介護の仕事って、給料が安いイメージですよね。
イメージじゃなくて、「普通」に働くと実際安いんですよ。
厚生労働省の統計によると、全産業の平均月収に比べて介護業界で月収は約10万円低いと言われています。
結構げんなりしてしまう現実です。
そんな悲しい介護業界でも、高収入を達成している人はいるんです。
収入アップの鍵となる秘訣は「転職」。
介護業界に限ったことではないですが、転職にあたっていちばん重要なのは「情報」です。
情報をよく集めて働き方や働く場所をしっかりと見極めることができれば、介護業界でも高収入で働くことができます。
ここでは、実際に介護職として月収40万円を達成した経験のある私が、介護職でも高収入になれる転職の秘訣について紹介していきます。
介護職の年収事情について知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
目次
介護職で高収入を目指す方法
給料を上げるためには同じ介護施設に長く勤めたり、給与額が高い施設で働いたりする方法があります。
より高収入を得るためには、ほかの方法も視野に入れましょう。
収入アップの手段を組み合わせることで、より高い年収につなげられます。
介護職で高収入を得るには資格が必須
介護職員で一番てっとりばやく収入を上げるのが資格を取得することです。
どの介護施設でも資格手当は支給されています。
介護職員初任者研修だったら最短一ヶ月で誰でも修了できますし、毎月数千円の収入アップになります。
介護福祉士資格を取るのに必須の介護職員実務者研修も修了すると、どこの施設でもさらに給料が上乗せされるはず。
資格を取得することで、人材としての価値も上がるので、より有利な条件で転職しやすくなります。
自分のキャリアにも自信が持てますよね。
介護業界は人材不足。取得した資格を生かして他の介護施設へ自分を、さらに高く売り込むことができ収入アップを見込めます。
夜勤手当を増やそう
介護職で高収入を得るためには、夜勤手当を増やす方法をおすすめします。
24時間利用者さんの介護が必要な特別養護老人ホームや介護老人保健施設では交代で夜勤のシフトがあります。
夜勤に入ると手当が支給されるので、収入アップを目指す人は積極的にシフトを組んでもらいましょう。
夜勤だけで働く「夜勤専従」であれば、収入アップに加え多めの休日が見込めます。
ただし、夜勤が続くと体調を崩す原因になるため、健康管理は十分に行いましょう。
介護職でキャリアアップする
介護職で主任にフロアリーダーにキャリアアップすれば、資格手当がついて基本給がアップする可能性があります。
役職手当は介護施設ごとに異なりますが、毎月1万円ほどの月収アップが見込めるでしょう。
介護職で役職につくと、給与やボーナスの査定や評価が有利になる場合もあります。
資格を取得すれば、ケアマネージャーやサービス提供責任者、支援相談員など、より高収入が目指せる仕事へのキャリアアップも可能です。
介護職以外に副業をする
介護職だけで高収入を目指すことが難しい場合は、空いた時間をつかった副業がおすすめです。
事業所によっては副業を禁止している場合があるため、事業規程の確認をしたり上司へ尋ねたりしてください。
介護の経験を生かした副業なら、アルバイトや短期派遣などほかの施設で働くことも可能です。
介護職の体験や仕事に活かせるスキルをブログや動画で公開し、アフィリエイト収入を得る方法もあります。
副業の時間は介護職から離れたい場合は、飲食店やコンビニのアルバイトなどさまざまな仕事が選べます。
好条件の介護職に転職する
現在、勤めている介護施設で収入アップが見込めない場合は、転職を視野に入れて考えましょう。
介護職で転職をすると短期間での収入アップが可能な場合があります。
介護業界は人手不足が続き、多くの施設で求人募集が行われています。
基本給や給与の査定方法、賞与や各種手当の金額は働き方や施設によって異なるため、募集条件をよく確認してください。
介護職で高収入の求人を探すポイント
介護職で高収入の求人を探すポイントを紹介します。
転職サイトを利用して求人を探す場合は、最終更新日の日付と、くわしい募集要項を確認してください。
基本給以外の所与や手当を確認
夜勤手当や資格手当の支給額と、交通費の上限などを確認しましょう。
基本給が高くても手当てが少なかったり、交通費が支給されなかったりすると、収入が下がってしまう可能性があります。
手当を含めた月収を計算すると現在の年収を上回るか、きちんと比較してから応募を決めてください。
交通費が支給されない条件でも、自宅から徒歩や自転車で通える場合は問題ありません。
通勤方法や職場への距離を計算して、ベストな転職先を選んでも良いでしょう。
介護職として長く働ける職場かチェックする
人間関係や環境が悪く働き続けるのが難しい施設は、年収アップにつながりません。
介護職で高収入を得るにはきつい仕事や努力が重要ですが、ストレスがかかる環境で無理をすると体を壊してしまいます。
応募したい求人を見つけたら、施設への見学を希望し職員や利用者さんの様子を見ましょう。
しかし好条件の介護の仕事はすぐに求人が埋まってしまう場合が考えられるので、条件をよく考えて早めに応募しましょう。
介護職で高収入を目指すなら派遣社員もおすすめ
派遣社員と正社員、もし同じ仕事をするならば正社員のほうがいいよな、と思う人が日本では大半なのではないでしょうか。
私も雇用形態を正社員に絞って転職活動をしていたことがあります。
安定していて、給料も高いんじゃないかという何となくの理由ですが、その時は無意識に正社員信仰というものに洗脳されていたのだと感じてますね。
実際、正社員は確かに解雇されづらいですし雇用され続けているという、安心感は得られるでしょう。
ですが介護職は「稼ぐ」という観点からすると、正社員が必ずしも一番稼ぐ働き方ではありません。
場合によっては、正社員より派遣社員に転職したほうが遥かに稼げます。
なぜ介護職の派遣社員は稼げるのか?
普通の業界だったら、正社員より派遣社員の方が稼げるなんて考えられません。
正社員になりたいけどなれないから仕方なく派遣社員をやっているという方も、他の業界ではいると思います。
しかし介護職・看護職はこの図式が逆転します。
派遣の方が給料(時間単価)が高いのです。
例えば正社員の場合、手取りで給料が20万以下のところがたくさんあります。
私も特養の正社員(常勤職員)で働いていた頃、手取りで16万円しかもらえず戦慄したことがありました。
もちろんボーナスもスズメの涙です。
これが派遣になると、日勤の時給1,600円とか夜勤の単価が30,000円を超える案件がザラにあります。
もちろん、きちんとした派遣会社を選ばないといけませんが、介護・医療業界は派遣の給料が高い傾向にあります。
なぜかというと、正社員が欲しいのに、圧倒的に人手が足りないからです。
あんな低い給料だったら正社員になんてなりたくないですよね。
いくら安定を求めるからと言っても安すぎてとても働きたくはないです。
とはいえ現場は人手が足りないので、単価が高くても「派遣」を使ってしのいでいくしかありません。
少しいびつな業界構造があるのです。
一般的な業界しか経験したことのない人にとっては信じられないことかもしれませんが、介護業界では、派遣の方が正社員より稼げます。
派遣の介護職は実は安定している
正社員への転職希望者が少ないこともあり、介護職はどこも人手不足です。
ということは圧倒的な売り手市場ということができます。
そのような流れもあってか、派遣会社も転職を希望して登録をする人たちに対しての保障も手厚くなってきています。
正社員とそんなに大差ないのではないでしょうか。
社会保険はきちんとありますし残業代もしっかり出ます。
介護に携わる人材の不足は2035年には、なんと2015年の20倍の約79万人に達してしまうと経済産業省より発表がありました。
数字が大きすぎてイメージがつかないですが、介護職の人材が充足するということはないということがわかるのはないでしょうか。
需要がありつづけるので継続的な売り手市場です。
介護の仕事がなくなるということはしばらくないですね。
介護職の派遣社員の場合、契約が切れると別の施設に移ることになりますが、次の施設が見つからないということは考えられません。
なので、むしろ介護職の派遣社員は仕事にあぶれることがなく安定しています。
他の業界なら、契約が終わったあとしばらく働き口がないということもあります。
そういう意味では、介護の業界は安定した業界であるということができます。
派遣の中でもさらに稼げる夜勤専従
派遣の介護職の中でも特に稼げるのが夜勤専従です。
24時間稼働し続けている介護施設において、とにかく夜勤者は確保しなければなりません。
確保しなければ、日勤帯の介護職員が入らざるを得なくなるので死活問題です。
シフトを組むときに何よりもまず夜勤から埋めていきますからね。
なので、夜勤専従は需要もあり、さらに働く時間が深夜帯ということで、さらに単価が跳ね上がります。
22時から翌5時までは、割増賃金になります。
これは法律で決まっていることなので確実にもらえます。
夜勤は重労働というイメージもありさらなる人手不足。
派遣会社もキャンペーン価格と銘打ってさらに賃金が割増される施策をうったりしています。
1回の夜勤単価が30,000円のところ、キャンペーンで35,000円も結構あります。稼ぎたいなら、夜勤専従の派遣社員への転職はオススメです。
介護職の正社員は高収入が期待できない?
現場の介護職として正社員で転職を考えている人もいるでしょうがおすすめできません。
- 給料が安すぎる
- サービス残業が絶対ある
- 人間関係に振り回される
介護職の正社員は給料が安い
現場の介護職正社員の給料は基本的に低いです。
ボーナスの基準となる基本給もあまりにも低いところがほとんど。
業界の給与体系が整備されていないと感じますね。
私が正社員で働いていたときの1年のベースアップは3,000円で驚愕した覚えがあります。
1年で3,000円しか給料が増えないのか…。
ということはここで10年勤続年数を積み重ねていってもたった30,000円です。
絶望しかなく、すぐに転職を考えました。
ボーナスを合わせても年収で300万をちょっと超えるくらいの施設がほとんど。
だから職場結婚をした男性の介護職員は寿退社をして、他の業界の仕事へ転職をするケースもあったりします。
派遣介護士なら、十分家族を養える給料がもらえますから結婚を機に転職するのもありですよね。
正社員はサービス残業が多い
介護職の正社員は、とにかくサービス残業が多いです。
年に1度の納涼祭や毎月の行事、意味のない会議や、強制参加の研修などとにかく時間を拘束されます。
仮に1時間の残業がつく仕事であっても、介護職の人たちは真面目なので3時間以上かけて行事の準備をしたりします。
確かに職員みんなで作り上げていくものに対しての喜びというものはあるのですが、無給で行われることが多いため、これではやりがいの搾取と言われても仕方ないというのが実感です。
派遣社員ならば、決められた時間を過ぎれば残業代が発生しますから、無用な拘束に振り回されることはありません。
定時に退社して、プライベートを充実させましょう。
人間関係に振り回される
介護施設あるあるですが、どこの施設にもヌシのようなおばちゃんヘルパーが存在します。
別におばちゃんに限らないですが、介護職の離職率が高い原因となっているのが人間関係です。
もちろん人間関係が円滑に回っているホワイト施設もあるのですが、正社員で勤めると、完全に運の要素が関わってきてしまい、人間関係が悪くても我慢しなくてはなりません。
その点派遣社員だったら、嫌ならさっさと別の場所に移ればいいので、人間関係のしがらみからも自由です。
働き口はいくらでもあるのですから。
介護職で高収入が得やすいのは管理職
例えば結婚している人で、どうしても派遣社員になるのに抵抗がある人や、家族に正社員のポジションを捨てるのを反対されている人もいるでしょう。
正直、現場の介護職員を正社員でやることにメリットはあまり見つかりません。
もし、正社員で介護業界で働き続けたいなら、管理職候補で転職活動をしましょう。
介護の管理職なら年収500万を目指せる
介護職の中で高収入なのはいわゆる施設長と呼ばれる管理職です。
介護職員はパートタイマーや派遣の非正規雇用が主力の施設も多く、職員の教育や管理を任されるリーダーと言う立場になれば収入は上がります。
事実、年収500万円以上の求人は管理職候補やエリアマネージャーといった管理職の仕事が多いです。
現場の介護職員のときにリーダー経験を積んでおこう
とはいえ、施設長などの管理職は、介護職の誰でもなれるわけではありません。
計画的なキャリア構築が必要です。
ある程度現場でリーダーシップをとることの多い、介護主任・介護リーダーなどの役職になると管理職へのステップアップをアピールしやすいです。
与えられた仕事を受動的にこなすのではなく、能動的に仕事をこなすようにしましょう。
同僚や新人が困っていたら率先して助けることを繰り返せば自然と評価は上がり、リーダーへの登用が見えてくるはずです。
介護現場でリーダーシップを磨いたら管理職候補で転職活動しよう
現場で介護主任や介護リーダーとしてリーダーシップを磨いたら、他の会社へ管理職候補として転職活動をしましょう。
管理職候補とは、その会社の幹部候補生です。
特に問題がなければ、半年以内に管理職へ昇格できる可能性が高いです。
管理職になれば、介護業界の中では給料が高い部類になります。
介護職で高収入を稼ぐためにはスキルアップが必須
いかがでしたか。
情報をきちんと精査すれば、介護職でも高収入を目指すことができます。
「稼ぐ」という観点で言えばオススメは介護職の派遣社員として勤務することです。
派遣の夜勤専従は更に稼ぐことができます。
正社員にこだわるのであれば、管理職候補として施設長を目指しましょう。
売上などの数値管理などマネジメントの視点が必要になってくる役職ですが、とてもやりがいがあり、社会的な地位も比較的高く見られます。
また、自分を高く売るためにも介護に関わる資格はぜひ取得しておきましょう。
収入アップに大きく貢献してくれるはずです。