介護職員特定処遇改善加算とは2019年よりスタートした比較的新しい制度です。
一言でいうと勤続10年以上の介護福祉士の給料を月8万円アップor年収にして440万円の支給を行えるような賃上げ制度になります。
介護職員処遇改善加算に対して特定の介護職に対して更に年収アップをさせる仕組みです。
簡単に介護職員処遇改善加算(処遇改善加算)と、介護職員特定処遇改善加算(特定処遇改善加算)の違いにおさらいしましょう。
どちらの処遇改善加算も介護職であれば誰ももらえるわけではなく、施設が「3つキャリアパス要件」を果たしているか「職場環境等要件」を満たしているかによって大きく変わります。
それぞれの要件について簡単に見ていきましょう。
目次
介護職員特定処遇改善加算の要件とは?
職務内容に応じた賃金体系が整備されていること
介護職の役職や職務内容に応じた賃金体系の整備をしていること。
施設には主任やリーダー(サブリーダー)などを配置しているのが一般的ですが、役職者にるための条件や役職手当を支給しており、その情報が周知徹底されているかということです。
知識・スキル向上の研修が実施されていること
資質向上のための計画を策定し、研修の実施や機会を設けること。
具体的にはヒヤリハットやインシデント、介助方法や知識の研修を定期的に行うことで、介護職の資質向上や周知徹底を努めているかどうかということです。
経験・資格に応じて昇給できること
経験や資格などに応じて昇給する仕組みが確立されていること。
資格手当や経験数に応じた昇給する仕組みがしっかりと整備されていることであり、それ以外にも人事考課(能力給)や勤続年数に応じた昇給も含まれ、その要件も周知徹底しているかということです。
職場環境改善の取り組みが行われていること
賃金改善以外の処遇改善の取り組みがされていること。
たとえば記録や申し送りをする際に紙媒体ではなくパソコンを使用することで、記録の効率化をはかったり掃除ロボットを導入するなど、介護職の負担を軽減する取り組みがされているかということです。
このような要件を満たす施設でなければ、いずれの処遇改善加算も介護職の手には届きません。
介護職員特定処遇改善加算の目的
処遇改善加算の基本的な考え方は介護職全員の年収アップを狙っているため、需給対象者が幅広くいるのが特徴です。
一方で特定処遇改善加算は介護職の中でも特に経験や能力のある職員に対して目を向けられており、リーダー級スタッフの年収アップを目的としています。※そのために「特定」とついています。
特定処遇改善加算は誰がもらえるの?
基本的には介護福祉士として勤続10年以上の人が対象となり、月給にして8万アップor年収にして440万円程度の賃金を支給することを目的としています。
ちなみに440万円というのは全業界の平均年収額であり、それを目標としています。
現実的には介護福祉士として勤続10年以上というスタッフは少なく、施設によってはそのような人材がいないケースも考えられます。
必ずしも介護福祉士として勤続10年以上の人が対象ではなく、勤続年数が長く経験が多い人や能力の高いリーダー級のスタッフに案分することも可能です。
案分割合についてはリーダー級介護職が2、一般介護職は1、その他職種が0.5を基本としていますが、事業者の裁量によるところが大きいのも現実でしょう。
特定処遇改善加算の対象外となるサービス
訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅療養管理指導、福祉用具貸与、介護予防訪問看護、介護予防訪問リハビリテーション、介護予防居宅療養管理指導、介護予防福祉用具貸与、居宅介護支援、介護予防支援などがあります。
その他にも原則として施設責任者やケアマネ、看護師や事務職など直接介護に携わらない職種に関しては原則として加算対象外です。(兼務の場合を除く)
今後年収アップを狙うなら介護福祉士の資格取得をおすすめ!
今後も介護業界はますます需要が多くなりなることで、より質の高いスタッフが求められるでしょう。
介護職で最高峰の資格ともいえる介護福祉士を取得することによって、資格手当や昇進などのキャリア、年収アップの機会が増えていきます。
介護福祉士は学歴不問であり、受験資格に必要な実務者研修などの費用や日程も施設がサポートをしてくれるケースも多くあります。
将来性や需要性のある資格であるにも関わらず費用面のサポーが充実しており、難易度等も比較的易しい資格は介護福祉だけといっても過言ではないでしょう。
介護福祉士で年収アップする方法
介護職には様々な年収アップの道が用意されているので、ここでいくつか紹介します。
夜勤のある介護施設に転職する
基本的に多くの施設では24時間365日営業しているため「夜勤」勤務がありますが、中には訪問介護やデイサービスなど「夜勤」勤務がない施設もあります。
施設にもよりますが夜勤勤務を行うと夜勤手当が発生し、1夜勤に対して5000円~1万円程度が別途支給されるので年収アップに大きく貢献するでしょう。
派遣社員として働く場合には「夜勤専従」といって夜勤勤務のみを行い、ガッツリ稼ぐというスタイルも存在するほどです。
正社員の場合はあらゆる勤務をこなす必要があるので、このような働き方は難しいのですが施設長などに相談することで、シフトで夜勤を多めにいれてもらえる場合もあります。
資格を取得して手当を増やす
介護資格の中で資格手当がつきやすいのは初任者研修、実務者研修、介護福祉士、ケアマネージャーが一般的でしょう。
初任者研修、実務者研修の場合には数千円程度、介護福祉士では1万円~3万円程度、ケアマネージャーでは3万円~5万円程度と難易度に応じて徐々に資格手当が上がるのが一般的です。
介護福祉士になることができたら、ぜひケアマネージャーを目指すことをおススメします。
介護職の場合であれば、ケアマネージャーの受験資格は介護福祉士を取得してから5年間実務経験を積むことだけです。
介護職として働くだけで無駄なく受験資格を得られ、ケアマネになることで年収アップや昇進の機会も増えることになります。
管理職への昇進を目指す
最大の年収アップの方法と言っても過言ではないでしょう。
リーダーや施設長の管理職となることで役職手当が5万円~10万円程度つける施設が一般的です。
ポイントとしては介護福祉士やケアマネージャーの資格保有者が施設長として抜擢されやすいということと、小規模の施設であるほどポストが空きやすいということです。
介護福祉士やケアマネージャーは客観的に見た際に、名刺に記載されていればそれだけでご家族様に安心感を与えられるということもあり、信頼関係に直結します。
小規模の施設は大抵、地域や全国に系列施設を展開していることが多いため、必然的に管理職のポストが多くあるということです。
一方で特養や有料老人ホームなどの大規模な施設はその規模から多くの施設を展開することが困難であり、必然的にポストの絶対数が少なくなります。
最終的に管理職を目指す方は、特養や老健などで知識と経験を積んで資格を取得したのちに、小規模の施設を多数展開している民間施設に転職する手もあるでしょう。
年収アップにおすすめの介護職転職サイト
ここでは年収アップに役立つ転職サイトを紹介します
きらケア介護エージェント
きらケア介護では主に派遣社員の案件に強いことが特徴です。
転職活動の際には介護や医療職の経験が豊富にあるアドバイザーが担当になり、就職者のヒアリングから面談日程の調整したり、施設に対して疑問点があればしっかりと答えてくれます。
かいご畑
かいご畑も主に派遣社員に対して強いサイトと言えるでしょう。
最大の特徴はキャリアアップ支援応援制度として、初任者研修や実務者研修から介護福祉士の受験対策までの費用をすべて負担してくれることにあります。
条件としては派遣社員として就業していることなどが挙げられますが、トータルで数十万円近くする受講料を負担してくれるところは多くありません。
まとめ
処遇改善加算は介護職本人の努力だけではなく、施設が要件を満たし申請しているかがポイントです。
現在では多くの施設が申請をしていますが、中には申請をしないために介護職が処遇改善加算をもらえない場合もあります。
転職や就職の際には上記のような転職サイトを駆使して、しっかりと年収アップにつなげられる施設をピックアップしていくことをおススメします。 “