すぎると、パワハラとして罪に問われる可能性もありますので注意してください。
周囲のいる状況で叱責する
問題社員を退職に追い込むためには、周囲のいる状態で叱責することが効果的です。
周囲のいない状況で叱責しても「また言ってるよ」と軽く捉えられますが、周囲のいる状況で叱責するとさすがに周囲の目があるため心に響きます。
さらに周囲のいる状況で叱責することにより、今後会社に居づらい環境になります。
いくら問題社員といっても周囲から避けられ孤立した状況になると、自主退職する可能性が高いです。
「周囲のいる状況」ということが大切なポイントになるため、多くの人の目がある状況で叱責してみてください。
本人が苦手とする業務を振る
人間には「得意」「苦手」があるので、問題社員が「苦手」とする業務を振りましょう。
苦手とする業務は退職に追い込みたい社員によって変わりますが、なんでも「得意」にこなす社員が問題社員なことは少ないので、必ず苦手としている業務があるはずです。
毎日苦手とする業務をしているうちに、仕事が嫌になります。
仕事は1日の多くの時間を占めるため、仕事が嫌になれば自主退職してくれること可能性が出てきます。
ただし、苦手としている業務を振りすぎると「パワハラ」と訴えられる可能性もありますので、露骨なやり方には注意してください。
雑務ばかりをやらせる
退職に追い込みたい問題社員には、雑務ばかりをやらせてみてください。
雑務とは、掃除や書類整理など「仕事上必要な細々とした用務」のことを指します。
雑務は誰でも簡単にできることだからこそ、やりがいもなくつまらないです。
そして、何より自分が会社にいる価値を感じなくなります。
「誰でもできる仕事をなんで自分がしているんだ」という感覚になることが多く、問題社員がそう感じれば自主退職する可能性が高くなります。
しかし毎日「雑務」ばかりをやらすと、露骨なやり方になってしまうため注意してください。
責任感のある業務をやらせる
あえて問題社員に責任感のある業務をやらせることで、仕事を嫌にさせることができます。
例えば、ミスが起こりやす業務やある程度売り上げに関係する業務など、失敗すると大きな責任を取らなければいけない業務をやらせます。
問題社員の多くは威勢はいいですが実際仕事ができないことが多いため、責任感のある業務をやらせると責任を負うことになるでしょう。
ただし、責任を押し付けることには注意が必要です。
あくまで自分の責任を負わせるだけであって、他人の責任を問題社員に押し付けることはパワハラになります。
責任感のある仕事が出来てしまっても会社的には利益に繋がりますし、もし失敗すると仕事が嫌になり自主退職してくれる可能性が出てきます。
志望しない部署へ異動させる
部署を異動するということは、新しい環境になるということです。
さらに志望していない新しい環境に異動となると、誰でも不安な気持ちになります。
問題社員は慣れた環境だからこそ問題ばかりを起こしている可能性が高いため、新しい環境に異動することを拒みます。そして、自主退職することに繋がります。
問題社員に特徴として「嫌なことはしない」ということが多いため「異動する=嫌なこと」と感じさせることができれば、退職に追い込むことができるでしょう。
人事評価で低い評価をつける
どの会社にも人事評価というものがあると思いますので、その人事評価で低い評価をつけてみてください。
人事評価とは、企業の目的や社員のパフォーマンス、労働生産性を比較して、定期的な手順を経て評価を行うことです。
「低い評価=問題社員」と明確に示すことができるため、問題社員として自覚させることができます。
ただし本来、人事評価が高いであろう社員を自我の気持ちで低く評価することは、一種のパワハラになりますので注意してください。
あくまで問題社員を低く評価することで、退職に追い込むということです。
そして人事に低く評価してもらう時は、明確な理由を伝え低く評価してもらいましょう。
部下に円満に退職してもらうには?
上記でお伝えした退職に追い込む方法は自主退職させることが目的でしたが、理想は円満退職してもらうことだと思います。
パワハラで訴えれることは避けたいため、下記でお伝えする方法を試してみてください。
「あくまであなた自身で決めること」という姿勢で臨む
円満に退職してもらうためには、「退職はあくまであなた自身が決めること」 という姿勢で臨むことが大切です。
退職勧奨に応じるかどうかは、あくまで問題社員の自由な意思に委ねられるもになります。
少しでも自由な意思を失わさせる言動をしてしまうと、円満退職とは離れていってしまいます。
「自分の意思で」という形を取らなければ訴えられることもありますので、退職勧奨をする前提として「あくまであなた自身で決めること」という姿勢で臨みましょう。
一対一で現状の問題点を冷静に伝える
退職に追い込みたい社員は問題点が多いと思います。
仕事的な問題なのか仕事以外の問題なのかは社員によって異なりますが、その問題点を問題社員に伝え明確にしましょう。
伝えるときに大切なことが「一対一」ということと「冷静に」ということです。
一体三などの複数になると問題社員側は怒られているという感覚を覚え、円満退職に持っていくことができなくなります。
さらに冷静に伝えなければ、自由な意思を失わせたとして訴えられる可能性も少なくないです。
そのため一対一で冷静に問題点を伝え、問題社員に自覚させましょう。
自分が「問題点だらけ」ということに気付くと、円満に退職してもらえる可能性が高いです。
書面にて改善を要求した旨を残す
問題社員に改善を要求した旨は口約束ではなく、書面として残しましょう。
書面として残すことで正式な証拠として認められ、問題社員も逃れることはできなくなります。
さらに書面で残した改善の要求に応えなければ、会社から「解雇」を言い渡すこともできる可能性が高まります。
一対一で冷静に伝えたことの意味がなくならないように、しっかり書面に残すことをおすすめします。
退職に関する面談はあらかじめ回数を決めておく
退職に関する面談回数はあらかじめ決めておくことが大切です。
面談回数を決めていないと、いつまで経っても退職に追い込むことはできません。
そして面談回数を問題社員に伝えることも1つの方法で、「この回数で改善しなければ解雇される」という感情を覚えさせることができます。
不安な感情を覚えさせることで問題行動が改善される可能性も高くなりますし、自主退職してくれる可能性も高くなります。
さらに面談回数を決めておくことは、問題社員から訴えられないようにすることもできます。
面談回数や面談時間が長すぎると、自由の意思を失わせるよう強制があったと判断させることも少なくないため、退職に関する面談は何回までと決めておきましょう。
社内規則に違反しているなら規則に従って対応する
社内規則に違反しているのであれば規則に従って対応して、問題社員を解雇してください。
上記で会社都合によって退職させることはできませんとお伝えしましたが、社内規則に違反しているのであれば話は別です。
社内規則は会社のルールになるため、会社都合で解雇しているのとは訳が違います。
ただし、規則に従って対応することが大切です。「社内規則に違反しているので解雇」では規則によって対応できていませんので、時間をかけて規則通り退職してもらいましょう。
部下が会社を辞める前の「8つの兆候」に上司は気付いているか?
まとめ
この記事では問題社員を退職に追い込む方法をお伝えしましたが、いかがだったでしょうか?
何度もお伝えしますが問題社員だからといってパワハラをして退職に追い込むことは「違法」になるので、絶対に辞めておきましょう。
さらに露骨な「退職勧奨」はパワハラとして判決される可能性があるので注意してください。
問題社員とはいえ理想は、円満に退職してもらうことです。
円満な自主退職をしたもらうためにも、上記でお伝えした方法を参考にしてみてください。